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安藤たい作区議が賛成討論を行いました
「大崎西口駅前地区都市再開発に関係する住民を集めて説明会を開いて欲しいという陳情」
「大崎西口駅前地区都市再開発事業に関する陳情」への賛成討論

2024.03.27 安藤たい作 区議

 日本共産党品川区議団を代表し、令和6年陳情第4号「大崎西口駅前地区都市再開発に関係する住民を集めて説明会を開いて欲しいという陳情」ならびに、陳情第5号「大崎西口駅前地区都市再開発事業に関する陳情」への賛成討論を行います。

 両陳情は、いずれも同地区再開発地区内に住み、住み続けたいと願う権利者の方から出されたもので、都市再開発事業を支援し進めている品川区に、再開発準備組合へ個別でなく関係住民を集め説明会を開き説明と情報提供を行うことをはたらきかけるよう求めるものです。

 当地区には5棟の分譲マンションが含まれ、再開発の法律でマンション一棟が1人と数えられるため、区分所有者は約200人いますが権利者数は5人と数えられ、地区全体でも15人とされています。2018年に「マンション再生まちづくり計画」の指定を受け、住宅を含む2棟の案で計画が進められてきました。2020年に突如、事務局の大成建設がオフィスビルしか建てず、後ろの再開発マンションを住民の受け皿にする案を提示。地区内の全ての権利者・住民を駅前一等地から追い出す計画に、反対の声があがりました。これは、区が自ら作成し、「分譲マンション等の建替えを促進する」と目標に定めた「マンション再生まちづくり計画」も無視し、建替えどころかマンション自体を無くす。都市再開発法に定めている、「権利変換手続きによって再開発地区内に土地や住居が与えられる」との原則すら無視するものです。

 私は、改めて、陳情された地権者のお二方にも当日の陳情審査のあらましを伝え、意見を伺いました。その上で、賛成理由を2点、述べたいと思います。

  1点目は、「8割の方は賛成」という区の説明に根拠がない点です。

 質疑では課長の「約8割の方々が前向きに対応している」との説明があり、態度表明での委員からの「8割の方はご納得いただいているという部分がある」との反対の表明の発言にもつながりました。しかし、この「8割」という意味は、住民が根拠を追及したところ、「話し合いに応じることを承諾しただけ」の方の数字に過ぎないことがコンサルタントの回答から判明したものです。何よりも、区は自ら8割の数字について確認したわけではありません。「事業者から聞いている」と繰り返すのみです。これでどうして住民の居住権・財産権を強制的に動かすことができる再開発の都市計画決定の手続きに入るか否かの判断ができるのでしょうか。

 私は、国交省の課長からの各自治体宛の通知「市街地再開発事業の円滑かつ迅速な実施について」を読み、合点がいきました。この通知には、「市街地再開発事業の都市計画の決定は、事業化の見通しをもって行うことが必要ではあるが、地権者等の同意は要件とされていないことから、都市計画決定にあたり、大多数の地権者の同意や、同意を証明する書面の提出を必要とするなど、過度に慎重な対応を行うことは不適当である」と書かれているのです。区に聞くと、2002年に出されたこの通知は、2005年、2011年にも同じ内容のものが繰り返し出され、現在も生きているとのことでした。このような通知の下で、区は、都市計画手続きに入る判断を下す際、準備組合の言うことのみで、自ら同意状況などを確認しようとは決してしないことになります。実際、武蔵小山の小山3丁目地区では、都市計画決定手続きに入ってから、関係住民から大きな反対や不安の声が噴出することとなったのです。

 では、実際にはどれだけの方が現在の駅の目の前の立地を離れ、後ろの再開発マンションに移ることを納得し、賛成をしているのでしょうか。私が陳情者に聞いたところ、「5割も承諾していないのが実感です」とのことでした。これも「聞いている」話です。区はなぜ、同じ「聞いている」でも、準備組合の話ばかりを真に受けるのでしょうか。そしてなぜ、都市計画決定へ手続きに入るか否か判断する絶大な権限を持ちながら、同意状況を自ら確認しようとしないのでしょうか。あまりに開発推進側に立っていると言わざるを得ません。

 2点目は、あらためて関係住民を集めての説明会を開く必要があるという点です。

 区は、住民が不満と不安を抱いており説明会を開き十分な説明を求めているにも関わらず、「マンション毎に3回説明会が行われた」ことなどをもって、「熟度があがっている」「現在、個別説明を行っている」と問題がないとの認識を示しました。しかし、準備組合の個別説明では、「一円も持ち出しなく新しいマンションに入れる」との説明が「同じ広さの部屋を確保するには2000万円追加で払ってもらう必要がある」に変わるなど、情報がころころ変わり、また、「賛成していないのに賛成者にカウントされる」などの事態もあり、住民は不信感を抱き、あらためて説明会、公の場での説明を望んでいます。

 また、陳情審査では、区から「(準備組合は)住宅機能を備えた1棟案を説明している」との説明もありましたが、具体的な戸数について伺うと、「居住機能のスペースも今現在検討中と聞いている」との答弁にとどまりました。陳情者に伺っても、何戸になるのかも全く明らかにされていないとの事でした。住民の不安は全く解消されていないのです。

 区はこれまで、「住民発意の再開発を区は支援していく」と繰り返し述べてきました。しかし、当地区の現状から、住民発意とは到底言えないことは明らかです。最低限の情報公開もないのでは、まちづくりは到底成り立ちません。区は、住民の不安によりそい、少なくとも開発準備組合に対し、説明会の開催を求めるべきです。

 以上が本陳情に賛成する理由です。議員の皆様におかれましては、この2本の陳情を採択して頂きまして、一部のディベロッパーの不動産利益のための再開発、まちづくりは見直し、情報公開と住民参加で、権利者はじめ、地域住民のためのまちづくりへの転換をご一緒に進めるよう呼びかけまして、私の賛成討論といたします。ご清聴ありがとうございました。

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