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品川区の中小企業対策が大きく前進しています。その最大のものは来年四月に向けて策定中の産業振興マスタープランです。この他にも今年5月中小企業相談員の工場訪問制度や10月には産業展示コーナーの設置などが実現しています。
これらの前進は、中小企業のみなさんと日本共産党党区議団の粘り強い共同の取り組みが原動力となりました。
品川区は全産業の99%が中小零細企業で占められる典型的な中小企業の町です。ところが、品川区にはこれまで中小企業を総合的に支援する計画はありませんでした。
来年4月実施をめざし策定中の産業振興マスタープランは、区内商業・工業の実態を調査した上、計画的、総合的に支援をすすめようとするものです。
区はマスタープラン策定にあたり、今年初めから1,300万円の予算をかけ5,200社を対象に「製造業等実態調査」を実施、その後当初予算でマスタープラン策定経費1,457万円計上、9月には「中間報告」が出されています。
産業振興マスタープランは、党品川区議団が昨年9月に提出した「品川区地域産業振興条例案」提出が大きな力となりました。条例案は「中小企業を区内産業の主役に据えること」「区長の責務として中小企業支援を位置付け」などを明記。残念ながら自民、公明、民主などの反対で否決されましたが、その後に区長提案として実現したものです。
日本共産党区議団は、中小企業の振興策を提案するにあたり、商店街のアンケート調査、産業団体、や異業種交流団体との懇談など精力的に進めてきました。
マスタープランの中間報告では、国の方針に沿ってベンチャー企業、創業支援が色濃く打ち出されています。これらの施策は大事なことですが、困難に直面しながら、品川の産業、雇用を支えている商店、工場にこそ役立つ計画となることが求められています。
我々の仕事仲間は、腕には自信があります。しかし、親企業はインターネットで発注し、工賃の安い、地方に回しているのが実態です。何とか仕事を呼び戻せるよう、行政も力を貸して欲しい。「産業振興マスタープラン」に期待します。また、零細業者ほど資金繰りに苦しんでいます。区に「直貸し融資」や「生業資金」制度をぜひつくっていただきたいと思います。
中小企業センターに今年10月、区の中小企業センター一階に「産業展示コーナー」がオープンしました。これは党区議団の展示館設置の提案が実ったものです。区内の商業、工業の歴史や製品を展示しています。
今年5月から相談員2名による工場訪問が実施されています。主な対象は製造業検索システムに登録した800社、受発注の拡大をめざし調査をおこなっています。
現在までに320社を訪問。党区議団は大田や墨田区を紹介し、「相談員が工場を訪ね経営者の声を聞き、区の施策に生かすべきだ」と繰り返し提案してきたことが実ったものです。
今年6月、中小小売業を保護する「大店法」が廃止、周辺生活環境の保持のみの「大店立地法」が施行されました。
党区議団は今年第2回定例会で「立地法」にもとづき地元商店街を守る要綱制定の提案をおこないました。品川区は、今年10月に大店立地法の適用対象外の商業施設対して「要綱」を定め、規制する方向です。
介護保険制度がスタートして9ヶ月が経過しました。日本共産党は、より良い介護制度をめざし精力的に改善提案をおこなってきました。
党区議団は、「利用料が払えず訪問看護を半減させたため病状が悪化して入院。自宅には戻れなくなった」など深刻な事例を紹介し、区として独自に利用料・保険料の減額、免除の制度を実施するよう求めてきました。
第四回定例会(11月)には低所得者を対象に「在宅サービスの利用料を軽減する条例」を提案、内容は、住民税非課税世帯に対して利用料10%のうち7%を区が助成、本人負担を3%に抑えサービスを利用しやすくするものです。必要な財源は、1億700万円であり、実現は十分可能なものでした。
残念ながら自民、公明、民主など与党各党の反対で否決されました。しかし、利用料減免は、世田谷、千代田、江戸川各区が来年実施を表明するなど、大きな流れとなっています。
11月2日に発生した中延保育園での小型球形ウイルス(SRSV)による下痢、嘔吐など集団感染は、8日には49名に広がりました。父母からは「なぜ予防対策を知らせてくれなかったのか」「子どもの安全をどう思っているか」など厳しい批判が寄せられています。
発生2日目の時点で発症は23名でしたが、6日後の8日には49名にも広がりました。1週間にわたりSRSVが猛威を振るった原因は、品川区が父母らに情報を伝えなかったことにあります。
多くの親が不安に思っていたのに保育園から「風邪が流行っているが変わりはないか」との電話が入っただけでした。SRSVの感染対策が伝えられたのは初発から1週間後の8日の緊急保護者会。「なぜSRSV感染の可能性を知らせてくれなかったのか」との質問が相次ぎました。
ウイルスは細菌と違って食品の中では増殖しないが、汚染された食品や手指、飛沫等を介して人に感染する。SRSVは97年に食中毒原因物質として指定される。症状は下痢、嘔吐、発熱(38度以下)で潜伏時間は24〜48時間。症状は軽いがO157と同等の感染力があり乳児は重症化することもある。
区の保健所は今年1月、「冬季のウイルス性食中毒の発生防止について」の文書を保育園全園に発送しています。その文書では、SRSV感染への警告、手洗いの励行などの予防対策をを指導していました。しかし、中延保育園では守られませんでした。なぜ、保健所の指導を守らず、情報を伝えなかったのでしょうか。
台東区の公立保育園でも今年10月に、食中毒症状が発生し30名からSRSVが検出されました。
品川区の対応との違いは、厚生省のマニュアルに沿って、発生直後から2回にわたり園児全ての家庭訪問をおこない予防対策を徹底したことです。これにより3日間で発症はゼロ、二次感染を完全に防止しています。電話ですませた品川区とは大違いです。
保護者会では「民間委託による問題はないのか」との質問が出されると、区は「今日は、その問題を論議する場ではない」と保護者会を打ち切ってしまいました。
品川区は今年4月に5園の給食を民間委託しましたが中延保育園はその一つでF社に委託しました。
F社は中延保育園だけでなく委託された台東区の保育園や山梨県の病院など最近3件のSRSVによる集団感染を起こしています。父母からは「子どもよりも民間委託を守りたかったから情報を知らせなかったのではないか」との意見が出されています。
品川区はSRSVが食材と調理員の検便から発見されないことで食中毒でないと断定しました。しかし、現在の技術ではSRSVが食材からは発見されないのが普通です。結局、検査の結果感染源も、感染経路もわからなかった、ということで終わっています。
再発を防止するためにも子どもの安全を第一に、民間委託問題を含めて今回の集団感染から教訓を引き出し今後に生かすべきです。
「なぜ、発症期間中、親にきちんとした情報提供がされなかったのか」「SRSVの可能性が濃厚だと知りながらなぜ風邪だと思うと言ったのか」「緊急・非常時の連絡体制をはっきりさせて欲しい」など、まだまだ親の疑問や要望は残されたままです。園長や保育課長にこれらの質問をしましたが、いまだに答えは返ってきません。地震などがおこった場合の非常時の対応などのことを考えても、このままでは安心して預けられません。
中延保育園父母
作家の猪瀬直樹氏は、『週刊文春』(11月2日・9日号)の「ニュースの考古学」で、「公立保育園で夜間保育がすすまない原因は、共産党系の労働組合が反対しているから」として「共産党は働く女性の味方ではない」と攻撃をしています。日本共産党はどの党よりも保育制度の充実に努力をしてきたものであり、事実にもとづき反論します。
品川区での手づくり給食、産休明け保育などは関係者と共産党の粘り強い共同で実現したものです。今年から実施した延長・夜間保育についても、共産党は早くから保育団体が提出した請願採択に唯一努力し、区議会でも推進の立場から討論し賛成をしています。
党区議団は、職員を削減し、事業拡大をはかる現区政のやり方は、保育制度を台なしにしかねないことを率直に指摘し必要な職員確保など改善を求めてきました。
猪瀬氏は「品川の保育職員は過剰だ」「正規職員を140人減らしてもパートを400人増やしているから問題ない」などとしていることにも道理がありません。今年度のパート職員(非常勤)の週当たりの労働時間は5,438時間、2年前の5,469時間との対比では、31時間減少しています。パート数でも350人前後と変わっていません。人手不足から運動会や親子遠足の廃止、散歩途中での園児置き去り事件が発生。さらに、民間委託した中延保育園でのSRSVウイルス集団感染が起きるなどマスコミ各紙も報じる事件が相次いでいます。
猪瀬氏は、品川区の一方的な情報だけで保育の現場で起きている問題も見ずに、高橋区政を礼賛しています。まともなジャーナリストの姿勢といえるでしょうか。