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鈴木ひろ子区議が賛成討論を行いました
「健康保険証の廃止を延期し、今の健康保険証の存続を求める意見書」の提出を求める請願に対する賛成討論

2023.10.24 鈴木ひろ子 区議

  日本共産党区議団を代表して、請願第12号、健康保険証の存続を求める請願と請願第13号、「健康保険証の廃止を延期し、今の健康保険証の存続を求める意見書」の提出を求める請願に対する賛成討論を行います。

 都内の6割を超える開業医が加盟する東京保険医協会から出された第12号の請願では、政府が令和6年秋に健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一本化する法案を6月に可決したが、トラブルが続出。当会実施のアンケートでも65.6%がトラブルを経験しており、そのうち他人の情報がひもづけられていたケースが都内だけでも11件あり、別人の情報に基づいた診療・投薬は重大な医療事故につながりかねない。医療機関では現行の健康保険証を持参するよう呼びかけていると訴え、健康保険証廃止を中止し、存続を求めています。

 また、個人名で出された第13号の請願でも、様々なトラブルが発生しているとし、マイナ保険証に他人の情報がひもづけられていた、無保険者扱いにされ10割負担を請求された、医療情報が他人に閲覧された、表示される負担割合と健康保険証の負担割合が異なっていたと例に挙げ、さらに、個人情報の取扱いについて大きな課題があると指摘をしています。また、高齢者施設からは、入所者のマイナンバーカードや暗証番号を管理できないとの声も紹介。国民皆保険の下、誰もが必要なときに必要な医療が受けられるよう、健康保険証廃止を延期し、現在使用の健康保険証の存続をと求めています。

 以下、賛成の理由を述べます。

 1つ目に、国民の7割超が健康保険証の廃止に対して中止・延期を求めていることです。マイナンバーカードをめぐる混乱は深まるばかりです。マイナ保険証に他人の情報が登録された件数は8,544件、障害者手帳の誤登録3,030件、他人の年金記録が閲覧されたケース170件など、トラブルは多方面で多数に及び、さらに、個人情報の漏えいという重大な問題が起きています。今年6月、健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一本化する方案を自民、公明、維新、国民民主が賛成し、強行しました。請願にも述べられているとおり、医療の現場ではトラブルが次々と明らかになり、大混乱が続き、国民に大きな不安が広がる中での悪法強行は、聞く耳を持たない暴挙と言わざるを得ません。そもそもこの大混乱は、昨年10月に岸田政権が突如として2024年秋に健康保険証を廃止してマイナンバーに一本化すると言い出したことが始まりです。任意であるマイナンバーカードを性急かつ強制的に全国民に持たせようとして大混乱を招いた岸田政権に不信と怒りが広がるのは当然です。どの世論調査でも延期・中止が7割を超え、ほぼ全ての新聞が社説で健康保険証廃止に対して中止や見直しを主張しました。

 2つ目に、マイナ保険証のトラブルは命に関わる問題になりかねないということです。全国保険医団体連合会の調査では、医療機関で5,493件ものトラブルが発生し、本人確認ができないために10割徴収した事例が1,291件あり、診察を受けずに帰宅してしまった人もいました。このまま保険証廃止を強行すれば、トラブルは100万件以上になるとの推計も出されています。個人の医療情報とのひもづけは、投薬・治療情報の取り違いによる間違った処方、疾病の急性増悪、アナフィラキシーをはじめ、重大な医療事故につながりかねません。人の命に関わる問題で、絶対にあってはならないことです。

 3つ目に、無保険扱いを大量に生み出すおそれがあることです。これまでは、国民皆保険制度の下、保険者は被保険者に保険証を届けることが義務となっていますので、黙っていても健康保険証が届く安心の仕組みでした。ところが、今度は、現行の保険証を廃止してマイナ保険証を申請、取得するか、もしくは資格確認書を申請、取得する申請主義への大転換です。マイナ保険証を持たない人は毎年、資格確認書の申請、マイナ保険証は5年ごとの更新が必要です。申請、更新を忘れたり、できなかったら、保険料を払っていても無保険扱いされ、保険医療が受けられなくなります。国民皆保険制度の変質です。政府は、世論に押されて、資格確認書を申請なしでマイナ保険証を持っていない人に送付することも検討すると言い出しましたが、これまでどおり保険証を存続すればいいのです。

 4つ目には、政府や与党が主張するメリットは突っ込みどころ満載、デメリットのほうがはるかに大きい問題です。現場の医療機関、保険医協会からも、マイナ保険証でなければできないことはほぼないと言われています。特定健診や薬剤情報、診療情報の閲覧ができ、質の高い医療が受けられると言いますが、保険証のデータはレセプトが基なので、反映されるまでに1か月半もかかる。重複投薬を防げると言いますが、1週間のうちに複数の医療機関を受診する患者にとって、直近のデータが分からず、結局、お薬手帳のほうが便利です。マイナ保険証で検査をしたかどうか分かっても、肝腎な結果は分からない。診療情報といっても、電子カルテの中身が全てマイナポータルで閲覧可能となれば、膨大な情報が流出した場合、どこが責任を取れるのでしょうか。なりすましを防げると言いますが、厚労省の答弁で、なりすましの件数は国保加入者2,500万人のうち年間僅か10件です。これがメリットと言えるでしょうか。高額療養費の簡素化は、マイナ保険証でなくても仕組み上、可能です。医療の現場からは、これほど労力をかけて進める必要性があるとは思えないとの意見が上がっています。それ以上に、誤登録やトラブルの対応など上記に挙げたデメリットが深刻です。だからこそ、医療現場ではマイナ保険証取得者でも使われず、利用率は僅か4〜5%です。マイナンバーカードと健康保険証をひもづけた人は、品川区では国保で35.7%、後期高齢者医療で39.6%にとどまっています。加えて、介護施設では85%の施設が保険証を預かり管理していますが、マイナ保険証では管理できないとの訴えに対しても、解決策は示されていません。

 最後に、マイナンバーと健康保険証の一体化は、大量の個人情報をビジネスに利用しようとする特定企業の利益を後押しするためのものであり、個人情報保護の観点からも問題があります。安倍政権以来、政府は個人情報保護法を改悪し、保護規定を弱め、逆に個人情報の利活用を拡大してきました。これも財界の要求で、日本経団連は、マイナンバー制度を徹底利用する、そのために、健康保険証、運転免許証、在留カードの公的証明書、診察券や学生証などのデジタル化とマイナンバーカードへの一体化を求めています。個人情報ビジネスを推進するために、当初は検討もされていなかった健康保険証廃止とマイナンバーカードの一体化をはじめ、膨大な量の個人情報を次々にひもづけています。

 他の先進国ではどうでしょうか。G7の日本以外のどこの国も、日本のようにマイナンバーと健康保険証を一体にしている国はありません。EUでは、加盟国全てに適用される個人情報保護の法律、一般データ保護規則でプロファイリングされない権利を規定。ドイツでもフランスでも行政分野ごとに異なる個人識別番号が使われ、イギリスではIDカードが廃止されました。アメリカでは、社会保障番号カードがありますが、医療情報は結びついておらず、発行形態もICカードではなく紙です。カナダでは、2014年にプラスチック製の社会保険番号カードは廃止され、番号が記載された書類だけが渡され、安全な場所に保管するよう指示されています。

 デジタル化の推進と個人情報保護強化は一体で進めるべきです。多くの国で国民のプライバシーを守るための法律や監督機関の整備が進んでいます。規制を弱めてデジタル化を進めようとしているのは日本だけで、世界の流れに逆行しています。デジタル化の大前提は、政治の透明性と説明責任を果たせる政府が個人情報を適切に管理してこそ、安心・安全性を求める国民に信頼されることになるのではないでしょうか。7割の国民が中止・延期を求める健康保険証は存続すべきです。

 今回の2つの請願は、国に対する健康保険証の存続を求める意見書提出を求めるものです。厚生委員会で採択され、委員8名中6名の名前を添えて出された意見書は、残念ながら先ほど否決されてしまいましたが、保険証廃止が狙われているのは来年秋です。引き続いて大きな世論と運動が広がっています。この請願を採択し、今後の議会で意見書を提出していこうではありませんか。
 このことを呼びかけて、賛成討論とします。ありがとうございました。

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