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石田ちひろ区議 2011年第2回定例会一般質問「エネルギー問題」「防災計画」「若者支援」「公衆浴場設置」

 2011.06.23 石田 ちひろ 区議

第2回定例会で石田ちひろ区議が、はじめて一般質問を行いました。

質問項目

  1. 原発からの撤退を国に求め、自然エネルギーへの転換を
  2. 東日本大震災における区内の被害実態を調査し、地域防災計画に生かせ
  3. 就労・自立に困難を抱えた若者に支援を
  4. 南品川に公衆浴場の設置を

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日本共産党品川区議団を代表し一般質問を行います。

一般質問

原発からの撤退を国に求め、自然エネルギーへの転換を

はじめに「原発からの撤退を国に求め、自然エネルギーへの転換を」の質問です。

福島第一原発の事故は3カ月余経った現在も収束のめどさえ立たず、深刻な事態です。いま、原発に依存したエネルギー行政をこのまま続けていいのかと問題が突きつけられています。

今回の事故で、多くの方が故郷からの避難を余儀なくされるなど甚大な被害をこうむっています。区民住宅に入居できたAさんは、子どもを放射能から守りたいとの一心で南相馬市から知人を頼って品川に避難してきました。家賃負担はないものの、生活費は全て自己負担、やっとみつけた仕事の収入は7万円。生活が大変です。「生活を狂わし、人生を狂わした東電に謝りに来てほしい」と怒りを込めて言います。東電と政府が原発による被害を全面的に保障すべきです。

今回の事故は原発の危険性を国民に事実をもって明らかにしました。そもそも、現在の原発技術は本質的に未完成で危険なものです。今回の事故のように、ひとたび重大事故が発生すれば大量の放射性物質が放出され、被害は広範囲に長期間にわたって影響を及ぼします。

日本は世界有数の地震国、津波国です。日本列島のどこにも大地震、大津波の危険のない「安全な原発」は存在しません。しかし、日本政府は、安全が確認されたとし、原発の再稼働。東海地震の予想震源域の真上にある浜岡原発も津波対策が完成すれば再稼動を進める方針です。万全だという保障はどこにあるのでしょうか。「安全神話」にしがみつき安全対策をとらず深刻な事故を引き起こしたことを真摯に反省すべきです。

福島原発事故を受けて、ドイツは2022年までに、スイスは2034年までに原発廃止を決断。イタリアでは国民投票で原発廃止派が圧勝しました。日本でも、世論調査で原発からの撤退を求める声が圧倒的多数。

福島県は、原発に依存しない復興を打ち出し、原発を設置している自治体や近隣自治体の首長が次々に原発撤退を訴えるなど、原発からの撤退を求める声が沸き起こっています。

日本共産党は、これまで原発の危険性を訴えてきましたが、いまこそ日本政府は原発からの撤退を決断し、期限を決めて原発の全廃に取り組むこと。そして、行政挙げて自然エネルギー、再生可能エネルギーを進めるよう求めます。

質問します。

  1. 過酷な事故が発生しましたが、区長は原発の危険性についてどのように認識しているのか伺います。また、原発からの撤退を国に求めるべきですがいかがでしょうか。
  2. 再生可能エネルギー、自然エネルギーへの転換こそ必要ですが見解をうかがいます。また、事故発生以前から取り上げてきた省エネルギー社会への取り組みや、全公共施設に太陽光発電の整備と民間住宅に補助金を、また、学校など公共施設でゴーヤや朝顔などグリーンカーテンづくりを一気に推進するなど啓発・普及に積極的に取り組むべきですがいかがでしょうか。
  3. 被災者の方たちの実態調査を行って支援策に反映させるよう求めます。
    1. 区民住宅の受け入れは原則6ヶ月ですが、生活再建の見通しがつくまで延期すること。
    2. 東電に電気料金の免除や一時帰宅時の交通費を出すなどの申し入れをすること。
    3. 暑い夏に向かいエアコンの設置を国や東電に求めること。設置が遅れるなら、当面、区が設置することを求めます。

東日本大震災における区内の被害実態を調査し、地域防災計画に生かせ

次に「東日本大震災における区内の被害実態を調査し、地域防災計画に生かせ」の質問です。

東日本大震災から教訓を学び、首都直下型の震災に備えることが必要です。2点提案をします。

1点目は、区内の被害実態調査を行い、地域防災計画に生かすべきです。

3月11日の震度5強の地震は、区にとっても観測史上初めて大きなものでした。 3日後の区の報告では、区有施設被害は、ガラス割れ96枚、エレベーター停止36件など、149件。民間施設では、壁亀裂・瓦落下・ブロック倒壊13件など、27件。直後に区がつかんだものでもこれだけ多くの被害がありました。さらに全体像をつかみ、教訓を最大限生かす姿勢こそ必要だと考えます。しかし区は、「罹災証明を出すような被害はなかった」ことを理由に、「被害状況を調査する考えはない」と繰り返します。ところが、西大井4丁目で道路が5pほど沈み水道管の破裂、ガス管がヒビ割れガス漏れ、また高層マンションでは温水器のバルブがはずれ4階下まで水漏れ、ピアノ・テレビや洗濯機が倒れた。銭湯では煙突にヒビが入ったなど。これらは被害の一部ですが、実際の被害から今後の対策が見えてきます。ソフト面はどうでしょうか。帰宅困難者、保育園、学校、障害者や高齢者施設での対応はどうだったのか。ある障害者施設では子どもを自宅まで送ったものの、親は帰宅困難者。電車が止まって帰れず、子どもは玄関先で一人不安におびえ数時間待ち続けました。あらためて民間も含め、各施設の実態調査を行い、対策につなげることが子どもたちや高齢者、障害者の命を守ることにつながるのではないでしょうか。

質問します。

  1. 現在までに品川区がつかんだ被害状況、地盤のずれ、住宅・高層ビル・マンション・医療や介護施設・集客施設・商店街など民間も含めた建物の被害、ライフラインの被害実態、また津波状況についても説明してください。
  2. 保育園、小中学校、すまいるスクール、障害者や高齢者施設での対応はどうされたのか。教訓としてくみ取っているものは何かお聞かせください。
  3. 区として、区内の被害実態を調査すること。そして教訓を地域防災計画に生かすことを求めます。

2点目は、災害予防の観点から住宅耐震化を早急に進めることです。

阪神・淡路大震災で亡くなった方の88%が建物倒壊による圧死、10%が焼死でした。この教訓から、倒れない建物、耐震化に今こそ力をそそぐべきだと考えます。

大震災後、区内の耐震診断の申請が急速に伸びています。区民の意識が高まる今、住宅耐震化を本格的に取り組む良い機会です。

質問します。

  1. 現在、耐震診断を申請しても受けられるまでに2ヶ月もかかります。区民要望に速やかに応えられるよう、区の責任で耐震診断士を早急に増員すること。また、補強工事の体制強化も求めます。
  2. 耐震化のためにはまず耐震診断を受け、自宅がどんな建物なのかを認識する事から始まります。より多くの人が気軽に診断できるよう、木造住宅の耐震診断の自己負担6万円の無料化を求めます。
  3. 家具転倒防止器具設置の助成を高齢者・障害者世帯だけでなく全世帯に拡大し、無料とするよう求めます。

就労・自立に困難を抱えた若者に支援を

次に「就労・自立に困難を抱えた若者に支援を」の質問です。

これまでも共産党は若者支援を求めてきましたが、今回は軽度な発達障害や精神疾患など、なかなか仕事に就けない若者への支援を求め質問します。

子ども若者育成支援推進法制定から2年になりますが、問題の根底には大企業の雇用責任の放棄、長期にわたる景気の低迷。国際競争力の名によるコスト削減で、職場は即戦力を求め労働強化が加速。人間らしい働き方が壊され、これを進めてきた政治の責任は重大です。

若者が生き生きと働ける社会の再構築がなければ、若者の未来、地域社会や社会保障は根底から崩れます。苦しんでいる若者を排除する社会を許すことはできません。今回は、より困難な若者への支援。ここへの支援は、みんなへの支援に繋がるものです。

私の周りに苦しんでいる友達はたくさんいます。10年来の友人、A君29歳。仕事はネットカフェの看板もちです。店長に「看板が壊れた」など相談をしても「自分で何とかしろ」と強い口調で言われ、「店長が怖い」と話します。A君の困難さを説明するのは難しいのですが、話し方が早口で勢いが強く、話題が次々と変わり、聞きとれない時も。最近、父親から障害者手帳を勧められましたが「僕は障害者なのか。仕事に有利になるなら」と迷っています。私は、そんなA君の困難を理解したいと思います。

もう一人、11歳の時に愛の手帳4度を取得したB君は現在34歳。「就職活動はしたくない」と話します。派遣先で引っ越しの助手をしていた時、台車の扱いに、手こずっていたら社員から「仕事が遅い。お前の頭は低能だ。出来ないなら、もう帰れ」と、人権を否定する言葉を幾度も浴びせられたと言います。就職活動に足が向かない理由はここにありました。障害への正しい理解はもちろんのこと、B君への丁寧な支援が必要です。しかし、品川区には赤ちゃんから高齢者まで様々な支援事業がありますが、就労・自立に困難を抱える若者への支援に関しては、すっぽりと抜け落ちています。

この問題を強く実感しているのは就労支援に関わる行政やNPO、中学校や定時制高校など。「あの子は今、どうしているのかしら」との話をよく聞きます。「ひきこもり」となるケースもあります。東京都のひきこもり調査では都内で2万5千人。出現率を0.72%と発表。品川区に当てはめると656人です。品川区には大井保健センターで「青年期ひきこもり家族支援」があります。ひきこもりへの正しい理解を深めるなど家族支援は重要ですが、本人への支援がありません。

支援策として大事だと思う事業は、ハローワークに繋がらない若者への包括的、継続的な就労訓練などです。私は、足立区の若者サポートステーションを見てきました。様々な支援が用意されていました。「あだち仕事道場」は、見学的な体験でなく、実際の現場で作業しながら訓練をするもので、支援スタッフがサポーターとして一緒に働くことで、心強さ、安心感を作ります。他に、3カ月間の「就業体験プログラム」や「ひきこもりセーフティネットあだち」も開設されました。

こうしたサポステは、大田、品川など城南5区で世田谷区のみ。あまりにも遠すぎます。「ハローワーク品川」は港区に。2階にヤングフロアがありますが、年齢別にフロアを変えているだけのものです。 

質問します。

  1. 就労・自立に困難を抱えた若者への支援を、品川区ではどのように事業に位置づけるのか。実態とかみ合った支援策をどう考えているのか。ご説明ください。
  2. まずは、関係者が同じテーブルで問題の共有・交流を進めることが重要です。ハローワーク、中学校や高校、スクールカウンセラー、保健センター、ものづくり支援課、子育て支援課など横断的な会議の開催を求めます。また、就職も進学もしていない未決定者、不安定な仕事を繰り返しているなど若者の実態について、先ほどの関係各所と連携した聞きとり調査など、実態把握を求めますが、それぞれいかがでしょうか。
  3. 支援を行う拠点とし、地域サポートステーションの設置を求めます。
    また、品川区のひきこもり支援について、新たに本人の実態に合った、就労・自立にむけた支援実施を求めますが、それぞれ、いかがでしょうか。品川区で、または品川区の働きかけで雇用や就労訓練の場を作ることはいかがでしょうか

南品川に公衆浴場の設置を

後に「南品川に公衆浴場の設置を」の質問です。

平成10年、区内56か所あった銭湯は、現在34か所へと激減しています。区内自家風呂率は、平成20年の調査で96,3%。このもとで、「いつ廃業してもおかしくない銭湯はたくさんある」と品川区浴場組合のみなさんからうかがいました。銭湯の経営困難、後継者不足の中、区の補助金支援もありますが、生活を支える収入は得られないと言います。このままでは更に銭湯が減ってしまいます。

南品川は風呂なし住宅が多い地域ですが、南品川1丁目〜6丁目まで、銭湯は一軒もなくなってしまいました。南品川に住む73歳のAさんは、神経痛もちで、痛む足を引きずって、大井町を越えた三又の先の銭湯まで片道36分かけて通わなければなりません。同じく南品川に住む80歳のBさんは、「自宅周辺の銭湯は全部無くなってしまった。離れた銭湯まで行くのも大変で、人と話すこともなくなった」と、寂しく話します。

南品川を中心に、2006年には『南品川シルバーセンターにお風呂を取り付けてください』という請願署名が提出されてましたが、建設地の面積の問題や、「近くにある銭湯の経営を圧迫しかねない」など他党議員の意見で継続審議になりました。しかしこの近くにあった銭湯は、今年早々に廃業が決まり現在取り壊しが進んでいます。いよいよこの地域に銭湯がなくなってしまった。そのため、今年の2月『南品川および東大井地域に公衆浴場を設置してください』と請願が出されました。この地域のお風呂がほしいという願いは本当に切実です。

お風呂に入ることは身体を清潔に保つと共に心のリラックスに大きいな効果があります。銭湯の大きな湯ぶねに身体を伸ばして入るのは、血行が良くなり血圧が下がり、肩こりや神経痛も軽くなる、自律神経もくつろぎます。銭湯は住民の公衆衛生になくてはならないものです。しかし先に述べたように民間での銭湯の運営は大変厳しい。そうであれば行政がしっかりと区民の公衆衛生を守るのは当然の責任ではないでしょうか。

港区では16年前に住民の請願によって区営の公衆浴場が建設されました。私は見てきましたが、近隣銭湯の経営も配慮し、こじんまりとした雰囲気で、一階が番台、二階が女湯、三階が男湯、四階が休憩場。経営は浴場組合に委託しています。地域の高齢者たちが集い、少し離れた地域からもコミュニティバスに乗って来る方もいて、浴場近くにコミュニティバスの停留所もあります。港区は、入浴困難な住民のための対策として設置したそうです。

コミュニティや健康増進の場として銭湯は大きな役割だと、区も認めています。区は「住み続けたいまち品川」とうたっていますが、お風呂なしでは住み続けられません。

是非願い実現にご尽力いただけないでしょうか。 

質問します。

1、入浴困難な区民を、区としてどう考えているのでしょうか。南品川に公衆浴場を設置していただきたいと考えますがいかがでしょうか。

2、緊急策として、入浴困難な区民の足となり便利なコミュニティバスの運行の提案をしますがいかがでしょうか。

答弁

区長(濱野健君)

私からは、原子力発電に関するご質問についてお答えを申し上げます。

申し上げるまでもなく、日本全体における原子力発電のあり方は、国民全体の日常生活の安定、産業の発展、環境問題など、エネルギー政策の根幹にかかわる問題であり、国の責任において判断すべき事項であります。したがいまして、一自治体の行政の長として意見を申し上げることは控えるべきと考えております。とにかく今すぐなすべきことは、今回の事故を教訓として、安全のために考え得るすべての対策を講じて万全を期すことであると認識をしております。

次に、再生可能エネルギーへの転換と省エネルギー社会への取り組みについてお答えを申し上げます。

政府は先日、フランスのドービルで開催された主要国首脳会議において、再生可能エネルギーと省エネルギーへの取り組みを強化する方針を表明いたしました。区といたしましても、これまで地球温暖化防止対策の−環として太陽光発電システム等設置助成や省エネルギー設備導入助成等を行ってきましたが、引き続きこれらの事業を継続し、再生可能エネルギー、自然エネルギーの普及・啓発に努めてまいります。

次に、学校でのグリーンカーテンの推進ですが、節電のため教室の窓側の照明を大幅に削減している現在、照度に影響を与えるグリーンカーテンの整備は当面困難と考えております。また、学校等区有施設では、改築時に合わせ屋上緑化、太陽光発電、風力発電等を整備しており、今後も自然エネルギーの導入を進めてまいります。

次に、区民住宅の受け入れ期間についてですが、区内に避難してこられた被災者の生活再建に向けた支援の1つとして、期間を定めて入居を受け入れた経緯がございます。被災者の生活再建はそれぞれ世帯によって異なりますが、期間の延長につきましては、他自治体の対応を参考にしつつも、個別の状況を把握し、必要な判断を行っていく考えでございます。

また、電気料金の免除や一時帰宅交通費、エアコンの設置などの関係機関への申し入れについてですが、東電は現在のところ電気料金延納などの対応を行っていることは承知しておりますが、さらなる負担軽減を国や東電に働きかけることは被災者全体の支援にかかわる事柄でありますので、区独自で行う考えはございません。

なお、被災者への実態調査につきましては、既に個々のご要望などをお聞きしながら必要な支援を行つているところでありますので、改めて実施する考えはございません。

その他のご質問等につきましては、各事業部長等よりお答えを申し上げます。

防災まちづくり事業部長(片田友昭君) 

私からは、震災における区内の被害状況に関するご質問にお答えいたします。

区有施設では、主な被害といたしまして、施設等のガラス割れが172枚、エレベーターの停止が36件、建物の壁等の亀裂の発生が5件、天井材の一部落下が2件、水道管の破裂が1件などの報告を受けております。また、区民住宅のファミーユ西五反田では、室内の壁に一部亀裂が入るなどしたため、補修にかかる補正予算案を提出するなど、必要な対応を行ってきておりますが、区有施設等はいずれも使用に支障を来すような大きな被害はございませんでした。

また、民間施設では、主なものとして、共同住宅の1室の焼損火災、建物外壁の亀裂や瓦の落下、ブロック塀の倒壊などが合わせて13件、水道管破裂が3件の報告を、また、道路等の損傷につきましては、区道、私道、国道などを合わせて16件、また、臨海部の都立公園内で液状化によると思われる・被害が2件報告を受けているところであります。

また、震災後に民間の建物所有者などから建物調査等の相談を受け、区では6月7日現在までで34件の罹災証明の発行を行ってきたところでございます。

また、津波に関しては、気象庁の発表によれば、東京湾内の観測地でなる晴海ふ頭で1.5メートルを観測したと聞いております。

次に、区立保育園の対応についてですが、震災発生時、第1に園児の安全を確保、その後の施設の被災状況を点検いたしました。さらに余震が続いておりましたので、引き続き安全を確保しながら、保護者の迎えがあるまでお預かりしておりました。当夜の交通状況から、翌日の午前10時ごろに最後の園児の迎えがありました。今後の課題といたしましては、災害発生時、園児の安全確保を第1としながら、交通の混乱等から、最長2日間程度でお預かりすることを想定した対応をとる予定でございます。

次に、すまいるスクールを含め、学校では、ピーク時1,300人を超える児童・生徒が待機しているという状況がございました。携帯電話による通信が困難な中、保護者と連絡をとり続け、保護者への引き渡し完了が翌朝の7時になった学校もございましたが、教職員の努力により、児童・生徒の安全を確保することができました。したがって、このことから今後は、すべての学校において保護者への引き渡しを原則として、児童・生徒の安全を守る体制をとるよう徹底してまいります。

次に、障害者や高齢者施設での対応についてですが、まず、直ちに施設の被害状況を確認いたしました。中にはエレべ−ターがとまったところもございましたが、利用者や施設には被害はありませんでした。

一方、通所デイにおいて、家族が帰宅困難となった利用者には施設に泊まっていただくなど、臨機応変な対応をとってきたところでございます。今回の教訓といたしましては、帰宅困難になった利用者の家族と連絡が取れなかった事を踏まえ、事前の取り決めを行っておくことなどの必要性を再認識したところでございます。

次に、区内の被害実態調査に関してですが、現在の地域防災計画では、首都圏に直下型地震が襲った場合の被害想定に基づき、災害の予防や応急対策、および災害復旧対策なとについてまとめているものでございます。このたびの地震は、その震源が首都圏から離れており、区内では人的被害がなかった事や大きな物的被害がなかったことから、改めて実態調査を行う考えはございません。

次に、耐震診断に関するご質問にお答えいたします。

耐震診断の実施体制についてですが、議員ご指摘のとおり、耐震診断の件数は昨年度を大幅に上回る状況にございます。このため、診断を行う専門家についても区と協定を結んでいる建築士事務所協会、日本建築構造技術者協会だけではなく、東京都に木造住宅耐震診断事務所として登録をしている専門家にも協力を求めるなど、対応をしてきてございます。耐震診断を行うことのできる専門家は建築技術者の中でも少数であり、知識や経験を必要とし、また、診断の信頼性も求められるため、安易に増員ができるようなものではございません。

次に、補強工事の体制につきましては、本年度から一戸建て木造住宅の上限を150万円に増額するなど、必要な施策の強化を図ってきております。

次に、耐震診断の無料化についてですが、今年度より無料で簡易診断が受けられるようメニューを拡大してきたところでございます。簡易診断を踏まえ、必要に応じて−般診断を行っていただき、ひいては耐震化につなげることが重要と考えます。また、−般診断費用の一部自己負担は耐震化の動機づけになると考えており、−般診断の無料化を行う考えはございません。

次に、家具転倒防止についてですが、家具転倒防止は自助の分野であり、助成対象拡大や無償化する考えはございません。今後とも防災アドバイザー研修の中で家具転倒防止器具の取りつけ訓練や各地区の総合防災訓練で実演していくなどして、−層の普及に努めてまいります。

子ども未来事業部長(金子正博君)

私からは、就労・自立が困難な若者支援に関するご質問にお答え、いたします。

まず、子ども・若者等への支援につきましては、国の推進大綱と都の推進計画をもとに23区を含めた関係団体の連携による総合的な育成支援の推進が求められております。しかし、いまだ都の推進計画の提示がありませんので、区におきましてもその推移を注視しているところでございます。

また、発達障害の方の支援としましては、ハローワークの就労支援に加えて、区として発達障害児思春期サポート事業を実施し、個別支援や家族支援などを通じて自立を促しております。さらに、精神障害者の方につきましては、地域生活支援センター「たいむ」や障害者就労支援センター「げんき品川」において生活や就労支援などの総合的な相談を実施しております。

一方、平成22年3月に策定しました「品川区次世代育成支援対策推進行動計画」の後期版では、「全ての若者の生活能力向上の推進」を主な施策の1つとして位置づけ、区として就労や自立が困難な若者支援の検討を行っているところです。また、必要に応じて既に関係部署の連携を行っておりますので、新たな会議を開催する考えはございません。実態把握なども、各部署の職務中で現在行っているところでございます。

次に、雇用や就労訓練の場としての「地域若者サポートステーション」でございますが、現在、全国で100か所に設置され、都内でも6か所ございますので、品川区に設置する予定はございません。同様に、区で独自に雇用や就労訓練の場を設置する予定もございません。

健康福祉事業部長(木下撤君)

私からは、公衆浴場に関するご質問にお答えいたします。

品川区の公衆浴場は、昨年、東大井の公衆浴場が1軒廃業となり、現在34か所でございます。区全体としましては、面積1平方キロメートル当たり1.5か所ということで、都の平均0.6か所、23区平均1.2か所と比較しても平均を超えており、23区では8番目に多い状況です。また、品川区における自家ぶろ保有率も、平成20年の統計ですが96.3%であり、区民の公衆浴場に対する需要が高まっている状況にはないと考えます、このような中で、ご家庭におふろのない高齢者の方々は、区内9か所のおふろのあるシルバーセンターをご利用することも可能です。

また、ご指摘の港区立公衆浴場につきましては、平成7年の開設当初のピーク時に比較して利用者数が減少傾向にあり、運営上も課題があると聞いております。したがいまして、区として新たに公衆浴場を設置する考えはございません。

また、コミュニティバスの運行につきましても、区内では交通網が完備していることから、導入の考えは、ございません。

今後も引き続き区内公衆浴場に対しましては、設備等の整備や改築時における補助金等の助成を実施するとともに、「しながわ出会いの湯事業」を継続することにより、地域における既存の公衆浴場の存続と振興を図ってまいりたいと考えております。

再質問

石田ちひろ君

自席より再質問をさせていただきます。

まず、原発からの撤退の質問ですけれども、やはり自治体の長として発言する立場にないとおっしやいましたけれども、ほかの原発が設置されている地域の自治体などの首長は、それぞれが撤退を求めると、こういった訴えをされているわけですね。私たちこの品川区も、ひとたびどこか近くで原発事故が起きれば、危険ではないわけはないんです。そして今回の福島県のこの事故でこそ、安全ではないというのは明らかになったと思います。より安全に心がけてとおっしやいますけれども、原発に安全はないと。再生可能エネルギーや自然エネルギーへの推進を進めていくというのであれば、原発からの撤退をまず表明する。そして、撤退を決断し、期限を決めて取り組むべきと考えます。ご決断いただきたいと思います。いかがでしょうか。

そして、2つ目の防災のところですけれども、やはり区の報告では大変不十分です。調査なし、そして実態も踏まえずに新たな対策は組めるのか。ただ読むだけの計画ではなくて、実際に役立つ地域防災計画が必要です。届けを待つのではなくて、こちらから把握をするという立場、これを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。また、防災訓練なども強めていくと、そういうところで命を守っていくということであれば、しっかりとそこで何が起きたのか、今後どうやって生かしていくのか、実態調査は欠かせないと思います。さらに実態調査を求めますけれども、いかがでしょうか。

そして3点目、就労・自立支援のところですけれども、国と都の連携なので都の推移待ちと。これは以前にも伺った見解ですけれども、私たちは今回一歩踏み込んだ、困難な若者たちへの支援をどうするのかということを聞いているわけです。この現状の、今それぞれ福祉施設などでも障害者に向けては行われているということもありましたが、福祉施設で働くよりももうちょっと働ける、こういう子たちなんですね。ですので、ハローワークにつなげる、そしてその子たちが、その若者たちが自分のできる仕事を選べるというのが一番の策だと考えます。ですので、実際に仕事につなげるための支援を求めますけれども、いかがでしょうか。

そして最後に、公衆浴場ですけれども、行政としてやはり責任をどう考えているのか。平均値をいろいろ、品川区は平均だというふうに言われましたけれども、現に南品川の方たちはおふろに入れないわけです。ふろに通うのが大変な人への対応、これを行政として責任をとるべきだというふうに考えるんですけれども。そして、ふろに通うのが困難な人にもコミュニティバスを運行してでも入浴できる環境を保障するのが行政の責任と考えますが、答弁をよろしくお願いします。

以上です。

再答弁

区長(濱野健君)

原子力発電所が所在する自治体の長は、その原子力発電所について、必要であるとか、必要でない、あるいはその考えを述べることは、長としての義務があります。つまり、同意する、しないということを表明するということであります。そして、そういう中で、いろいろな自治体の長の方が、いろいろな考えを表明されております。危険だから要らないとおっしゃる方もいる。しかし、−方で必要だとおっしゃる自治体の長も、いらっしやる。そういう中で、原発の所在のない自治体の長が軽々にものを申すべではないと私は申し上げたところでございます。

今回の事故、そしてあるいは原子力発電所の危険性ということ、原子力発電所には大きな危険が、内包されております。だからこそ安全対策が必要なんです。今回の事故の根幹は、安全対策を軽く見積もつたということであります。全ての電源が消失するというようなことはあり得ないということを前提にした安全対策、それが現実には全電源が消失したという、自然の大きな力を軽く見積もったというところが反省
すべき点だというふうに思っております。

私は、津波・高潮対策において、すべての危険性を見積もった上で対策をとるべきだということで、集中豪雨が重ねて起きたときについて、どうなのかということを検証する必要があるということで、今回の補正予算を計上したところであります。そうしたことで、すべての危険性を考慮した上で安全対策をとるということが最も大事なことだと考えているところであります。

以上です。

防災まちづくり事業部長(片田友昭君) 

改めて、区の側から建築数等々の実態調査を行うべきだという再質問でございますけれども、今回の地震、先ほどご答弁申し上げましたように、震源地から首都圏はかなり離れているということ、それと物的な被害は確かにありましたけれども、人的な被害はなかったと。こんな中で、これまでの地域防災計画、これは、東京湾北部でマグニチュード7.3の直下型が起きた場合ということを考えております。

そういう意味では、かなり甚大な被害が首都圏を中心として起こるということを想定してこれまでの防災計画はできてございますので、そういう意味から、今回学ぶ部分は当然あるにしたとしても、きちっとそういう学ぶべきことは学ぶ、ただ、そういう被害がなかったということについては、私どものほうとしては改めて被害調査を行うという考えはございません。既に区民の方からも、ご自分が心配されたところは区のほうにご相談に来ておりますし、そういう方々に対しては区のほうとしても現場を見せていただいて、被災証明を出すなどの対応を行ってきていますので、そういう対応の中で私どもは一定の地域の状況を把握していると、このように考えてございます。

子ども未来事業部長(金子正博君)

再質問にお答えいたします。

先ほどの答弁の冒頭は、トータルなビジョンを、今後策定していくということを冒頭申し上げたまででございます。

質問の中で、個別的な就職等々のお尋ねがございました。私どもは、ハローワーク、それから区内にあります、都立城南職業能力開発センター、ここでは訓練もさまざましております。また、ほかにも東京障害者職業センター等々、こういった機関とは連携をこのところ強化してございます。ハローワークでも、障害のある方、あるいはない方につきましても個別な相談を非常に丁寧にやるようになってきています。

そういう意味で、今後も私どもはこういった機関と連携を密にしながら、強化しながら、さまざま働きかけを、行って成果が上がるような形をとっていきたいというふうに考えてございます。

健康福祉事業部長(木下撒君) 

公衆浴場の再質問にお答えいたします。

まず、行政としての責任というお尋ねがございましたけれども、いわゆる責任ということでは、当たらないないというふうに思っているところです。そして、現在の区内の公衆浴場の整備率、あるいは自家風呂、保有率から、いわゆる公衆浴場政策に区としてかかわるということについては、やはり政策的な理由と、いうのは立てにくいというふうに思っております。

また、コミュニティバスにつきましても、極めて限定された部分についての事業になりますので、そのことを事業として組み立てるのも現実的に難しいというふうに考えているところでございます。

議長(鈴木真澄君)

石田ちひろ君、再々質問になりますので簡潔にお願いいたします。

再々質問

石田ちひろ君 

原発のところですけれど、やはりですね、福島の原発が事故を起こしただけでも、こんなに今、品川区は危険だ、危険だという、お母さんや、子どもを持つお母さんたちの声は本当に、今大きくなっています。放射能の測定もしてほしいと、こういったいろいろな意見が出ている中で、安全なものはないと私たちは考えます、ですのであいまいな態度ではなく、しっかりと撤退を、私たちは求めるものです。

そして、就労支援のところですけれども、いろいろと丁寧にやっているというような話ですけれども、丁寧にやられていても、それが多くの若者に届いていなければ就労にはつながりません。ただ仕事をすればいいというものではなくて、仕事をするもとで人間は成長していきます。家でモンモンと仕事をしなくちゃいけないなと、実家や親元でモンモンとしているのではなくて、しっかりと自分で仕事を見つけられる、それを支援してくれる行政がいる。それでこそ元気に新たに仕事を見つけて、働いて人間的成長もしていく、そしてこの品川区を支えていく若者になるのではないかと思います。この就労支援については引き続きご尽力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

そして、最後、おふろのところですけれども、私たちはこのおふろの問題、住民の公衆衛生を守るのは行政の責任だと認識しています。その公衆衛生を民間頼みにして銭湯に渡してきたわけですから、その銭湯が今経営困難で減ってきている。そうなのであれば、やはりここは行政が出ていくときではないかと、思います。現に、本当におふろに入れないと。おふろに入れないんです。おふろに入れないというのがど
ういうことか、大きくイメージしていただきたいと思いますが、この公衆衛生を守る観点からも、行政に私は責任があると思います。おふろをつくっていただきたいとさらに思いますので、よろしくお願いします。

再々答弁

議長(鈴木真澄君)

要望ということでお受けして。今のは、要望ということでさせて頂きます。

議長(鈴木真澄君)

石田ちひろ議員、先ほどのは、要望ということにさせていただきます。

以上で石田ちひろ君の質問を終わります。

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