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いいぬま雅子区議04年第1回定例会一般質問「子育て支援」「武蔵小山開発」「学校給食」

2004.04.08 いいぬま 雅子 区議

一般質問項目

  1. 保育園増設・家賃補助など親の願いに沿った子育て支援を
  2. 武蔵小山駅東地区開発は、全ての住民が合意できるまちづくりに
  3. 子どもたちに安全でおいしい学校給食を保障するため、民間委託は中止を

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一般質問

日本共産党を代表して、一般質問を行います。


保育園増設・家賃補助など親の願いに沿った子育て支援を

先進国の中でも日本は「超少子化国」と言われ、このままでは2100年には人口が半減し、社会保障制度の土台を揺るがし、経済活動にも深刻な影響を与えます。失業や不安定雇用で「とても結婚など考えられない」と言う若者が増えています。また「結婚しても働きつづけたい」という女性も増えています。男女を問わず、働きながら子育ても楽しめる社会をどうしたら作れるのか、緊急の課題です。自治体では次世代育成支援推進行動計画を策定中です。行動計画が、実効性のある物になるためには、国に対し、必要な予算を組むように求めること大前提です。国が本気で取り組むためにも品川区の計画が重要です。以下区の次世代育成支援の取組みについて問題点を指摘し質問します。

1点目は、国が義務付けていた区民のニーズ調査もせず、行動計画を策定した点です。

ニーズ調査をせず策定された計画からは、区内の若者や親子の困難な実態は、全く見えてきません。若者と親子の願いを聞かないで、どうして有効な子育て支援になるのでしょうか。

ここで、子育て家族を紹介します。夫は、朝7時半に家を出で帰宅は夜9時すぎ。月18万円の収入。妻は派遣労働者でしたが、産休が取れず妊娠退職、子どもは現在2歳です。部屋代月7万円を払えば、生活費はわずか11万円です。妻が仕事を探し、認可保育園の入園申請をしましたが、まだ仕事をしていないため入れず、認証保育園に問合せたところ、入園時には10万5千円かかると聞かされ、手も足も出ない状態です。

また、保健所のツインキッヅに通っているお母さんから「双子の育児は負担が大きく、友達は、夫が単身赴任中に、うつ状態になってしまった。でも保育園はいっぱいで受け入れてもらえなかった」と訴えがありました。新年度に向けての認可保育園入園申し込みの倍率は1.9倍、4月1日には600人余も子どもがはみ出しまう状況です。必要なときに誰でも利用できる認可保育園が切望されています。ニーズ調査を行っていれば、品川区がすでに実施してきた保育料値上げや学童保育廃止の方向ではなく、保育園増設が真っ先にあがるのではないでしょうか。

2点目は品川区の姿勢です。

このような区民の実態を、区は根本から変える姿勢があるのでしょうか。平成15年児童センターあり方検討委員会の「児童センター将来構想への提言」の中で、「出生率の減少は、女性の社会進出や価値観の多様化による晩婚化・非婚化に起因するため、出生を増加させようとする施策は現実的ではない。また年少人口は、ファミリー層の動向が大きく影響することから、ファミリー層の定住化・新規転入が求められる。」と書かれています。区は、出生率を高めるのは無理なので、他地域で生まれた子どもを呼びこむ施策を選ぶと書いてあるのです。提言は実行に移されているのでしょうか。少子化克服のため真剣に取り組む姿勢を求めます。

3点目は「働き方の見直し」が遅れている点です。

父親の帰宅は9時、10時、子どもと接する時間は30分未満が55%と、父親不在は当たり前、一家の団欒も持てません。育児・介護休業法ができ、すべての企業・事業所に、育児休業を取り入れ、男性も含め子どもが1歳になるまで保障することが義務付けられました。しかし取得率は女性64%、男性0.33%です。先進国では、男性であっても、子育てや家庭に責任を持つ人が企業でも評価されると言われます。男女共に育児休業がとれる職場、労働時間の短縮、短時間労働者の労働条件改善など切望されます。各企業への働きかけ必要ですが、ここでも実態調査が必要です。厳しい経営状態にある中小企業では、支援がなくては本当に利用できる制度にはならないからです。

4点目は、財政効率優先のため、子どもの最善の利益が奪われています。

区長は子育て支援を柱とし、保育園の新メニューを次々に発表。延長夜間保育、休日保育、在宅のお母さんを応援するオアシスルームなど、事業の拡大が行なわれてきました。一つひとつの事業は重要です。ところが定員を超え保育をしている所に、短時間利用の子どもが加わり保育園は飽和状態になっています。この間正規職員を削減し、変わりに2時間、3時間短時間勤務の非常勤職員が増えているため職員体制も不安定になっています。子ども達は朝と昼と夕方と夜と職員が次々に入れ替わるつぎはぎ保育パッチワーク保育といわれる環境の中で育っています。保育施設など子どもが安心して生活できる居場所になっているのか。大人との信頼関係が保てているのか総点検を行い改善をしてください。子どもの安心の居場所をつくるために子育て支援予算の大幅増額は不可欠です。ヨーロッパでは社会保障の充実が少子化を克服しています。品川区でも医療費の無料化に続き、家賃補助など経済的支援を拡充すべきです。

質問します。

  1. 区は少子化をどのように認識し改善を考えているのか。21世紀の品川に与える影響への認識も伺います。
  2. 子育ての実態をつかむために、改めてニーズ調査を求めます。「品川区次世代育成支援対策推進協議会」の公募委員に子育て中の親と、各場職員を増やし、区民の意見を繁栄した行動計画を策定する事を求めます。
  3. 区内企業に対し、男女共に育児休業取得率の向上、年次有給休暇積極的取得、短時間労働者の労働条件改善の働きかけを行なうと共に、区も独自の目標値を持ち、区内企業の模範を示していただきたいがいかがでしょか。
  4. 国に対し、次世代支援行動計画実施に当たり必要な予算を組むように求めます。区としても子育て支援のための予算を大幅に増やし、妊婦無料健診の拡大、家賃補助制度の創設、認可・認証保育園保育料の負担軽減など経済的支援に取り組んでいただきたいがいかがでしょうか。
  5. 子どもの視点にたち区内子育て施策の検証を行い、専門職員配置を含め改善し、子どもの成長発達を促進すること。保育園増設は、認可保育園を基本とし、認証保育園は補完施設と位置づけるよう求めますがいかがでしょうか。

武蔵小山駅東地区開発は、全ての住民が合意できるまちづくりに

武蔵小山駅周辺が、急速に変わろうとしています。東京都の条例「しゃれた街並みづくり推進条例」の指定を受け、武蔵小山駅周辺まちづくり協議会が「都市計画原案」を作成し、東京都に提案をしました。

「しゃれ街条例」とは、密集市街地など、細分化された敷地を統合し、共同建て替えなど速やかに進める新しい制度です。対象地域は、小山3丁目の4.5.6.13.14番地の3.1ha。地域全体を16地域に分割し、合意形成されたブロックから建築の基準が定められます。先行地域の小山三丁目6番のD地区では、容積率を550%に引き上げ。高さ制限60m。敷地面積約3300u地上19階建て都心共同住宅が予定されています。

まちづくりとは、そこに住む人々が長い歴史の中で築き上げてきた地域のつながりの中でつちかわれていくものだと思います。「しゃれた街並み」の言葉で思い浮かべるのは、ヨーロッパの美しい街並みです。「古いものとの調和」「自然との調和」を基本とし、厳しい高さ制限がかけられ、人間らしく生活するため建築の規制がされています。武蔵小山にはどのような街並みがふさわしいのでしょうか。まちには様々な考えを持った人々が暮しています。「住み続けられるまちは」住民が力を合わせて作るものと考えます。

2月15日近隣住民への説明会が始めて行なわれましたが、この時のご意見と、私が行なった周辺地域アンケート。用紙3000枚を全戸配布し返信封筒で回答いただきました調査の結果を踏まえ問題点を指摘します。

第1の問題は、武蔵小山駅前周辺まちづくり協議会が進めていますが、土地の権利を有する地権者のみで計画されたものであり、店舗を借り営業している方、賃貸住宅にお住まいの方が排除されている点です。

地域で永年営業をされている方から、「計画について3年前にチラッと話を聞いたことがあるが、その後全く知らされていない。出来上がった後に、再びこの地で営業できる保障はあるのか」と質問され、土地の権利のない方々に情報が届いていないことがわかりました。武蔵小山らしいまちづくりは商店を始め、住民の総意で作り上げるもの。協議会の参加を多くの方々に呼びかけるべきと考えます。

第2は、地域の意見が3分している点です。アンケートでは、賛成は2割強、反対4割強、どちらともいえない3割強と3分しています。時間をかけ、合意形成を作らなければ、まちが壊れてしまう危険があります。賛成の人は木造密集地域が、より安全できれいなまちになると期待しています。反対の人は、小山三丁目6番D地区の19階建て住宅が、地域にふさわしい建物と考えていません。「60mはあまりにも高すぎて、周囲との調和が保てない」「武蔵小山らしい下町情緒が好きで越して来た。高層化は、地域のコニュニティーを壊すことになる」「勝手に決めないでほしい」と論議をする場を求めています。公表されていませんが、D地区以外もすでに図面が出来上がり地権者の同意を取り付けている最中ですが、計画が全地域で実施されれば駅周辺は60mの建物が林立し、まちの景観が一変します。しかし手法として、ブロックごとに計画が出されるため全体像が見えません。目黒線沿いではビルの地下がそれぞれつながり、最終的には武蔵小山駅とつながる構想もあるようです。全体像を示したうえで、住民合意が必要ではないでしょうか。

第3に、区の責任です。

都の条例に基づき、都と区が指導援助してきました。都心共同住宅建設にあたり約8%から10%弱の補助金が投入されると予想されます。地域住民の発意による民間開発と説明していますが、地区計画と品川区全体のまちづくりの調節は区の責任と考えます。

週刊朝日昨年10月号では、「マンション売れ残る30駅」のタイトルで取り上げています。この5年間、首都圏のマンションは毎年8万戸を超えるペースで増え続け、2005年には大量の「売れ残り」が発生するといわれています。品川駅など湾岸エリア、目黒線沿線など心配されていますが、人口が減少していく中で、住宅政策も将来予測が必要です。区は、この点も含め、情報提供し指導が必要ではないでしょうか。

質問します。

  1. 都市計画原案決定までの経過と、住民合意形成の過程をお知らせください。改めて協議会メンバーに店舗経営者、賃貸住宅居住者など土地の権利のない人々の参加も認めるべきと考えます。
  2. 本計画の周知は不十分であり、まちづくりとして合意形成が出来ていません。3月の品川区都市計画審議会、5月の東京都都市計画審議会の延期を求めます。
  3. 民間主導の開発と説明していますが、税金を投入し援助を行なっている区の責任は重大です。マンション過剰供給など、採算が取れない状況が生じた場合など、どこが責任を負うことになるのか。区に最後まで責任ある援助を求めます。

子どもたちに安全でおいしい学校給食を保障するため、民間委託は中止を

品川区の学校給食は、米飯給食を始め、低農薬野菜、ふれあい給食、10種類のメニューから考えて選び「生活習慣病を防ぐ食事の仕方」を学ぶミニバイキングなど、子ども達の体と心を豊かにはぐくむ源です。安全でおいしい給食は、栄養士、調理員、教職員、行政が協力し長い間かけ築き上げてきた区民の財産です。肥満やダイエット、不規則な食事、野菜不足、添加物、食アレルギーなど食の問題は山積みです。「食育」が注目されていますが、学校給食の教育的役割が、今ほど求められている時はありません。

品川区は保育園給食調理の民間委託化を先行して行い、「何ら問題はない」ので学校給食でも改築校から順次民間委託化を進めるとし、今年4月1日より、台場小、戸越台中、荏原五中の3校で「給食調理代行」民間委託化を打ち出しました。

学校給食を民間委託化して安全でおいしい給食を提供する事ができるのでしょうか。5点にわたり問題点を指摘します。

1点目は、栄養士と調理員が連携して給食を作れないことです。

職業安定法44条では、公務員の栄養士は民間企業の調理員に対し直接的な指導ができないことになっています。現在の直営方式では、栄養士と調理員が綿密な打ち合わせを行い相談して作ります。民間委託では、当日の調理について栄養士は、委託会社に対して献立表と作り方や食品の扱いを記入した「指示書」という文書を出し、途中の「中間検査」と「出来上がり検査」によるチェック以外はできません。

2点目は、パート職員の入れ代わりが激しい中で技術の継承ができないことです。

委託会社はほとんどがパート職員です。重労働であるにもかかわらず時給850円前後と低賃金です。そのため、職員の入れ替わりが激しいのが実態といいます。学校給食は、直径130pもの回転釜を5つも6つも使いながら、食べる時間に合わせて、3品〜5品の献立を数百食作ります。調理員の熟練で支えられています。また集団給食は、O-157やノロウイルスなど食中毒予防に細心の注意が払われていますが、この業務をきちんと行うことができるのでしょうか。

3点目は、23区のうち22区で民間委託が始まっていますが、すでに委託されたところでは民間委託の本質が現れています。

14年かけて全校が民間委託された足立区では、委託費を7%削減する交換条件として便宜を図っています。献立を複雑にしない、手作りジャムやカスタード、生の筍、泥付ごぼう、おむすびやいなり寿しなどの禁止です。しかも、「委託会社が著しい作業負担が見込まれる時には献立や作業内容の変更を求めることができ、・・中略・・栄養士は直ちに負担とならぬよう見直す」との方向まで打ち出しています。これで作り手が変わるだけで味も質も変わらないと言えるでしょうか。

4点目は栄養士が全校に配置されない体制では安全管理や味の保障ができない点です。

品川区は栄養士が2校に1人の配置です。国は食育を重視し、栄養教諭の制度に踏み出し全校配置を目指し努力していくとしています。この点からも民間委託にかかわらず全校への栄養士配置が求められます。まして、民間委託する場合、栄養士の全校配置は最低条件と考えます。23区で給食調理が民間委託されたところで栄養士が配置されていない区はありません。

5点目は進め方の問題です。

学校給食民間委託化は、全く論議がされていません。議会にも区民にも当該校の父母にも説明がなく、区の進め方は異常と言わざるおえません。

新宿区では、教育委員会、校長、栄養士、調理員、PTA代表者が参加する「学校給食調理業務のあり方検討委員会」を2年間設置。10回の委員会は全て公開。委託内容や安全性と衛生管理、メリットとデメリット、アレルギー児への対応、栄養士の配置、保護者の声の反映など検討を重ね、中間まとめや最終報告を公表し区民意見を求めました。

品川区は、保育園給食での民間委託が「なんら問題はない」とする根拠を何も示さないまま、学校への拡大は納得がいきません。

1年前私は、「何ら問題がない」とする根拠を求めましたが、当時の福祉部長は具体的調査も行わず「まずいと言う声が、私にはいっさい聞こえてこない」と無責任な答弁を行いました。しかし、現に私のところには、父母や現場の声として「時間までに出来上がらない」「品数が減った」「味が一定しない」「カレーがカレーでなくスープの状態で出てきた」「異物混入が発見され、作り直した」など多くの問題が寄せられています。保育園給食委託の実態がどのようになっているのか、財政面も合わせ、検証し報告すべきです。問題に蓋をしたまま、学校への委託拡大は認められません。

以上、問題の解決がないままでの4月1日からの民間委託は中止すべきと考えます。

質問します。

  1. 学校給食調理民間委託の決定の経過、目的、委託内容、今後の計画についてお答えください。委託する3校について、委託会社の職員体制をお知らせください。
  2. 子どもの立場にたち、直営方式と民間委託とどちらが良いのか論議が必要です。学校ごとに「給食調理代行」の説明会を行い、区民への情報公開と意見聴取をすべきです。
  3. 保育園給食民間委託の検証を行い、公表すべきと考えます。
  4. 学校における「食育」の考えと、今後の具体化について伺います。
  5. 民間委託する場合、
    (1)パート職員に対する教育をどのように行うのか
    (2)栄養士がいない学校は、指示書通りにできているかを誰が確認するのか。
    (3)栄養士と調理員との連携が取れない仕組み、入れ替わりが激しいパート職員体制で、給食の安全、質確保の保障はあるのでしょうか。
  6. 民間委託にかかわらず栄養士の全校配置を求めます。民間委託する場合は栄養士の全校配置は最低条件と考えますがいかがでしょうか。

答弁

区長(高橋久二君)

飯沼議員のご質問のうち、保育園増設・家賃補助など親の願いに沿った子育て支援をについてお答えを申し上げます。

 初めに、少子化の進行についてでございますが、全国的な合計特殊出生率は長期的に人口を維持する水準をかなり下回っており、今後日本の総人口は減少していくと推計されております。区におきましては、国や都の数値を下回っておりますが、平成10年以降、区の人口は増加傾向にあり、しばらくはこの傾向が続いた後、人口が減少に転じると予想しております。こうした中、出生数そのものは増加をしておりますが、区の年少人口割合は9.6%で、しばらくこの状態が続くと認識をしております。

少子化の影響は、これからの社会を担う若い労働人口の減少、地域の活力の低下等が言われておりますが、区単独の問題ではなく、国や都、関係団体と連携を図りながら、次世代育成支援対策の牽引役として、子どもを産み、育てやすい環境づくりの役割を果たしてまいりたいと考えております。

次に、ニーズ調査でございますが、国が示した策定方針の具体的施策内容の根幹は、必要な都度、さまざまな補足をしており、その分析に基づいた当区の施策は、その質と量において全国自治体のトップクラスにあります。したがいまして、次世代育成の根幹は既に事業化していることから、現時点で調査を行う必要性はないものと考えております。なお、ローリングによる見直しに当たっては、その後の子育て環境の変化を把握するため、適宜ニーズ調査を実施してまいります。

品川区次世代育成支援対策推進協議会の公募委員でございますが、既に子育て中の方も含め5名の区民に委員をお願いし、推進協議会におきまして積極的な意見をいただいているところでございます。また、昨年、区民の皆様に素案を公表し、意見を求めたところ、14人4団体から延べ86件の応募をいただきました。この意見を第3回推進協議会において報告し、行動計画に反映させるべき内容について論議しているところで、公募委員の増員は不要と考えております。

次に、区内企業への働きかけでございますが、次世代を担う子どもたちがすこやかに生まれ、育てられる環境の整備には、国、都および企業が一体となって取り組む必要がございます。区はこれまでも多様な就労形態に対応できる保育園の充実など、さまざまな仕事と子育ての両立支援を行ってまいりましたが、みずから事業主として策定いたします特定事業主行動計画におきましては、企業の策定する一般事業主行動計画の模範となるべきであると認識をしております。区内企業団体の指導につきましては、都と連携を図り、安心して子どもを産み、子育てしながら働きやすい職場環境づくりに向け、取り組んでまいります。

次に、国への要望でございますが、全国市長会を通じまして、国の平成17年度予算編成に向け、十分な財源措置を講じるよう要望してまいりました。今後も国の措置状況を見ながら引き続き要請をしてまいります。

また、子育て家庭への経済的支援の取り組みでございますが、国による児童手当等の支給が基本と考えておりますが、区は子どもすこやか医療費助成制度を初め、区として必要と判断する事業において、子育て家庭への支援をしてございます。平成17年度予算では、住宅政策において、就学前児童を含む多世代に対し、住宅取得費を助成する事業を盛り込みました。したがいまして、ご提案のさまざまな経済的支援につきましては、事業の有効性や負担の公平性など基本的観点から取り組む考えはございません。

児童保健事業部長(小沼毅君)

私からは、保育園増設・家賃補助など親の願いに沿った子育て支援をのうちから、5点目の区の子育て施策の検証と専門職員配置の改善、それから、保育園の増設についてのご質問にお答え申し上げます。

区の子育て施策でございますけれども、児童福祉法の理念にのっとりまして、子どもの最善の利益を追求し、子育て支援先進区に恥じない保育、児童健全育成事業などに取り組んでおり、また、専門職員の配置につきましても、保育園、児童センターともに子どもの保護や育成を重視した適正な配置をしており、何ら問題はないと判断してございます。

保育園増設についてですが、本年4月入園の申込者数は2月15日現在で1,257人でございまして、昨年に比しまして9人の減となっております。ご指摘の入園可能数は定員ベースのもので、最終的な待機児数は昨年の184人に対しまして、おおむね200人前後と予想しております。本区の場合、直営での夜間保育の開設や住宅政策などの結果、待機児数はここ数年増加傾向にあります。これにこたえまして、区では過去4年間に定員253人を拡大させてきました。本年も学童保育クラブ跡の転用により、大崎保育園の定員を40人増加させる等対応しますが、今後も学童保育クラブ跡の転用等による定員の拡大、入園の弾力化、分園、幼保一元化、幼稚園の活用等いろいろな手だてを加えまして、その中でさらに認証保育所の開設も有効な手法の一つと考えてございますので、もろもろの施策を組み合わせまして解消に努めていく所存でございます。

まちづくり事業部長(中谷勝年君)

私からは、武蔵小山駅東地区のまちづくりについてお答え申し上げます。

まずこれまでの経過と合意形成過程についてですが、地元のまちづくり協議会による検討等を踏まえ、昨年9月に東京都が町並み再生地区指定とあわせ、町並み再生方針を策定いたしました。その後、12月には地元まちづくり協議会から都に地区計画の素案が提出され、現在都市計画の手続を進めているところでございます。この過程で、地元協議会による全体説明会やブロックごとの説明会、区による説明会が精力的に開催され、また、協議会発行の「かわらばん」等を通じ、都市計画の策定について合意形成を進めてきたところです。なお、協議会において、借家人も含めた地区内居住者、近隣住民を対象とした説明会もこの間実施されております。

また、都市計画審議会についてですが、武蔵小山駅東地区については、8割の権利者の同意が得られており、意見書の提出の扱い、審議会の日程等については、関係法令等にのっとり、予定どおり適切に運営してまいります。

最後に、都心共同住宅供給事業の採算と区の責任についてですが、当事業は、採算性や事業計画について、地権者みずから事業者となって責任を持って判断し、まちづくりを行うものです。区といたしましても、既存の老朽木造住宅26棟を建てかえ、敷地の共同化を図り、あわせて良好な住宅を確保し、災害時における地域の安全性の向上に寄与する事業であることから、補助などの支援をしていくこととしております。

教育次長(古川良則君)

私からは、学校給食の調理代行に関するご質問にお答えいたします。

初めに、調理代行の目的と決定の経過でございますが、さきに保育園において効率的で質の高い給食が提供されていることから、学校給食にも導入するもので、平成17年度予算を編成する過程で決定し、今定例会に予算案として提出したところでございます。業務内容は、給食の作業工程のうち、調理や配缶、運搬、食器洗浄、清掃、残飯の処分などでございます。今後全校に順次拡大をしてまいります。受託者の職員体制は、従事者のうち少なくとも2名は常勤の雇用者で、それ以外は受託者の経営判断に基づき配置される予定でございます。

次に、区民が参加し、議論できる説明会につきましては、学校給食そのものに変更がありませんので開催する考えはありませんが、実施する学校では、保護者会や学校だよりで関係者にお知らせをしているところでございます。

次に、保育園の調理代行におきましては、保護者への試食、園長による常時の検食、保育士の指導食喫食量の増加などから、さまざまな手法で検証をしておりますので、さらに新たな検証、公表は考えておりません。

次に、食育につきましては、これまでも担任や養護教諭などが給食時間や学級活動などで、食品の栄養素やバランスのよい食事、健康との関係などについて指導をしております。これからもさまざまな活動の場面を活用し、家庭とも連携を図りながら、食に関する正しい理解と実践に向けた指導を行う考えです。

次に、調理代行を実施した場合でございますが、1点目の従事者の教育や作業基準の徹底についてはでございますが、受託者がみずから実施する研修以外に教育委員会が指定する講習会などへの参加を義務づけ、資質の向上に努める考えです。

2点目の衛生管理など指示書に基づく確認につきましては、受託者から日常点検表や完了確認書などを学校長に報告させ、チェックする体制を整備いたします。

3点目の給食の安全や味、質の面についてですが、献立の作成や食材の購入はこれまでと同じですので、何ら変わることはありません。作業基準などのマニュアル化や受託業者との綿密な打ち合わせの体制を整え、さらに民間のノウハウが活用できることから、給食の質的な向上が図れるものと考えております。

最後に、栄養職員を全校に配置すべきとのことですが、栄養職員は学校給食に関する基本計画への参画や栄養管理、給食指導、その他調理や衛生に関する指導、助言を行うこととされ、東京都の配置基準に基づき、2校に1人が配置されております。現在この配置基準で適切に給食を実施しておりますので、調理代行導入のいかんにかかわらず、全校に栄養職員を配置する考えはございません。


再質問

飯沼雅子君

たくさんのご答弁ありがとうございました。

自席から再質問をさせていただきますが、まず保育園増設・家賃補助など、親の願いに沿った子育てのところですけれども、きょう私、児童センターにおいての提言の話を引用させていただいたんですが、この中においては、出生率を高めるのは無理なので、ファミリー層など新規転入を求めるという項目が一つ入っていて、私はここがとても引っかかりました。今、国、そして地方自治体が力を合わせて少子化に向かわなければいけないというときに、生まれた子どもたちをどこで見るのかというよりも、分母を大きくしていかなければいけないといったときに、児童センターの将来構想への提言のこの中身が実際に今も継続して、この姿勢であるのかどうか。私はもしこの姿勢であるとしたら、品川区で子どもが生まれ、少子化が少しでも回復されるとは思えないんですね。この点をぜひひとつお答えいただきたいなと思います。

あと、子育て支援については、質も量もトップクラスであるというご答弁をいただきましたけれども、私、メニューはとにかくたくさんあると思います。次から次へとテレビでも新聞でも報道がされていて、品川区ってすごいわねと、こう聞かれますけれども、メニューがたくさんあるのは事実ですけど、その中身がトップクラスであるか、よい中身であるかどうか、これは一体どういった点であらわしているのかということ、その辺をひとつお知らせいただきたいと思います。

あと、武蔵小山の開発についてですけれども、1点目、店舗経営者、賃貸住宅居住者など土地の権利のない人々の参加を認めるべきであるというところが、ちょっとご答弁が漏れていたと思いますが、この点が1点と、とにかく地域ではいろいろなご意見があるんですけれども、この間聞いてみると、土地を持った方、権利を持った方たちのみで進められている。武蔵小山は商店が多い町です。店舗を営業していて、ずっとそこで働き続けたい、こういった方々が排除されてしまうのではないか、この点を心配していますが、ぜひここをひとつお答えいただきたいのと、しやれ街条例の中に「都民等」という言葉があります。しやれ街条例に置かれている「都民等」というのは一体どういう人をあらわしているのか、権利がない人はこの中に入っていないのかどうか、その点を改めて1点お何いしたいと思います。

あと、学校給食なんですが、この間たびたび伺っているのは、何ら変わりがないので説明する必要はない、つくり手が変わるだけなんだというお話を何回も受けているんですが、私はつくり手が変わるということが大問題であると思っています。食材が同じだったならば、例えば区長さんが同じ食材で調理をするのとベテランの調理師さんがするのと比べたら、明らかに違う。この間、私がよく目にするのは就職あっせんのビラなんですけれども、シダックスフードというのが東京都品川区地区周辺の公立中学校で750円から850円で調理補助を募集しているんですけども、こういう方たちは中にはお料理がすごい上手な方もいらっしやるかもしれないんですけど、それは問われる内容ではありません。そういった意味で、つくり手の問題が最も問題であるなと思っています。

あと、もう1点、腕の面もあるんですが、集団給食というのは、0-157とか、この間もノロウイルスがありましたけれども、衛生面がどうかというのが果たして時給750円から850円でぽっと来た方で保てるのかというと、教育委員会の中で16項目にもわたる細かい衛生面のチェック項目があるんですが、こういう中身を果たして新しい人ができるのかという点をしっかりとお伺いしたいと思います。


再答弁

児童保健事業部長(小沼毅君)

再質問に私の方からお答え申し上げます。

子育て支援の関係の方の2点ございました。 出生率云々の問題でございますけれども、これは前後の文脈をぜひお読みいただきたいと思います。その中の一部だけを取り上げて云々というのは、ちょっとどうかなと思います。 具体的に申し上げます。片言隻句のとらえ方ですが、私どもは子育て支援策の充実に加えまして、住宅政策あるいは生活環境等々、総合的に勘案した上でないと出生率というのはなかなか上がらないということを申し上げているものでして、人為的に、人工的に出生率を上げるというのは、国も認めているとおり、現実的な問題ではないということを申し上げたところでございます。

それから、トップクラスの中身の問題の問題でございますけど、これは言わずもがなの問題になると思いますが、夜間保育等の実施、休日、祭日保育、保育の中身におきましては、総合施策の新しい取り組み、さらにこれを裏づける保育士等々による自己研修、自己研さん、こういうようなものを今、必死になって現場の方ではやっておるわけでございますから、そういう物質的な問題あるいはソフトの問題をあわせましてトップクラスと申し上げたわけでございます。

以上でございます。

まちづくり事業部長(中谷勝年君)

私からは、武蔵小山駅東地区に関連する再質問にお答えいたします。

まず協議会のメンバーに借家人等を含めるべきではないかということでございますが、現段階は都市計画の段階でございまして、地元の合意形成に当たっては、まず地権者の方たちの合意形成を図らなければいけないという段階でございまして、借家人につきましては、家主さんとの関係で個別のいろいろな問題がございます。こういう事情に配慮しながらやらなくちやいけないということでございます。また、家主さんからも適切な説明がされておるというふうに聞いております。武蔵小山の中では家主さんからも説明する中で円滑な事業の推進を図っていきたいと思います。また、現時点で区といたしましても、地区内の借家人の方に計画内容等周知を図るよう協議会に指導しているところでございます。

それから、あと2点目のしやれた街並みづくり推進条例におけます「都民等」とはというご質問でございますが、当然この中には住民以外には企業、NPO、事業者等、こういったような主体が入っているというふうに認識しております。以上でございます。

教育次長(古川良則君)

それでは、飯沼議員の調理代行に関する二つのご質問でございますけども、1点目は、つくり手が変わる、このことこそが大問題であると、こういうご趣旨だと思っておりまし、2点目は、0-157あるいはノロウイルス等での衛生面がどうなのか、保てるのかと、2点でございます。共通しておりますのは、民間企業に給食が安心して任せられるのかと、こういうご趣旨なのかなと思ってございますけども、10年、20年前に学校における給食の調理業務代行が始まり、そして品川では保育園が既に実施している中で、このような議論がいまだなされていること自体、私には大変理解ができないところでありまして、民間企業においては、調理におきましても、あるいは衛生管理におきましても、私ども行政と何ら遜色のない中で仕事がなされていると、このように思ってございますので、これからの学校給食における調理代行については何ら問題ないと、このように考えてございます。


再々質問

飯沼雅子君

給食のことなんですが、私は民間に任せられないなんて言っていません。入れかわりが激しい、技術の蓄積がしにくい仕組みを言っているんです。そういう仕組みの中で働いている人は一生懸命働いていますが、どうしたら安全面、衛生面、味や質の確保ができるのか、それをしっかりと受けとめて、対応して、それをわかりやすく示してほしい。住民がそれを求めているんです。そのことを言つているんです。そこをもう1回お答えください。 あと、しやれ街のところなんですが、私は借家人が「都民等」に入っているのかどうかという質問をしているのに、ちっとも答えていただいておりません。これで私が言いたいのは、ぜひしやれ街づくり推進条例をしっかりとお読みいただきたいと思います。「都民等による主体的な都市づくりを推進する」と書いてあるんです。「都民等」というのは、権利を持っている人、持っていない人すべてですよね。そういう人たちがそろって主体的に都市づくりをしていくというのがしやれ街づくりの条例に書いてある、私はこういった立場でしっかりと区は指導していただきたい、そう思います。その点お答えをいただきたいと思います。


再々答弁

教育次長(古川良則君)

それでは、調理代行に関する再三の質問でございますが、同じことの繰り返しになります。20年あるいは10年前から学校給食の代行が品川区以外で、23区においては既に22区で、そして全国でこの事業は民間が十分に担って行ける事業として定着していると私は思ってございます。品川でできないとは考えておりませんので、これからも17年度から逐次全校に実施していきたい、このように考えてございます。

まちづくり事業部長(中谷勝年君)

私からは、武蔵小山東地区の町並み推進条例関係の話でございますが、「都民等」というお話でございますが、この「都民等」というのは条例の中の広く定義している場合でございまして、当然まちづくりにおきましては、その地域の方たちが主体になるわけでございます。今回は都市計画の素案につきましても、地元の方たちから東京都に対して計画の素案が提出されたという経過がございます。したがいまして、地域の声を大事にして、都の方は都市計画決定に向けての手続を進めているというところでございますので、ご理解ください。

以上

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