日本共産党は、第1回定例会に「介護保険料200円の引き下げ」「低所得への利用料7%助成」の条例案と予算修正案を提案しました。自民、公明、民主、合同の与党・各会派は、まともな質疑もせずに否決。負担軽減を求める区民の切実な願いに背を向けました。
日本共産党は、よりよい介護保険制度をめざし皆さんと力をあわせてがんばります。
日本共産党の2つの提案内容は次のとおりです。
保険料引き下げの提案は、基準額3,300円を3,100円に200円引き下げるものです。対象は65歳以上の方全員です。
必要な財源は1億500万円です。提案では新たに積み立てる介護給付積立金2億6,000万円を1億500万円減額し、助成の財源にあてるものです。
2000年度の介護保険予算は26億7,000万円の給付費を余らせています。保険料のとりすぎは明かであり、その一部をあてれば保険料の引き下げは可能です。
もう1つの提案は、介護保険料の第1、第2段階の約1万8,000人を対象に、利用料を区が7%助成し本人負担を3%にするものです。助成に必要な財源は1億700万円です。提案では議員の海外調査費と同和相談の見直し、さらに2000年度補正予算の公共施設整備基金積立金13億4,000万円の一部、9,700万円を減額し助成の財源にあてるものです。
私の年金収入は10万円そこそこ。医療費が3倍近く上がり、10月には介護保険料が倍になるといいます。先のことを思うと不安でいっぱいです。1円でも保険料を安くしてほしいと思います。
もうこれ以上出費の切り詰めができない年寄りがいることを忘れないで下さい。
西大井在住祢津ユキ
自民、公明、民主、合同の与党4会派は、第1回定例会で、「低所得者の保険料軽減は与党4会派の申し入れによるものだ」と繰り返してきました。
与党4会派が「高齢者の保険料負担に配慮が必要」と区長に申し入れたことは、歓迎します。
しかし、それなら昨年、党議員団が提案した、低所得者の保険料減額提案に「保険制度を崩しかねない」(自民)、「保険料を負担してこそサービスを受ける権利がある」(公明)などと反対したことに反省すべきです。
公明党は予算委員会で、「品川区の介護保険料が23区で一番高いという宣伝は共産党のウソ」と発言。区もこの発言に同調して「目黒区が一番高い」と答弁しました。しかし、この質問と答弁は事実をゆがめるものです。目黒区の条例、東京都の資料でも「品川区の保険料が一番高い」のは明らかです。
区 |
基準月額 |
千代田区 |
3,017円 |
中央区 |
2,980円 |
港区 |
3,050円 |
新宿区 |
3,243円 |
文京区 |
2,983円 |
台東区 |
2,642円 |
墨田区 |
3,050円 |
江東区 |
2,900円 |
品川区 |
3,300円 |
目黒区 |
3,297円 |
大田区 |
3,067円 |
世田谷区 |
2,967円 |
渋谷区 |
3,067円 |
中野区 |
2,992円 |
杉並区 |
2,942円 |
豊島区 |
2,982円 |
北区 |
2,908円 |
荒川区 |
2,963円 |
板橋区 |
3,083円 |
練馬区 |
3,100円 |
足立区 |
3,217円 |
葛飾区 |
3,043円 |
江戸川区 |
2,920円 |
都高齢者施策推進室資料第105号 |
党区議団は、第1回定例議会を大不況のもと、区民のくらしと福祉を守る立場で取り組みました。
低所得者の介護保険料825円の減額、産業振興マスタープランの制定、乳幼児医療助成制度の対象を就学前までに拡大、また、政務調査費(領収書を含む)の情報公開など議会改革でも前進をすることができました。
一方、審議を通じて区民の願いよりも、ゼネコン型開発を優先している高橋区政の姿が明らかになりました。第1は、千代田生命が中心となる大崎2丁目8・9番地の再開発に総額47億円、大崎駅東口第3地区には総額120億円の税金を投入する開発を推進していること。第2は、保育園での給食の民間委託拡大や図書館、学校など住民サービスにかかわる216名の職員定数を削減していること。第3には、西品川に建設される25階建て区民住宅や(仮称)中央公園建設計画では、住民の意見を聴かないこと、保育園父母の会があるのに(仮称)保育園PTAをつくり妨害するなど住民参加を拒否する政治姿勢です。
日本共産党は、区民の声が生かされる区政を目指して力をつくすものです。
日本共産党品川区議団
区議会各会派に支給されている政務調査費は、今年度から領収書も含め情報公開の対象となります。これまでも収支報告書は公開対象になっていましたが、領収書添付の義務付けがないため、監査もなく「第2の報酬ではないか」などの声も出されてきました。
今回の改正は、他区の情報公開にも影響を与える画期的なものとなりました。
政務調査費は「調査研究に要する経費」として各会派に区長から交付されるものです。1議員、月19万円とし、会派人数を乗じて支給しています。
第1回定例会では手続き等を定めた「品川区における政務調査費の交付に関する条例」を議決、また使途基準や領収書の添付を義務付けた「同規定」も制定しました。
今回の改正は昨年、地方自治法の改訂を受け、他区に先駆けて議会内に政務調査活動検討会を設け検討してきたものです。
なお、政務調査費の支給対象は2人以上の会派であり、1人の議員は除外されている問題があります。
日本共産党は、8年前(1)「官官接待の中止」(公費を使っての飲み食い)、(2)政務調査費の領収書添付と公開、(3)海外視察の見直し、など求める「議会改革」の提案をおこないました。
政務調査費の全面公開は、「官官接待」の中止につづく公約実現であり、画期的なものです。
今後は、議員の海外視察を実施するかどうかが焦点となります。
すでに今年度の予算は海外調査費として700万円余を計上。議会運営委員会で自民党・民主党は、実施を主張しています。
日本共産党は「海外視察先にありき」は問題であり、中止を求めています。
今年、4月から5月にかけて品川区の文化振興事業団、スポーツ協会、国際友好協会、土地開発公社、都市整備公社の五団体も情報公開の対象となります。
この問題も、党区議団が議会で繰り返し取り上げ実現をしたものです。
第1回定例会で、乳幼児医療費助成制度の所得制限緩和と対象年齢を就学前までに拡大することを全会一致で決定。対象者は、1万1,534人に広がり、大変喜ばれています。
この助成制度の充実に向けて党区議団は、これまで新日本婦人の会や医療関係者とともに運動をすすめてきました。1995年以来5回にわたって所得制限の緩和と対象を就学前に拡大するよう条例提案、自民、公明など与党各会派は反対し否決しました。
所得制限を設けている区は、品川区を含め7区となっています。
党区議団は、第2回定例会(6月)に所得制限撤廃の条例提案をする予定です。
学校環境整備費(修繕費など)は年々増額、今年度は12億4,000万円となりました。小学校の男女共用・簡易間仕切りトイレは、すべて改修が終わり今年度から中学校(冨士見台中など)のトイレ改修に着手します。
党区議団は、新日本婦人の会の皆さんと共同して4年前から学校の老朽化についての実態調査をおこなってきました。男女共用・簡易間仕切のトイレ問題、雨漏り、外壁の落下など、たくさんの問題がありました。
党区議団は、学校現場や校長会の要望もとりあげ「区として実態調査をおこない、緊急対策や修繕計画の立案」を提案、学校施設の改善に努力をしてきました。
党区議団がこの問題を取り上げた2年前、公明党議員は、冨士見台中について「雨漏りは放置されていない。トイレは劣悪ではない」「学校施設が子ども達の学習に何ら障害になるような状況ではない」などと発言。さらに公明新聞で「大ウソがまた明らかに」と共産党への誹謗記事を掲載。
この2年間、学校のトイレ改修、屋上防水、外壁改修など工事がおこなわれ、今年度は当時論争となった冨士見台中学校などのトイレ整備費(1億1,200万円)も計上され、全面改修がおこなわれます。
公明党は、子どもの願いに背を向けたことに反省はないのでしょうか。