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安藤たい作区議が一般質問を行いました
「飛び始めてから約半年、引っ越したいほど耐え難い苦痛を強いる羽田新ルートは中止を」
「コロナ禍のもと、豪雨・水害対策の抜本的改善を」
「大崎、大井町、戸越など各地であがる反対の声、これ以上の超高層開発と巨大道路は中止を」
「コロナによる子どもへの不安やストレス、学びの遅れ、今こそ少人数学級の実現で手厚く柔軟な学校教育を」

2020.09.18 安藤たい作区議

質問項目

  1. 飛び始めてから約半年、引っ越したいほど耐え難い苦痛を強いる羽田新ルートは中止を
  2. コロナ禍のもと、豪雨・水害対策の抜本的改善を
  3. 大崎、大井町、戸越など各地であがる反対の声、これ以上の超高層開発と巨大道路は中止を
  4. コロナによる子どもへの不安やストレス、学びの遅れ、今こそ少人数学級の実現で手厚く柔軟な学校教育を

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質問

 日本共産党品川区議団を代表して一般質問を行います。

飛び始めてから約半年、引っ越したいほど耐え難い苦痛を強いる羽田新ルートは中止を

  初めは、飛び始めてから約半年、引っ越したいほど耐え難い苦痛を強いる羽田新ルートは中止をの質問です。

 本格運用から約半年、3時から7時、区内を飛行機がひっきりなしに通過。騒音や落下物、墜落事故の危険に区民はほぼ毎日さらされています。

 共産党の新ルートのアンケートには、約3,400の返信が寄せられ、新ルートに「反対」は67%と多数。西品川では85%に達するなど、ルート直下を中心に深刻な声が上がっています。

 一部紹介します。

 「飛行機はあまりに近く、爆音は空全体から響き、途切れることがありません。外でおしゃべりもできません。これまで静かだっただけに恐ろしい環境になってしまったことが悔しくてなりません」。

 「騒音、圧迫感、落下物、全てが恐怖。小さな子どもを公園で遊ばせるのも不安。毎日おびえて生活したくありません」。

 「子どもたちも恐怖を感じており、音で勉強に集中できない。学力低下につながる。ルートの下に学校もたくさんあり、事故が起こってからでは取り返しがつかない」。

 「在宅勤務時、窓を閉めても騒音が気になり集中できない。リモート会議中に相手の声が聞き取れないことがあった」。

 「夜勤をしているので昼間に眠っていることが多いのですが、音で目が覚めてしまう。毎日ニュースで南風と聞くたび憂鬱になる」。

 このように、新ルートの被害は暮らし、仕事、健康など広範囲にわたっています。それだけではありません。

 「家の中で窓を閉めていても響くものすごい音、圧迫感と心労。こうなると分かっていたら居住地の選択は変わっていた。子どももおり、転居は現実的でなく、心労がたまるばかり」。

 「品川生まれなので、終の住居にしたいと思っているが、音がこのまま続くとなると、老後ここに住みたくないと感じ始めた」。

 「賃貸マンションに住んでいます。便利な土地柄の割にまちの雰囲気が静かで落ち着いているところが気に入って選んだのに、全く印象が変わってしまった。次の更新の時期には転居する」。

 このような、もう品川に住み続けられないという声まで多数寄せられているのです。

 区の基本構想には「住み続けたいまち品川」と掲げていますが、区長は羽田新飛行ルートが引っ越したいほど耐え難い苦痛を品川区民に日々強いていることについて胸が痛まないのか伺います。

 アンケートには、「反対だが、経済活性化のためには仕方ないのでは」の声もあります。しかし、羽田新ルートは、私たちの暮らし向上のための方策では決してありません。

 羽田の国際便増便のため都心ルートを解禁、東京に人・モノ・金を一極集中させる新ルートは、安倍政権の経済政策の中心政策でした。しかし、「財界・大企業が潤えば国民の暮らしもよくなる」と庶民を犠牲にする規制緩和を繰り返してきたアベノミクスの7年8か月で、私たちの暮らしはよくなるどころか悪くなる一方、トリクルダウンの破綻は明らかです。

 にもかかわらず、この路線は改めるどころかますます強化されようとしています。東京都は、7月、国に要望書を提出。その重点項目のトップに「羽田空港の機能強化」を掲げ、これを将来のさらなる巨大インフラ・道路、それに伴う巨大開発実現への引き金として位置づけ、羽田空港アクセス線整備、1メートル1億円の外環道の整備促進、第一京浜の拡幅、3,200億円の日本橋の首都高地下化などを列挙。国に5本目の新滑走路建設と都心低空飛行のさらなる増便を求めたのです。

 アンケートには、「コロナで減便なのに飛ばす必要があるのか」「今は減便だが通常に戻ったらどうなってしまうのか」の声も寄せられていますが、それどころか、将来の際限ない増便が狙われており、これに伴う住民犠牲もまた際限がないのです。

 区の態度が問われます。6月議会で共産党の「なぜ新ルートに抗議も反対もしないのか」との質問に、区は「国の経済の発展のための国策であり、一定の理解をしている」と答弁しました。

 区は、羽田空港の国際便の増加が区民にとって具体的にどのような利点があると考えているのかお聞かせください。

 区長は、新ルートによりこれだけ被害が出ているにもかかわらず、なぜ国に直ちに中止を求めないのか伺います。

コロナ禍のもと、豪雨・水害対策の抜本的改善を

 次は、コロナ禍のもと、豪雨・水害対策の抜本的改善をの質問です。
まず初めに、さきの台風10号で亡くなられた方、被災された皆様に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
各地で猛烈な台風や豪雨による被害が相次いでいます。今回は豪雨・水害対策、避難所の改善を中心に質問します。

 避難所には、段階や役割に応じ、3つの種類があります。1つ目が、台風接近時など自宅での滞在が不安な方を受け入れる「自主避難施設」。2つ目が、避難勧告発令時に危険回避のため一時的に避難者を受け入れる「避難場所」。3つ目が、自宅の浸水や損壊等により避難生活を行う「区民避難所」です。
まず、危険回避のための一時的避難について伺います。
昨年の台風19号では、区でも在宅が不安な方を受け入れる自主避難施設が小中一貫校やシルバーセンターで開設されましたが、多くの方はなじみのある小学校に向かい、混乱が生じました。
迅速で安全な避難のため、水害時の自主避難施設の開設方針を住民に周知徹底することを求めますが、いかがでしょうか。

 目黒川の浸水区域内にある日野学園は、自主避難施設に現在も指定されたままです。また、土砂災害の危険が生じる豪雨時には当然浸水の危険もあるはずですが、土砂災害の避難場所にも指定されています。
浸水区域内にある自主避難施設は対象から外すこと、土砂災害避難場所からも日野学園を外すことを求めますが、いかがでしょうか。

 この間、全国の高齢者施設で逃げ遅れ犠牲者が出るケースも相次いでいます。避難に時間のかかる人がいる施設では、早めの避難の事前対策が不可欠です。
浸水ハザードマップの浸水区域内にある高齢者施設、障害者施設、保育園、幼稚園、病床のある医療機関の数をそれぞれ伺います。また、各施設で水害被害発生前のタイムラインの作成を進めるべきですが、いかがでしょうか。

 次に、被災後の避難生活について伺います。
避難生活を送る区民避難所のうち10か所はハザードマップの浸水区域内にあります。日野学園など浸水区域内にある施設は、水害時の区民避難所からは外し、あらかじめ別の区民避難所を指定し、周知しておくことを求めますが、いかがでしょうか。

 コロナ禍は、体育館で雑魚寝など、これまで難民キャンプ以下と指摘されてきた日本の避難所の質の問題もあぶり出しました。3密による感染の心配から避難を躊躇し、水にのまれるようなことはあってはなりません。換気とともに、間仕切りや簡易ベッドを備えることで距離を確保し、飛沫を防ぐなど、感染症対策含む環境改善は急務。必要な備蓄を考える上では、浸水被害を予想し、避難者数の想定も必要です。
水害時の避難者数を想定すること、間仕切りや段ボールベッドなど必要な数の備蓄を求めますが、それぞれいかがでしょうか。

 また、コロナの下では分散避難、在宅避難も感染リスク回避の選択肢となり、その支援強化も求められます。寝たきりの家族がいるなど避難できない方もいます。災害対策基本法には在宅避難者への情報や生活物資等の行政支援が位置づけられていますが、ほとんど知られていないのが現状です。
在宅避難をしていることを届け出ることで在宅避難者も支援を受けられることを周知すべきですが、いかがでしょうか。

 以上、災害対策の強化について述べてまいりましたが、今や日本列島はどこでも激甚な風水害に見舞われてもおかしくない状況です。背景には加速する地球温暖化があり、この100年間に日本近海の平均海面水温は世界全体に比べて2倍上昇。気候変動への取組は待ったなし、他人事でない課題です。災害対策の抜本的拡充とともに、温暖化克服へ政治が本気で取り組めるかが問われています。日本共産党も全力を尽くします。

大崎、大井町、戸越など各地であがる反対の声、これ以上の超高層開発と巨大道路は中止を

 次は、大崎、大井町、戸越など各地であがる反対の声、これ以上の超高層開発と巨大道路は中止をの質問です。

 品川区は、これまで1,600億円超の税金投入で超高層開発を推進、29号線はじめ区内3本の巨大道路も800億円の税金を投じて進めようとしています。

 こうした行政が住民の暮らしや環境を壊してきましたが、今、区内各地から疑問と反対の声が上がっています。

 先日、共産党区議団は、再開発事業の見直しを求める住民諸団体と懇談会を持ち、大崎、大井町、戸越公園、武蔵小山の各駅周辺5団体が参加しました。

 大井町C地区では、これまで東急を事務局として5回の勉強会が行われてきましたが、超高層ビルへの共同化を望まない多数の地権者が会を結成し、東急に手を引くよう公然と求める状況となっています。地権者からは、「ここに75年間住んでいる住人を追い出すのか」「地区内では建て替えも進み、防災を口実に再開発話が持ち上がった30年前当時と様子も大きく変わっている。高層ビルは必要ない」「苦労して5階建てのビルを建て引っ越してきたのに、その後に再開発とはまるで詐欺だ」「景観、経済的弱者の排除、建て替え問題など課題の多い超高層マンションを次々と建てる再開発を行政が進めていくのは問題だ」などの声が上がっています。

 大井町C地区は、地域住民の声を踏まえ、合意が取れない超高層の共同化を区は断念するよう求めますが、いかがでしょうか。

 大崎駅西口F南地区は、小学校のすぐ隣に航空法目いっぱいの149メートル39階のタワーマンションを建てる計画です。既存の近隣再開発ビルとの複合日影により最後に残った日照も奪われる住民は、「39階は必要ない。住友不動産の利益のため住民を犠牲にするのか」と怒ります。

 大崎駅西口駅前地区は、地区内5棟のマンション建て替え支援を理由に進められてきましたが、今になって「事業性の向上」を理由に、事務局の大成建設が、住宅等をなくしオフィス1棟案、地権者は地区外の開発マンションに移す案が示され、紛糾しています。開発企業の利益を優先し、地権者の地区内に住む権利すら認めないとは、前代未聞です。35年間この地で商売してきた地権者の方は、「行政は開発業者の味方なのか」と怒り心頭です。

 住民合意のない大崎駅西口F南地区・駅前地区は、100%同意を得るまで手続を次に進めないよう区は準備組合に指導するよう求めますが、いかがでしょうか。

 駅前地区の地権者が地区内で権利変換を受ける権利すら認めないとの案は、居住権や財産権を侵し、法の趣旨にすら反するものではないのか伺います。

 一方で、こうした開発促進の条件づくりになっているのが巨大道路です。

 戸越公園駅周辺では、29号線道路を前提に区・都、そして大成建設・東急が進めてきた超高層開発に、住民が反対ののぼりを立てました。また、戸越では、29号線沿道に大成有楽不動産が8階建てマンション建設を進め、問題になっています。周辺に3階しかない住宅地になぜ8階が可能になったのか。区が、道路完成を前提に、先行して容積率の緩和など高層化を促すルール変更をしたからです。ある29号線用地にもかかる近隣の方は、「影も形もない道路を前提に地域環境を壊す建物が建てられるのはおかしい」「自分は買収には応じないからこの道路は絶対に完成しない。完成しない道路は廃止し、虫食いの買収用地は防災広場に転用すべきだ」と訴えます。

 区が進める29号線が周辺の高層化を促し、公園も削るなど、地域の環境を壊していると思わないのか伺います。

 コロナでは、自己責任で医療、福祉など社会保障を削ってきたこれまでの脆弱な社会の在り方が問われました。住民を苦しめる超高層や巨大道路を莫大な税金投入で進める従来型の政治もこのままでよいはずがありません。

 不要不急で住民が反対する超高層開発・巨大道路事業は見直し、税金は思い切ってコロナ対策にこそ充てるべきです。いかがでしょうか。

コロナによる子どもへの不安やストレス、学びの遅れ、今こそ少人数学級の実現で手厚く柔軟な学校教育を

 最後は、コロナによる子どもへの不安やストレス、学びの遅れ、今こそ少人数学級の実現で手厚く柔軟な学校教育をの質問です。

 コロナ禍は、区内小中校生の学びや心身に大きな影響を与えています。突然の一斉休校で友達と会えなくなりました。休校中の勉強は事実上家庭に丸投げとなり、保護者から学びの遅れや格差の心配も寄せられています。

 学校再開後も、修学旅行や遠足、運動会など行事の縮小・中止。感染予防のため、会話も距離を取るようにと言われ、給食中は前を向いて無言で食べます。マスク着用で表情も分かりづらくなり、新しいクラスでの友達づくりにも苦労が伴いました。3か月以上に及んだ休校での学習を取り戻すため、夏休みは短縮、7時間授業、スピードも速まり、子どもはへとへとです。

 ある区立小4年生の子どもにお話を聞きました。「学校が始まって勉強はどう」と聞くと、「1つの単元にかける時間が短くて、すぐテストになる。前の単元を覚えられていないのにテストが始まってしまい、つらい。ついていくのが大変」。「生活については」と聞くと、「学校の行き帰りも、20分休みも、マスクはつけないといけない。友達とおしゃべりする際も近づき過ぎないようにと言われるので、みんな前よりあんましゃべんなくなった」と話します。今、子どもにとって学校は、コロナで受けたかつてないストレスや不安が受け止められ、安心して学べる場になっているでしょうか。心配です。

 ただでさえふだんから品川区は国を上回る授業時間で詰め込んできました。休校明けも、区独自に「今年度中の年間指導計画は今年度中に終え、授業・目当てを達成するように」「標準時間数にできる限り近づける」との方針を出し、現場を追い込み、可能となった7時間授業は、学校によっては小2から実施されています。しかも、授業こま数の確保が厳しい中、学校再開後すぐに十分な学習の手当てもないまま学力テストを実施しました。

 学力定着度調査は、むしろ中止すべきだったのではないのか伺います。

 一斉登校再開後の重過ぎる子どもの負担を軽くするため、以下2点求めます。

 小2からの7時間授業の実施はやめること。

 重視すべき部分、省略できる部分など、単元の精選を早急に行うこと。また、その際は、現場教師も含めて議論を経て行うこと。それぞれいかがでしょうか。

 手厚く柔軟な教育環境を整えるためにも、教室の3密を避け感染から子どもを守るためにも、今こそ少人数学級が必要です。1教室20人では最低1メートルはクリアできますが、40人では1メートルも確保できないと文科省も認めています。

 7月、全国知事会・市長会・町村長会、さらに小中高校および特別支援学校の校長会会長は、相次いで少人数学級の実現を文科大臣に要望。政府の「骨太の方針」にも「少人数によるきめ細やかな指導体制の計画的な整備について検討」と盛り込まれました。

 全区立小中学校および義務教育学校を20人学級にするのに新たに必要な教室数・教員の人数を伺います。

 区長と教育長は、習熟度別学習など教科や場面に限った少人数指導ではなく、少人数学級の実施について賛成なのか、それとも反対か伺います。

 6月の分散登校で、品川の子どもと保護者、教師は、少人数による学校生活を体験することになりました。教員からは、「今この子は分かっているのか分からないのか、顔を見ればよく分かる。少人数のよさを実感した」「不登校ぎみだった子も登校してくれた」などの声が届いています。

 分散登校時の経験も踏まえ、40人より20人学級のほうが子どもにとってよいと思わないのか伺います。

 子どもに手厚く柔軟な学びの場の提供という点からも、コロナ感染症対策からも、一刻も早く区独自に少人数学級に踏み出すよう求めますが、いかがでしょうか。

 以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

答弁

濱野区長

 私からは、再開発等に関するご質問にお答えを申し上げます。

 まず、大井町駅周辺開発についてですが、大井町駅北東の「C地区」では、地元有志の権利者の方々によるまちづくり勉強会が開催されております。安全・安心で活力のあるまちづくりが地域主体で進められるよう、区といたしましても様々なご意見を受け止めながら支援してまいります。

 次に、大崎駅西口周辺開発についてですが、現在、大崎駅西口周辺では、2地区で権利者の方々を主体とした再開発準備組合により、再開発事業に関する検討が行われております。区では、準備組合に対し、権利者の皆様のご希望や生活再建等に十分配慮して進めるよう指導しているところであります。今後も引き続き、権利者の皆様への丁寧な説明と、一人でも多くの方のご理解とご同意をいただける事業となるよう指導・助言してまいります。

 次に、都が進める補助29号線は、発災時の火災延焼を防止するとともに、緊急車両の通行など防災性の向上と交通の円滑化の観点から重要な道路であります。燃えないまち、燃え広がらないまちを早期に実現するために、都と連携し、沿道の不燃化など防災性の向上に向けた取組を進めてまいります。

 最後に、開発等の見直しについてですが、区は防災性向上をはじめとした地域課題を解決するため、再開発事業などを推進しております。これらのまちづくりに関する事業は、地域の将来像を見据え、地元の皆様と一丸となって議論を不断に積み重ねていくことが不可欠な事業であります。区といたしましても、社会情勢の変化を捉えつつ、地域と共に一歩ずつ着実に事業を推進してまいります。

 その他のご質問等につきましては、それぞれ担当の部署よりお答えを申し上げます。

都市環境部長

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

 初めに、地域の声と区の受け止めについてですが、4月の本格実施以降、これまでに落下物や騒音、機体の見え方などに対する約150件の声が区に寄せられております。区は、こうした声を国に届け、落下物対策や騒音軽減策の実施を求めてまいりました。今後も引き続き、地域の皆さんの声をしっかりと国に届けるとともに、より一層の騒音軽減や落下物防止の取組を国に求めてまいります。

 次に、国際線増便による区のメリットについてですが、国は首都圏空港機能強化の経済効果を示し、その必要性を国際競争力の強化と首都圏や地方の成長と発展のためとし、インバウンドの増加は都内地域の活性化につながるものとしています。

 次に、国の事業の中止を求めることについてですが、本事業は国策であり、国の責任において実施されるものでございます。

 区は、平成26年に新飛行ルート案が示されて以降、区民の立場に立ち、一貫して国に対し、区民の不安の払拭に向けた取組や、丁寧かつ具体的な説明を強く求めてまいりました。本格運用開始以降も、落下物対策や騒音軽減に向けたさらなる取組を求めてきており、令和2年5月20日には、区長が国土交通省を訪問し、大臣に宛て新経路を固定しない取組の実施を要望し、検討会が設置されました。区としましては、早急に具体的な方策が示されるよう国に働きかけていくとともに、落下物対策や騒音軽減に向けたさらなる取組について国に強く求めてまいります。

災害対策担当部長

 私からは、風水害対策についてお答えいたします。

 避難施設につきましては、原則として浸水想定区域外に指定しておりますが、避難する方の移動距離や施設の位置関係などにより、やむを得ず浸水想定区域内に指定しているところもあります。万が一浸水の可能性が高いと判断される場合には、当初から開設しないことや新たな施設へ移送することで対応いたします。

 また、区民にとってより安全な避難施設とするために、現在、浸水区域内にある自主避難施設や避難場所については、指定の是非や指定の考え方などについて検討を行っているところであります。一方、区民避難所は、首都直下地震を想定して、あらかじめ指定している施設であり、風水害時は、自宅で生活することができなくなった被災者が発生した場合に、これらの区民避難所の中から浸水状況を確認した上で安全な施設を指定するため、危険な箇所に開設することはありません。

 次に、浸水区域内の要配慮者利用施設についてですが、今年度、水防法に基づき所在地などの精査を進めているところであり、現時点では正確な数を含めて調査中であります。今後、浸水区域内にある施設に対しては、タイムラインを含めた避難確保計画の作成支援を行うこととしております。

 次に、風水害時に必要な備蓄についてですが、区では、昨年の台風第19号の際の区内の避難者数である584名を参考にして、現在、その2倍の被害者に対応できるよう、簡易間仕切りなどの避難生活改善の資機材の導入を検討しております。

 次に、在宅避難者に対する支援についてですが、食料などの物資配布が主体であり、配布は避難所で行うことを基本に周知を考えております。

教育次長

 私からは、教育についてお答えします。

 まず、学力定着度調査についてですが、経年で児童・生徒一人ひとりの学力の定着状況を把握し、教員が個々の児童・生徒の指導に生かすとともに、授業改善を図ることを目的としており、9年生の進路選択にも重要です。
また、出題は前の学年の内容で、特に本年度では、臨時休業期間における学習状況を確認し、分析することで、効果的な学習指導を行うことができます。

 今後も学力定着度調査は着実に実施いたします。

 次に、7時間授業についてですが、国の通知を基に1こまの時間を5分から10分短くするもので、延長になる時間は1日15分程度です。また、学校では、休み時間を長くしたり、下校が遅くならないようにしたりするなどの配慮をしております。

 次に、単元についてですが、各学校は、「区立学校版感染症予防ガイドライン」に基づいて、学習の狙いを明確にして内容を精選し、指導方法を工夫して進めております。教育課程は、そもそも各学校で編成するもので、議員ご指摘の現場教師の考えについては十分反映されているものと認識しております。
次に、全区立学校を20人学級にするために必要となる教室数と教員数ですが、単純にどちらも2倍は必要となります。それだけではなく、教科担当教員の増員や特別教室の増設、給食の備品などに負担が生じます。

 次に、少人数学級の評価についてです。学校では、それぞれの教育活動の場面や児童・生徒の状況に合わせて、学級の規模に応じた指導を行うことが重要です。そのため区では、独自に講師や指導助手を配置することによって、大人数であっても少人数であっても効果的な学習が展開できるよう体制整備を行っております。

 当区のみならず、首長、教育長は、人口動態、学校施設の状況や配置、財源などの諸条件が異なる中でそれぞれ最善を尽くしており、殊さら少人数学級について賛否を明らかにする考えはありません。

 次に、40人学級と20人学級の比較についてですが、双方にメリット・デメリットがあり、学級における児童・生徒数は法律や都の定めにのっとって対応すべきものと考えております。

 最後に、少人数学級への取組ですが、引き続き国や都の基準を踏まえ対応してまいります。

再質問

安藤たい作区議

 自席より再質問します。

 まず、羽田です。声を国に届けると言いますけど、それはただの伝言役。区の意思はないんでしょうか。私は区長に区民の悲鳴を聞いて胸が痛まないのかと聞きましたので、ご答弁いただきたい。それと、いろいろ求めてきたと、検討会も設置されましたと言いますけども、肝心の新ルートへの反対表明、ルート変更を求めること、これはやはり口が裂けても言いません。やってる感はもう結構です。「区民の立場に立ち」と言いました。それであるならば、反対表明とルート変更を求めることこそやるべきではないでしょうか、伺います。

 水害対策については、様々な見直しや検討中ということですが、今は9月、来週明けにも巨大台風が来るとも限らないので、切迫感を持って取組を加速させるよう強く要望します。

 開発・道路ですが、私は具体的に聞いたつもりです。C地区では超高層の断念を、2、大崎西口では100%同意を得るまで進めないようにと指導を求め、また、地権者の残留すら認めない駅前地区は法の趣旨に反する計画ではないかと聞きました。それぞれもう一度お答えください。

 最後に、少人数学級ですが、賛否を明らかにする考えはないとおっしゃいましたけども、現場も今このよさを実感して、全国市長会、校長会も求め、大臣も前向きな姿勢を示しているのに、考えを示すことすらできないとはあまりに情けないんじゃないでしょうか。コロナ禍の下、子どもの現状を考えれば、当然、品川区としても求めていくべきですけども、いかがでしょうか。
以上です。

再答弁

都市環境部長

 安藤議員の羽田空港の機能強化の再質問についてお答えいたします。

 初めに、区民の声とそれに対する区の受け止めでございます。それと、あとは賛否というところでございます。
まず初めに、令和2年3月29日、新ルート、本格実施されました。これ以降、様々なご意見をいただいておりまして、こうしたご意見に対し、区としまして真摯に重く受け止めております。いただいたご意見を国に届けることと併せまして、区として、これまで国に対し、騒音や落下物──これはいただいた意見の中で比較的多い意見でございますけれども、騒音や落下物等の環境影響に対する軽減策を求めてまいりました。

 こうした中で、賛否というところでございますけれども、区としましては、ルートを固定化しない取組、こういったものを求めているというところでございます。これは、国が検討会を設置いたしましたけれども、検討会の設置に際しまして、国は関係自治体から固定化回避の要望があること、また最近の技術革新の進展を踏まえて検討するとしております。したがいまして、賛成・反対ということではなく、まずはこの基本的なルートの固定化の回避に向けた検討、これを国にしていただいて、区としてはそれを注視していくということが大事ではないかというふうに考えております。

都市整備推進担当部長

 安藤たい作議員の再開発に関する再質問に対してお答えいたします。

 再開発を含めましたまちづくりについては、区のまちづくりに関する指針等を踏まえ、ご当地の権利者の方々がお住まいのまちをどのようなまちにしていきたいかをしっかりと議論され、それを共有し、理解と協力をもって進めていくことが必要不可欠であり、大前提でございます。区としては、関係権利者間の協議が適切に進められるよう指導・助言してまいります。

 また、100%同意を求めるべきでないかというご意見もございました。再開発組合の認可に当たりまして、法令では所有権または借地権を有する者のそれぞれ3分の2以上の同意とされております。しかし、将来にわたって住み続ける上でも、その要件に満足せず、一人でも多くの方のご理解とご同意をいただける事業となるよう区として指導・助言してまいります。

教育次長

 安藤議員の再質問にお答えいたします。

 品川区では、人口が急増するという中でも、1年生、2年生、7年生では35人学級ということで取組を進めております。少人数学級、大人数学級、それぞれメリット・デメリットがありますので、現行の体制の中で十分取り組んでまいります。

再々質問

安藤たい作区議

 自席より再々質問します。

 まず、羽田ですが、検討会開催を区の成果のように言っていますけども、この検討会について問われた国は、こういう説明をしていますけど、現在の滑走路の使い方は変えず、前提にした検討だと述べているんですよ。これ、都心ルートの見直しを検討する検討会じゃないんです。区は、国にルート変更をですよ、ルート変更を検討するようにと求める考えはあるんでしょうか、伺いたいと思います。

 それと、区民の声の受け止めについては、区長、やはり最後まで自分の言葉で答えようとすらしないと。アンケートには、「区長には声を大にして反対してほしかった」「意思を持たない区長は要りません」など、厳しい声も寄せられています。1人や2人ではありません。区長はこれでもこの区民の痛みの声に何か言葉はないんでしょうか、再度伺いたいと思います。

 開発ですが、西口の駅前地区の法の趣旨に反する計画なんじゃないですかということに答弁がないので、お聞かせください。

 それと、先ほどから地域主体と言いますけど、現地では何が起こっているかと。紹介したように、あちこちで地域住民からも地区内の権利者からも計画を見直すよう住民運動が起こっています。現実を直視していただきたい。住民の声を真摯に受け止め、これ以上の超高層開発はやめるべきですが、いかがでしょうか。
最後に、学校です。子どもたちの豊かな教育環境の整備に責任を持つ区教委が、今求められている少人数学級導入に前向きな答弁一つできないとは、区民、保護者もびっくりだと思います。改めて区はなぜ国に少人数学級を求めないのか理由を伺いたいと思います。そして、区独自に少人数学級に努力すべきです。いかがでしょうか。

 以上です。

再々答弁

都市環境部長

 羽田空港機能強化についてお答えいたします。

 初めに、区が求めてきた固定化回避の内容についてですけれども、これは特定の個別の方法ということではなく、個々の検討内容は国が決めるということで考えております。国としましては、この検討に際しては技術革新の進展を踏まえた検討内容というところでございますので、これはやはり国の責任において検討するべきというふうに考えております。

 次に、区民の声についてですけれども、これは、区としましても、やはり区民の安全・安心の確保が最重要ということを考えながら、これまで国に対して様々な要望をしてまいりました。その中で、落下物、騒音、こういった環境影響に対すること、また根本的にはこのルートを固定化しない、こういった様々な方法について区民の声をしっかり国に届け、また区としてもしっかりと国に対して要望すると、この2つの方法を取ってまいりました。これからもやはり同じように区民の皆様の声を真摯に受け止めて国に伝えるとともに、区としましても国に対してしっかりと区の考えを伝えていくという所存でございます。

 以上でございます。

都市整備推進担当部長

 安藤たい作議員の再々質問にお答えいたします。

 再開発を含めましたまちづくりにつきましては、ご当地の権利者の方々がお住まいのまちをどのようなまちにしていきたいかを住民の方々が本位になってしっかりと議論され、それを共有し、理解と協力をもって進めていくことが必要不可欠でございます。法の趣旨に反するといった議論をする以前に、区としては関係権利者間の協議が適切に進められるよう指導・助言してまいります。

教育次長

 安藤議員の再々質問にご答弁申し上げます。

 少人数学級ということではなく、少人数編制の要望をさせていただいております。これは何かと申しますと、先ほどご答弁させていただいたとおり、加配と申しまして、都から教員が配置される場合、2人の教員が指導するだけではなく、区では、配置されない場合は、区独自に講師や指導助手を採用いたしまして、複数の目できめ細かく対応しているところでございます。引き続ききめ細やかな対応で教育活動を実践してまいります。

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