前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

安藤たい作区議 09年第4回定例会一般質問「年末年始対策」「再開発」「認可保育園増設」

2009.11.26 安藤 たい作 区議

一般質問項目

  1. 「派遣村」をくりかえすな、失業者の命つなぐ年末年始相談・支援体制を
  2. 税金投入の高層マンションが売れない大企業優先の再開発と決別を
  3. 「詰めこみ」加速する最低基準の引き下げに反対 認可保育園増設を急げ

一般質問 >>  答弁 >>  再質問 >>  再答弁 >>  再々質問 >>  再々答弁 >>

一般質問

日本共産党品川区議団を代表し一般質問を行います。

「今の政治をなんとかしてほしい」―先の総選挙で、国民は、暮らしを犠牲にして財界・大企業の利益を優先し、貧困と格差を拡げてきた自公政治に退場の審判を下し、政権を交代させました。新政権には、この国民の思いに応える責任があります。私は、品川区に対しても、総選挙で示された主権者の意思をくみ、大企業支援から区民のくらしと営業を守る区政運営へと転換するよう求め、大きく3点、質問します。


「派遣村」をくりかえすな、失業者の命つなぐ年末年始相談・支援体制を

はじめは、「『派遣村』をくりかえすな 失業者の命つなぐ年末年始相談・支援体制を」の質問です。

昨年の年末年始、東京のど真ん中に「年越し派遣村」が出現。職と住居を同時に失った労働者がここで命をつなぎました。見えにくかった貧困の実態が、誰の目にも明らかになりました。

それから1年近くになりますが、年末を控え、事態は一層深刻に。富士通が2000人の解雇計画を発表。大企業によるリストラは続き、失業率も有効求人倍率も過去最悪水準です。

ハローワーク品川の担当者は「新規求職者数は33%も増える一方で、新規求人数は逆に34%減った」「失業保険も、給付日数が最低の90日以下が半分以上で、請負や日雇い派遣などはそもそも未加入。」「住宅喪失者と見られる方も相談にきている。雇用状況は悪いままで、先が見えない。品川区にはなんとか求人を増やすよう、あらゆる手を尽くしてほしい」と話します。

失業し、職が見つからず、失業保険もなければ、住まいも失いかねません。そういう方は、一体どこで体を休めているのでしょうか。

大井町のネットカフェA店で聞き取り調査を行うと「35席中、20人位が常時の宿泊者。何年も泊まっている人もいる」とのことでした。調査した五反田や大井町のネットカフェ5軒だけで、常時宿泊者数は計40人から50人に達しました。早朝4時半頃の24時間営業のマクドナルドA店には、9人がイスにもたれて宿泊。うち5人は、住宅喪失者と思われる方。「日払い」の文字が躍る求人誌に目を落とす若い方もいました。始発前の大崎駅には、ダンボールを敷いて寝ている人や、始発と同時に乗車し車内泊するため、シャッターが開くのを待つ人がいます。この日も6人。話を聞くと「今日は少ない方。雨の日はもっと多くなる」との答えでした。また、区内のある診療所には、大井町のネットカフェを転々としていた30代の男性が、無一文でかけこんできました。お金がなく受診を控えていたため、大腸がんの末期で手の施しようがなく、結局、3ヶ月でなくなりました。

行政が行う月に一度の住宅喪失者への調査は、委託で2人組で日中に行う形式。主に公園や駅を回り、お店の中までは立ち入れません。行政の調査ではつかめない、貧困の実態が区内にも確かに存在しています。一連の調査で明らかになった品川の今の現実に、私はあらためて衝撃を受けました。

なぜこんな事態になったのか。財界要求に応じて、1999年の派遣労働法の原則自由化など労働法制を規制緩和し、低賃金で使い捨て自由の雇用を広げ、「自己責任・応益負担」で社会保障も壊してきた、「政治災害」。ならば、解決するのは、政治の責任です。

年末年始は仕事も途絶え、頼みの区役所も6日間、閉まります。緊急一時保護施設や民間の簡易宿泊所も常に満杯の状態が続いています。厳しい寒さの中、路上生活を余儀なくされれば、命にも関わることは明らか。求職中の貧困・困窮者が「派遣村」を必要とせず、安心して年末年始を過ごせるよう、品川区も責任を果たすよう求め、質問します。

  1. 現在行政が実施している路上生活者調査では、区内の厳しい実態はつかみきれません。区として、ネットカフェや24時間営業のファミレス・ハンバーガーショップも含む住宅喪失者に対する調査を実施し、実態を把握し、同時に声掛けも行い、必要な支援につなげることを求めます。
  2. 年末年始は、窓口を開庁し、五反田や大井町など主要駅頭でも街頭相談ブースを設け、相談・支援体制を取り、後述の緊急的な住まいにつなぐこと。また、その存在を困窮する求職者に分かるように十分なアピール・広報を行うことを求めます。
  3. 緊急一時保護施設等は常に満杯状態で、衰弱している求職者を緊急に救えない可能性があります。空き社宅やビジネスホテル、民間住宅ストックの活用など、区として、生活保護や他の施策を受けるまでの住まいを緊急に整備することを求めます。
  4. あわせて大企業の雇用責任が問われています。行政区として、区内にある大企業に、雇用を守るよう働きかけて下さい。
  5. 国に対して、使い捨て雇用をなくすため労働者派遣法の早期抜本改正を行うこと、「全国延長給付」をただちに発動し再就職を果たせずに雇用保険が切れ、路頭に迷う失業者を増やさないこと。以上、2点をはたらきかけるよう求めます。

税金投入の高層マンションが売れない 大企業優先の再開発と決別を

鳩山首相は「コンクリートから人へ」と掲げ、不要不急の大規模公共事業を見直して雇用や暮らしを守るための予算に切り替えることを宣言。しかし、品川区では、住民の望まない超高層ビルが乱立する大型再開発が日々進行し、大崎駅周辺だけでも569億円、区全体では1000億円以上もの税金が投入されてきました。大崎駅周辺60ヘクタールは、区が手を挙げ都市再生「緊急整備地域」に指定された地域。「都市再生」とは、小泉内閣時代につくられ、さまざまな規制緩和と優遇措置で開発を促進し、土地の流動化をはかり不良債権の処理を促進することが目的。それがいまだに続いているのです。

ここで住民の声を紹介します。

「今まで普通に暮らしていた街が突然再開発の名のもとに高層マンションが建ち、日照が奪われ、風害に苦しむといったおかしな区になっている」

「ビル風がひどく、後ろから押され地に足がつかない感じ。何十年もこの地域に住んでいるが、かつて経験したことがない環境になった」

「入居してから今まで高いビルが回りに次々と出来、学校がそばにあるのにこんな高い建物がよく許可をされたと思います」

「デイサービスや通所リハビリ施設、特養ホームをつくって欲しかった。長い間工事の被害に耐え、いざ出来上がってみるとそういう施設は一つもないのはどういうわけなのか」

共産党の区民アンケートや区政懇談会には、再開発によって日々変貌する町並みと環境の変化にとまどい、首をかしげる住民の声がたくさん寄せられています。

こんな中、10月に竣工した大崎駅西口中地区再開発、大崎ウエストシティタワーズの販売不振の事態が明らかになりました。先の決算特別委員会で、区は「第1次売り出し分のうち販売は6割台に留まった。全体で何戸売れ残っているかはわからない」旨、答弁。この開発は、100M級の超高層マンションが2棟、総住宅戸数は1084戸。総事業費460億円のうち80億円、単純計算で一戸あたり738万円の税金投入。そうしてつくられた住宅の販売価格は部屋によっては一億円を超えます。

販売は一年前から開始され、かつての同様の大崎駅周辺再開発のほとんどは、竣工時にすでに完売状態でした。ホームページには、三井不動産の名で賃貸に出されている物件が早くもズラッと並んでいます。夜に2棟のマンションを仰ぎ見ると、明かりもまばらで6割どころか3割程度、といった状況にも見えます。

わが党はこれまで、環境や地球温暖化、住民合意など、さまざまな角度から再開発を批判し、中止を求めてきました。組合施工による再開発事業は、デベロッパーが地権者の土地に、高層ビルを建て、浮いた保留床を売って利益を上げ、そこから建設費も捻出する仕組みで成り立っています。今回の「税金投入した高層マンションが売れない」という事態は、この再開発の仕組み自体が破たんに直面していると同時に、住民も望まぬ事業だということを示していることに他なりません。

11月12日付産経新聞は「10月の首都圏のマンション発売戸数は前年同月比20.1%減の3386戸で2カ月ぶりにマイナスに転じた。発売当月の契約率は69.0%で・・好不調の分かれ目となる70%を割り込んだ。」と報じました。しかし、区は来年度からも北品川五丁目第一地区、大崎駅西口南地区で再開発を着工させる予定。さらに1000戸近い高級マンションが建設され、あらたに300億円の税金を投入します。マンション不況のおり、区はなおも税金投入で高級マンションを作り続けるのでしょうか。

一方、区は、「住宅ストックが3万戸余っている」との理由で、区民が待ち望む区営住宅の増設を拒否し続け、入居倍率は宝くじ並みになっています。道理が通りません。「つくれば売れる」「開発先にありき」こういう手法でゼネコン支援の不要な大型公共事業が全国あちこちで積みあがった結果、国の借金も膨大になったのではないでしょうか。今こそ、税金の使い方を転換すべき。税金は、区民の暮らし・福祉のために使われるべきです。

以下、質問します。

  1. 今、国もダムや高速道路など無駄な公共事業の凍結・中止を打ち出しています。区も、大型再開発を抜本的に見直すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  2. 大崎駅西口中地区再開発の高層マンションが売れない事態は、区が進めてきた再開発が事業として成り立っていないこと、再開発そのものが破たんしていることを示すものです。区の考えを伺います。
  3. 住宅ストックが余っていることを理由に区営住宅建設を拒否しながら、莫大な税金を投入し、売れない高級マンションをつくることは理解できません。区営住宅の建設など、公共事業は区民要求に沿ったものに切り替えていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  4. 風害については、シミュレーションや風洞実験だけでなく、風速計の設置で建設前後での計測と数値の公表を再開発に義務付け、その影響を科学的につかんで今後に生かすことを求めます。見解を伺います。

「詰めこみ」加速する最低基準の引き下げに反対 認可保育園増設を急げ

最後に、「『詰め込み』加速する最低基準の引き下げに反対、認可保育園増設を急げ」の質問です。

今年4月、認可保育園を希望し入れなかった子どもは443人。11月時点での入園申し込み数は昨年を108人上回り、来年4月の入園希望者増加は明らかです。現時点でも100名定員の認可保育園5園増設が必要ですが、区の対策は、定員を200人増やすなど、更なる「詰め込み」の域を出ていません。これでは、深刻な待機児の解消にはつながらず、さらに子どもにしわ寄せするものです。この問題では大きく2点、質問します。

1点目は、区の待機児解消策についてです。

事務の派遣で働いていたAさん。妊娠時に「派遣切り」の嵐が吹き荒れ、「妊娠していなければ継続して働いてもらいたかったのだが」と職場を追われました。8月に無事双子を出産後、ハローワークで仕事を探しつつ、区役所入園相談窓口にも行きました。「仕事についていない、子どもを認証保育所などに預けていない状況では、とても認可保育園入園は難しい。認証も2人分空きがある所はないだろう」と説明を受け、目の前が真っ暗に。「双子を授かったのに素直に喜べない自分が本当に悲しい。保育園に入れなければ働けない。保育園が足りないのだからつくって欲しい」と訴えます。

しかし、区には認可保育園増設計画はありません。長期基本計画にあるのは、幼稚園に保育園機能を加える「幼保一体化施設」と株式会社などが運営する認証保育園の誘致だけ。緊急待機児対策も、既存施設の活用の対策にとどまっています。深刻な待機児増加の最大の原因は、これまで区が保育需要に見合う認可保育園をつくってこなかった点にあります。既存保育園の「詰め込み」拡大と株式会社経営認証保育所に肩代わりさせる事では解決しません。

区の待機児解消策について、質問します。

  1. 今年認可保育園を希望しながら入れなかった子どもは443人もいました。区は来年度200人定員を拡大する、と言いますが、これでは足りません。来年4月認可保育園の入園希望数を何人と見込んでいるのか、また入園受け入れ枠は何人になるのか、お聞かせ下さい。また今回の提案は「詰め込み」の更なる強化であり、環境悪化は明らかです。見解を伺います。
  2. 区は「少子化が進行し、いずれピークを迎える。将来コストを考えれば、認可保育園増設は控えたい」旨の答弁をしました。区は、少子化=保育需要の減少ととらえているのか、また「働きながら子育てをしたい」という親の願いをどう考えているのか、お聞かせ下さい。フランス、スウェーデンでは、「子どもを生み育てられる社会」に取り組み、少子化克服の展望を見出しています。区は、少子化克服を力強く打ち出す意味でも、認可保育園増設に踏み出すべきですが、いかがでしょうか。
  3. 区は「保育を必要としていない人が望んでいる」旨の答弁をしています。待機児「ゼロ」をめざさず「軽減」と消極的なのはなぜですか。「保育に欠ける児童」の全員入園は区の責務ではないのでしょうか。お答え下さい。
  4. 認証保育所の保育料を認可保育園と同程度にすることは、高い保育料の軽減となり歓迎します。しかし保育料が同じだから認証でがまんしてほしいと言うことなのか。園庭がないなど施設面でも職員配置でも違いがあります。保育需要は、認証保育所に肩代わりさせるのではなく、認可保育園増設で対応するのが、区の責務と考えますが、いかがでしょうか。
  5. 近隣小学校に5歳児を移動し、空きスペースで子どもを受け入れる提案ですが、5歳児への発達保障と就労保障が確保されるのか、内容と共に計画の経過を明らかにしてください。共産党は、緊急対策として区有施設を活用する分園方式を求めていますが、対象年齢は希望が多い0、1、2歳児を受け入れる方法が妥当と考えます。いかがでしょうか。

2点目は、国の責任についてです。

民主党政権は、待機児解消を口実に、国が定めてきた全国保育所最低基準を、都市部では一時的に引き下げることを認める方針を示しました。最低基準とは、憲法に基づき、健康で文化的な最低限度の生活を保障するため国が定めたものですが、戦後の救貧対策とした基準は、面積では0歳1歳児の乳児室は一人当たり1.65u(畳1枚分)と、世界でも最低、それが60年間放置されてきました。品川区でも、昼寝の布団は重ねないと敷けず寝返りがうてない、トイレ渋滞が起きるなどの状況があります。食事の横で昼寝をする状況は改善したい、日々成長する子どもをもっとのびのびと遊ばせたい、との現場の声です。

厚労省が委託した専門家の研究結果でも「保育時間が長くなっていることをふまえ、子どもの心身の発達を考え、少なくとも現行の最低基準以上のものになるように」と報告されています。自民党政権が放置してきた世界最低基準を、「チルドレンファースト(子ども第一)」を掲げる民主党新政権が引き下げるなど、一時的であっても受け入れられません。増え続ける入園希望者に「詰め込み」で対応してきた品川区が、この規制緩和の方針に対し「待機児解消に向け大きな手立てが見えてくる」と歓迎の姿勢を示しているのも問題です。

質問します。

国の「最低基準」引き下げ方針を区はどのように受け止めるのか。最低基準の規制緩和が進めば「詰め込み」が加速され、子どもの環境悪化が心配されます。区は現行の最低基準を遵守するよう求めますが、いかがでしょうか。


答弁

区長(濱野健君)

私からは、再開発に関するご質問にお答えを申し上げます。

まず、再開発を見直すべきとのご指摘でありますけれども、行政というものは、区民の暮らしを支えるさまざまな事柄に対してバランスよく対応することが求められております。政府で議論されているダムや高速道路について、品川区としてコメントする立場にありませんけれども、品川区は、木造密集住宅地が広がり防災危険度の高い地域でありながら、同時に新幹線の品川駅や羽田空港に近く、国際都市東京の表玄関であるという地理的特徴があります。このことを考慮いたしますと、防災安全性の向上と地域の活性化ということは極めて重要な行改課題でございます。このことから、安全で快適な都市活性化拠点の形成を図る市街地再開発事業は、その効果を十分に検証しつつ、今後とも着実に実施をしてまいります。

次に、大崎駅西口中地区の住宅販売が芳しくないことに対する見解をとのことでありますけれども、現在販売されている住宅は、既に再開発組合から参加組合員としての不動産業者に譲渡されておりまして、再開発事業そのものは収支均衡で健全に成立をしているものでございます。参加組合員という制度は、再開発組合から事業リスクを分離いたしまして、事業者に負ってもらう仕組みでありますから、今般のように急激に経済状況が変化するようなときこそ、この制度の有効性が発揮できたということが言えると思っております。また、事業者は、資力・信用力を審査した上で都が参加組合員として認可した企業でありますので、住宅の完売に向けまして責任を持って対応するものと期待をしております。区といたしましては、こうした形で民間企業にもー定の社会的責任を果たしていただきながら、協働・連携によりまちづくりを進めていくべきであると考えております。

次に、高級マンションではなく区営住宅を建設すべきとのことでありますけれども、再開発事業は、先ほどご説明しましたとおり、参加組合員という制度を活用して全体事業費の8割以上を民間資金から調達して行うまちづくりでございます。これは、限られた財政負担でより大きな民間資金を動かし、大きな成果を獲得することができる極めてすぐれた事業手法であると評価しております。したがって、区営住宅等の建設と再開発事業のようなまちづくりは、それぞれ別分野の行政施策であり、区政全体のバランスを図りながら運営しているものでございます。

最後に、風環境の計測についてですが、風の被害を未然に防ぐ方法として、一般的にはコンピュータシミュレーションや風洞実験による予測をもとに必要な対策を講じております。この予測と対策が十分であったのかを確認するため、区では、事業者の協力を得て風速計を設置し、事後計測の報告を求めた事例がございます。この事例につきまして、まだ最終報告を受けていませんので確定的なことは申し上げらませんけれども、中間報告によりますと、予測と事後計測の結果はおおむね一致をしており、現地に風速計を設置しなくてもコンピュータシミュレーションや風洞実験によって相当の精度で風環境を再現できるという結論が得られる見込みでございます。このことから、風環境の計測につきましては、一律に義務づけなどを行うことなく、協力の得られる事業者からの情報提供を受け、まず区としての知見を深め、適切に指導していくことが重要であると考えております。

その他の質問につきましては、各部長等よりお答えを申し上げます。

健康福祉事業部長(木下徹君)

私からは、失業者に対する相談・支援対策に関するご質問にお答えいたします。

まず、区としてネットカフェ等に対する住宅喪失者の調査や必要な支援を行うとのご提案ですが、路上生活者に対する支援は広域的な対応が必要であることから、国、東京都、23区が共同、あるいは役割分担して対応しております。ご提案のネットカフェ等で寝泊まりする方に対する相談や支援に関する業務は、東京都が平成20年4月から住宅喪失不安定就労者サポート事業として、出張相談を含めて実施しておりますので、区単独で行う考えはございません。 次に、年末年始に窓口を開庁するとともに、街頭相談を実施とのご提案でございますが、生活保護にかかわる相談や支援の実施には、関係機関との密接な連絡・連携とプライバシーの確保が不可欠であり、実施する考えはないところでございます。なお、年末年始に限らず、急迫したケースの場合はその都度適切に対応をしております。

次に、求職者に対し、区として空き社宅やビジネスホテルなどを活用し、住まいの整備をとのご提案ですが、住居を喪失した求職者については、10月から住宅扶助と同様の住宅手当緊急特別措置事業を開始しご案内をしております。また、住居の確保が困難なケースにおいて、緊急一時保護センターが満室の場合は、民間宿泊所を含めた対応等を図っておりますので、区が単独で新たな住宅を借り上げる必要はないと考えております。

次に、区内の大企業の雇用についての働きかけなどのご質問ですが、ここ数年、区内に本社を移転するいわゆる大企業が増えており、区の昼間人口も増えてきております。これらの個々の企業は社会的責任を果たすべく企業活動を行っていると認識しておりますので、改めて区から雇用について働きかける予定はございません。また、雇用対策や社会保障制度の充実につきましては、国の責務において行うべきであり、区として労働者派遣法の改正や全国延長給付の発動について国に働きかける考えはございません。

子ども未来事業部長(古川良則君)

私からは、保育園の入園に関するご質問にお答えいたします。

来年4月の入園希望者数でございますが、経済状況や女性の社会参加、就労への意欲など、さまざまな要因によって変動するものと考えております。近年の入園申込者数の推移を考慮いたしますと、来年度は今年度よりやや増加するものと見込んでおります。

保育園の入園枠につきましては、先般発表いたしました待機児童解消緊急総合対策のとおり、保育園における200人余の定員の拡大や、小学校の余裕教室の活用などによって、現在可能な限りの受け入れ数の増を検討しているところでございます。

区はこの間、区民の皆様の働きながら子育てをしたいという要望にこたえるため、公私立認可保育園の増設等を行い、保育需要に対応すべく努めてまいりましたが、結果として待機児童を生じております。

今後、緊急対策による定員の拡大をはじめとして、定員の弾力化、幼保一体施設の整備による認可保育園の増設、認証保育所の活用、幼稚園における預かり保育の充実など、既存の資源を最大限に活用してまいります。

次に、小学校を活用した5歳児の保育についてでございますが、この試みは、待機児童対策であると同時に、小学校への滑らかな接続を実現するために実施するもので、子どもの発達にとってよりよい効果をもたらすものと考えております。これにより保育園においても乳児を含めた受け入れの拡大を図ることが可能となります。

最後に、国による保育所最低基準の緩和についてでありますが、都市部における現下の待機児童の増加を受けた緊急的措置であり、実現すれば、受け入れ人数の増になり保育園に入りやすくなると受けとめております。


再質問

安藤たい作君

自席より再質問させていただきます。

まず、再開発ですけども、区民の目から見たらどう思われるかというところが大事だと思います。区長の答弁の中で、限られた財政負担でということがありましたけども、既にこうした駅前大型再開発には、紹介しましたけども、区内全部で1,000億円以上の税金が投入されていまして、そうした税金の使い方に対して今区民、国民が厳しい目を注いでいるという、そういう状況になっているんだと思います。

お伺いしたいんですけども、西口中地区ですけども、もともとオフィスビルの計画だったんですが、そのオフィスビル計画だと過剰になっているということで、マンションに切りかえ、住宅に切りかえられて進められてきた。なおかつ、今回このような販売不振の事態という中で、やはり需要があって、区民要望があっての事業ではなくて、計画ありき、ゼネコン支援ありきという中で進められているというところに区民の皆さんがやはり疑問を感じ、怒りを感じているんだと思います。そうした状況の中で、なおも来年度以降2つの大きな再開発を進めて、なお1,000戸の高級マンションをつくるということは理解できないと思いますけども、こうした、区は、質問したいんですが、これからどんどんなおも進めていこうという、いろいろ効果を確かめながらという詰もありましたけども、こうしてつくっていく、増やそうという高層マンション、区として、売れていくと、売れると見ているのか。売れなければ、先ほど紹介したように、やはり区民から望まれていないということですし、税金を使って幽霊マンションをつくるというのは本当に理解できないことですから、売れていくと思っているのかどうか、見込んでいるのかどうかをお伺いします。

次に派遣村の質問ですが、この派遣村、年末年始対策ですね。全般的に非常に冷たい答弁といいますか、国、都はやっていますよ。それはやるかもしれません。でも、不十分なんですね。特に不十分だと私は今回の調査ですごく思ったのが、調査の方法ですけども、昼間にお店の中に入らないで二人組で調査するというやり方では、区内の今のリアルな実態、住居を喪失していて、なおかつ、これから働きたいのに、これから社会復帰していきたいという方々の実態をつかむことはできないと強く感じました。

これは私は今回の調査を見て、これが先進資本主義国なのかと。世界第2位の経済大国、しかも、その中で品川区はいつも、首都圏の中の品川区がこんな実態なのかと私はすごく驚きましたし、これをぜひつかんでいただく必要があると思います。少なくとも、こうした事態に対してつかむならば、この若い方々が使い捨てにされて、それを黙って行政も放置するような社会には絶対に未来はないですし、それは変えていかなくちやいけないんです。この品川区から変えていかなくちやいけないんです。それなのにそういう他人事みたいになってしまうのは、やはり実態を見ていないからだと思わざるを得ません。

少なくとも、年末年始にほうっておくということは絶対にあってはならないと思います。この6日間、どうされるのか具体的にお伺いします。6日間に住居も失って困っている方、区役所に行ったら閉まっています。6日間です。寒い中です。こうした中で、こうした方はどこに相談すればいいんですか。どこに行けばいいんですか。それをお伺いします。

最後、保育園の問題ですけども、やはり既存の施設の活用というところのお話がありました。やはり既存の施設の活用なんですよね。幼保一体といいましても、既存の幼稚園に認可保育園機能をつけて、少しは拡大するかもしれませんが、それは単独の認可保育園の増設とは違います。こういうことをやらない限りは、今の親の中では深刻な、入れない人の中で大変な、どうやって入れるんだろうかという中で熾烈な競争すら起こっているわけですね。こうした事態は、やはり認可保育園の枠を増やす以外ない。

こうした訴えが親からも届いております。こうした中、詰め込みでもって、既存の施設の活用イコール詰め込みですよね。こうしたことでは絶対に解決しないと思いますが、先日の11月21日付、産経新聞、認可保育所の死亡事故急増という記事がありました。認可保育園での死亡事故が規制緩和政策が進められた平成13年以降に急増していると遺族の方々が指摘しております。そして、基準緩和の撤回を申し入れているわけでございますけども、非常に重い訴えだと思いますし、ここに待機児解消の方策のかぎが私はあると思います。この遺族の方の訴えをどのように受けとめるんでしょうか。

最後です。また保育園の、私は質問したのに答えていないから再質問しているんですけども、来年の4月に入れるかどうか。これが親の大関心事でございますよね。そのときに、先ほどの答弁では、一体区が待機児の解消をめざしているのか。そして待機児が来年の4月にどれだけ粋が増えて解消されるのかどうかが不明確なんですね。そこで、11月11日付の広報しながわの写真ニュースというところに、先ほど説明がありました緊急待機児対策を表明と緊急待機児対策のことが書いてあります。

議長(本多健信君)

安藤君に申し上げます。再質問ですので、簡潔にお願いいたします。

安藤たい作君

はい、わかりました。その中で、400人超の保育園などの待機児童を解消することを調整・検討し、実施するということがありますが、これは、待機児は400人以上いるということを認めているということなのか。その400人超の入園粋が来年度には増えるということなのか。それで待機児の解消をめざすということなんでしょうか。明確にそちらをお伺いしたいと思います。


再答弁

区長(濱野健君)

再質問にお答えを申し上げますが、私は今非常に心外な思いをしております。今、再質問の中で、このような幽霊マンションというお言葉がございました。これは決算特別委員会でもそういうお言葉がありました。あのマンションには既に住んでおられる方がいらっしゃいます。区民の皆さんです。区民の方の財産に対する毀損をするような発言であるというふうに思っておりますので、その辺はお気をつけいただきたいと、このことを申し上げます。

さて、再開発によりましてつくられたマンションが売れていないというお話でございます。再開発というのは大変に長く時間のかかる仕事でございます。この中地区につきましては、1991年に開発協議会が発足をいたしました。18年前であります。18年間かけて完成する仕事、その息の長い仕事が完成するときに不景気と重なることは間々あることでございます。しかし、こうしたことを後から振り返ってみますれば、いっとき売れない云々のことがありますけれども、再開発の事業というのはしっかりとした成果を上げて今までも進んできたものでございます。この中地区の開発におきましても、その一例だというふうに私は思っております。

以上です。

健康福祉事業部長(木下撤君)

失業、住居喪失等の状況に関する再質問にお答えをいたします。

まず、冷たい答弁だったというお話がございましたけれども、この間題、つまり失業とかいわゆる住居喪失の問題ということにつきましては、基本的に広域な対応という、これが大事だというふうに思っておりまして、そういう意味では、第一次的な責任というのは国、場合によっては都にあるというふうに考えております。私ども区は、それら制度を相談者に対して適切に適用するということが基本だというふうに考えております。その中で、いわゆるネットカフェ等に訪問し、声かけをというのが1点目の再質問だったかと思いますけれども、現在私どもが行っておりますのは、23区と東京都との共同事業で行っております。これはホームレス対策事業として行っているわけでありますので、その枠組みからいいますと、実際そのような取り扱いをすることは現時点では無理だというふうに思っております。

それから若い人への支援ということについて、これは昨今の状況では大変重要なことだというふうに思っております。その中でやはり一番大事なのは、住宅を喪失した方をどう支援するかということだと思います。私どももかねがね住宅扶助探求というのができないのかということを考えていたわけでありますけれども、今回国の制度のほうで住宅手当、住宅扶助と同じ内容のものが緊急事業として用意されました。これを適切に活用することによって住居を持つことができる。そのことが結果として就労活動につなぐことができるというふうに考えております。

それから3点目、年末年始の部分でありますけれども、現在ハローワークを中心に、東京、大阪、大都市圏におきまして、11月30日の日にワンストップ・サービス・デイというのを開催することになっております。この場面では、いわゆる就労の相談が一時的な相談ですが、必要に応じ住宅手当の関係、生活保護の関係等についての相談も乗れる体制をとろうということで、モデル事業として行うことになっておりますので、そのような対応の成果も見ながら進めていきたいと考えております。

なお、緊急の対応、特に医療などにつきましては、年末年始、役所が閉まっている段階におきましても、私どものほう連絡体制をとっておりますから、現実的な対応をさせていただきたいというふうに思っております。

子ども未来事業部長(古川良則君)

私のほうからは、保育に関する再質問にお答えをいたします。

何点かございました。

既存施設の活用は、まず詰め込みというような表現があったように思うんですけども、私どもが今回緊急対策として打ち出したものは、国が定める基準にのっとっての数字をあらわしておりまして、これが詰め込みということにはならないと思っております。規制緩和云々ではありませんし、現時点でのあくまでも定員拡大をいかにしていこうかと、工夫しながら206名の定員拡大をしていくものです。これが詰め込みというのは大変心外でございます。ちなみに、先ほど乳児、0・1歳の面積が1.65平米というふうに私はお聞きしました。3・3平米の誤りでなければと思いますけども、違うでしょうか。

それから2点目でございます。認可保育園の死亡が急増という、私はその記事を読んでおりませんけども、ここは品川区の議会でございますし、私どもは品川区の子どもを品川区の保育園でお預かりしております。品川区の保育園でそういう事例はございませんし、これからもないというふうに考えております。

3点目、来年4月入れるかどうか、これはひとえにどのような形で入園を希望されるかにかかっております。保育に欠ける要件をどうとらえるかです。だれでも入れる保育園ということになりますと、待機児は相当な数になっていく可能性がありますが、私どもは既存の保育施設、教育施設、さまざまなものを活用し、認可保育園についてもー定の増設を図り、そしてさまざまな施策を講じながら、できる得る限りの対策をとり、来年4月に待機児解消できるように努力をしていきたいと、こういうことでやってございます。

以上でございます。


再々質問

議長(本多健信君)

重複しないように簡潔に質問をお願いします。

安藤たい作君

自席より再々質問させていただきます。

まず再開発ですけど、表現はいろいろあるかと思うんですが、私が言いたかったのは、先ほどの区長の答弁ですと、いっときは大変だけど、これからは売れるからこれからも再開発でどんどんマンションをつくっていくという答弁として受けとめていいんでしょうか。このまま進めば、まあ、幽霊マンションという言葉を使っちゃいましたけど、その2つの事業で300億円が、区民から見ると、税金が投入されて建ったマンションが売れないと。そうしたらやはり税金投入のあり方としては、やはりどう考えてもおかしい。一方で、区民の目から見たら必要な施設はつくられない。こういうのではやっぱり理解できないと思います。改めて、先ほどの答弁は、じゃあこれからも再開発を進めて、それは売れると見込んでいるということでよろしいんでしょうか。それをお伺いします。

次に、年末対策ですけれども、年末対策ぜひ、11月30日に試行をやりますけれども、それを踏まえてぜひ年末年始の窓口をあけていただきたいと思います。住宅手当のこともありましたけども、それはすぐに入れるものじゃないですから。部長さんもよくわかっていると思うんですけども、相談に来る方というのは本当にもう切迫しているわけですよ。この前も品川地区委員会、共産党に来ました。その方は、もうこの週末2日間だけでも住むところがない。そして衰弱していて、窓口に相談しに行っても衰弱のあまり説明も耳に入ってこないというような、そういう緊急な大変な方が来るわけですよね。そうした方が住宅手当の手続を待って、アパートを見つけてようやく手当というふうにはならないわけですよ。

すぐ住まいが必要なわけですね。だからそういう点で私は、簡易宿泊所も大体いっぱい。緊急一時保護施設もいっぱい。そうしたらもう手詰まりなんです。つくってほしい。それをつくってほしいと思いますが、いかがでしょうか。

あと、年末年始、連絡体制があると言いましたが、どのような連絡体制があるのか具体的に伺いたいと思います。

最後、保育園の問題ですけども、死亡事故はこれからもないということを言い切られましたけども、詰め込みでないという説明もありましたが、既存のキャパシティーは変わらない。建物が広がるわけじゃないわけですよ。だから、そこに定数を増やすということは、それは以前に比べると詰め込み以外の何物でもないということは、これは厳然とした事実であります。ぜひ子どもの発達を中心に置いた対策をとっていただきたいと思います。

それで質問ですけども、待機児の解消をめざしていきたいということがありましたが、この広報にもありますけども、品川区は待機児の解消をめざしていくという、待機児の解消を目標に掲げるということでよろしいのかどうかお伺いします。


再々答弁

区長(濱野健君)

再々質問でありますけども、少し丁寧にお答えをしたいと思います。

再開発につきまして、共産党の皆様方と私どもでは考え方が本当に違うというふうに思っております。

都市というのは、人間と同じように長い時間をかける中で次第に老化する、あるいは老朽化する、あるいは陳腐化してまいります。人間も同じように細胞が老化し、あるいはあちこちぐあいが悪くなるというようなことでございます。人間はやがて死を迎えますけれども、都市は生き続けなければなりません。

つまり、都市がそこで人が生きていくためには生き返らなければならないわけです。したがって、再開発という形でこのまちを更新していくことが必要でございます。その更新の手法にはいろいろありますけれども、一概に再開発を悪とみなすということは誤りだということを申し上げたいと思います。かつて、大崎の東口にニューシティができましたときに、共産党は大反対をいたしました。しかし、あそこで再開発をしなかったとすれば、今あそこは、いわゆる乱開発が進み、ペンシルビルが建ち、雑居ビルが建つ、そういう地域になっていたでありましょう。きちっとした再開発をすることでまちとして整ってきたわけであります。その辺をよくお考えいただきますようにお願いいたします。

以上です。

健康福祉事業部長(木下撤君)

再々質問にお答えをいたします。

まず、昨年のような年越し派遣村のような状況がことしの末も発生するのかという点では、国のほうもこの間、いわゆる寮から追い出しをするようなことがないようにということについての要請とか、一定の財政的支援もしているというふうに聞いておりますので、少なくとも昨年のような状況にはならないだろうというふうに思っております。そういう中で、1点目の再質問ですが、年末年始ということでございますけれども、先ほど答弁の中でも申し上げましたけれども、この間題については、品川区だけが開いていても問題は解決できないということになります。やはり関係機関と連絡をして一定の解決策を見つけ出すということになりますので、基本的には難しいだろうと思っておりますから、そういう点では早目の相談に来ていただければというふうに思っております。

それから、連絡体制ということでは、やはり一番困難なケースというのは病気だろうと思います。そういうようなケースがあった場合には、病院を通してということもありますけれども、私ども区役所のほうから生活福祉課の職員のほうで、各日担当を決めておりまして、その中で連絡をとって、例えば病院のほうに医療扶助の要請をするとかいうような形で具体的に対応をしているということでございます。

子ども未来事業部長(古川良則君)

それでは、保育園に関する再々質問でございますが、既存の保育園を活用してなぜ詰め込みにならないのかということでありますけども、さきの決算委員会でもお答えしました。過去20年間の中では、前半の10年間は欠員対策が私の主な仕事でした、当時は。この数年の中での児童数の増によっての待機児という状況でございます。したがいまして、1つの例でございますけども、保育園が当時、例えば20年前、定員100名だったところが現在80名に定員を落としている。

それを再び100名、あるいは園の中でのさまざまな、あいていると申しましょうか、使える空間を使いながら少しでも一人でも多くの人に入っていただく。そういうことですから、私ども常に待機児の解消をめざしてさまざまな努力をしていると、こういうことでございます。

議長(本多健信君)

以上で、安藤たい作君の質問を終わります。

以上

ページトップへ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ