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安藤たい作区議 第32号議案「品川区自転車等の放置防止および自転車等駐車場の整備に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対討論

2009.04.09 安藤 たい作 区議

本議案は、下神明駅と戸越公園駅の区営自転車駐輪場を整備し、有料化するものです。

下神明駅は現行230台分に対し、08年11月現在で308台もの利用がありますが、それを約200台分に縮小します。戸越公園駅では、185台分に対し296台の利用ですが、128台に縮小します。いずれも定期利用枠を設けない当日利用のみで、利用料は一回150円。8月中に工事着工、9月1日から運営開始の予定です。

どちらの駐輪場も、これまでは無料で利用することができました。今回の有料化により、利用者は一回150円の負担を強いられることになります。区は料金設定について、「周辺の自治体の料金等々と比較した上で設定した」と説明。しかし、隣の目黒区は一回100円です。世田谷区、千代田区は同じく100円の上、それぞれ1000円の回数券で2回分の割引、2時間まで無料、など配慮しています。中央区にいたっては、無料です。品川区の料金設定は近隣区と比べ、際立って高いのです。

さて、有料化するというなら、最低限、サービスの向上があってしかるべきですが、本改正で、向上どころか逆に2つの点でサービスが低下するのは問題です。

1点目は、駐輪可能台数が大幅に縮小する問題です。

冒頭に述べたように、利用可能台数が利用人数に対して大幅に減らされる計画ですが、区は、有料化になると利用は6、7割に減る、と説明。しかし、たとえそうなっても戸越公園駅の整備後の台数は100台以上も足りない計算です。利用が多いのに台数を減らすのは乱暴です。また、現在駐車可能となっているバイクの利用者は、問答無用で排除されることになります。

2点目は、区立駐輪場では初めて、定期利用枠をなくす問題です。

通学・通勤などで月22日の利用では、月極めの定期利用であれば、2000円から2300円でした。ところがそれを全て当日料金で利用すると3300円となり、バイク並みの料金に。かつてない負担増です。また、定期利用がなくなると、利用者にとっては停められるかどうかは来てとみないと分からず、不安にさらされることになります。これでサービスの向上といえるのでしょうか。区は「実験的な意味もある」と説明しましたが、これを他駐輪場へも拡大しようというものであり、重大です。

区は、なぜこのような整備をすすめるのでしょうか。

利用実績より少ない駐輪場にして、「当日利用」だけにし、通勤・通学利用がない休日でも駐輪場の稼動率を上げることで、常に駐輪場を埋めることができます。結局、今回の整備のねらいは、確実に効率的に収益を上げる仕組みづくりにあります。さらにその儲けは、区立23駐輪場を一括委託された管理会社にそのまま差し出されることになり、区が独占委託業者に「おいしいところを」をもっていかせるようなやり方は、大変疑問です。区民サービスより儲けを優先する今回の改定は、断じて認められるものではありません。

加えて、これらの改悪が全くの利用者不在ですすめられているという問題点も指摘します。

委員会質疑では、今回の整備にあたり、利用者自身への直接の意見聴取は行われていないことが明らかになりました。

「有料化は反対です。何でも取ればいいってものじゃない」

「毎日の150円でも免除されれば庶民は助かる。ビルばっかりつくるのでなく、区はこういうところをサービスして欲しい。」

実際利用者にお話を伺いましたが、率直な生活実感がこもった意見が返ってきます。しかし、これらの声は、事実上黙殺されたままです。

委員会質疑では、担当課長が利用実態調査の実行を明言しました。工事着工まではまだ時間があります。すみやかに利用者へのアンケートなど利用実態調査をおこない、結果を反映した上、計画そのものを見直すべきです。

いま、CO2も排ガスも出さず環境に優しい乗り物である自転車に注目が集まり、利用者も増えています。保育園に子どもを預け通勤するお母さん、重い荷物を抱え近隣商店街で買い物をする高齢者。不況の中、親の経済的負担を気にしながら通学する高校生。自転車は区民の生活に根付いています。駐輪場の整備は、区民が自転車を利用しやすくなる方向でこそ行われるべきではないでしょうか。

以上で、反対討論を終わります。

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