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飯沼区議
品川区介護保険制度に関する条例の一部を改正する条例反対討論

2006年3月28日 飯沼 雅子

飯沼区議

日本共産党区議団を代表して第 41 号議案 品川区介護保険制度に関する条例の一部を改正する条例に反対の立場で討論を行います。

 本条例の改訂は、主に3点です。@第3期の保険料を定める。A第5段階と第 6 段階の境界所得を250万円から200万円に改訂する。B平成17年度税制改定により、保険料段階が上がる被保険者に対して、激変緩和措置を規定するものです。

本議会中、明らかになった点を確認し反対の理由を述べます。

1点目は

保険料基準額3300円が600円値上げの3900円になり第2段階以外は、軒並み値上げとなります。区は「基準額の値上げは 600 円と低く抑えた。」と説明しましたが、現行の保険料がすでに大変な負担であることを認識しなければなりません。年金月 15,000 円の人からも 1,950 円の保険料を天引きします。「ささやかな年金から、情け容赦なく天引き。光熱水費を払ったら手元に残らない。霞を食べては生きていかれない」と国民年金のみのKさんは訴えます。ところが基準額 600 円値上げにとどまらないのが今回の改訂です。

2点目は

高齢者非課税措置廃止などの税制改定の影響が保険料に跳ね返る問題です。収入が増えないのに、非課税から課税になり、ランクが 2 段階 3 段階上がる人が 1 1 ,800 人もいます。第 2 段階非課税から第 5 段階課税になると、保険料は2400円もアップし、現行の 2 倍に膨れ上がる大幅値上げです。国は激変と認め緩和策を示していますが、2年後には丸まるの値上げ、激変に変わりはありません。

3点目は

第5段階と第6段階の境界所得の設定を、250万円から200万円引き下げたことで 5,000 人もの人が、本来第5段階にとどまるべき所、第6段階になり 1,725 円もの値上げとなる点です。税制改定との二重の負担増。値上げは600円を遙かに越える大幅増、激痛を多くの人に与えるものです。

4点目は

介護保険は、低所得者に厳しく、高額所得者に優しい不公平な負担割合となっている点です。介護保険料率は第1段階から第 6 段階まで3倍の開きしかありません。第 6 段階合計所得200万円の人も年収 1,000 万円の人も、 5,000 万円の人でも保険料は月5850円と同額です。収入に占める保険料の負担割合はあまりにも不公平ではないでしょうか。他自治体を見ると様々な工夫がされています。渋谷区では、国の6段階を改善し10段階と段階を増やすことで、高額所得者に今より少しの負担を求め、低所得者の負担軽減を行います。 3 期の改定で 6 段階に留まっているのは品川を含め 3 区のみ、品川区も改善のための努力をすべきです。

5点目は

予防介護の名の下、利用時間の制限が始まっている問題です。 4 月からのホームヘルプサービス時間が、1回 2 時間が1時間半に減らされています。区は「過剰なサービスを抑制したため健全な財政である」と健全財政を誇っていますが、必要な人が利用できない状況では本末転倒です。区民の切なる願い特別養護老人ホームの建設は拒否。区内特養待機者だけで約500人、他区では建設が進んでいるのになぜ拒否するのでしょうか。区は一期では、23区一番高い保険料を集め、蓄え、16億6千万円もの基金があります。今回 5 億 4 千万円取り崩しますが、更に介護を必要とする人のために、基金を活用すべきです。

最後に、抜本的改善のためのわが党の提案です。

区は「高齢化社会に対応、持続可能な制度にするため、保険料値上げ止むなし」と説明しました。高齢化が続く限り、20年、30年値上げを続けるのでしょうか。そもそも保険料値上げをしなければならない大本の原因は、国がそれまでの50%の負担を、25%半分にしたことで、サービスを増やせば保険料を上げざるを得ない仕組みをつくったことにあります。このままでは、お金のない人は排除される制度になってしまいます。持続可能な制度というならば、国と都と区が一体となって行っている税金の無駄遣いをやめ、介護保険への税金投入を 50 %に戻す事が不可欠です。当面 30 %に負担を引き上げることで、 3,000 億円の財源となり、保険料の値上げを止めることができます。品川区内でいえば大崎駅周辺開発に 500 億円を超える補助金投入、中央環状品川線への 2,500 億円。全国的に批判高まる米軍基地への思いやり予算 4,000 億円など、国民の望まぬ税金投入をやめれば介護保険料を引き下げることができます。

「小泉構造改革」のもと社会格差と貧困が広がっています。富が一部の富裕層に集中しています。「高齢者金持ち論」を振り回す人がいますが、 65 歳以上女性の年間所得は 150 万円以下が 52.8 %です。貯蓄 0 世帯も 23.8 %に広がっています。この現実に目を向け、自治体として生活困難な区民を救う手だてを最大限とるべきです。国とともに格差を広げる旗振り役とならぬよう、品川区の姿勢を改めるよう求め、反対討論を終わります。
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