スマホで表示する画像

リニア新幹線ルート上で発生した目黒川の酸欠空気に関する申し入れを品川区に行いました

  12月27日、品川区にリニア新幹線ルート上で発生した目黒川の酸欠空気に関する申し入れを行いました。防災まちづくり部長、都市整備推進担当部長、まちづくり立体化担当課長、河川下水道課長が対応し、「承りました。JR東海に伝えます」と応じました。

 以下に文章本文を掲載してください。

リニア新幹線ルート上で発生した目黒川の酸欠空気に関する申し入れ

 リニア新幹線は2021年から調査掘進が進められてきましたが、マシンの故障などで3回・通算2年以上も工事が止まるトラブルが相次ぎました。その上、北品川立坑近くの目黒川の三嶽橋付近で空気・気泡が発生していることを8/2にJR東海が確認しました。JR東海は水質調査を8/23に、気泡成分調査を10/9に実施。品川区は11/11に発生している気泡は酸素濃度4%の酸欠空気であることの報告を受けました。酸欠空気は酸素濃度6%で「瞬時に昏倒、呼吸停止、死亡」という命にかかわる危険なものです。同様にリニアルート上の町田市では民家の庭先に酸欠空気と水が噴出し、発覚した当日に原因究明のため工事を止め、その後JR東海はリニアとの関連性を認めました。品川区でも町田市のように地上から噴出する可能性があります。このまま本掘進で住宅街の下を掘り進め、子どもたちが遊ぶ保育園の庭に出てきたり、地下室などに溜まったりしたら命に危険が及びます。

 さらに気泡の発生は陥没事故の予兆の可能性があります。住宅街のど真ん中で陥没・空洞事故が発生した外環道でも、その前に野川で酸欠空気が噴出しました。事故現場は住民が立ち退かされ、未だに地盤改良工事中です。外環道の陥没事故の原因は施工管理の問題だと事業者は説明していますが、リニアの北品川工区でも270mの調査掘進だけでも施工管理がうまくできず工事が止まり、安全に工事できないことが露呈しました。品川区でも住宅街のど真ん中で陥没事故が起こる可能性があります。ひとたび陥没事故が起これば、人命の危険や住宅の損壊につながる重大事態になります。起こってからでは遅いのです。

 命にかかわる重大事態にもかかわらずJR東海はこのことを12/17のきゅりあんでの説明会まで全く公表しませんでした。区は12/19「目黒川にて発生した気泡への対応について」との要請をJR東海に提出し、原因究明と丁寧な説明、適切な措置を講じることを求めました。区民の運動の反映であり、大きく評価します。

 JR東海は、12/17にきゅりあん大ホールにおいて「調査掘進での確認結果に関する説明会」を行い、多くの区民から具体的な質問や不安、疑問の声、対応に対する不信感や憤りの声がたくさん出されました。しかしJR東海は質問に対する適切な回答もできず、不安や疑問に対しても誠実な対応がされませんでした。更に会場からたくさんの方から手が上がっていたにもかかわらず、8時半には打ち切るという対応でした。品川区内での説明会はこの1回だけで、あとは調査掘進を進めるためのオープンハウス型説明会というのでは区民は納得できません。調査掘進の検証結果と、目黒川気泡について教室型説明会を行うべきです。

 そもそもリニア新幹線は中止すべきですが、少なくとも命や財産にかかわる問題にもかかわらず原因究明なしに本掘進に入ることは許されません。区民の安全・安心を守る責務を負う品川区としてJR東海に下記について更なる要望を行うよう求めます。

  1. JR東海が行った水質調査、気泡の成分調査の具体的なデータを区民に公表すること
  2. リニア新幹線の沿線住民に対して調査掘進の検証結果とともに、酸欠空気の成分調査や発生原因などについて町域毎に教室型説明会を実施すること
  3. 気泡発生の原因究明を行い、それがわかるまではリニア新幹線のトンネル工事の本掘進を行わないこと

以上