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2024.11.22

石田ちひろ区議令和6年第4回定例会一般質問
「女性差別撤廃へ 国連から日本政府へ厳しい勧告区が制定した条例を生かし、 選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進を」
「安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を」
「従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた 羽田新ルートは必要ない」
「住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ」

質問項目

  1. 「女性差別撤廃へ 国連から日本政府へ厳しい勧告区が制定した条例を生かし、 選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進を」
  2. 「安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を」
  3. 「従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた 羽田新ルートは必要ない」
  4. 「住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ」

答弁 >> 再質問 >> 再答弁 >> 再々質問 >> 再々答弁 >> 

質問

「女性差別撤廃へ国連から日本政府へ厳しい勧告区が制定した条例を生かし、
選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進を」

 はじめに 女性差別撤廃へ国連から日本政府へ厳しい勧告区が制定した条例を生かし、選択的夫婦別姓などジェンダー平等の推進をです 。

 日本は1985年に女性差別撤廃条約に批准しました。今年10月、国連女性差別撤廃委員会による日本政府審査が8年ぶりに行われました。
 今回の審査で最重要項目のひとつとなったのが選択的夫婦別姓です。委員からは「繰り返しの勧告を受けながら、何一つ取組まれていない」「(姓は)女性のアイデンティティーの問題。日本は言い訳をやめる時だ」と言われる状況でした。
他にも▶人工妊娠中絶の配偶者同意要件の削除▶10代少女への十分な避妊の手段の提供▶沖縄の米兵による性的暴力を防止し、加害を適切に処罰する▶条約の実効性を高める選択議定書の批准▶同性婚を認めるなど勧告され、国連の委員からは「経済が発展した近代国家として驚くべき状況」との発言もありました。
区長はこの勧告をどのように見られたでしょうか。
Q1、ジェンダー平等推進条例を持つ区として、勧告をどのように生かすべきと考えるか伺います。
今回の総選挙で大争点となった選択的夫婦別姓に反対する自民党は過半数を割り、さらに国会では議論する法務委員会の委員長は野党です。いよいよ実現への可能性が大きくなっています。今こそ声をあげ、実現への後押しをするときです。
Q2、ジェンダー平等推進条例を制定した区として、選択的夫婦別姓制度の導入を国に求めるべきです。いかがでしょうか。

 リプロダクティブヘルス・ライツにかかわる勧告も目立ちました。人工妊娠中絶への原則配偶者同意が必要、避妊に対する周知やアクセスの遅れ、いまだに刑法の自己堕胎罪が残っているなど、女性の自己決定権が認められていません。2022年、人工妊娠中絶数は全国で12万2725件。その内中学生以下が403人、高校生が4546人と深刻な状況です。

 厚労省は、昨年11月、薬局150カ所で緊急避妊薬の試験販売を実施。さらに現在は約300カ所に広げました。またオンライン診療を受けることによって緊急避妊薬が処方される薬局は区内で66カ所ありますが、ほとんど知らされていません。

 Q3、安全な避妊や中絶を選択できることは大事な権利だと思いますがいかがでしょうか。「緊急避妊薬とは何か」についてや、購入できる区内薬局の一覧を区ホームページに掲載するなど、周知を求めますがいかがでしょうか。リプロは、子どもを産む、産まないを自分で決める権利を補償するものという認識があるか伺います。

 女性差別撤廃条約の実効性を強化するため、1999年に選択議定書が採択されました。人権侵害が起きた場合の「個人通報制度」が盛り込まれている選択議定書は条約でうたわれている権利の救済を確かなものにするためにも批准が必要ですが日本は批准していません。批准するよう勧告も出ています。

 Q4、区は選択議定書への批准が必要と考えるか伺います。国に批准を求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

 ジェンダー平等を進める土台となるのが包括的性教育です。共産党は包括的性教育の実施を繰り返し求めていますが区は「(区の指導は)包括的性教育に準じている」と答弁。
 しかし現在実施されている命の安全教育は、小学低・中学年に「水着で隠れるところは自分だけの大切なところ。他の人に見せたり、触らせたりしないようにしよう」と、身体における「大切なところ」を先に指定し、「見せたり、触らせたりしない」という禁止のメッセージを送っています。一方で、包括的性教育は「誰もが、自らのからだに誰が、どこに、どのようにふれることができるのかを決める権利を持っている」と理解することが5~8歳のキーアイデアとして挙げられています。子どもたちがさまざまな遊びや体験、絵本の読み聞かせ、友だちとの語り合いなどを通して、快や不快を感じ、理解し、自分(のからだ)にどんな権利があるのかを知り、権利保障や「同意」について自己主張できるようになる学びです。年齢ごとに学習目標等を整理し、知識やスキル、態度など積み重ね身につけていきます。現在の命の安全教育の年間時間数は各学年で1時間程度しかなく、「包括的性教育に準じている」というには中身も程遠いですが、時間数もあまりに少なすぎます。

 Q5、ジェンダー平等推進条例を持つ区として、包括的性教育を条例に位置付け実施するよう求めます。いかがかでしょうか。

ジェンダー平等推進条例が制定され、様々な講座やフォーラムなど取組まれ、10月には「ユースヘルスケアしながわほけんしつ」をプレオープンなど、講座や相談の場は、区民がジェンダーについて共に学び深めていくのに有効で、大事な取り組みだと思っています。例えば、区内の小中学校や高校・大学などへも呼びかけて、あらゆる場で

 Q6、区民に広くアピールし、区の取り組みへの参加を増やし、ジェンダー平等への区民意識を高めていくよう求めます。いかがかでしょうか。

「安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を」

 次に安心して子どもを産み育てることが選択できる社会へ、区ができる限りの支援を

 子どもを産む、産まない、いつ何人産むかを自分で決めることは基本的人権であり、若い世代、女性に社会的プレッシャーをかけることがあってはなりません。同時に、子どもを持ちたい人が、安心して産み育てることを選択できる社会へ、子育て支援の抜本的な拡充が必要です。

 森沢区長が、朝日地球会議の講演で「来年度から無償の朝食支援」「区内大学生対象に所得制限がない給付型奨学金制度」を検討すると表明したことが報道されました。

 今回の区長の表明は、憲法26条、25条、子どもの権利条約の点からも歓迎するものです。

 区独自の給付型奨学金は、共産党が2009年から何度も求め続け、決算議会では「検討したい」との答弁でした。来年度実施を求めます。
 高学費の負担は限界です。学生の8割がアルバイト、3人に1人が貸与型奨学金を借り、その額は平均で300万円にも上ります。さらに、東京大学や私立大学が次々と値上げを打ち出しています。今こそ国が公的負担を抜本的に増やし、学費無償化へ踏み出すべきです。さらに給付型奨学金の抜本拡充が必要です。

 Q1,国に対して、大学や専門学校など高等教育の学費無償化と給付型奨学金を求めてください。区が検討する給付型奨学金は、大学生だけでなく専門学校も対象とするよう求めます。受給者の選定方法、1人当たりの給付額と総予算の見込み額について、それぞれお聞かせください。

 朝食は子どもの体温上昇、エネルギーや栄養素の補給、排便リズム・生活リズムを整えるなど成長に欠かすことができません。しかし、文科省の調査で毎日食べていない子どもは、小学6年生で5.5%、中学3年生で8.1%あり、その理由は「食欲がない」「時間がない」だけでなく「朝食が用意されていない」があります。

 育ち盛りの子どもがおなかをすかせたまま、学校へ行って集中して授業を受けられるでしょうか。体育で体を動かせるでしょうか。
「朝食まで学校で食べさせるなんて親は何をしているんだ」と家庭の責任を強調する人がいますが、すべての子どもに元気で学ぶ権利を保障するために大事なことだと考えます。

 Q⒉品川区での親の早い出勤のために朝の居場所が必要な子どもや朝食を食べない子どもの割合、この事業を行うことにした理由を伺います。すべての子どもを対象にするのか伺います。事業手法についてもお聞かせください。

 さらに、次の子育て支援を求めます。

 まず、妊婦健診の実態に合った増額と出産費用の原則無料化です。妊婦健診は自己負担が数万円かかります。さらに出産費用は港区の助成の実態から平均81万円で、出産育児一時金50万円ではとても足りません。

 Q3、妊婦健診を原則無料で受けられるよう増額を求めます。出産費用の無料化へ、港区と同様、平均出産費用と出産育児一時金との相差の額の助成を求めます。それぞれいかがでしょうか。

 1歳未満児の世帯へのおむつ宅配は大変喜ばれています。しかし、保育園児は、仕事を休み保育園から連れて帰り、宅配人に子どもを見せなければおむつをもらえません。事業の目的は見守りと経済的支援です。保育園児はすでに専門職の保育士に見守られています。

 Q4、保育園に預けている世帯も経済的支援としておむつが受け取れる仕組みとするよう求めます。いかがでしょうか。

 収入のない子どもからまで保険料を取るのは国保だけ。しかも一人6万5600円と高額です。国保法77条で、自治体独自の減免制度はできる規定になっており、今年、全国でも70の自治体で実施しています。

 Q5、区独自の子どもの国保料無料化を求めます。いかがでしょうか。

 森澤区長は「憲法26条の義務教育無償化に則り、学校給食、学用品の無償化を実施した」と言われました。

 Q6、義務教育費の無償化へ、就学援助金の対象を生活保護基準の1.5倍に拡大すること。修学旅行と移動教室の無償化、制服代の全額補助を求めます。それぞれいかがでしょうか。以上の事業に必要な額はそれぞれいくらか、お答えください。
 
最後に、日本の労働者の低賃金と長時間労働が大きな社会問題になっています。この解決が最も重要です。

 Q7、安心して子どもを産み育てることができるためには、政治の責任で、賃上げと労働時間の短縮で自由な時間をつくることが必要ではないか。さらにジェンダー平等、女性への精神的・時間的な負担の軽減が必要だと考えますが、区の認識を伺います。

「従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた羽田新ルートは必要ない」

 次に 従来の海上ルートで1時間90回の発着ができていた羽田新ルートは必要ない

 羽田新飛行ルートが実施されてから4年半。騒音や落下物だけでなく大気汚染や電波障害、資産価値下落などの被害が区民アンケートで明らかになりました。被害をなくすには新ルートを撤回し、従来の海上ルートに戻すことが一番の解決策です。

 国交省は「従来ルートは離着陸が限られる」「新ルートにより1時間あたり80回の離着陸を90回にできる」と説明し進めてきました。しかし、実際には90回を超える発着は従来ルートでもできることが国交省の資料で明らかになりました。国会の羽田議連と国交省とのレクチャーで出された運航実績では今年2月、3月の南風運用時で従来ルートの離着陸が90回を超えたのは5回、そのうち2回は95回にもなっています。国の言う羽田新ルートの導入根拠は崩れました。新ルートが必要ないことは明らかです。

 Q1、従来ルートで1時間当たり90回以上の離着陸がされており、国が言う羽田新ルートの必要性はなくなったと考えますが、区の見解を伺います。

 Q2、国交省が、従来ルートでも離着陸が90回可能と分かっていながら、区民を危険にさらし新ルートを実施し続けてきたことは区民と品川区を欺いていたということだと思いますが、いかがでしょうか。

「住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか
巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ」

 最後に 住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発がウェルビーイングなのか巨額の税金投入で進める品川浦周辺地区再開発は止めよ です

 森沢区長は施政方針で「誰もが生きづらさを感じたり選択を阻まれることなく、自分の望むように生き、幸せを感じることができる社会、人がつながり支え合うことができる優しく寛容な社会をつくることが政治や行政の責任」「ウェルビーイングの視点から施策を展開していく」と述べました。

 しかし、区長のこの視点はまちづくりに関しては例外のようです。区が主導し、企業が開発利益のため住民を犠牲にする超高層再開発です。今回は、品川浦周辺地区について取り上げます。

 品川駅の南、東京ドーム約4個分の敷地に3つの準備組合が立ち上がり、人道橋をかけ、道路までつけかえ、マンション・オフィス、ホテルや高規格住宅などビル14棟を建てる巨大開発計画が進められています。主導するのは、日鉄興和、三菱地所、旭化成、東急不動産、清水建設、五洋建設など13の名だたる開発企業で、まさに大企業による大企業のための計画です。

 区も2014年に「まちづくりビジョン」を策定。目的を「更なる地域価値を向上させる」ことと説明。今年度はより具体的な新ビジョン策定に着手しました。

 地区内には計221人の土地権利者、マンション権利者など多数の住民が暮らしています。率直な声はどうか。「そもそも再開発に何の知識も持たない普通の住民はこんな大規模な再開発の発想もない。近所で再開発したいねという話は一切聞いたことがない」「ここに住み続けたいと思っていた。弱小地権者はとても開発マンションには入れず、追い出されてしまう」などです。

 Q1、そもそも区がこの開発を推進する理由は何か。どんな正当性・公共性があるのか。あらためて伺います。

 Q2、想定している事業費、どんな施設・建物が何棟建設予定なのか、伺います。地区内に住む住民の数と、マンションの区分所有者数を3地区ごとに伺います。

 NHKは天王洲アイル等を含むエリアのオフィスビル空き室率が、余剰を示す目安となる5%の2倍、11.91%となっており、「オフィス作り続ける再開発に持続可能性は」と報じました。

 Q3、隣に広大なオフィス床を新たに整備し、北品川・東品川エリアの空き室を更に増やす開発は、持続可能なまちづくりからも反すると思いますが、いかがでしょうか。

 また、地区内には4棟・665戸、区内の2割にあたる数の都営住宅があります。品川に住み続けたい住民にとっても大切ですが、区はこれまで何度聞いても「存続させる」と明言しません。

 Q4、開発地区内にある都営住宅に関し、都とどのようなやりとりを行っているのか。そもそも区は、都に地区内で都営住宅665戸の存続を求めているのか。それぞれ伺います。

この開発への税金投入は幾らか。試算してみました。

 武蔵小山の小山三丁目第1・第2地区は超高層3棟含む4棟のビルを建設する計画で、税金投入予定額は合わせて467億円余。開発区域面積が4.35倍の品川浦の補助金額は、単純計算すると2034億円余となります。一つの地区だけで、区全体の再開発補助金累計額1500億円余を超す、膨大な額です。

 なぜ品川はこれほど再開発に税金を入れるのか。共産党の質問に、区は「品川では、開発企業が取得するビル床は澁谷や新宿に比べ価値が低いので、補助金で補っている」と答えました。つまり、開発企業にとっては本来ならうまみが少ない事業を、税金投入で補い、呼び込んでいることを認めたのです。

 Q5、巨額な税金投入で住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発はウェルビーイングに反するのではないか、伺います。

 ドイツ在住の建築家・水島まこと氏によれば、ドイツと日本の建築行政では人権への考えが全く異なると言います。「何人も『人間の尊厳に適した生活』の権利があり、行政はそれを保障し、担保する義務がある」「街とは、そこに市民が生活をして、その生活が蓄積されることで文化的に築き上げられるもの」。その通りだと思います。品川区が推進する再開発は、まさに、生活の権利を奪い、蓄積された市民の生活を壊す街壊しそのものではないか。区長、

 Q6、「誰もが生きづらさを感じたり選択を阻まれることなく、自分の望むように生き、幸せを感じることができる社会、人がつながり支え合うことができる優しく寛容な社会をつくる」というのであれば、現在の再開発推進方針は見直すべきではありませんか?伺います。

以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。

答弁

森澤区長

 石田ちひろ議員の一般質問にお答えします。

 私からは、国連からの勧告等についてお答えします。

 初めに、今回の勧告等につきましては、国として検討すべきことではありますが、区としては、条例の趣旨を具現化することで、ジェンダー平等や性の多様性を尊重し合う社会を実現していくよう取組を進めてまいります。

 次に、選択的夫婦別姓の導入につきましては、既に1996年の法制審議会にてその導入について答申がなされているところです。また、日常生活上の不便・不利益といった改正による負担が女性に偏り、女性のエンパワーメントやキャリア形成にも影響があるとされており、本年6月には経団連からも選択的夫婦別姓の早期実現を求める提言が政府になされたところです。こうしたことから、私は早期に実現すべきものと考えておりますが、国において議論がなされるべきものであります。

 次に、選択議定書への批准については、国において検討すべきと考えております。

 次に、ジェンダー平等への区の取組への区民参加やアピールについては、先日実施した「ジェンダー平等フォーラム」で、「多様な生き方を選択できる働き方の新時代」という副題の下、社会人だけでなく高校生や大学生が企画運営委員として参加しております。また、若者の心と体の健康相談事業や、ジェンダー・バイアス、女性のエンパワーメント等について条例の周知・理解を進めるとともに、ジェンダー平等推進講座なども通じ、今後も広く区民意識を高められるよう取り組んでまいります。

阿部健康推進部長

 私からは、リプロダクティブヘルス/ライツに関するご質問と、子どもを産み育てるための支援のうち、健康、教育等に関するご質問にお答えいたします。

 女性は妊娠・出産をする可能性があり、ライフサイクルを通じて男性とは異なる健康上の問題に直面するため、こうした問題の重要性について、男性を含め広く社会全体の認識を高めるための理念と考えております。

 安全な避妊や中絶の選択に当たっては、性別に関わりなく全ての当事者が正しい知識を身につけることが重要と捉えております。また、緊急避妊薬の周知についてですが、区として周知する場合には、周知をするその対象や内容等について慎重な検討が必要であることから、薬剤師会と情報交換するなど今後研究してまいります。

 次に、子どもを産み育てるための支援のうち、健康、教育等に関するご質問にお答えいたします。初めに、妊婦健診についてですが、東京都、東京都医師会、特別区、市、町村で構成する5者協議会において公費負担の枠組みが決定されていることから、区独自に増額する予定はありません。

 また、出産費用に関しては、令和6年11月現在の区内の全分娩医療機関における基本的な出産費用の平均額が約62万円です。これに対し、出産育児一時金50万円に加え、出産・子育て応援事業の10万円分のギフトや東京都の赤ちゃんファースト事業の5万円分のギフトなどを活用することで、実質的に無償化が図られていると考えております。

 次に、見守りおむつ定期便についてです。本事業は、0歳児を養育するご家庭への訪問による見守りを目的としているため、おむつ等育児用品の配達のみの実施は考えておりません。

 次に、品川区独自に子どもの国民健康保険料を無料化することについてですが、国民健康保険法第77条による保険料の減免等については認識しておりますが、国からの事務連絡で、特定の対象者に対し、画一的な基準で保険料の減免を行うことは、明確に法令違反とは言えないものの、適切ではないと示されており、品川区独自の実施は考えておりません。

 次に、義務教育の無償化についてです。

 現在、区の就学援助認定基準額は、生活保護基準額の1.25倍としております。23区でも高い認定基準額であり、認定基準額を見直す検討はしておりませんので、1.5倍にした場合の必要額は試算しておりません。

 就学旅行と移動教室の無償化、標準服代の補助については、現在行っております予算編成作業の中で、様々な角度から検討してまいります。

 修学旅行と移動教室を無償化した場合の必要額については、修学旅行は約1億3,000万円余、移動教室は6年生、7年生ともに約2,000万円余と想定しております。標準服については、1つの学年で1着分を区が補助した場合は、総額で約8,000万円余と想定しております。

 次に、安心して子どもを産み育てることができるよう賃上げや労働時間の短縮などが必要ではとのご指摘ですが、これらは国において検討されるべきものと考えます。区としては、引き続きアンコンシャス・バイアスや性別役割分担意識の解消、ワーク・ライフ・バランス等について周知・啓発に取り組むとともに、今後も区として安心して子どもを産み育てられる施策にしっかり取り組んでまいります。

米田教育次長

 私からは、包括的性教育の実施についてお答えいたします。

 性教育の内容は、人権尊重の精神にのっとり、生理的、心理的、社会的な側面を持つことから、各学校においては、学習指導要領や区立学校教育要領に基づき、保健の授業に限らず、全教育活動を通じて幅広く指導しております。

 条例の趣旨にのっとり、引き続き性に関する内容を各教科等で1年生から系統的に指導してまいります。

佐藤子ども未来部長

 私からは、給付型奨学金制度と朝の居場所についてお答えいたします。

 初めに、国に対する給付型奨学金の実施要望についてです。教育の機会均等は極めて重要な施策であり、本来は国が担うべき役割であると認識しております。特別区長会を通じた要望など、機会を捉えて、国に対して働きかけてまいります。

 次に、当制度の対象学生、選定方法、1人当たりの予算などについてですが、現在、国や他自治体の制度等について情報収集を行っているところです。若者の進学への思いや将来の夢、希望が実現できるような制度となるよう検討を重ねてまいります。

 次に、児童の朝の居場所についてです。

 まず、朝の居場所が必要な児童の割合ですが、10月にすまいるスクール登録者1万1,467人を対象に朝の居場所に関するアンケートを実施し、5,414人から回答を得ました。そのうち約5割の方が利用を希望されていました。また、令和3年度の総務省の調査によると、朝食を食べない児童は7%でした。

 区のアンケート結果によりニーズが確認され、また、実際に区内でも、地域差はあるものの、校門の前で開門を待つ多くの児童がいる等の状況から、社会課題である「朝の小1の壁」の解消が求められていると認識しております。そのため、朝の時間帯に児童の居場所を学校に設け、児童の安全・安心を確保する事業の検討を開始したところです。

 対象は、全ての児童を考えております。事業の手法については、今後、他自治体の事例調査や、学校との協議を行いながら検討してまいります。

鈴木都市環境部長

 私からは、羽田新飛行ルートについてお答えいたします。

 ご質問にあります国土交通省による運行実績の資料については、国からの情報提供により区も把握しているところです。従来ルートで1時間当たり90回を超える運用があった点については、国より「気象状況等により時間当たりの回数を一時的に超える離着陸が行われることもある。しかしながら、従来ルートで常時達成可能な離着陸回数は1時間当たり82回とされており、必要な処理容量を安定的に確保するためには新飛行ルートによる運用が必要になる」との説明があったところです。

 国は、新飛行ルートの運用実績や安全対策等について、ホームページや区民向けチラシ等により情報提供を行っているところです。区としましては、区民からの疑問や不安の声に対しても分かりやすく丁寧な説明ならびに情報提供を適切に行うよう、引き続き国に対し求めてまいります。

鴇田都市整備推進担当部長

 私からは、品川浦周辺地区再開発についてお答えいたします。

 初めに、区では、地域でのまちづくりの動き等を踏まえ、品川駅南地域まちづくりビジョンを策定し、品川浦周辺地区を重点検討区域として位置づけております。本区域では、積極的な機能更新・再編を誘導し、品川駅の南の玄関口として多様な人々を地域に迎え入れるにふさわしい拠点性とにぎわいを兼ね備えたまちの形成に取り組んでいくこととしております。

 想定事業費、建物の概要等については、現在、準備組合によりまちづくり検討が進められておりますが、現時点では未定と聞いております。また、準備組合においては、住民の数を把握しておらず、区分所有者数については現在調査を進めております。

 次に、区では、まちづくりマスタープランにおいて、品川駅・天王洲アイル駅周辺を広域活性化拠点として位置づけております。国内外から多様な人が訪れ、働き、楽しみ、憩い、暮らす拠点性と文化性を兼ね備えた国際交流としての拠点を形成することとしており、この拠点の考え方を踏まえてまいります。

 都営住宅につきましては、現在、準備組合が主体となり、まちづくりの検討を進めていく中で、東京都と協議を行っております。区としましては、良好な住環境が確保されるよう準備組合に求めております。

 補助金の交付につきましては、要綱等の規定に依拠し、補助金の対象を適正に判断しております。再開発事業への補助金は、地元の権利者が協力して地域の防災性を高める道路や公開空地、地域に貢献する公共施設などの公益性を踏まえ、交付しております。

 最後に、再開発事業は、防災上の懸念がある市街地において、敷地を統合し不燃化された共同建築物に建て替えを行い、併せて公園や子育て支援施設等を整備するなど、地域の課題を解決することで、安全で良好な市街地を形成するものであります。一方で、地域の課題を解決するのは、再開発事業だけでなく、例えば木造密集市街地などにおいては、防災性を高めるため、個別の建て替え等に対し、必要な助成等の支援や防災広場の整備を行っているところであります。区としましては、こうした事業を通じまして、災害に強い安全な市街地の形成を図ってまいります。

再質問

石田ちひろ議員

 自席より再質問させていただきます。

 まず、ジェンダーです。選択的夫婦別姓ですが、区長としては早期に実現すべきものとのことでした。区長の意思表示は大きな意義があると思います。本当に今、実現の可能性が大きくなっていますので、ぜひ国にも求めていただきたいと思います。

 次に、リプロです。私は、リプロは、子どもを産む、産まないを自分で決める権利だという認識はあるのか聞いたので、お答えください。

 包括的性教育ですけども、全教育活動を通じて指導しているとの答弁でした。私が求めたのは、国際セクシュアリティ教育ガイダンスのような中身です。年間1時間程度の命の安全教育では、とても包括的性教育とは言えません。改めて包括的性教育を求めますが、いかがでしょうか。

 あと、子育て支援です。給付型奨学金や朝の居場所、朝食提供、修学旅行や制服代、今検討されているということなので、ぜひ来年度実施していただきたいと思います。

 出産費用についてですけれども、62万円は基本的な出産費用です。実際は様々加算されて62万円では足りません。港区の81万円は実際に出産にかかった費用です。無償化というならここまで必要ではないか伺います。

 次に、羽田です。私は1時間ごとの運行記録を見ましたが、90回を超えているのが従来ルートで5回、新ルートではたった2回でした。新ルートは横風で飛べないこともあります。新ルートで安定して90回飛べると区も考えているのか伺います。

 最後に、再開発です。ほとんど質問に答えていただいていなかったんですけれども、私は、巨額の税金投入で住民の暮らしを根こそぎ奪う巨大開発はウェルビーイングに反するのではないかと伺いましたが、お答えください。

再答弁

柏原区長室長

 私からは、リプロダクティブヘルス/ライツに関する再質問にお答えいたします。先ほどもご答弁申し上げましたとおり、女性は妊娠・出産する可能性があり、ライフサイクルを通じて男性とは異なる健康上の問題に直面すると。こうしたことで、問題の重要性について、男性を含めて社会全体の認識を高めるための理念というところで考えてございまして、その考え方を基に、今回、条例にて、リプロダクティブヘルス/ライツに関して、これを全ての方で認め合い、生涯にわたり健康で自分らしい生き方を選択できることと。こういったことが区としての認識のところになります。

 失礼しました。選択的夫婦別姓の国への要望についてのお答えでございます。先ほど区長のほうからも答弁ございましたけれども、これは国において十分議論されるべきものというふうに捉えてございます。

 以上でございます。

米田教育次長

 性教育に関する再質問にお答えいたします。

 国際セクシュアリティ教育ガイダンスの視点でというようなことでご質問いただきました。ご指摘いただきましたガイダンスにつきましては、様々な文化、社会、宗教などを背景とした諸外国における性教育の状況について紹介されていると、このように認識しております。品川区立学校においては、学習指導要領や品川区立学校教育要領の内容を踏まえ、教育活動全体で生命を大切にする考えや相手を思いやる態度を育むとともに、危険を回避する能力、SOSを出す力などを身につけるように系統的に指導してまいります。

鈴木都市環境部長

 羽田新飛行ルートに関する再質問についてお答えいたします。

 従来ルートでの離着陸回数の増加についての区の考えについてでございますが、区としましても、実施主体である国に対し、説明を求めたところでございます。先ほどもご答弁申し上げましたが、国からは、一時的に想定を超える離着陸が行われることもあるが、天候等に左右されず常時必要な処理容量を安定的に確保するためには新飛行ルートの運用が必要であるとの回答があったところでございます。区としましては、今回のご指摘の事項も含め、区民からの疑問や不安の声に対し、分かりやすく丁寧な説明を適切に行うよう引き続き国に対し求めてまいります。

阿部健康推進部長

 出産費用についての再質問にお答えいたします。

 出産費用につきましては、室料やその他のサービスなど各分娩医療機関がオプション料金として設定しているものを、各医療機関によって、あるいはその個人の方がどのようにお選びになるかによって、料金設定が様々であることは認識しております。区としましては、基本的な分娩費用との比較ということで、区内での平均的な分娩(出産)費用を参考に実質的に無償化が図られているものと考えております。

鴇田都市整備推進担当部長

 私からは、品川浦周辺地区再開発に関する再質問についてお答えいたします。

 再開発事業への補助金は、地元の権利者が協力して地域の防災性を高める道路や公開空地、地域に貢献する公共施設などの公益性を踏まえ、交付しております。区としましては、地域の課題解決に資する安全で良好な市街地を形成する再開発について、引き続き支援してまいります。

再々質問

石田ちひろ議員

 再々質問させていただきます。

 ジェンダーですけれども、リプロは、自分の生殖について自分で決める権利がリプロです。それが保障されていないから認識を聞いたんです。望まぬ妊娠をしてしまったとき、女性たちが、少女たちがどれだけ悩み苦しんできたか。産むにも中絶するにもお金がかかり、どちらにも進めず、公衆トイレなどで産み、罪に問われるのは全部女性です。だから、権利として安全な避妊や中絶の方法があることを知らせてほしい。そのためには、区が権利だと認識していなければできないんです。だから聞いているんです。なので、もう一度権利の認識についてお答えください。このリプロやジェンダー平等が進まない根本問題が、包括的性教育がされていないことなんです。ジェンダー平等を本気で進めるなら包括的性教育が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

 あと、子育て支援です。実際にかかる額が81万円なんですよね、港区でも。なので、とても足りません。10万円や5万円のギフトは出産した後の支援です。妊娠と出産がお金の心配なくできることが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

 あと、羽田です。新ルートのほうが安定して飛べるとは言えないことを数字が示しています。なぜ新ルートのほうが安定して飛べると言えるのか伺いたいと思います。

 最後に、再開発です。多数の住民を追い出す品川浦には、私たちの試算では2,000億円もの税金投入です。区長は、今年度、事業を見直し捻出した38億円のウェルビーイング予算を組みました。その50倍もの税金を住民の暮らしを奪う再開発に投じて進める。これは区長の言うウェルビーイングなんでしょうか。お答えください。

再々答弁

柏原区長室長

 私からは、リプロダクティブヘルス/ライツの再々質問についてお答えいたします。

 先ほどもご答弁を差し上げましたけれども、こうした女性特有の健康上の問題に関する重要性について、男性を含め広く社会全体で認識を高めるための理念といったところを基本的な考え方といたしまして、本条例におきまして、「すべての人が、妊娠・出産等のリプロダクティブ・ヘルス/ライツを認め合い、生涯にわたり健康で自分らしい生き方を選択できること」ということで条例の理念でも示させていただきましたので、これが区としての認識というところでございます。

米田教育次長

 性教育についての再々質問にお答えを申し上げます。

 先ほど学習指導要領、あるいは品川区立学校教育要領の内容を踏まえと申し上げましたが、併せて、都の教育委員会より性教育の手引が全ての学校に配布されております。生命の尊さや思春期に現れる変化など発達段階に応じた指導事例や、産婦人科医や助産師等の専門的知識を有する外部人材と連携した授業の進め方等、こういうものが盛り込まれておりまして、この手引を踏まえまして各学校で性教育の取組を進めており、教育委員会としても支援を行ってまいります。

阿部健康推進部長

 出産費用への支援に関する再々質問についてお答えいたします。

 現在、区の考えといたしましては、先ほどと同じように、出産・子育て応援事業や東京都の赤ちゃんファースト事業など様々な支援を加えた上で、必要な分娩費用の基本的な部分については無償化ができているという考え方でございます。また、その他のこれらのことを含めまして、妊娠期から出産までを通じた伴走的支援の中で、それぞれの方々のお悩みもお伺いしながら支援をしてまいります。具体的な出産費用の区内での必要額等については、実質的なところというのはこれからまた調査してまいりたいというふうに存じます。

鈴木都市環境部長

 羽田新飛行ルートに関する再々質問についてお答えいたします。

 羽田新飛行ルートの運用に当たっては、当初、国は、従来の運用ルートでは、どうしても羽田空港の滑走路の運用上、着陸と離陸が交差するところがあるというところで、それ以上回数が増やすことができないというところで、羽田新飛行ルートの運用を決定し、現在行っているというところでございます。いずれにしましても、区民からの疑問ですとか不安の声に対しては、分かりやすく丁寧な説明をしっかりと適切に行うよう引き続き国に対し求めてまいります。

鴇田都市整備推進担当部長

 私からは、品川浦周辺地区再開発の再々質問についてお答えいたします。

 補助金の交付につきましては、要綱等の規定に依拠し、補助金の対象を適正に判断し、交付しております。品川区内におけます再開発事業につきましては、地域のまちづくりの課題を解決するため、地域内の権利者が主体となり進める事業であります。区としましては、地域の課題解決にも資する災害にも強い安全な市街地を形成する再開発について引き続き支援してまいります。