前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

第4回定例会一般質問安藤たい作区議

品川区は「ワーキングプア」の解消に力を注げ
学校統廃合に導く学校選択、小中一貫校計画は見直しを
答弁>>> 再質問>>> 再答弁>>> 再々質問>>> 再々答弁>>>


品川区は「ワーキングプア」の解消に力を注げ

安藤泰作区議

まずはじめに、「品川区は『ワーキングプア』の解消に力を注げ」についてです。

品川区は国の若年労働者相談事業「ヤングキャリアナビゲーション」へ参加するなど、若者の雇用環境の改善に向けて一歩足を踏み出しました。しかし現在の若者をとりまく雇用環境は依然として大変厳しく、むしろ悪化しています。区の更なる、緊急かつ抜本的な改善策を求めまして、質問します。

働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない人たち、いわゆる「ワーキングプア」が増えて社会問題になっています。7月末に放映されたNHKスペシャルでこの問題が取り上げられ、大きな反響を呼びました。

「ワーキングプア」増大の原因は、この間の非正規雇用者の急速な広がりにあります。日経連(現・日本経団連)は95年、提言「新時代の『日本的経営』」で、正社員中心の雇用からの転換を打ち出しました。それをうけて政府は派遣労働の適用業種を拡大するなど労働法制を次々と改悪、「規制緩和」し、不安定雇用は拡大。大企業はバブル期以上の空前の利益を上げる一方で、非正規雇用者は1600万人にのぼり、労働者の三人に一人、若者に限れば二人に一人を占めるまでになりました。そのうちの八割が年収150万円以下、生活保護水準以下の「ワーキングプア」です。

「03年度国民生活白書」では、フリーターの急増について「若者の職業能力が高まらない、経済全体の生産性が低下する、犯罪が増加する、未婚化、晩婚化、少子化を深刻化させる」と分析し、今後の経済的、社会的な影響に早くから警鐘を鳴らしています。「ワーキングプア」の解消はまったなしの社会的課題です。

ここで私は、経済界と国と一体となり「ワーキングプア」を拡大してきた品川区の役割を指摘しなければなりません。

私は、区内の図書館で業務委託先の派遣社員としてはたらいていた30代後半の女性にお話を伺いました。

図書館の窓口で働き、時給は900円。勤務は午後3時から8時15分までの5時間15分で、週4日働いて、月収は72000円にしかならず、厚生年金と健康保険、そして雇用保険の適用からも除外されています。数年前に夫がなくなり、高校生になるお子さんも抱えているため、生活のため午前中に接客業など、他に二つのアルバイトを掛け持ちし生計を立ていました。連日のように仕事をハシゴし、休みはかろうじて週に一回取れるか取れないかという状態でした。「やるしかない」という思いでやってはみたものの、「体が壊れるんじゃないか」と追い詰められ、やめざるをえなくなったそうです。この方は、図書を推薦してくれるなど、情熱を持って図書館業務にあたっていた正規職員の姿を見、接する中で「自分もそういう仕事をしてみたい」と思い、図書館勤務を選んだそうです。しかしそうした情熱を、今の区の働かせ方の中でこの方は放棄せざるをえなかった。とても辛いことだったでしょうし、社会全体にとっても大きな損失といえるのではないでしょうか。

また、区の放課後子ども支援事業・「すまいるスクール」の事業委託で働く20代半ばの男性派遣労働者にもお話を伺いました。

時給は1000円。一日の労働時間は午後1時15分から6時15分までの5時間で、週3日の勤務。その他に一日は別の仕事をかけもちし、ひと月の賃金はあわせても10万円弱です。雇用保険の適用こそあるものの、この方も厚生年金と健康保険の適用はありません。「今は独身で、親元にいるから何とかやっていけている。でも年齢も気になるし、将来の結婚などを考えると、とても今の給料ではやっていけない。何かの資格がないと(時給が300円上乗せになる)「リーダー」にもなれない。保育士の資格を取るためにも年間大体百万円近くかかる学校にいかなくてはならないが、とてもそんなお金はないし、今の収入では貯金も無理。無謀かもしれないが、今の仕事を続けながら独学で国家試験に挑戦するつもり。」と話しておりました。彼を支えているのは「やはり自分には子どもに関わる仕事しかない。それを一生の仕事にしたい」という思いでした。彼のこの情熱が生かされない環境に怒りをおぼえます。

私は、若者の生活をおびやかし、働き甲斐を奪い、将来展望も見失わせる働き方を、本来住民の命と暮らしを守るべき地方自治体自身が作り出し、拡大し、押し付けることは、あってはならないことだと思います。

品川区は「限られたコストの中でいかに最大の成果をあげるか。それが区政の大きな使命」といい、20年間で1605人もの正規職員を削減してきました。結果として非正規職員は増え続け、06年度4月現在で非常勤職員は812人、派遣労働者は157人、正規職員は2709人。35・7%、実に三人に一人を非正規雇用者が占めるまでとなりました。これは区と直接雇用関係がある労働者の数ですので、業務委託先や指定管理者も含めば更に跳ね上がります。

総務省「労働力調査」によれば、2000年から2005年の五年間の全国の官公分野の非正規雇用比率は13.7%から22・5%へと1.6倍に急増し、全体の非正規雇用比率の増加率1・3倍を大きく上回っています。この間、官公分野の方が民間よりも非正規雇用を増やすのに熱心だったということは驚きです。しかし全国の非正規雇用率22・5%のはるか上をいく35.7%という品川区の数字にも、あらためて驚かざるをえません。

加えて見逃せないのは、団塊の世代が大量に退職するいわゆる「2007年問題」に対する区の態度です。区は、今後の採用に関して「正規職員で補充するのは半数のみ」と、先の第三回定例議会で答えました。残り半数の職員は非正規雇用で補うと暗に宣言したこの答弁は、「2007年問題」を逆手にとり、非正規雇用の拡大を今後もいっそう進めていく意思の表明であり、到底認められません。

「ワーキングプア」を生み出す更なる無節操な非正規雇用の拡大は、品川区はやめるべきです。

今国会で安倍首相は「『ワーキングプア』を前提にコストあるいは生産の現状が確立されているのであれば大変な問題」と答弁しました。品川区の業務も、先ほど紹介したような非正規雇用者の犠牲と良心の上に支えられているのではないでしょうか。「人権尊重都市品川宣言」を定め「差別の実態の解消」を謳う品川区であるならばなおさら、非正規雇用者への差別的な対応はあらため、「均等待遇」の原則が貫かれるようにすべきです。

住民犠牲の「何が何でも財政効率最優先路線」を転換し、「ワーキングプア」の解消に力を注ぐことを求めます。

以下質問します。

1. いま大きく社会問題となっている「ワーキングプア」に対する区の認識はいかがでしょうか。「ワーキングプア」が拡大することによる、少子化問題、社会保障制度、技術と仕事の伝承など、社会への影響をどう考えていますか。

2. 品川区は「行財政改革」の名の下に、正規職員を非常勤職員などに置き換えてきました。これは「ワーキングプア」を区自らが作り出すことであり、正規職員を基本とすべきではないでしょうか。区の認識をお聞かせください。また、現在導入を進めている「指定管理者制度」や「市場化テスト」による民間丸投げは、さらなる不安定雇用の拡大につながるものです。見直しを求めますが、いかがでしょうか。

3. 非常勤職員、または、民間委託先での派遣労働者の労働条件の改善(交通費の全額支給。所定の基準を満たす労働者全員への社会保険の加入など)がなされるように、区は責任を持つべきだと考えます。区の見解をお聞かせください。

4. 非常勤職員、または、民間委託先での派遣労働者に対して、一定の雇用期間ののちには区による直接正規雇用の道を開くべきだと考えます。区の見解をお聞かせください。

学校統廃合に導く学校選択、小中一貫校計画は見直しを

安藤泰作区議

次は「学校統廃合に導く学校選択、小中一貫校計画は見直しを」について質問します。

まず、八潮地区の5校統廃合問題です。八潮南中の今年の入学者はゼロとなり、地区内の3つの小学校と2つの中学校の統廃合が決定されました。

先日の決算委員会での日本共産党の中塚議員の総括質問に長田教育次長は「八潮南中の入学者ゼロの原因は、八潮団地の特性であり子どもの減少にある」と答弁しました。しかし、この答弁は八潮南中の学区域には今年中学1年になる子どもが34人いたのにゼロになった説明にはなっていません。34人が八潮中、東海中、鈴が森中など近隣校の学校を選んだ結果ではないでしょうか。学校選択制がなければゼロにならなかったことは明白です。なぜ区教委は学校選択が最大の原因であったことを認めないのでしょうか。

同時に小中一貫校6校構想が影響していることも忘れてはなりません。昨年10月、八潮南中を希望した子どもは4人いましたが、八潮地区にも小中一貫校の建設が明らかにされ「八潮の3小学区域の子どもは一貫校に集中する」、こんな不安が八潮南中の入学者をゼロにしたばかりか、地域から「学校統廃合止むなし」の声が広がったのです。

5校統廃合は「地域、保護者が希望した」と言いますが、区教委は統廃合を選ばざるを得ない状況をつくり、その責任を保護者や地域に転嫁することは言語同断ではないでしょうか。

内陸部には学区域内の子どもが八潮南中の34人を下回る学校が4校あり、学校統廃合への不安が広がるのも当然です。あらためてこれ以上の統廃合を是認するのか、統廃合をさせないのか、区側の見解を求めたいと思います。

次に、「いじめ問題の解決」について質問します。

いじめを苦にした自殺が全国で連鎖的に拡大しています。子どもたちが自らの命を絶ってしまうことに、多くの人々が胸を痛めています。事態の解決のため、社会全体が早急に取り組むことが求められています。

さて、いじめの克服のためには二つ問題があると思います。

その第一はいじめを生み出す原因は何かという問題です。

原因を規範意識、道徳心欠如とする向きもありますが、私はいじめがこれほどまでに広がった背景には、近年、教育に「競争」と「詰め込み」が持ち込まれ、ストレスにさらされた子どもたちが、そのはけ口を他の子に向けてしまう、ここにこそいじめの原因があると思います。

とりわけ品川区では、教育改革「プラン21」を制定して以来@2000年には学校選択制を導入、各学校が子どもの獲得競争にしのぎを削る、A2003年には習熟度別教育を全校で実施、子ども達を能力別に分ける教育の実施、B2003年には一斉学力テスト実施と結果を公開、点数獲得競争の加速化、Cそして今年は小中一貫校開校および全区で小中一貫教育を開始・・・。ここ数年すさまじい「競争」と「詰め込み」の教育が進められてきました。

今月11日付けの読売新聞は、品川区教委の区立小中学校全児童を対象におこなった「いじめに関するアンケート」の結果を報道。「『クラスでいじめがある』と感ずる子どもが2割弱に上った。区教委は『差し迫ったいじめはない』としてきたが…」と報じています。

私はここまで広がったいじめ問題を解決するためにも、現在進めている「競争」と「詰め込み」教育の早急な見直しを求めたいと思います。

ここで品川の教育現場で起きた実例を紹介します。

学校公開の場での出来事です。注意欠陥多動性障害、いわゆる「ADHD」と思われる子がふざけた際、校長が「ここの学校を希望しても君の入学は許可しない」「親も選ぶが学校も生徒を選ぶのが学校選択制です」といったそうです。参加した親たちはこの発言に仰天したそうです。華々しく喧伝される「プラン21」ですが、子ども達も学校も競走に駆り立てられていることを示す事例です。

国連子どもの権利委員会はこの10年間で2度も日本に対し「日本の子どもたちは過度な競争的な教育制度のため、正常な発達が阻害されている。早急な改善を」、と勧告しました。

また東京新聞は、学校での暴力行為が増えていることを報じ、「ストレートに暴力に訴える子どもがそれぞれ増えている背景には、習熟度別学習の導入などで早い段階から大人への評価にさらされることへの過剰なストレスがあると言える。社会全体の問題として重く受け止めなければならない」としています。

ただでさえ行き過ぎた競争主義教育が指摘される日本の中でも、さらに競争を強化する品川の教育は、克服どころかいじめを生み出す原因を日々作り出しているのではないかと、大変心配します。

いじめ問題の解決のための二つ目の問題は、その克服のためには早期に発見し、学校、保護者が協力して取り組むことの重要性です。この点でも障害になっているのが学校選択自由化です。

「学校選択制」のもと、学校間で子ども獲得競争を繰り広げる中では、学校でいじめや問題行動があると、たちまち地域に広がり、その学校は学校選びから除外されることになります。

10月18日付東京新聞は都内の中学校に勤める女性教師の言葉を紹介しました。「最近は、いじめを同僚教師に相談できない雰囲気になっている」「学校が管理社会になってしまい、いじめを表沙汰にすると、自分の業績評価に響いてしまうので、教師が一人で抱え込んでしまう」、「それだったら、最悪の事態があっても、いじめには気が付かなかったと言う方がまだましということになる」。この記事は「学校選択制はいじめなど問題があっても隠蔽する」力が働くことを示しています。

学校選択制は、子ども、教職員、地域のつながりを分断するものであり、いじめの解決を遅らせる原因となるものです。早期の見直しを図るよう求めます。

こうした競争と管理で学校をがんじがらめにする品川の教育は、世界の教育実践の流れに反しています。主要先進国30か国による経済協力開発機構、OECDの2回にわたる国際学力テストでダントツトップになったフィンランドの教育に学ぶべきです。学級編成を何人にするかの権限は学校にあり、全国平均では16人学級となっています。しかも1989年には習熟度別学習を全廃、選別と競争を排除。あえて出来る子、出来ない子を一緒に4人程度のグループに組織し、「学びあい」の教育を行なっているのです。つめこみでなく、競争を廃し、学ぶことの楽しさがわかる学びあいの教育への転換を求めます。

最後に、政府は改悪教育基本法を衆議院で強行採決しました。愛国心教育で内心の自由を侵す問題、国による教育への介入を無制限に拡大する問題などがあるとともに、品川区がおこなった学校選択制、学力テスト等競争教育を全国に広げることになります。あらためて教育基本法の改悪に反対を表明し、以下三点の質問をおこないます。

1. 八潮南中の入学者がゼロとなった原因、5校統廃合の原因を品川区はどのように考えるのでしょうか。また区教委は、学校の統廃合問題の質疑の際、「適正配置の問題もある」と口にしています。これは児童数減少のもと、統廃合に期待を寄せているとも取れます。改めて、統廃合についての基本的な、考えをお答えください。

2. 品川のいじめの実態と取り組みをご説明下さい。学校選択制は子供獲得競争のため、その事実を隠す作用が働くと思います。あらためて区側の考えをお聞かせください。

3. 学校選択、小中一貫校、学力テスト公開は子ども達同士を競争させることにより学力向上を図ろうとするものです。しかしこれは世界の教育研究や実践に逆らったものといわれています。改めて競争教育でなく30人学級を実現し、できる子もできない子も共に学ぶ学びあいの教育に転換すべきと考えますが、区側の見解を求めます。

ページトップへ


答弁

区長(濱野健君)

初めに、いわゆるワーキングプアに対する区の認識についてですが、若者を中心とした雇用問題は、今後の社会経済のあり方にとって重要な課題であり、現在、国においても社会全体で取り組むべき課題として、さまざまな検討がなされているものと認識をしております。

次に、区が行財政改革により正規職員を非常勤職員に置きかえてきたとのご指摘ですが、決してそのようなことはございません。行財政改革が始まった昭和58年から平成18年までの正規職員の削減数は1,605名でありますけれども、これは事業の廃止・縮小・統合など仕事の見直し、さらには退職職員の活用、事務の機械化、業務委託など、さまざまな創意工夫を図ってきた結果であります。−方、非常勤は、正規職員を充てることが適当ではない短時間の業務、あるいは専門的資格を要する業務に活用してきたところであります。

また、指定管理者制度の見直しをとのことですが、さまざまな新たな行政課題を抱える区にとって、公益法人や民間企業ができることは、事業や施設管理を委託することで身軽になり、区は新たな課題を解決すべき方に人材を投入することができると認識しておりますので、見直す考えはございません。

3点目の非常勤職員の労働条件につきましては、報酬に交通費実費分を加算し支給すること、休暇制度では公民権行使休暇や慶弔休暇等の特別休暇を有給化すること、さらには、任用条件として、原則として区内居住者を優先するなど、改善を図ってきております。また、社会保険等につきましては、法基準に基づき加入しているところでございます。なお、民間委託先での派遣労働者の労働条件については、民間企業が労働法令にのっとり、その責務を果たすべきものと考えております。

4点目の区による直接雇用につきましては、公務員任用については、能力の実証に基づくとする原則がありますので、直接雇用はできませんが、選考資格に該当する方には選考の応募を周知し、ご案内しているところでございます。

教育次長(長田正君)

私からは、統廃合に導く学校選択制、小中一貫校計画は見直しを、の質問についてご答弁申し上げます。

まず、八潮南中学校の入学者がゼロになった背景でございますけれども、これまで申し上げてきているとおり、八潮団地固有の人口構成の問題がございます。昭和58年ごろ、団地の開設時期に入居した住民の高齢化とともに、居住者の入れかわりが極端に少ないという団地固有の事情が重なり、一気に少子化が進んだことが大きな要因であると考えております。加えて、中学校の場合、小規模化が加速する事態を見て、生徒と保護者の学習環境や部活動などへの希望が大きく作用したものと推測をしております。以上のように、八潮南中学校の問題は、八潮地区固有の急速な教育環境の変化によるものであり、学校選択制の制度のあり方に起因するものではないと考えております。

次に、学校の適正配置に関する質問でございますが、時代が推移し、年数が経過する中で、児童生徒数と学校との数量的関係が変化をし、そのバランスを検討すべき状況にあることは認識をしているところでございます。学校の適正配置につきましては、地域において学校が適切な教育環境を提供し、公立学校としての役割・機能を十全に果たしているか否かも含め、今後検討したいと考えております。

次に、いじめ問題と学校選択制についてでございますが、いじめの問題は、家庭や社会環境の変化、人間関係の希薄化、IT社会の加速化など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こるものであり、その解決に向けては、学校はもとより、家庭、地域がともに手を携え、社会全体で取り組む必要があります。−方、学校はこうしたいじめや学級崩壊等の解決に向け努力をしているところでございますが、従来よりこうした課題を学校だけで解決し、完結しようとする傾向がございました。

プラン21は、そうした学校の態勢の慣習といったものを改善するために策定したものでもあり、中でも学校選択制は、みずから選んだ学校をともに支えていくといった、家庭、地域、学校の実質的なつながりを構築することを目的にしたものです。実際に、学校は保護者や外部評価者に、いじめをはじめとするさまざまな問題を積極的に相談し、情報を共有しながらよりよい解決策を打ち出すように変わってきております。したがいまして、学校選択制で学校を競わせることが、いじめの問題を隠し、家庭、地域、学校の連携による克服の障害となるとのご指摘は、品川区の学校には全く当たらないと認識をしてございます。

最後に、競争教育の見直しと30人学級についてでございますが、習熟度別学習やステップアップ学習は、一人ひとりの習熟度や関心に応じたきめ細かな指導を行うものであります。また、子ども同士の学び合いについては従束より既に実施しており、小中−貫教育カリキュラムでも学習内容の一形態として重視をしているところでございます。したがいまして、市場原理を持ち込んだ競争主義教育といったご指摘が当たらないことは明白であり、現在取り組んでいる学習活動を見直す考えはございません。

なお、30人学級に関しましては、これも再三お答えしておりますが、学級編制等に関する法律によりまして、東京都においては1学級は40人と定められておりますので、その動向を見守っていく姿勢に変わりはございません。

ページトップへ


再質問

安藤泰作区議

自席より再質問をさせていただきます。

主に4つの点で質問をしたいと思うんですが、教育の問題から申しますと、八潮の問題ですが、やはり八潮固有の、団地特有の問題でありますということのお答えでした。急速な教育環境の変化があったと言いますが、私は、やはり学校選択制を導入したということ自体が、教育環境を急速に変化させてきたまさに原因ではないかというふうに考え、まさにメインの原因ではないかと思っておりますけれども、それで、前回、やはりどうしてもこれが私には納得いかないんですが、以前の3定において、共産党の中塚区議の質問で、この八潮のような事態が飛び火する可能性がある認識があるのかどうかという質問に対して、教育次長が、日野学園の例を見ると、全区に当たる影響はある程度あったと。こういった傾向は、これから建設していく−貫校の周辺についても、同じような傾向があらわれるのではないかと考えているということを答えております。

そういった傾向があると予想するのであれば、やはりこの統廃合に全力をかけて阻止するつもりが区としてあるのかどうかというのはすごく重要な問題になってくると思うんですが、私は、文教委員として各小学校の周年行事に参加いたしまして、80周年を迎えた宮前小学校と大原小学校に参加させていただいたんですが、地域にやはりコミュニティの中心になっているんですよね。近くの商店街にも大原小の伝統を未来につなごうという垂れ幕がかかっておりますし、こういった地域の思いのたけが詰まっている学校を統廃合させないために、そういった決意があるのかどうか、統廃合を阻止する可能性があると認めるのですから、それを阻止する決意があるのかどうかということをまずお伺いしたいと思います。

あと、若者の雇用の問題でございますけれども、特に委託先の派遣労働者のことに関して、民間はそういうふうに法にのっとってやっているものと考えるというふうにお答えをいただきましたけれども、考えていると申し上げましたけれども、あまりにもちょっと丸投げといいますか、無責任といいますか、先ほど私の質問でも紹介したように、区の事業に対して、そういった派遣先の労働者の方とかは、必死の思いで情熱を持って取り組んでいるわけですよね。そういった方たちに対して十分な労働環境を提供するというのは、私は区の責任ではないかというふうに考えているんですけれども、そういった姿勢で私は、先ほどの答弁で__ しっかり雇用責任を、直接雇用責任はないと思いますが、区としては、やはり区民の暮らしと命を守るというのが行政の使命、自治体の使命でもございますので、そういった認識に立って、民間委託先の労働者に関してもきちんとそういった環境を、道をあけてあげるということを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。以上です。

ページトップへ


再答弁

区長(漬野健君)

派遣会社に対して労働条件の改善を指導しろというお話だろうと思いますけれども、品川区は、派遣会社に対して仕事をお願いする、この仕事を、区民サービスをしてくださいということで契約をするわけでありまして、区がその派遣会社に対して、その社員の給料をどうこうしてくれという、そういう立場にはない。それは、やはりさまざまな関係法令にのっとって責務を果たすべきだというふうに考えているところです。

以上です。

教育次長(長田正君)

再質問にお答えいたします。

学校の適正配置に関する問題でございますけれども、これは先ほど答弁で申し上げましたとおり、児童生徒の数と学校の配置の問題、こういったことがアンバランスを生じてきているのは確かでございます。ですから、そういった問題について今後検討をしていくと、このように答弁をしたところでございます。

以上でございます。

ページトップへ


再々質問

安藤泰作区議

自席より再々質問をさせていただきます。

教育の八潮の話なんですが、学校統廃合の可能性が内陸部にも広がるということを区側も認めているわけでありまして、先ほどの質問の中で、統廃合を阻止する決意があるのかどうかということをちょっとお伺いしたんですが、改めて聞きたいのと、阻止するつもりがあるのであれば、具体的にはどういった阻止する決意といいますか、具体策といいますか、そういうのを考えておられるのか、ちょっとお向いしたいんですが、お願いします。

ページトップへ


再々答弁

教育長(若月秀夫君)

統廃合、統廃合とおっしやいますけれども、先ほど来ご答弁をしているように、今、この品川区の子どもたちの数や学校の数を見てきたときに、そのアンバランスがかなりはっきりしてきたと。これは客観的な事実であります。そうしたものをそのままほうっておくのか、あるいは、それよりもこれから子どもたちのために少しでもいい教育環境を用意していくのか、これから考えていこうと言っているんです。それを言っているわけです。それをすぐ今ここで統廃合すると言ったとか言わない、そういうことは言っていないとか、今ここでそんな結論を出せるわけないんです。今そうやってバランスがだんだん変わってきた。保護者のニーズもいろいろ変わってきた。子どもたちも変わってきた。そういう中で、これから新しい品川区全体の学校と子どもたちのバランスをどう考えていくか、これを考えていきましょうと言っていることです。そこら辺をよく、よくまずそこを押さえてください。30人学級については、先ほどご答弁をしたとおりであります。

ページトップへ


議長(塚本利光君)

以上で、安藤泰作君の質問を終わります。

ページトップへ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ