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菊地貞二区議 2008年度各予算案に対する意見表明

2008.03.17 菊地 貞二 区議

日本共産党区議団を代表し、2008年度各予算案に対する意見表明をおこないます。

日本共産党は品川区一般会計、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計、老人保健特別会計の各会計予算に反対します。以下、反対理由を一括して述べます。

新年度予算編成は、政府が「構造改革」の名ですすめてきた、一握りの大企業・大資産家の利益だけを応援し、国民には増税、社会保障の切り捨て、雇用破壊を押し付け、貧困と格差が拡大するもとでおこなわれました。そのようなときだからこそ地方自治体として区民のくらし、営業を応援していく立場こそ求められました。品川区の基金は数年間にわたって600億円前後を維持しています。しかし、品川区の予算編成は行政自らが低賃金の不安定雇用を生み出し、所得格差を広げ、区民の中に貧困をもたらすというものであり、福祉とくらしを守るという地方自治体本来の役割りを投げ捨てています。提案された品川区基本構想の内容でも「人間尊重」の精神がはぶかれ、より一層の後退姿勢です。

5点について指摘します。

第一に、区民にかぎりない差別と負担をしいている問題です。

後期高齢者医療制度は、75歳という年齢を重ねただけで国保や健保から追い出し別枠の制度に囲い込み、負担増と給付減を強いるという世界でも類例のない高齢者イジメの医療差別制度です。受けられる検診を制限し、保険料は2年ごとに改定され、後期高齢者の数に応じて、自動的に引きあげ、年金から天引き。払えなければ、従来の制度ではおこなっていなかった保険証取り上げ、病院窓口で10割の負担です。日本共産党は後期高齢者医療制度による、無慈悲な保険料取り立て、高齢者の切り捨てを絶対に許すわけにはいきません。また、老人保健特別会計はこの制度に移行する残務整理で、賛成することは出来ません。さらに介護保険では基金積立金が20年度末の見込み額で20億円余。高齢者一人に付き、31250円ものため込み。保険料を取り立てる一方で、サービスを削減している姿勢が明確です。また、国民健康保険料も年金200万円の一人ぐらしの方で05年度には32100円、08年度には73375円と2.3倍化。国保料滞納世帯は25%。65歳になれば年金からの天引き。こうした際限のない負担の増加は、国民階保険制度を根底から破壊するものだといわなければなりません。

第二に、再開発には80億円余という巨額の税金を注ぎ込む大手不動産業者とゼネコン支援の予算であることです。

審査で指摘したとおり、東五反田二丁目第二地区開発では野村および三井不動産のマンショングレードアップに親水護岸を整備してまで支援を進めること、大井町駅周辺では広町開発構想に巨額の調査費を投入し、頓挫しながら反省もなし。開発ビルに大型商業店舗を呼び込み、地元商店街に大打撃を与えながら総括することもなく再開発を拡大する方針を容認することはできません。また、武蔵小山駅東地区では、開発によるビル風の被害を、企業にとって都合の良い指針をもって、区民の被害があたかも本人の不注意によるもののように描くなど許されるものではありません。環境に配慮すべきです。再開発には巨額の税金を注ぎ込み環境破壊を進めながら、品川の経済を支える21000社の産業経済費は16億3千万円、予算の使い方がまちがっています。

第三に区民サービスを民間企業に丸投げするばかりか、行政自らが年収200万円にも満たない不安定雇用を作り出している問題です。

品川区では公務サービスに従事する職員のうち三人に一人は派遣やアルバイトなどによる非正規雇用者によってまかなわれています。夜間業務を担当する派遣職員の保育士では、品川区から派遣会社に2600円が支払われながら本人には1800円。恒常的業務である一時保育のオアシスルームは3年ごとに開設場所を変えるという労働者派遣法違反ぎりぎりの行為。人材派遣は文化センター、図書館、地域センターでもおこなわれ、派遣会社には1575円、本人時給は900円から950円。ほかにも委託、指定管理のもとで多くの非正規雇用者が行政サービスにたずさわりながら低賃金での雇用となっていることを見過ごすことはできません。保育園や学校の調理業務でも民間委託を拡大。08年度は26名の正規職員を削減し7校を委託。昨年は、大間窪小学校、荏原西中学校の委託を受けた業者が人員配置もできずに給食を児童に提供できないという事態が引き起こされました。また、スマイルスクールも専任職員一名を置いていることをもって「丸投げではない」と強弁。多くの非正規雇用者についても「必要に応じて短時間勤務。不安定雇用とはいえない」などとしています。スマイルスクールで働き、空き時間に他の仕事をして生活する実体を直視すべきす。今、日本社会をおおう貧困の広がりの根源には人間らしい雇用を破壊してきたことにあり、品川区が雇用破壊に加担することは認められません。

第四に住民サービスにたずさわる職員を削減し、住民福祉を削減している点です。

特別養護老人ホームは450名もの待機者。一日も早い増設を求める声には耳も貸さず、月額利用料が16万から28万円という高額な有料老人ホームを建設。早急に特養ホームの増設を求めます。また、生活保護法に反し窓口では申請書さえ渡していません。再開発による超高級マンションの建設には膨大な税金を投入しながら、低廉な家賃の区営住宅は建設を拒否。保育園保育料では保育料軽減策をとったものの、あらたな階層をもうけ負担増。公立保育園に入れない子どもが200名を越え「待機児ゼロを目指すのか」の問いかけには答弁せず、高額な利用料金を必要とする認証保育などの充実を口にします。子育てに特別なお金がかかるという実体を解消することにこそ力を注ぐべきです。地方自治体が果たすべき最大の役割りである住民福祉の充実を求めるものです。

第五に、学校統廃合問題です。

学事制度審議会が非公開で統廃合問題を審議しています。幾度も指摘してきたとおり、いま求められているのは、「過小校」では「子どもの成長に懸念がある」などという理由をつけ学校を統廃合することではありません。小規模校を否定し、強引に統廃合を進めることをやめ、改めて30人学級の実現を強く求めるものです。

日本共産党は品川区がみずから住民の所得格差を拡大し、福祉サービスの切捨てを進める区政運営を、住民が主人公となるよう転換するよう求めて意見表明とします。

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