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安藤たい作区議 09年第1回定例会一般質問「労働者派遣法」「派遣労働」「生活保護」「学校統廃合」

2009.2.27 安藤 たい作 区議

  1. 広がる派遣切り・期間工切り。雇用とくらしを守るため、労働者派遣法の抜本改正を
  2. 品川区は脱法的手法での派遣をやめ、直接雇用を原則に
  3. 生活保護申請の丁寧な窓口対応と、周知の徹底を
  4. 子どもの成長より財政効率優先の学校統廃合計画はやめよ

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一般質問

日本共産党を代表し、一般質問を行います。


広がる派遣切り・期間工切り。雇用とくらしを守るため、労働者派遣法の抜本改正を

はじめは、「広がる派遣切り、期間工切り。雇用とくらしを守るため労働者派遣法の抜本改正を」についてです。

景気悪化のもと、大企業が競い合って「派遣切り」「期間工切り」を進めています。

年末年始、全国から首切りされた非正規労働者500人が集まった「年越し派遣村」。医療ボランティアの方は、「日雇い派遣だった34歳の男性は、吐血と下血が続き、そのまま救急車で搬送され、即日入院に。真夜中にやってきた30代の男性は、飲まず食わずで体が冷え切り衰弱。みな、慣れない路上生活に不安と恐怖で、眠れない日が続き精神的にも追い詰められている。新年を一人路上で迎えたのかと思うと胸が痛い。」と語ります。

今年3月末までに、40万人の非正規労働者が職を失うと業界団体が試算。職と同時に住居も失う方が、いっそう広がることは明らかです。

なぜ、こうした急速な首切りが引き起こされたのか。1999年に法改正により、派遣労働が原則自由化に。さらに2004年、製造業にまで広げられるなど、一連の規制緩和が原因。低賃金の非正規労働者を急増させ、搾り取った上に、使い捨てる。究極の非人間的労働が、政治によって拡大された、いわば政治災害です。濱野区長の見解を伺います。

  1. 派遣切り・期間工切りに見られるような、簡単に首を切れる働かせ方について、濱野区長はどう考えますか。また、こうした使い捨て労働の広がりを引き起こした原因について、濱野区長の見解を伺います。
  2. 品川区民の雇用とくらしを守り、使い捨て自由の労働を許さない労働者派遣法の抜本改正を国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

品川区は脱法的手法での「派遣」を止め、直接雇用を原則に

次に、「品川区は脱法的手法での「派遣」を止め、直接雇用を原則に」の質問です。

非正規労働者の首切りが景気悪化を加速させ、さらなる解雇を呼ぶ悪循環。大企業の雇用に対する社会的責任が問われる中、品川区の雇用責任も厳しく問われます。区長は行革の掛け声で、正規職員を減らし、不安定低賃金雇用を大幅に増やしてきました。施政方針でも「行政改革に今後も断固たる決意で取り組む」と述べ、不安定雇用を拡大してきた反省も認識もありません。

今回は、区の、派遣労働者を使い続ける脱法的手法を指摘し、使い捨て労働は止め、直接雇用を原則とすることを求めます。

労働者派遣は、正規雇用の置き換えに使う事は認められず、派遣期間は最長3年。あくまで臨時的・一時的な労働力需給調整の仕組みと位置づけれられています。しかし、3ヶ月と1日以上、派遣を受け入れないクーリング期間を設ければ、継続した派遣とは見なさないという厚労省の指針を悪用し、民間大企業が、長期に派遣を使い続けるやり方が、社会問題になっています。

現在、品川区の派遣労働者は109人。うち、62人は保育園で、一時保育事業のオアシスルームの業務などに従事しています。昨年は39園中17保育園でクーリング期間が設けられました。問題点を二点指摘します。

一点目は、そもそもオアシスルームが臨時的・一時的な事業なのかという問題です。水神、東大井、旗の台、大崎、大井倉田の5保育園ではオアシスルームが3年以上にわたって事業継続。水神保育園は今年度で6年目になります。臨時的・一時的な事業とは言えず、常用雇用代替禁止の原則に反します。オアシスルームは区民ニーズも高く、区の看板事業の一つ。正規雇用で安定事業を行うべきです。

二点目は、品川区が行なう「クーリング期間」についてです。クーリング期間について、厚労省は昨年9月26日付通達で、「単に3ヶ月を超える期間が経過すれば、新たに当該業務に労働者派遣の役務の提供を受けることとすることは労働者派遣法の趣旨に反するものであること」と指摘。そして「基本的にはクーリング期間経過後再度の労働者派遣の受入を予定することなく、指揮命令が必要な場合には直接雇用に、指揮命令が必要でない場合は請負によることとすることとすべき」と述べています。

区は、クーリング期間中で派遣が使えない間は、正規など直接雇用でオアシスルームの事業を継続。クーリング後、再び派遣を戻しました。具体的には、東大井保育園で、派遣導入から3年が経過した2007年4・5・6月に3ヶ月間のクーリング期間をおき、7月からはまた派遣を受け入れ。その間、2005年6月から開始されたオアシスルームは、3年8ヶ月間、現在まで継続しているのです。

先の厚労省通達によれば、単に3ヶ月のクーリング期間を取り、再び派遣労働に戻す事は労働者派遣法の趣旨に反する脱法的手法。現在、派遣で働いている方は、直ちに派遣先である品川区の責任で直接雇用にすべきです。

自治体が自ら税金を使い、脱法的手法まで駆使してワーキングプアを作ることはあってはならないこと。質問します。

  1. 同一保育園で3年を超えているオアシスルーム事業が、なぜ、臨時的・一時的な業務なのか、説明してください。
  2. 昨年、保育園17園でクーリング期間を実施した理由を説明してください。
  3. 保育園でのクーリング期間後に、また派遣労働を導入した理由をご説明ください。また、この派遣労働は、始めから予定されていたものなのか。ご説明下さい。
  4. 正規職員の置き換えに、派遣労働者を入れることはやめるべきです。オアシスルームは、正規職員の配置など直接雇用で継続し、現在、派遣の方で、希望する方は直接雇用とすべきだと思います。いかがでしょうか。

生活保護申請の丁寧な窓口対応と、周知の徹底を

続いて、「生活保護申請の丁寧な窓口対応と、周知の徹底を」です。

仕事と住所を同時に失う「非正規切り」が3月末に向け加速するなか、区は国や都と連携するとともに、独自に生活支援策を強化し区民の生活を守るべき時です。

品川区は、公共事業の前倒しなど緊急総合経済対策を発表。しかし、生活困窮者への住居確保や生活支援などの直接支援が盛り込まれていません。今回は生活保護に絞り、二点質問します。

一点目は窓口対応についてです。

生活保護は、すべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障した憲法25条にもとづき、国が生活困窮者に対し生活扶助などの必要な保護を行い、自立を助長する制度。品川区には、保護を決定し、実施する、実施機関の責任があります。

昨年12月、東京都福祉保健局保護課長は、今後「失業を原因とする生活困窮相談が急増する」とし、丁寧な窓口対応と「相談者の申請権を抑制するような対応は厳に慎まれるよう」と通知。失業者へは「要保護者に対しては、居住地を失う前に適切に生活保護を適用されたい」。路上生活者へは「施設のキャパシティー不足、福祉事務所の実施体制の不備等を理由とした相談拒否や援助を必要とする者への援助拒否は行えない」とし、要保護性が高い相談者へは「必ず生活保護の申請意思を確認」。生活保護の開始時に安定した住宅がない要保護者へは「居宅生活が可能な場合は敷金などの支給の対象となることを示し」とし、近隣の安価なビジネスホテル、カプセルホテル等の情報収集を求めました。

しかし、実際の生活保護では、窓口で話がうまくかみ合わず申請できずに、ネットカフェや路上生活が長期化する状況も生まれています。

昨年の年末、30代のAさんは、住み込みで働いていた内装業をリストラされ、仕事と住居を同時に失いネットカフェ生活へ。住所がないことから再就職も適わず途方に暮れていました。たまたま共産党の街頭宣伝を聞き相談。若者でも生活保護ができることを知り、週末、品川区役所へ。しかし、相談窓口では緊急一時保護センターが満室であることなどを説明され「週明けにまた、来てください」と告げられ、結局、三日間マクドナルドで夜を明かしました。

Aさんの場合、この直後、2週間前に面接をした会社から、寮付の仕事の採用が決まり、生活再建の糸口を掴めましたが、突然の失業で住宅も失い、不安な毎日を送っている方に対しては、機械的な対応でなく、現在の居宅状況の確認など丁寧な生活実態の把握が必要です。

ここで、質問します。

品川区福祉事務所は生活保護のしおりを発行していますが、窓口での申請時に、始めて受け取ることができるのが実態です。「しながわガイド」などにも掲載されていますが、説明はほんの数行です。

あわせて、

  1. 生活保護の特別周知月間、主要駅前での街頭相談会を実施すること。日曜開庁での生活保護窓口開設、平日の相談時間延長など相談体制を強化すること。いかがでしょうか。 また、相談者の中には、体を休ませる場所がなく、不安感から十分な睡眠や食事が取れていない方もいます。派遣村の経験からも、まずはあたたかい食事が必要です。
  2. 品川区役所の食堂の無料券を、相談者や申請者に対して必要に応じて配布することを求めますが、いかがでしょうか。

子どもの成長より財政効率優先の学校統廃合計画はやめよ

さいごに、「子どもの成長より財政効率優先の学校統廃合計画はやめよ」の質問です。

昨年11月、教育長の諮問機関「学事制度審議会」が、小規模校を統廃合する答申を発表しました。区はこれまで、小中一貫校による実質的な学校統廃合を進めてきましたが、今後は直接、小規模校の統廃合に踏み出すものです。

答申の内容は、学校選択制のもと、区内を品川、大崎、大井、八潮、荏原西、荏原東の6地区に分け、各地区に小中一貫校、中規模校、小規模校をバランス良く配置。小規模校が多く、大きな学校を選べない地区では統廃合。コストや効率も聖域にしない。その結論として、荏原西地区と荏原東地区でそれぞれ小学校を、大井地区で中学校の統合を迫っています。

若月教育長は「学校選択制の新たな段階と位置づけ、5年以内を目標に具体化したい」と朝日新聞の取材に対してコメント。教育次長も、昨年11月の文教委員会で「こういったご意向に沿うように仕事を進めてまいりたい」と答弁。教育委員会は、答申に基づき統廃合計画を具体化する意向です。

品川区は、「統廃合の手段にはしない」との約束で、2000年に学校選択制を導入しました。しかし選択制のもとで、学校は子どもを巻き込んだ獲得競争に追われ、学校間格差は拡大。住民基本台帳以上に小規模な学校は増えてきていました。そして今度は、小規模化を理由にした統廃合への方針転換です。

契機となったのは、濱野区長の意向です。区長は、就任直後の2006年10月の決算委員会で「子どもの数と学校の数にアンバランスがある」と発言。年明け2007年の施政方針で「学校の適正規模のあり方などについて検討を進める」と踏み込みました。同年6月の教育委員会には、区の企画部長が直接乗り込み、「小規模学校の統合・再編によりコスト削減が求められている」との国の方針を示し、統廃合の検討組織の立ち上げをゴリ押ししたのです。その後、学事制度審議会は、17回にわたる非公開審議を経て、昨年11月、学校統廃合の答申を発表しました。

「学校の適正配置とは?統廃合を推進し学校の数を減らすということでしょうか?学校選択制はそのための手段なのでしょうか?大規模校=人気がある=良い学校。小規模校=人気がない=悪い学校=廃校にする、ということでしょうか?これでよいのでしょうか?」

区の長期計画のパブリックコメントには、品川の教育「改革」、その果ての学校統廃合についての批判的意見が多数寄せられました。濱野区長、この声にどう答えますか。

統廃合計画の最大の問題は、将来予測を根拠に、40人学級を前提として学校を統廃合することです。

区が自ら推進する大型開発のマンション住民人口増などにより、ここのところ、子どもの数はむしろ増えています。また、品川区の溜め込み基金は750億円。どうしても学校を減らさなくてはならないほど財政が逼迫しているわけでもありません。現に子どもがいなくなったわけでもないのに、子どもが減るとの将来予測で、今から学校をなくすとは、あまりにも乱暴です。

しかもその、児童生徒数のピーク時でも教室数に余裕があるとする将来予測は、一クラス40人として計算されています。品川では未来永劫、40人の子どもを教室に詰め込む気なのでしょうか。

「一人ひとりにゆき届いた教育を」―今、東京では30人学級を求める運動が幅広い層を超えて広がっています。少人数学級を導入していないのは、47都道府県中、東京だけになりました。世界に目を転じても、少人数による学び合いの教育は当たり前の流れになっています。予測が外れたとき、あるいは将来30人学級が実現したときに、教室・学校が足りませんでした、ですむのか。誰が責任を取れるのでしょうか。

コスト主義と将来予測で、今から未来の子どもたちの手足を縛る権利は、誰にもありません。

他にも、荏原平塚中のような、在学中の学校統廃合が子どもに与える心理的な影響の心配。周辺校の廃校で通学距離が伸びることによる通学上の安全の問題。コミュニティーの核である学校を地域からなくす問題。さまざまな心配が考えられます。しかし、これらの点について、答申には何の配慮も考察もみられません。

ただただ、コスト最優先で学校を統廃合する。およそ、人の血が通っている計画とは思えません。子どもの成長より、財政効率を優先する強引な学校統廃合はやめるべきです。

  1. 子どもの成長より、財政効率を優先させる学校統廃合計画は撤回すべき。区の見解を伺います。
  2. 統廃合は、子どもの通学安全上への影響が心配です。区は適切な通学距離をどう考えているのか、聞かせて下さい。それにてらして、荏原西・東地区では学校統廃合によって子どもの通学距離は現況から将来、どれくらい伸びるのか。お聞かせ下さい。
  3. 最終答申は、子どもを40人教室に押しこんで学校を統廃合する方針であり、30人学級がひろがる現在の教育の流れに逆行するものです。30人学級を実現すべきですが、お考えをお聞かせ下さい。
  4. 「中間のまとめ」をパブリックコメントにかけましたが、区民の理解を得たとは到底言えません。あらためて住民説明会を開き、区民の声を聞くべきです。いかがでしょうか。

以上で、質問を終わります。


答弁

区長(濱野健君)

私からは、労働者派遣法に関するご質問にお答えを申し上げます。

区は過日、急速に悪化する現下の経済情勢において、雇用の促進策を含む28億円規模の総合的な緊急経済対策を実施いたしましたが、これは、区が基礎自治体としての事業を通してできる限りの対策を講じ、その役割を果たすべきとの考えによるものでございます。しかし、雇用のあり方や現状分析、法制度の形成などは国の役割でありますので、品川区議会においてご答弁申し上げるべき事柄ではないと考えております。

その他のご質問につきましては、担当の部長等よりお答えをさせていただきます。

児童保健事業部長(古川良則君)

私からは、保育園における派遣職員の受け入れについてお答えをいたします。

オアシスルームは、在宅での子育て家庭から要望の強かった、いわゆるリフレッシュ型の一時保育として臨時的に開始をしたもので、継続的・安定的に実施する基本保育とは異なります。この事業は先駆的な取り組みであり、多くの利用者に喜ばれ、事業として定着化しつつありますが、1時間単位の利用のために受け入れ人数の変動が大きいなど、今後の安定的な事業実施に向けて試行を重ねながら、直営、あるいは人材派遣、委託それぞれの運営形態別に、メリット、デメリットについて検証をしてきました。

その結果、人の配置を保育園の運営と一体的に行うことで、日々変化する利用者の増減に柔軟かつ効率的に対応できると判断をし、来年度からは基本保育の正規職員に加え、再任用や非常勤を含めた区職員の配置で運営をしていく考えです。

次に、保育園でクーリング期間を設定した理由ですが、区は保育内容を充実するために、国の配置基準を上回る正規職員を配置するほか、特別支援保育児童への個別対応の必要性や病気休職、産休・育休職員の代替として、園運営の状況に応じて常勤保育士を加配をしております。派遣法では、育休職員等の代替労働者の派遣の場合、受け入れ期間の制限はありませんが、法の趣旨に沿って運用に万全を期すため、今年度は17の保育園で適法にクーリング期間を設定しました。

次に、クーリング期間後に派遣職員を導入した理由についてのお尋ねですが、先ほど述べましたとおり、正規職員の代替や加配、一時的な保育需要のための配置は、定数弾力化に伴う児童の受け入れや職員の状況など園によって毎年異なります。必要とする人材派遣職員すべてをあらかじめ予定することは困難ですので、各園の状況によって必要な場合に限り、人材派遣の職員を加配をしております。

福祉高齢事業部長(木下徹君)

私からは、生活保護に関するご質問にお答えいたします。

まず、平成20年12月22日付東京都保護課長通知でございますが、雇用情勢の急激な変化のもと、年末年始を控え、都内各福祉事務所での相談業務の適正な対応確保に向け、これまで通知された留意点について改めてその周知徹底を図ったものでございます。したがいまして、今後もこの内容に沿った丁寧な対応を進めてまいります。

次に、生活保護申請での意思確認ですが、生活相談にあっては、その内容を直接十分にお聞きし、活用できる各種の福祉施策について説明し、ご本人の意思を尊重しながら最も適切な方策を選択し、その自立に向けた支援を行っております。しかし、なお生活支援が必要な場合は、最後のセーフティネットである生活保護の適用に当たり、その制度内容を十分に説明した上で申請意思の確認を行っております。

次に、住居の確保が困難なケースにおいて、緊急保護施設が満室の場合には、民間宿泊所を含めた対応を図っております。また、生活保護開始後に敷金等の支給が必要な場合にはその都度対応しております。

次に、生活保護制度の周知については、ただいまご答弁したとおり、相談を行う中でその困窮内容を把握し、各種の方策をお示しする中で、生活保護制度を個別具体的に直接ご説明しております。これに加え、生活福祉課に制度を解説したパンフレットを置くほか、区ホームページと、全戸配布しております「しながわガイド」にその概要と相談窓口を紹介し、周知を図っているところです。

したがいまして、生活保護のしおりを対象者や生活実態別に作成すること、また、地域センター、ネットカフェにしおりを置くこと、ならびに連携体制の構築は考えておりません。

最後に、生活保護の特別周知期間や街頭相談会の実施、ならびに日曜開庁での窓口開設と平日の相談時間延長、また、食堂無料券の配布でございますが、相談者への適正な対応にあっては、そのプライバシーの確保のほか、関係機関との緊密な連携・連絡が不可欠でございます。したがいまして、これらを実施する考えはありませんが、現在、緊急に医療機関等への対応が必要な場合は、その都度適切な即応対応を図っております。

教育次長(市川一夫君)

私からは、学校の適正配置に関するご質問にお答えいたします。

初めに、学校統廃合計画は撤回すべきとのお尋ねについてでございますが、学事制度審議会は、学校選択制を実施している本区にふさわしい学校配置のあり方を考え、地区ごとに区民の意向にこたえるさまざまなタイプの学校をバランスよく配置することが望ましいとした上で、地区によっては将来的に学校統合が必要になることもあるという考え方を示しております。したがいまして、ご指摘のように決して財政効率を優先したものでもなく、また、小規模校を統廃合すると結論づけているものでもございません。

今後、区といたしましては、答申の趣旨を参考に、将来的な就学人口の動向も見据えた上で、校舎改築や学校配置のあり方について検討してまいります。

次に、通学距離についてのお尋ねにお答えをいたします。荏原平塚中学校は、母体校が100メートル足らずの場所に位置していたこともありまして、通学距離に大きな変化はございません。また、荏原東地区小中一貫校につきましては杜松小学校、荏原第四中学校いずれも、長くとも300メートル程度延びることになります。このことは、周辺の小中学校と比較して児童・生徒に過度な負担をかけるものではございません。

次に、30人学級に関するご質問ですが、いわゆる標準法に基づいて教員が配置されております。したがいまして、本区におきましては、標準法に基づき40人学級で今後も実施していく考え方に変わりはございません。

最後に、住民説明会を開くべきとのご意見でございますが、学事制度審議会の中間まとめの段階でパブリックコメントを実施し、その際にいただいた意見の概要および区の考え方につきましては、審議会答申とあわせて公表しておりますので、改めて住民説明会を開催する考えはございません。


再質問

安藤たい作君

本来ならすべての質問項目について再質問したいんですが、時間もありますので、幾つかに絞って再質問をします。

まず、労働者派遣法の抜本改正なんですけれども、区長はきのうと同じく国の問題と、答弁を避けましたけれども、今、低賃金で使い捨ての働かせ方が非常に蔓延しているというのが大きな社会問題になっている中、3月には40万人という方が住居も職も失うと言われている中で、そういう事態はもう目の前に来ているという中で、やっぱり大企業の身勝手な都合で搾るだけ搾られて、景気が悪くなったら使い捨てにされてしまうと、こういう働き方が蔓延する社会、もっと言えば、そういう働き方が蔓延する品川区でいいと思っているのかどうかということをお聞きしたいと思います。

あと、区民への影響。こういう事態ですから、3月末までの影響は区長としてどのように考えているかというのをあわせて聞きたいと思います。

次に、派遣クーリングの問題なんですけれども、オアシスはスタートしてから大分長い時間がたっていますけれども、ここに来て、派遣でやることはやめるという答弁がありました。ただ、派遣が保育園からなくなるかというと、続くわけですよね。問題は、労働者派遣法の精神で大事なところは、あくまで臨時的、一時的な仕事で、正規のかわりにはしていけないということだと思うんですけれども、その派遣法に照らして、品川区の保育園で使う派遣労働者がやっている仕事が臨時的、一時的なものなのかということがポイントだと思うんですね。

通達のほうでは、もしそうでなければ、クーリング後は区が直接雇うか、直接雇用の請負にするかどっちかにしなさいよと言っているわけですね。質問中に取り上げた保育園では実際に派遣が導入され、その後クーリングがあり、その後また派遣を導入しているわけですけれども、この事例の保育園では実際派遣にどういう仕事をさせているんですかということをお伺いしたいと思います。それは臨時的、一時的な仕事なのかということをあわせてお伺いしたいと思います。

それと、生活保護ですけれども、窓口対応のお詰もありましたけれども、ちょっとよくわからない。正直言って具体的に対応がよくわからなかったので、具体的にお伺いします。派遣切りに遭った人のように、住宅を失った要保護者が相談に来て、民間施設へご案内していますということだったんですが、実際に緊急一時保護センターがいっぱいだった場合、どういうところを案内しているのか、お何いします。

あと、敷金の問題なんですが、適切にやりますという話だったですけれども、敷金を支給したという実例が過去にあったのか、お何いしたいと思います。

あと、制度周知なんですけれども、生活福祉課にパンフレットを置いていますと言いましたけれども、これは相談者が自由に持っていけるような状態じやないんですよ。窓口へ行って、個別の部屋に行って、話を聞いたときに、初めて「はい、どうぞ」と渡されるのが実態なので、区役所に行って、窓口に来て実際に制度を気軽に知れる、そういうふうにはなっていないんですよね。

今、生活保護を受ける資格がありながら、受けられていない人というのは、実際に保護を受けている人の10倍存在すると言われていますけれども、原因の1つとしては、保護制度の中身があまりにも知られていないということが大きいと思いますので、質問したいんですが、生存権を明記する憲法を持つ日本の自治体の責任として、そういう制度を知らないがために保護を受けられない、そういう人を一人も出してはいけないと思うんですけれども、どう思いますか。

 最後に、学校統廃合ですが、統廃合問題で大事なのは、根本にあるべきなのは、学校統廃合が学校をなくすということが、子どもの教育環境にとってどうなのかということだと思うんですが、区は、これが子どもの教育環境にとってもいいんだというふうにたびたびおっしやいますけれども、しかし、学校数を減らすと、あわせて教室や教員の数も減ると。

都市のように必然的に学校規模は大きくなりますし、教員1人当たりの子どもの数は増えて、子ども1人当たりの教育費も施設面積も減るといろいろ言いますけれども、教育効果、子どもにとっての教育環境はどうなのかという客観的尺度は、こういう測定可能な基礎的数値だと思うんですよ。だから、幾らバランスよく配置、ニーズにこたえるということを言ったとしても、肝心の学校統廃合で基本の教育条件を悪くさせては、子どもの成長を考えていないと言わざるを得ないと思います。

今、学校統廃合はそういった点で待ったなしです。きのうの質疑からも、あの学校をどうするかとか、そういう移転で、きのうの質疑からも現在進行形、待ったなしという状況で、質問でも指摘しましたけれども、将来予測で学校をなくすということですけれども、実際品川区は、一方ではマンションを再開発の旗を振ってじやんじやんつくって……

議長(伊藤昌宏君)

質問をしてください、質問を。

安藤たい作君

すみません。

子育て世代を呼び込んでいたりという中で、将来予測で今から学校をなくして、その予測に対して責任をとれるのかどうか、それをお何いしたいと思います。


再答弁

区長(濱野健君)

安藤議員の再質問についてお答えを申し上げます。

2点あったかと思います。2点目のほうの区民への影響ということでございます。区民への影響が一定程度あるということでありますから、緊急経済対策を打ったわけであります。しかし、区民への影響というのは、大きな企業の城下町と違いまして、全国的な平均と恐らく変わることはないだろうと思いますし、品川区には他区から随分勤労者の方が昼間区民としておいでになっております。したがいまして、品川区の企業と、それから区民への影響というのは、1対1の関係ではないというふうに思っております。いずれにしろ、一定の影響があることは確かだと思っております。

それから、労働者派遣法についての答弁は、先ほど避けたというふうにおっしやいますが、避けたわけではございませんで、区議会の中でご答弁する事柄ではないというふうに申し上げたところであります。

以上です。

児童保健事業部長(古川良則君)

それでは、安藤議員の再質問でございますけれども、少しご説明をさせていただきたいと思いますが、基本的にオアシスについての誤解なり、実態をよくご存じないんじゃないかと。始めたのは平成16年の6月でして、まだ4年とちょっとです。6年はたっていませんし、少なくともその間やってきた事柄は、保育園における本来業務というよりも在宅子育ての支援ということですから、必ずしも保育園でやる事業ではないと思っています。あるいは、正規職員がやる事業ではない。もちろん正規職員がかかわってもいいわけですけれども、基本的には保育園の本分に加えて、在宅家庭に対する施策としてやっているわけですから、そういうことをまずはご理解いただきたいということと、加えて先ほども脱法的というお話がおりました。脱法的という言葉について私は看過できないと思っています。品川区は脱法的な雇用をしている、あるいは派遣の方々が脱法的に雇用されているということであれば、それは違うだろうと思っております。後ほど、もし見解があればお聞きしたい。

ご質問いただきました2点でありますけれども、派遣を正規職員の代替に使うなということですけれども、使っておりません。品川区の保育園をごらんいただきたい。品川区の保育園がこれだけ充実した保育をやっていく中で、正規職員ですべてやるというのは不可能です。派遣、あるいは非常勤、臨時職員、あるいは地域の方々、これからもっと地域の方々に子育てサポーターとしてかかわっていただく予定でありますけれども、多くの方々のご協力がなければ保育園は務まりません。正規だけでやれるということであれば、それは国基準の保育をやれということに等しいと考えています。

それから、東大井の配置でありますけれども、派遣職員は入っております。主な事由といたしましては、オアシスの運営、あるいは特別支援の子どもに対する加配でありますし、産休代替として2人入っています。もちろんこれ以外にも病休、あるいは欠員代替、保育園では一日たりとも職員を欠かせないことがあるわけですから、年間を通して需要調整のために人材派遣を受けることが何が悪いんでしょうか。理解できません。

福祉高齢事業部長(木下徹君)

生活保護に関する再質問にお答えをいたします。

2点あったかと思いますけれども、1つは周知の点でございますが、パンフレットを各地域センターにというお話だったかと思いますけれども、私どもは、やはり福祉の分野におきましては、相談業務というのは、基本的にアセスメントをして、どういうケアマネジメントをするかというところから対応していくのが基本であります。したがいまして、当該の相談者の方に対しましては、家族の状況、雇用の問題、いろいろなことをお尋ねしながら、どういう解決策があるのかというのをご提案すると。その中で最終的に生活保護の制度もあるということでありますから、そういう一定の手続の中で対応するのが基本だということで、1つの手段であるものの、パンフレットを一律に各施設に置くということについては考えてございませんということでございます。

それからあと、派遣切りに関しての民間施設、敷金のお尋ねがございましたけれども、私どもとしては、緊急一時保護センターなどをまず当たりますけれども、そこが満室の場合につきましては、区内のアパートも含めまして、あるいは生活保護の方について一定の配慮がされている民間の施設もございますので、そういうところにおつなぎするということでございます。敷金につきましても、生活保護の中の一時扶助の項目としてありますから、いわゆる生活扶助の対象になって、その敷金の部分について必要だというケースがあれば、その部分については対応をさせていただいているということでございます。

教育次長(市川一夫君)

学校の適正配置に関する再質問でございますけれども、将来予測で学校をなくすことはどうなのかというようなご質問でしたけれども、学事制度審議会の諮問から答申にかけての一連の資料をもう一度よく読んでいただきたいと思いますが、そもそも学事制度審議会の諮問の趣旨というのは、区立学校の適正な教育環境を確保する方策を問うということで諮問したわけでございまして、当然のことながら、先ほどご質問にございました子どもの教育環境についての学事制度審議会の考え方は示されたわけでございます。例えば小規模学校のあり方についても、どうぞよく読んでいただきたいと思います。

将来予測で云々ということでございますが、学事制度審議会の答申の中では、将来の児童・生徒数の推移もよく見きわめてという趣旨で答申が行われてございます。この答申で用いられた将来予測というのは、何も学事制度審議会、あるいは品川区が勝手に予測したものではございませんで、いわゆる推計値についてはオーソライズされたものを用いているわけでございます。そうしたことをひとつご理解いただければと思います。


再々質問

議長(伊藤昌宏君)

再々質問でございますので、簡潔に質問をしていただきますようお願いいたします。

安藤たい作君

クーリングの問題ですが、脱法は違うんだというお話ですけれども、別に共産党とか私が脱法だというよりも、この厚労省の通達に照らして脱法だということを言っているわけでございます。

質問の中でありました事例の保育園ですけれども、オアシスもやっているんだというお話がありましたが、オアシスというのは確かに予約制ですけれども、受けるためには常時一定の受け入れ体制が、人数がいなくちや受けられないわけですよ。だから、これは正規でやるべき仕事だと思いますし、実際に保育園では派遣が一時的な仕事をやっていると私には思えないので、これは恒常的に正規雇用増で対応すべきだと思います。その見解をお伺いします。

次に、生活保護なんですけれども、周知のところでやっぱり不十分。あまりにも生活保護制度そのものを知らな過ぎる人が多いというのが実態というのは紛れもない事実だと思いまして、やっぱり若い人であればあるほど特にそうなんですね。だから、まずこういう制度があるということを知らせていくということが急務の課題だと思います。それでは、先ほどの質問に答えていただけなかったんですが、生存権を明記する憲法を持つ日本の自治体の責任として、制度を受けられない人、制度を知らないがために自殺したり、餓死したりというような事態、そういう人は一人も出してはいけないと思うんですけれども、そう思いませんでしょうかという質問をさせていただきましたので、お答えいただきたいと思います。

最後に学校なんですが、見きわめてということですけれども、現実に、本当に昨日の質疑を聞いても怒り心頭だったんですが、勝手にこちらの周りの都合で、そこに現に子どもが通っているにもかかわらず、あの学校をこっちに移したらどうかとか、そこにつけたらいいんじやないかという議論が現に始まっているし、なおかつ、区が率先をして小中一貫校ということで、荏原の地区では次々と学校が一緒にされているわけですよ。そういう中で、今から見きわめてということは通用しないと。現実にもう起こっている。学校統廃合は現在進行形なんだと私はすごく強く思っております。そういう中で、先ほどこれも質問に答えていただけなかったんですが、将来予測で今から現実に学校をなくして、その予測に責任をとれるんですかという質問にお答えいただきたいと思います。


再々答弁

児童保健事業部長(古川良則君)

それでは、安藤議員の再々質問でありますけれども、私は、安藤議員が脱法的なことをやっているというふうにおっしやいましたので、それに対してそうではないと申し上げました。厚労省の見解は私も十分知っておりますし、私は、厚労省の見解に照らし合わせても適法だと思っております。思っていることと発言との違いをはっきりさせていただかないと誤解が生じると、こういうことで申し上げました。

2点目ですけれども、オアシスを正規でやれというのはそちらのお考えかもしれませんけれども、平成7年に一時保育、緊急一時保育を全園でやっております。これについては特にそういうご指摘はないようでありますけれども、あくまでも保育園のできる範囲の中で在宅子育て支援をやっていこうということで、平成7年に緊急一時保育を始めました。平成16年の6月にいわゆるリフレッシュ型の一時保育を始めたのです。当然時代は変わりまして、保育園に入れないお子さんがたくさんいらっしやいますので、私は、保育園でやるオアシスも場合によっては施設を借りて行うなり、あるいはご近所の方々にお手伝いをしていただきながら、ちょっと出かけるときには昔はみんな近隣の方々が預かっていただいたはずなんですね。そういった子育てに優しい品川区というまちを地域の方々とつくっていくためにも、そういう場所でそういう特定の事業をやるのがいいのか。あるいは、地域の方々といろんな施設を活用しながら、ご近所で預かれるような仕組みにしていくのがいいのか。私は、オアシスについてはまだまだ今後とも進化させていきたいと考えています。

福祉高齢事業部長(木下徹君)

再々質問にお答えいたします。

まず、周知の点でございますけれども、やはり生活保護制度のみを周知するということはかえって不親切だと思っております。相談という部分については、先ほど申し上げましたように、アセスメントがあって、援助計画がある。トータルでその方の支援をどうするかということを考えることが大事でありまして、その中で最終的に生活保護ということが考えられるというわけであります。例えば事業者の融資という部分を考えたときも同様でありまして、初めての方でしたら、経営診断というものも、品川はどういう支援が必要なのかということをトータルに考えながら、融資につなげていくということとある意味では同じだと思っております。

それからもう1つ、いわゆる生存権絡みのお尋ねがございましたけれども、セーフティネットというのはどういう構造になっているかということになると思うんですけれども、言ってみれば、重層的になっておりまして、雇用の部分について言うと労働法規で守られている。それが無理な場合には雇用保険などの社会保障制度があり、最後に生活保護というセーフティネットがあるわけでありますけれども、いろいろな経済状況の変化の中では、その中ですくい切れない部分が出てくるかもしれません。そのことについては、やはり一自治体で解決すべき問題ではなく、むしろ国全体、少なくとも都道府県レベルで考えるべき課題だと思っております。具体的な施策の、例えば東京都の場合、生活安定応援事業などもスタートしておりますし、そのような広域の対応が必要だろうと思っているところでございます。

教育次長(市川一夫君)

学校の統合に関する再々質問でございますけれども、議員のおっしやるところの責任というのはどういうことでおっしやつているのかは定かではございませんけれども、私ども、施策のいかんを問わず、行政あるいは施策一つ一つを執行するに当たっては、当然のことながら責任を持って臨んでございます。

議長(伊藤昌宏君)

以上で、安藤たい作君の質問を終わります。

以上

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