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安藤たい作区議が第3回定例会決算特別委員会で総括質疑を行いました

2019.10.16 安藤 たい作区議

安藤たい作区議

私は、開発優先の区政から、住民が主人公、暮らし・福祉最優先の区政への転換を求め、 超高層再開発、区庁舎建て替えについて質問いたします。
委員長の許可を得ましたので、随時、パネルや画像など、資料を提示させていただきます。

共産党は、区が進める超高層開発による、局地的で短期的な人口集中により起きている弊害、駅の超混雑、区立学校にも及ぶ日照被害、風害、災害、停電時のリスクの蓄積などを指摘し、その転換を求めてきました。
さらに、超高層の再開発は、周辺地域に大きな影響を与えるだけではなく、桁違いの補助金・税金が投入され、進められています。

そこで、まず伺います。これまで区が再開発事業に投じてきた補助金総額は幾らか。
また、再開発を進める上での検討委託予算は幾らか。今年度の予算額と、この10年間の合計額、そのうち一般財源が占める割合は何割なのか伺います。

中村都市環境部長

今まで市街地再開発事業について幾らの補助金を出してきたのかというところでございますけれども、まず、こちらの総額というところでは、昭和62年完成の大崎ニューシティをはじめといたしまして、区が補助金といたしまして約1,325億円を支出しております。
まちづくりにつきまして、さまざまな手法を持ちながら安全安心のまちづくりを進めているところでございます。まちの課題、住宅の密集や、緊急車両の入れない道路の解消、あるいは空地広場の確保。さまざまな課題を解決するために行ってきたというところでございます。

今年度の予算は6,165万円でございます。それから、補助金の国費に占める割合でございますけれども、こちらは、今年度につきましては300万円ということでございます。
先ほど申し上げました今年度の6,165万円に対して300 万円ということで、約5%ということになります。

これは、国費が入るということになってから大体5%ぐらいという流れでございます。
それと、国費の内容でございますけれども、これは地域のまちづくりに関しまして、特にマスタープラン等の上位計画、あるいは周辺の道路との整合性など、地域の中の調和というところで、開発におけるまちづくりがしっかりと進められていくように、検討の委託費というところで出しているというところでございます。

安藤たい作区議

まず、1,325億円の補助金は、これまでこの額ですが、100ベッドの特別養護老人ホームの建設費を30億円とすると、44カ所分に当たります。
現在の特別養護老人ホーム待機 者500人は、1,325億円の1割足らずでゼロにできます。
また、六千云々とありましたが、これは検討経費だけでその額だと。

私が今年度の予算を計算しましたところ、開発のための駅前広場設計委託費も入れたところ、2億1,129万円、検討委託費だけで使っています。1
0年間で何億円に上るというのはわかりませんでしたけれども、後でお答えできればお答えください。

検討経費だけで、10年間でどれだけ積み上がってきたか。これも後で伺います。

しかも、こうした検討経費というのは、今、5%と国費がありました。ほとんどが一般財源。
つまり、区が自由に使える独自財源のことです。
一方で私が言いたいのは、品川区は一般財源を福祉充実に使うことには極めて否定的です。
その典型例が国民健康保険料です。区がこれまで国民健康保険会計に投入してきた一般財源を削減してきたことで、保険料が急騰。払いたくても払えない方が急増し、過酷な差し押さえも行われてきました。
国民健康保険の加入者というのは、年金受給者や非正規雇用、自営業者など、所得が少ない方々です。共産党は、この8年間で区が一般財源からの繰り入れを10分の1に削減し、一方で、40代夫婦・子ども2人の4人世帯の保険料は10年間で2倍に上がったことを指摘し、せめて子どもの均等割保険料を無料にせよと求めました。

しかし区は拒否し、そして、その理由を、「それは一般財源で賄うことになるが、一般財源は国民健康保険加入者だけでなく、他の区民の税金が入っている。負担の公平性の観点から非常に困難」と説明してきました。子どもの均等割の無料化は約2億円で可能です。
なぜ、子どもの均等割無料化には一般財源を使わないのか、伺います。
区の理屈では、再開発の一般財源投入も不公平だということになるのではないでしょうか。伺います。先ほどの 答弁漏れとあわせてお願いします。

福内健康推進部長

私からは、国民健康保険の子どもの均等割無料化についてお答えいたします。
国民健康保険は全国同一の制度でございます。子どもに係る均等割軽減措置を含め、その制度上の課 題につきましては、国が責任を持って対応すべきものと考えてございます。
区といたしましては、子どもの均等割の無料化を国に求めてございますが、引き続き、特別区長会および全国知事会を通して要望してまいります。

中村都市環境部長

失礼いたしました。1つ答弁漏れがございました。
過去10年間において、区が行うまちづくりの委託に関して、単費で行っているということで5億5,100万円、これは単費10年というところでございます

安藤たい作区議

再開発の税金投入額は1,325億円と、文字通り桁違いです。
しかも、今年度予算では、開発検討経費だけで2億円の予算が組まれておりました。
区が自由に使える一般財源を使うというのに、社会の宝であり希望である子どもが健やかに過ごすための2億円に、なぜ区はお金を出さないのでしょうか。
先ほど、区の今までの答弁も紹介しましたけれども、改めてその理由を伺いたいと思います。

福内健康推進部長

国民健康保険制度は相互扶助の考えに基づいた制度でございます。加入者がお互いに支え合う社会保険の仕組みを基本としており、国・都からの負担金と加入者の皆さんに納付していただいている保険料を財源に運営しております。
区ではこれまでも一般財源から国民健康保険会計に繰り入れをし、負担しておりますが、これまで以上の一般財源の投入は難しいと考えております。
一方で、保険料は、国民健康保険の財政運用を支える根幹でもございますので、財源確保につきましては、引き続き国や都に要望してまいります。

中村都市環境部長

今、地域でさまざま動いております再開発につきましては、具体的には、先ほど申し上げました老朽建物狭隘道路といったものの解消、また空地の確保など、防災性の向上といった ものを図る目的で、区として委託として支出しているものでございますので、これは必要な経費、予算であると認識しております。

安藤たい作区議

子どもの均等割の無料化を国に要望していると。その必要性はみずから認めながら、みずからは一般財源から出さないと。
結局、区の本音は、開発には区のお金は使うが、福祉充実には使いたくないということです。この姿勢は大問題だと思います。子どもの均等割無料化は、都内でも4つの自治体が実施しています。その実施を早急に求めたいと思います。

こうした開発優先の区政運営は、子どもの教育環境すら意に介しません。こちらをご覧ください。
こちらは、東五反田二丁目第三地区の再開発です。150メートルマンション、110メートルのオフィスビルの真北にあるのが区立日野学園、黄色で塗ったところです。超高層により日照が9時から4時、大幅に奪われます。
先日行われた住民説明会に参加しました。「学校があるにもかかわらず、ここまで高いビルの計画が出るとは、正直思わなかった」、「子どもの教育環境が劣悪になる」との意見が出されていました。
みずから進める再開発により、区立学校の日照が大幅に奪われる弊害を、区はどう考えているのか。これでよいと思っているのか、伺います。

中村都市環境部長

日陰についてですけれども、これは区立学校だけではなくて、開発周辺の建物に対しては可能な限りの配慮をするということで、事業者あるいは組合には指導しているというところでございます。
日野学園は、東五反田二丁目第三地区においてですが、日影規制が特にない地域ということになっております。そして、高度利用地区を図っていくという区域であるとも認識しております。
ただ、日影規制がないといいましても、高度利用を図る地域で、やはり周辺に可能な限りの配慮をするというところにおきましては、この地区におきましては日陰の方向、これは南北方向に建物の形状を工夫いたしますと、日陰の発生が最小限に抑えられるという工夫ですとか、あるいは2棟のビル、実際には建設が2棟の仕様ということになっておりますけれども、この2棟の間隔をできるだけ離して、日陰に対する影響を軽減するなど、こういったところで、区の指導にも基づいて努力しているというところでございます。

安藤たい作区議

これが配慮でしょうか。これだけの日陰を与えるのが配慮と言えるのでしょうか。
開発のためには、子どもの健康だけでなく、教育環境すらお構いなしとは、自治体のやることですか。あまりにゆがんだ区政運営だと私は言わなくてはいけません。
そして、こうした区政運営は、区民の財産である区庁舎にも及ぼうとしています。区庁舎建て替えの問題です。

これまで共産党は、現在の区庁舎の耐用年数17年後までもつことも踏まえ、計画段階から の住民参加を位置づけた丁寧な検討を求めてきました。
しかし、そうした区民参加の検討は一切行われないまま、区は8月の行財政改革特別委員会にて、区庁舎建て替え候補地とスケジュール案を、突如、提示しました。こちらをご覧ください。
この赤い部分、劇団四季や保育園があるこちらの敷地をJRの敷地と交換して、現庁舎の隣に新庁舎を建設。2021年から基本構想の策定、2024年新庁舎の建設開始、8年後の2027年には完成および旧庁舎解体とのスケジュール案です。
款別審査では、区有 地を含む開発検討業務の委託経費が累計3億円を超え、日建設計への委託費です、その報告書は15本 に上ることが明らかになりました。
しかも、そのうち一部を情報公開で入手すると大半が黒塗りでした。 区庁舎の検討が、区民には隠して、一部の開発企業とのみ行われてきたことは大問題です。平成29年度の広町地区開発構想に向けた施設活用に関する検討業務委託の報告書から、3点具体的に伺いたいと思います。

まず1点目はこちら。委託仕様書(案)の委託目的、委託内容すら黒塗りなのはなぜでしょうか。

2 点目はこちら。現庁舎の課題の整理。これも黒塗りです。添付の図面を見ますと、食堂や、できたばかりの防災体験館にも具体的な課題が書き込まれていると推測できますが、やはり黒塗り。
なぜ現庁舎の課題が黒塗りとなるのか。

3点目、結果として、こちらは新庁舎の基本条件の整理。もちろん黒塗りです。丸々、全ページが非公開。なぜでしょうか。以上3点、それぞれの理由を伺います。

中村都市環境部長

まず現庁舎の図面につきましては、現在収納している物品ですとか、こういったものの中で、やはりしっかりと守るべきものもあるというところで、広町の開発と直接関連があると いう非公開の内容ではございません。それから、あと、その他の今後検討していくというような内容のところにつきましては、項目や、あるいは具体的な内容といったところは、情報公開の中で、検討段階という中で、例えば警察や消防をはじめとしまして関係諸官庁や、あるいは共同検討を進めるJRとの一定の協議といったものをしっかりと整理していかなければいけない、さらに、その前の段階におきまして、図で描いてあります案の中でも、やはりできない案だというようなものが当然ございます。と申しますのは、初期の段階での検討の内容というのは、ほぼ完成の時期には原型をとどめていないことも珍しくございません。
そういった中で、繰り返し試行錯誤が行われて、さまざまな検討を行ってきているというところでございますので、こういったものにつきましては、今後しっかり考え方を整理して、 適宜、議会や区民の皆さんのご意見を伺っていきたいと考えているところでございます。

安藤たい作区議

情報公開の結果の紙には、非公開の理由をこう書いています。「政策策定段階での情報を公開すると、不当に区民の間に混乱を生じさせるおそれがある」ということです。こういうふうに書いていました。
しかし、私は伺いたいと思います。委託の目的や項目の公開というのがどんな混乱を生じさせるのでしょうか。先ほどの課題の図面には、食堂などのほかにも、職員の駐車場、スロープにすら黒塗りがあります。現庁舎の課題を公開するとどんな混乱を生じさせるのでしょうか。
新庁舎の基本条件を公開することがなぜ混乱につながるのか。改めて具体的にご説明いただきたいと思います。

中村都市環境部長

現庁舎におきましては、これは現在の利用状況と違っていたり、また公開するべき内容でないというものを、適宜、箇所ごとに判断したというところでございます。
また、これから の検討につきましては、先ほどの繰り返しになりますけれども、やはり、まだ決定の前の案の、さらにその前の整理の段階というところでございます。
こういった中で、実際には、結果、完成してみたら、全く過去の検討とは違ったものになっていたというところがあります。あらかじめこれが出ますと、やはり混乱が起きるというのは、これは正直を言いまして、ございます。
やはりこれも、しっかりと整理 した上で、皆様にご意見をお伺いしたり、報告したり、お諮りしたりという、さまざまお出しできるところまで、区として判断をしっかりしまして、そして整理ができた段階で報告あるいは説明をしていくということが、やはり一番合理的な考え方だと考えております。

例えば、地域の皆様方、庁舎の話が出たときに、自分は3階建てと聞いているのだけど、僕は10階建て、私は20階といった、皆さん意見がやはり違うというのは困りますので、しっかりと説明ができる段階になりましたら、適切な方法をもって周知させていただきたいと考えております。

安藤たい作区議

現庁舎の課題で公開すべきではない内容もあると言いますけれども、課題を知ってこそ、 区民が意見を言える。区民参加ができるのではないでしょうか。
区民の財産である庁舎だからこそ、その建て替え方針を策定する過程には区民参加が不可欠であり、その大前提となる情報の隠蔽は大問題です。この密室検討の背景には、区庁舎建て替えの議論が、大事な区民財産、自治と防災の拠点であるこの庁舎がどうあるべきかということから出発するのではなくて、広町を中心とした大井町開発をいかに進めるかという観点から始まり、扱われてきた。この問題があるということを指摘したいと思います。

区は、区有地をJR敷地と再編し、現庁舎の隣に新庁舎を建てるとの案を示しました。
改めてこちらですが、しかし、もともとの区有地のほうが駅に近く、利便性も価値も高いのに、なぜそこを新庁舎用地としないのかは疑問が残ります。
さらに区は、現庁舎の部分は一切、建て替え用地に含まない方針です。現庁舎跡地には、多くの集客が可能な多目的な施設、つまりアリーナ等の建設が必要との考えを区は示しました。
伺います。

この検討は、JRと一緒に大井町の開発を促進する起爆剤として、区庁舎や区有地をいかに活用するのかが目的だったのではないか。
ゆえに、検討目的や項目、現庁舎の課題まで黒塗りにするなど、徹底した隠蔽を行ったのではないのか、伺います。

中村都市環境部長

現在、広町地区におきましては、区の敷地、区有地と、それからJRの所有地がございます。こういったところが、今、委員がご紹介いただきましたとおり、点在まではいきませんけれども、交互に存在しているというところでございます。
こういった中で、飛び地のまま活用する方法もなくはないとは思いますけれども、やはり検討の中では敷地をしっかりと整理して、この大井町のにぎわいにつながる、また皆さんに便利に利用していただく区庁舎へつなげるというところで考えていかなければいけないというところでございます。
そういった整理をこれからしていくという中では、やはりJRは民間企業でございますので、こういった民間企業の考え方や意向も、その中に加味されるということになります。
そういったところからいきますと、区が全ての情報を公開するという判断はなかなか難しいというところもあります。これは、民間企業の利益を守らなければいけない。
これもやはり混乱につながるというところがございます。そういったところを含めまして、しっかりと情報公開につきましては見きわめて、皆様にご意見をお諮りするようにしていきたいと考えております。

安藤たい作区議

改めて私は、この報告書の名前を読み上げますが、広町地区開発構想に向けた施設活用 に関する検討業務委託です。施設とは、庁舎であり、現在、広町保育園のある区有地です。広町保育園は、開発計画が動き出したことにより、5年間での閉鎖が決まりました。
保護者・子どもには、転園を保障するとの約束の実行が担保されないまま、無理な転園による身体的・心理的負担が押しつけられようとしています。まさに開発が優先との姿勢が、ここにはっきりあらわれています。 大井町には、長年、区が大井プレイス構想など、JRに再開発を持ちかけるも頓挫してきたという歴史があります。

1987年の構想には、アリーナ、ホテル、オフィスも既に書き込まれていました。
そんな中の昨年7月、区とJRは、大井町駅周辺を品川区の中心核としてふさわしいまちにするため、大規模な土地利用転換を推進するとの協定書を結びましたが、この協定書締結でいよいよこの構想が再起動しました。伺います。
区は、区有地や区庁舎を使い、JRに重い腰を上げさせるためのもうけ話を持ちかけたのではないか。ゆえに、そうした検討内容を区民に知らせるわけにはいかないと黒塗りにし、非公開としたのではないか。お答えください。

また、跡地を多くの集客が可能な多目的の施設にするとの方針は、誰がどこで決めたのか。そこに区民のニーズはあるのか、伺います。

中村都市環境部長

現在、情報公開、先ほどご案内の書類は、案のさらに前の整理の段階というところでございますので、ここの中でJRと区が費用の分配といったものを決めるのには、まだほど遠い 段階でございます。
そういった中には、JRの利益や、あるいは区の利益といったものは、考え方としてはまとめたとしても、やはり具体的な金額といったものまでそこで検討するということはできません。
したがいまして、情報公開につきましては、しかるべき整理をして、そして適宜報告していく、あるいは説明させていただくというところの前段階ということのほかに他意はございません。

また、広町地区につきましては、品川区の大井町中心核としてふさわしいまちづくりをしていかなければいけないというところで、関係諸官庁との関係もありますので、この情報公開の中で、まだこれからさまざま試行錯誤していかなければいけない案について全て公開するということは、先ほど申し上げました混乱につながるというところが、まさにございますので、そのような措置をとらせていただいたというところでございます。

安藤たい作区議

区庁舎の問題だから、私はとりわけ問題だと思っています。
庁舎というのは、言うまでもなく区民の財産であるとともに、自治のとりで、そして防災の拠点でございます。
その仮に跡地というところになるのであれば、それも貴重な区民の財産であり、それは切実な区民要望実現のための活用が検討されてしかるべきだと思います。
開発のために、こうした区民財産を利用するような区政運営は、断じて認めることができません。
移転候補地のあり方も含め、住民が求める区役所機能をはじめ、現状の課題の抽出や対策、あるべき庁舎の姿など、開かれた検討を行うため、住民、議会、職員が参加する公開の策定委員会を直ちに設置し、開催すること。公有地は、切実な行政需要、特別養護老人ホーム、障害者施設、保育園等の整備にこそ活用することを強く求めて、私の総括質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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