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2007年第1回定例会一般質問沢田英次区議

競争教育をやめ世界に広がる『学びあい』の教育を
ワーキングプアをなくすために区は率先して均等待遇の具体化を
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競争教育をやめ世界に広がる『学びあい』の教育を

沢田区議

日本共産党を代表し一般質問をおこないます。

はじめは「競争教育をやめ世界に広がる『学びあい』の教育を」の質問です。

品川区に学校選択が導入されて7年、その後、教育改革「ぷらん21」による習熟度別学習の全校実施、小中一貫校及び小中一貫教育、学力テストの実施と公開など、矢継ぎ早に実施。その特徴は「競争教育」と子どものランクづけです。学校選択により学校間での子供獲得を競わせる。もう一つは学力テストの結果公表、能力別にクラスの子どもを分けた習熟度別学習、小中一貫校ではさらに異学年にも拡大し、子どもをランク付けする選別教育です。

この7年間、競争とランク付け教育により、何がもたらされたのでしょうか。

第1は、学校の統廃合の広がりと加速です。この問題は後ほど述べます。

第2は、いじめの増大です。「昨年末の区教委の『いじめ問題に関する調査』では「学級にいじめがあると感ずる」と答えた中学生が18・2%に達した。しかも11月にはいじめによる自殺予告が2件も生じたのであります。競争により子どもたちにストレスがたまったことが影響していると思われます。

第3は、学校選択制によりクラスの3割は他学区からの子供となり、学校、地域、家庭の共同が弱まり、少なくない町会関係者からも学校選択制見直しの声が高まっています。

第4は、品川区の競争教育に賛同できない教師の品川離れが顕著となり、新任教員の割合が急増。

品川区の子どもと教育の現状は、抜き差しならない危機的な状況に直面しているといわなければなりません。

さて、私は2月9日に私は茅ヶ崎市の市立浜之郷小学校の公開授業に参加しました。

同校は今から十年前に開校と同時に、東京大学大学院教授であり、日本教育学会会長の佐藤学先生の指導を受け「学びの共同体」の実践をおこなってきました。その目標は「学校と教師の責任は一人残らず子どもの学ぶ権利を実現し、子どもたちを高いレベルの学びに挑戦させる」としています。

その特徴は、グループ学習を重視した「学びあいの学習」です。それは@グループを成績の上位、中位、下位の子供まぜて4人で構成。下位の子が上位の子に分からないことを聞く関係を大事にする。佐藤先生によると、先生の個人の力で40人の、全体の学力向上は不可能であり、子どもたち同士の学びあう関係が、学力向上の決め手になる、といいます。

Aグループに与える課題は、一番上位の子のレベルを超えるもの。

グループ学習は、一斉事業では理解できなかった問題に全員で挑戦、この学習を取り入れることにより下位の子も含め、学力が飛躍するとのことです。

この「学びあい」の教育は2000年、2003年のOECD経済開発協力機構の国際学力テストでトップとなったフィンランドがいち早く取り入れている教育です。現在、ヨーロッパ、北米、アジアなど広がり世界の流れとなっているのであります。日本でも1000の小学校で実践されているとのことです。

私は3年生の国語の授業を参観しました。教科書「もちもちの木」を全体で読み、4人1組グループに別れ、この文のタイトルをなんとつけるか、読解力の授業でした。

全体で読みあったあとグループに別れ検討、その後グループの代表が「山上の木」「豪華な木」「じ様とマメ太」などタイトルと、その名をつけた理由の発表がありました。

私が感心したのは、先生の静かな語り口、数十名の参観者がいる中、子どもたち全員が耳を傾け、すべての子どもがグループ学習に参加していることでした。

校長先生は「グループ学習は学力だけでなく子供同士の信頼関係を深める。習熟度別学習は学力格差を広げるのでおこなっていない」とのことでした。

第2の特徴は、教師の役割を特別に重視していることです。

子どもたちの学びを保障するために教師の役割はきわめて重要。一斉授業からグループ学習への移行はどこでおこなうか、グループ学習のテーマをなんとするか、など高度な専門性が要求されるそうです。「効果的な授業をおこなうには、教室を開きあい、授業の事例研究を通して学びあう教師の同僚性が不可欠」とのことでした。

校長先生によると「当時は教師がとても多忙で雑務に振り回されていた。もっと子どもと接し、授業の準備ができるよう、打ち合わせ、委員会を徹底して削減、職員室では授業の進め方、子どもたちについての話し合いが日常的におこなわれようになった」とのことでした。

教育委員会のホームページで若月教育長の講演記録を読みびっくりしました。「教師一人一人が好むと好まざるとにかかわらず『そうせざるを得ない状況』に追い込んでいくことが不可欠」と述べていますが、この背景には教師は追い込まれないと何もやらない、教師不信があることは明らかです。

教師同士の自主性や、学びあいを保障するのではなく、上から鋳型にはめ込むような『追い込みの』この発想は、子どもと教師を信頼しその上に共同の学びを広げる浜之郷小学校と180度の違い、といわなければなりません。

同校周辺は茅ヶ崎市の中でも所得階層が低い方の多く問題を抱えた地域でした。

しかし「学びの共同体」を取り入れて以後、20名いた不登校児は現在ゼロに。OECD,経済開発協力機構は「成功した学校改革の典型」と折り紙をつけました。

あらためて競争教育から学びあいの教育への転換を求めるものです。

ここで学校統廃合の問題に移ります。

これまで小中一貫校の日野学園設立に関し、日野中学校がなくなり、八潮では3つの小学校と2つの中学校5校が統合されます。加えて平塚小と平塚中を統合する荏原西地区の小中一貫校計画に荏原2中も加え、荏原2中の廃校計画を発表。2月6日の予算案のプレス発表では平塚小と平塚中としていたのに、あまりに唐突です。

区長は施政方針では「子どもの減少の中で学校の適正化規模のあり方を検討する」と述べましたが、これから父母、専門家を交え検討するのに、なぜ「荏原2中を抜き出し廃校する」方針を決定したのでしょうか。

なぜ、地域、保護者、教職員の意見を計画決定前に聞こうとしなかったのでしょうか、区教委決定はあったのか、議会文教委員会なぜ報告がなかったのか、説明を願います。

我が党は、子どもが減少した今こそ、40人学級から30人学級に移行する好機と考えます。先日、NHKのBSチャンネルで「未来への提言」フィンランドの教育大臣を5年務めた元教育大臣のヘイノネン氏と佐藤学教授の対談を見て驚きました。「フィンランドでは平均一学級は20人だが、10人まで減らすことができる、その選択は学校に任されている」とのことでした。子どもの減少するもとでこそ、学校統廃合ではなく、少人数学級を実現すべき好機ではないでしょうか。

そこで以下3点にわたり質問をいたします。

1.学力向上、人格の形成にとって子どもたち同士、また学校間で競争させることが優位だ、とする根拠、事例を紹介されたい。できる子とできない子を選別する教育から学びあいの教育に転換すべきと考えますがいかがでしょうか。

2.豊な教育を進めるためには、子どもと日々接する教師の存在はきわめて重要です。教師がゆとりを持って授業の準備あたること、子どもと接する機会を増やすこと、また、教師の自主性を尊重し、教員間の共同ができるように改善を求めますがいかがでしょうか。

3.教育委員会事務局は、荏原西地域の小中一貫校に、平塚中に荏原2中を加え、統廃合する方針を明らかにしました。「プラン21は学校統廃合を目的としたものではない」との方針を転換したものです。その理由は何か考え方をお答え下さい。

ワーキングプアをなくすために区は率先して均等待遇の具体化を

沢田区議

次は「ワーキングプアをなくすために区は率先して均等待遇の具体化を」の質問です。

NHKが2回にわたって放映した「ワーキングプア」は、第1回目が全国での視聴者は1100万人をこえ、大きな衝撃を与えました。働けど働けど、生活保護以下の収入しかない、こんな状況が若者、農村、商店、中小工場に広がる様をリアルに描き出していました。

ワーキングプアと呼ばれる人たちは全国で400万人、15歳から24歳の2人に1人が派遣や契約、パートなどの非正社員。仕事・残業は正社員なみにこなしているのに賃金は正社員の4分の1、社会保険もなし、休みもとれないのであります。

1月末に、五反田駅で宣伝をしていましたら、40歳の男性が「手持ち金は1000円しかなく助けて欲しい」と相談がありました。この方は「20年前からの派遣社員」、昨年末、派遣先の会社は、長期の契約だったのに、会社都合で突然解雇、解雇予告手当もなし」。Aさんは、3万円の家賃も払えず路上生活と背中合わせの生活になったのです。

労働基準法も適用されず労働者はまるで部品扱い、不用になれば、使い捨て。ワーキングプアの広がりは、人間らしく生きる希望を奪う人権上の問題であると同時に社会保障の基盤を崩す、税収減をもたらすなど社会全体の問題といわなければなりません。

戦後最長の好景気を更新しているのに、国民の多くは不安定雇用に直面。私はこのような事態を作り出した要因は3つあると思います。

一つは、日本の財界・大企業の責任です。目先の利潤追求のため、競い合ってリストラを推進。正社員を削減し不安定雇用に置き換えてきました。95年、日経連は「新時代の日本的経営」の提言で「正社員中心の雇用からの転換」すなわち「雇用の流動化」の方針を打ち出し、規制緩和を政府に要請したのであります。ワーキングプアは大企業・財界の身勝手な要求によるものであります。

第二は、小泉内閣の責任です。

財界の要請を受け小泉総理は派遣労働法など労働法制を次々改悪。企業が請負、派遣労働など非正規労働者を好き勝手に採用できるようにしました。

そればかりか、企業がリストラすれば減税する産業再生法を制定、この5年間で10万人のリストラをした企業に、1000億円もの減税したのであります。

私はここで民主党に対し苦言を呈したいと思います。今国会を「格差是正国会」と位置づけていることは共感します。格差と貧困はひとえに小泉内閣の構造改革路線と自民、公明政治がもたらしたものですが、民主党は98年の裁量労働制を導入した労働基準法改悪、99年の26業種から原則自由化した派遣労働法改悪など労働法制の規制緩和の大半に賛成してきたのであります。

昨年、区内の青年団体が「就業相談窓口を作って欲しい」との請願に民主党の幹事長は「何でもかんでも行政におんぶしてください、という態度は好ましい青年のなさるべきことではない」と不採択を主張したのであります。

この発言は不安定雇用に苦しむ青年の気持ちを逆なでするものであり、「格差是正」を本気で考えていない、といわなければなりません。猛省を求めるものであります。

第三は、品川区が率先して「行政改革」の名で不安定雇用を拡大してきた問題です。

昨年、わが党の安藤議員の「区が行革のなで正規を非常勤に置きかえてきた」との指摘に濱野区長は「決してそのようなことはございません。昭和58年から平成18年までの正規職員の削減数は1,605名だが、これは事業の廃止・縮小・統合など仕事の見直し…業務委託など、さまざまな創意工夫を図ってきた結果だ」とワーキングプアを生み出した責任を否定しました。

しかし、品川区は「行革改革」を推進する際、コスト主義を持ち出し、正規職員は社会保障の事業者負担分を含め年間850万円かかるが、非常勤はその数分の一で出来る」主張してきたことは、否定しがたい事実です。

品川区の現在の正規職員は2709人、非常勤は812人、派遣労働者は157人、非正規職員は正規職員人の35・7%にも達しています。この他にも保育園や学校給食など業務委託や指定管理者のもとでの民間に委託した先でのパートや派遣を加えるならその比率はもっと高くなります。

区内の図書館で業務委託先の派遣社員として働いていた30代後半の女性Aさん子に話を伺いました。Aさんは高校生の子どもを含めた4人暮らし。図書館の窓口で働き、時給は900円。勤務は午後3時から夜8時15分までの5時間15分で、週4日働いて、月収は72000円にしかならず、生活のため午前中に2つのアルバイトを掛け持ち。厚生年金と健康保険もなし、の状態だそうです。

濱野区長、正規職員と同等に頑張る非常勤、派遣の皆さんに一刻も早く、待遇改善をはかるべき考えますがいかがでしょうか。

区長は施政方針演説で「品川区は、不断の行財政改革により健全財政を築いてきた…私はこれらの成果をしっかり受け継ぐ」と述べました。しかし、健全財政の指標である基金残高530億円の大半は、本来、非常勤、派遣など労働者に支払われるべきものだったのではないでしょうか。

EU・ヨーロッパ連合は1997年、パートタイム労働者に均等待遇をうける権利を明記した指令を採択。この指令で英国では2000年からパートタイム労働者を正社員と同等な権利を保障する規則が実施されました。イタリアでも指令にもとづき新パートタイム労働法を制定。時間あたり報酬額、試用期間、年次休暇、母性保護、など具体的な事例をあげて差別を禁止しました。

パートと正規社員は働き方が違うだけであり、その待遇は均等におこなう、これがヨーロッパを中心に広がっています。

そこで質問します。

@あらためてワーキングプアは是正すべきと考えますが区長の考えをお聞かせ下さい。

A品川区に働く非常勤、派遣の数、民間委託先で働く正規社員、非正規社員の総数をお答え下さい。学校給食や図書館での派遣社員の賃金はいくらになっているでしょうか。それぞれ契約時の人件費算出の基準をお答え願います。

B正規と同じ仕事をする非常勤などには均等の待遇とするよう求めますがいかがでしょうか。賃金引上げ、希望者には労働日時の延長、社会保険加入、交通費全額支給を求めますがいかがですか。

C安藤議員の昨年11月議会での「一年以上継続勤務したものには正規採用を」の質問に選考資格に該当する方には応募を周知している」と答弁しましたが、今年度、何名に通知し何名が正規採用となったかお答え下さい。

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答弁

区長(演野健君)

沢田議員のご質問のうち、ワーキングプアに関連するご質問にお答えを申し上げます。

ご答弁申し上げます前に、ただいま教育の問題でお話しになりました茅ヶ崎市立浜之郷小学校のお話が出ました。私はこの初代の校長、指導室長から準備を進めてこの学校を立ち上げた校長と非常に懇意につき合わせていただいておりまして、考え方は違いますけれども、大変立派な教育者だというふうに思っております。ただ、今、議員のご質問の中で、浜之郷地域のことについて、所得の低い階層の人が多く問題のある地域というご発言がございました。何を根拠にそのようなご発言があったのかは知りませんが、他の自治体とはいえ、いささか残念な発言だというふうに思っております。

いわゆるワーキングプアの是正に関する考え方についてですが、人材派遣など多様化した雇用形態は、今後の社会経済のあり方にとって重要な課題であり、現在、国においても社会全体で取り組むべき課題としてさまざまな検討がなされ、関係法令の整備も進みつつあるものと認識しております。

次に、現時点の区の非常勤職員数は892名で、人材派遣職員は179名です。また、学校給食は調理代行方式による委託、図書館は窓口業務委託という委託業務であるため、民間企業に勤める正規・非正規の社員の総数および委託業務に対する賃金は把握しておりません。工事契約とは異なり、一般の委託契約における人件費算出の基準については、特に定めはありません。

3点目の正規職員と同じ仕事をする非常勤職員の待遇については、非常勤の職の内容、勤務時間等により異なりますが、保育士を例にとると、有資格非常勤の時間単価は1,500円、無資格の非常勤1,200円に対し、正規職員の初任給の時間単価は1,028円で、非常勤が正規職員を上回っている状況ですので、賃金の引き上げは予定しておりません。

勤務時間については、非常勤の職の性格上、週30時間以内で必要に応じ設定しており、原則として区内居住者を優先するなど、任用の改善に努めております。また、社会保険等につきましては、法令に基づき加入しているところです。

4点目の選考資格に該当する方には、選考の応募を周知しており、区役所に勤務したことがある方で正規職員になった者は平成18年度採用で7名、19年度採用で8名の見込みです。

その他の質問につきましては事業部長からお答えさせていただきます。

教育次長(長田正君)

私からは、競争

教育をやめ世界に広がる学び合いの教育をの質問にお答えいたします。

まず、学び合い教育への変換をというご意見でございますが、再三お答えしているように、習熟度別学習と同様に、グループによる学び合いも学習形態の一つであり、品川でも通常に行われているところでございます。いわゆる競争も互いが高め合うための手法の一つとして必要な要素であると考えておりますが、この一面をとらえて、あたかも品川の教育すべてが教育主義で貫かれていると決めつけられるのはいかがなものかと、これまでも繰り返し述べてきたところでございます。

教育委員会といたしましては、学習形態を固定化し、それを学校に一律に押しつける考えはございません。小中一貫教育要領がそうであるように、品川の子どもたちの現実に即した教育を行うことが重要であり、個々の子どもたちの成長にとって最適な学習形態を現場の教員や教育委員会が共同して考え、学習内容にあわせて多様な指導法を取り入れることが大切であると考えております。学力定着度調査も、こうした学校における日々の指導改善を目的として実施をしておりまして、子どもたちを比較するためのものではございません。

また、教育委員会での調査を根拠にいじめが増加をしたとしておられますが、この調査は今までの調査とは異なる聞き方で実態を把握したものであり、何を根拠に増加したとされるのか理解できません。

次に、2点目の教員のあり方についてでございますが、子どもと日々接する教師の存在が重要なことは言うまでもございません。この間、各学校では小中一貫教育という新しい教育の導入に向け、教師同士の研究を深めるとともに、学校組織や会議の効率化を図るなど、さまざまな工夫をしてまいりました。区といたしましても、教員の負担軽減を図るため、23区に先駆けて全教員にパソコンを配付して、事務的作業の簡素化を図ったり、区独自で非常勤講師を配置したりしているところでございますが、今後もさまざまな方法で教員の教育活動をサポートしてまいります。

なお、本区が特に異動が多いという実態はありませんし、新任教員の増加も品川だけでなく都全体の傾向でございます。

3点目のプラン21と学校統廃合に関するご質問でございますが、学校選択制は学校統廃合を目的としたものではありませんし、その考え方、方針に変更はございません。学校選択制はあくまでも、子どもたちに応じた学校を選択するという区民の権利を可能な限り保障するとともに、教員の意識改革や学校教育の質の向上を図ることを目的としたものでございます。

八潮地区の学校に関しましては、区政協力委員会をはじめ多くの方々から、なぜこうなるまで学校の統合を考えなかったのかとのご意見をいただくくらい地域の課題となっておりましたし、平塚中学校と荏原第二中学校についても、従来より1つの町会に2つの中学校があるのはいかがなものかとの声が上がっておりました。こうした中で、区内の地域バランスを考えた小中一貫校6校構想にあわせて、これらの課題の解決を図りたいと考えたものでございます。

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再質問

沢田区議

この場から再質問をさせていただきます。

最初に、区長から浜之郷小学校の問題を言われたんですが、現地で比較的低所得の方が多くて、学校でもいろいろ問題を抱えていましたという話があり、それを紹介しただけのことです。その具体的な中身として、開校当時、不登校児が20名いたということが言われておりましたので、紹介させていただきました。

まず教育の方なんですが、私が第1点目で質問をしました、要するに子どもを競争させれば、競わせれば、あるいは学校間で競わせれば有利だとする実例や理論があったら、研究結果があったら紹介してほしい。私、前から議会で言っているんですけど、出てこないんです。改めてどういう研究や、競争させることに世界と日本で効果的な事例があったのかをお尋ねしたいと思います。それが第1点です。

それから、学力テストの問題で言われていましたけれども、学力テストは指導改善をするもので、点数を競わせるものではない。それならば、一体なぜ学校ごとに点数の公表をするんですか。そのことが学校選択だとか、学校間での競争に弾みをつけている紛れもない事実。そこをお答え願いたいというふうに思います。

それから、3番目の学校統廃合の問題ですけど、これまで同じ答弁をしてきました。ただし、地元から学校統廃合の声が出れば、統廃合はしませんということを言ってきましたけれども、今回は平塚中も荏原二中もPTAはもう驚きで、とても賛成するような状況じやないという声が伝わっておりますし、新聞報道もされております。当事者が納得できないんだったら、この計画は撤回するともとれる回答ですが、それでよろしいでしょうか。再度お尋ねしたいと思います。

それから、ワーキングプアの問題で、早口で残念ながらあまり聞き取れなかったんですけれども、私は具体的に図書館の方で7万円にしかならない、高校生を頭にして3人の子どもを養うために7万じや生活できないから、午前中2つの仕事をかけ持って、また午後、品川区の図書館の窓口で仕事をしているというふうに紹介しましたけれども、区長さんはこのような状況をどう思いますか。子育て支援が一方で言われているもとで、こんな毎日を送らなきやならない。これと同じような状況が「ワーキングプアU」で報告されていましたね。母子世帯で。この点に対しての区長の見解をお尋ねしたいと思います。

あと、行政評価を言っているのに、委託した先でどんな雇用形態の労働者が何人いるかということをつかまずして、住民のサービスや問題がないかということを評価しようがないじやないですか。先ほどの関係では、民間の委託先での労働条件、労働者の働き方については一切つかんでおりませんということでしたけれども、それでは区民にサービスが向上したということはとても言えないというふうに思います。私はその先で、派遣やパートの人たちが大変な状況で仕事をしているということに、そこも含めて調査をすべきだと思いますが、再度答弁をお願いします。

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再答弁

区長(清野健君)

ワーキングプアに関する再質問にお答え申し上げます。

ワーキングプアというのは、今、社会的にいろいろ言われております。団塊の世代の子どもたちに多くワーキングプアの人たちがいるということで、そういう詰もたびたび聞くことは私も同じでございます。同時に、しかし、私ども行政の運営というのは、地方自治法2条の規定にもありますように、最小の経費で最大の効果を上げるというのが一つの命題でございます。ワーキングプアの問題というのは、労働法制の問題、あるいは経済の問題、社会全体で取り組む問題でありまして、品川区がこの問題に一人取り組むことによって、いかほどの社会的な効果があるのかということを考えますれば、やはり自治体としては最小の経費で最大の効果を上げて区民サービスを展開するということが私どもの使命だというふうに思っております。

それから、委託先の貸金云々の話がありましたけれども、これは委託をすることによって区民サービスがどういうふうに提供されるかということが問題なのでありまして、雇用の形態、あるいはそこでどういう賃金が払われているかというようなことをもってはかるべきことではないというふうに思っております。当然、区民サービスが低下するような委託業務であれば、当然に交代をしていただくということになろうかと思いますが、区民サービスの質で評価をすべきものと考えております。

以上です。

教育次長(長田正君)

沢田議員の再質問にお答えいたします。3点の質問をいただいたかと思います。

まず1点目の競争させることの事例ということでございますけれども、私ども事例がどうのこうのという話ではなくて、教育の場面の中では、やはり場面に応じて競争させることも教育効果を高める一つの方法だろうということを申し上げているものでございます。

2点目の学力テストの公表の問題でございますけれども、学校の学力テストの結果は公表してございます。これにつきましては、全体的に低いところについては一層の奮起を促すようにという意味もございますし、また、全体に比べて低いところにつきましては、教育委員会として特別支援校としての支援をしていくために設けているものでございます。

3点目の統廃合の問題でございますけれども、学校選択制が統廃合の材料とはしないよということで従来から申し上げてきたものでございますけれども、今まで議会でお答えしてきた内容は、ただし、地域の中から統合を求める声が出てきた場合については真筆に対応してまいりますと、このようにもお答えをしてまいったところでございます。そういった意味も含めまして、今回の荏原西一貫校の統合の問題については、こういった意見を私ども真撃に聞いた上で判断をさせていただいたものでございます。

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再々質問

沢田区議

再々質問をさせていただきます。

最低の経費で最大の効果をと言いますけど、そうではあっても、ワーキングプアのような状況があっていいと判断していますか。働いても働いても生活保護以下、図書館の窓口で7万円しか受け取れない賃金の雇用形態を改めるべきじやないでしょうか。私はここで、荒川区が行った、これまで非常勤は第一線でよく働いてくれたと。一般的な非常勤と管理的な非常勤、3ランクに分けて、社会保険はもちろん適用するし、時間給も引き上げる、管理職の処遇もするということを既に踏み出しております。品川区は、最低の経費で最大の効果を一歩も動かないというのは、人権尊重宣言をやっている品川区としてはどういうことなんでしょうか。ここはぜひ改めていただきたい。荒川区も研究していただいて、品川

区内に働く非常勤やパート、あるいは関連したところで民間で働く派遣労働の皆さんの待遇改善を強く求めたいと思いますけど、再度その点だけお答え願いたいと思います。

それから、教育の問題ですけれども、学力テストは、低い点数のところは考えてもらう、そんなの公開しないで、区教委がこうした問題だということを言えばいいじやない。何のために公開するか。公開するから、学校選びのときに高い点数をとるということで競争が始まるんじやないですか。

2点目、これで終わりますけれども、これまで国際的な教育研究というのは、共同の学びが有利なのか、競争させることが有利なのかで、特にアメリカで議論になりました。黒人差別の問題と結んで、競争教育がやられた。ところが、いろんな研究を含めて、私、議会でこれまで言ってきたけど、競争の学びは破綻した。これは東京新聞ですけれども、イギリスが日本の教育改革の先駆けです。品川区の区議会もイギリスに調査に出かけましたけれども、イギリスでは学校選択制と学力テストの公開をやった結果、格差がつき過ぎて、これを見直す動きが今出ているばかりか、イギリスにある大きな4つの地域のうち、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドで改革を否定する動きが出てくる。既にアイルランドやウェールズは学力テストの結果の公表をやめて、来年から学力テスト自体をやめるという方向になっているんです。世界では競争教育を見直そうとこれほど、ドイツが例の国際学力テストでもってがたんと落ちた。あれだって競争教育なんですよ。トラッキングといって。そういうことが出ているのに、そこを見ずして、我流でもって進めたら、子どもたちが取り返しのつかない事態になったら、だれが責任を負うんですか。一生に一度の教育の期間なのに。その辺でもう一度、競争教育がこんなすばらしい実績を上げているというのをぜひ出してください。いかがでしょうか。

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再々答弁

区長(漬野健君)

ワーキングプアの問題について、再々質問にお答え申し上げます。

お話の中で、荒川区の例が引き出されました。荒川区と品川区では、非常勤の職員の仕事の仕方というのは違っております。というか、分担するものが違っております。荒川区は、どちらかといえば常勤職員を削減して、その常勤職員がやっていた仕事を非常勤にしていただく、そういうやり方をとっているわけであります。しかし、私ども品川区では、先ほどもご答弁しましたように、専門的な事柄に従事するための非常勤、もう1つは、2時間であるとか3時間であるとかという短時間の業務に、つまり正規の職員が担うにはふさわしくない、そういったような短時間の仕事をするための非常勤ということであります。中身が違うわけでありますから、単にそういうことで比較するのは短絡的だというふうに思います。

もう1つ、品川区の非常勤の単価でありますけれども、これは常勤の職員の時間単価と比べましても遜色のないものでございまして、決して私ども品川区の非常勤がワーキングプアをつくり出しているかのような低賃金ということではありませんので、これも念のためつけ加えさせていただきます。

以上です。

教育次長(長田正君)

再々質問にお答えいたします。

まず1点目の学力テストの公開の問題でございますけれども、公開をすることによって区民に理解をいただきたいという目的で公開をしてございます。公開をしたことによりまして、先ほども、低いところについては教育委員会が経営指導員、指導課を通じまして、こういったところ亡羊ついて最大限の支援をしてボトムアップを図っていく。こういう形態をとっているところでございます。

2点目の競争か共同かというようなことでございますけれども、競争については先ほども場面として必要な部分があるということは申し上げました。それから、共同の学習につきましても、これはもう品川区では必要だというふうな部分で感じておるところでございまして、現実の事業の中でも小グループ化の授業を取り組んでいるところでございます。そういった意味では、そういった取り組みを通じて児童の学力の向上、児童の情操面での育成、こういったことを小中一貫教育の中で図ってきたところでございます。既にその効果も出ておりますので、品川区についてはこの方針を変えるつもりはございません。

議長(塚本利光君)

以上で、沢田英次君の質問を終わります。

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