品川区は昨年6月末、学童保育クラブ(学童保育)をすまいるスクール(すまいる)に移行し全面廃止する方針を発表。その後、父母の会を中心とした学童保育クラブ廃止反対の運動、および共産党議員団の取り組みで区の当初方針を大幅に変更させました。
品川区は「来年4月に9学童保育、2年後にはすべての学童保育を廃止する」としています。これは区が進める「行政改革」の一環で、安上がりの学童保育を狙ったものです。
父母たちは短期間に学童保育存続や充実を求める運動を展開、9月と11月の区議会に5件の請願を2万人余の署名を添えて提出しました。
いずれの請願も自民、公明、区民連合(民主)、無所属の会の反対で不採択になりました。しかし、運動の広がりで貴重な成果を上げる決め手となりました。
成果は次のとおりです。
1.無断欠席児の所在確認を実施。
2.児童数に応じ非常勤職員増員。
3.希望家庭に連絡帳を実施。
4.保護者会の開催。
5.障害児保育を現状どおり実施。
品川区は当初「学童保育のすまいるへの移行は、何も問題ない。サービスは向上する」と改善を拒否してきました。
子どもにとって、楽しく安全に放課後を過ごすためには専任指導員は欠かせません。
右下の表をご覧ください。すまいるスクール三ツ木に西品川学童保育を移行した例です。児童は2.5倍に増えるのに専任導員は4人から1人になります。これでまともな保育ができるのでしょうか。
すまいるで学童保育事業をおこなうなら、最低でも専任指導員の複数配置やおやつの提供などが必要です。
日本共産党はその実現のためにがんばります。
共働きや1人親家庭の昼間保護者がいない小学校1〜3年生が対象。放課後の児童の生活と親の就労を保障する事業。複数の専任指導員が配置されているので子どもの安心できる居場所になっています。
現在、38施設、1700人の児童が通っています。
すまいるスクールとは小学校1年から6年生の希望者を対象に放課後の学校施設を使い、遊びや学習などを提供する事業、現在19校で実施。今後全小学校に設置する予定です。
参加は任意で、日々の子どもたちの利用は3割です。親が就労で必ず行かなくてはならない学童保育とは違います。
すまいるスクール三木の例
この表は西品川学童保育が三ツ木すまいるに移行した場合の
児童、職員数の変化を示したものです。
学童保育のすまいる移行・廃止を最も強く求めてきたのは自民党です。昨年3月の予算委員会で自民党の伊藤昌宏議員は「(すまいると学童保育は)コストだけで見ると10倍の開きがある」と絶賛しました。
働く親と子のかけがえのない学童保育の廃止を求める一方、大半の区が中止している海外視察(一人当たりの予算70万円)に参加。自民党の態度はあまりにも身勝手ではないでしょうか。
学童保育事業の存続を求める請願に日本共産党(7人)、生活者ネット(2人)は賛成。ところが学童保育連絡協議会の会長を務めた西本貴子議員(無所属の会)はすべてに反対、提出者の意見陳述の要請にさえ反対しました。
12月10日、党議員団、同地区委員会がおこなったイラク派兵反対署名には、1時間で55筆が寄せられました。
高校生から「反対署名ができるところをさがしていた」、保育士をめざす学生からは「クラスに持ち帰って友人にもすすめたい」との声も聞かれました。
特別養護老人ホーム(以下特養ホーム)の入所待ちの方は増え続け、現在720名。共産党は議会で何度も特養ホームの増設を求めてきましたが、区は「新たな建設は考えていない」と拒否し続けています。
「7年間母の介護を続け、特養ホームを申し込んだのに入れませんでした。3ヶ月ごとに老健施設を転々とする本人と家族の苦労を区はわかっているのでしょうか」ーこんな切実な声が寄せられています。
介護保険が始まって3年半の間に、入所待ちの方は3・5倍に増加(下図参照)。特養ホーム増設は緊急の課題です。
特養ホームでの誕生会
党区議団の特養ホーム建設の提案に区は「現在の7ヶ所で足りており必要な人は入所している」と答弁。「多様なニーズにこたえる」とし、昨年荏原青果市場跡地に「ケアホーム西五反田(有料老人ホーム)」を建設しました。1ヶ月の利用料が25〜30万円で特養ホームの5〜6倍の負担となります。申請者が少なく2次募集をしなければ埋まらない状況でした。
区は、「今後も特養ホームはつくらずケアホームを建設する」としています。
区は「500億円を超える基金残高は23区中第2位」と自慢。特養ホームの建設費用は約20億円、基金の一部をまわせば十分可能です。
大井町駅近くの都南病院が昨年3月に移転し、土地を所有する厚生労働省は「品川区が申し出れば優先して譲渡する」としています。その気になれば都南病院跡地の建設はすぐにでも可能です。入所待ちの方が増え続けている今こそ、特養ホームの増設をすべきです。
昨年9月、「都南病院跡地に特養ホームの建設を求める会」が発足し、本格的に活動を開始。3月の区議会定例会に向けて、請願署名に取り組んでいます。
区内各界の皆さんからの期待が高まっています。
皆さんのおかげで、署名数は4000筆を超えました。駅前では、列ができるほどたくさんの方にご協力いただき、切実な思いを聞いています。
ぜひ署名にご協力ください。
「木造戸建住宅の耐震診断助成制度を検討したい」…昨年の決算委員会で日本共産党南恵子議員の質問に区が答弁。これは日本共産党が長年求めてきたものであり、建設組合も要望してきました。
品川区は新年度(今年4月)実施に向けて助成額や対象地域など検討をすすめています。
昨年発表された、東京都の地域危険度測定調査によれば、品川区は地震の際の危険度が都内でトップクラス。老朽化した木造住宅が多い区内では一日も早い耐震診断助成の実現が望まれます。
日本共産党は
1.補強工事も助成の対象、
2.マンションへの対象拡大、
3.高齢者や障害者世帯への家具転倒防止器具設置
などの実現にがんばります。これらの対策は、中小建設業の仕事確保にもなります。
1月15日に臨海斎場がオープンします。10年来の桐ヶ谷地域での運動と日本共産党の取り組みが大きな力となりました。
臨海斎場の所在地は大田区東海1ー3。交通手段は東京モノレール流通センター下車・徒歩8分、大森駅京急バス大田スタジアム下車0分となっています。
品川・大田・世田谷・目黒・港の五区が斎場の建設費を共同出資、運営をおこないます。
22500uの敷地に2階建て、全体がゆったりした配置になっています。
利用料は、品川区民の場合、大人の火葬料は2万3千円、式場は5万6千円で桐ヶ谷斎場の料金の2分の1以下、すべて均一料金となっています。
なお、心づけは不要です。
臨海斎場建設の原動力となったのは、桐ヶ谷地域5町会、桐ヶ谷地域の環境を守る会などの地元の粘り強い運動が実を結んだものです。
昨年12月17日、品川文化振興事業団の購入したアルゼンチン債、1億円分が期限をむかえましたが償還されませんでした。
本来、手をつけてはならない基本財産(4億7千万円)を取り崩し、ハイリスク債券を買付けた相見昌吾当時副理事長(元助役)や高橋久二当時理事長(区長)の責任は重大です。
アルゼンチン債問題の真相求める会は「区長が区民への説明責任を果たすよう運動を強化していく」としています。
アルゼンチン政府は「元本削減幅75%となる」と声明。マスコミ報道でも「利息分を含むと約90%の返済は不可能」としています。