自民、公明、区民(民主など)、無所属の会、生活者ネットの与党は、10月からの保育園保育料9%値上げ条例を可決。共産党は「子育て支援に逆行する」と強く反対しました。
保育料を値上げするのは23区で品川区だけ。区は、再来年までに27%値上げするとしています。値上げを止めさせるため、世論と運動を大きく広げましょう。
内容は
1.今年10月から9%、3年間で27%の値上げを目指す。27%値上げされると、平均世帯(階層D10)の3歳未満児で年間9万5千円の負担増。
2.さらに、延長夜間保育料についても、月額利用料を廃止し日額だけとする。月額利用者にとっては現在の2〜6倍もの大幅負担増
となるものです。所得の少ない人ほど負担割合が高くなります。
区は「子ども一人当たり平均月18万4千円の運営費がかかる。受益者である父母の負担増は当然」といいます。
受益者とはいったい誰なのでしょうか。子どもは家族の宝であると同時に、社会の宝です。次世代を育てることは、労働や税収、社会保障の支え手などあらゆる分野で社会全体にかかわる問題であり、受益者というなら、社会全体です。
少子化の解消は、いまや待ったなし。子どもを安心して生み、育てる環境を整備することは社会全体の課題です。
また、保育園に子どもを預ける共働き夫婦の場合、夫が税金や社会保険料などを払ったほかに、妻が年間69万円もの負担をしています(左表参照)。
女性の社会進出が当たり前の時代に、仕事と子育ての両立支援の充実こそ求められています。
働く女性は年69万円も負担 品川区の保育料の平均D10階層を例に試算 |
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受けられない配偶者控除76,000円。 合計69万円 35年間働き続けると2,415万円も負担。 |
所得税 | 129,300円 |
都・区民税 | 90,800円 | |
社会保険料 | 392,000円 | |
計 | 612,100円 |
「もう一人ほしくても産めない」 品川区の言う「子育て支援」とは名ばかり。保育料が値上げされたら預けられない人もでてくるのでは。ぎりぎりの生活をしている人もいるし…もう一人ほしくても産めない…。なぜ共産党以外反対しないのか不思議です。 源氏前保育園父母横山直城 |
自民党石田議員は「子育てにコストがかかりすぎる」とした品川区外部評価委員会の意見を紹介し、「保育園に行っている人も、行っていない人も同じ納税者として多くの区民に公平に税金が使われているか考え、応分の負担を求める」と値上げ賛成討論をしました。
税の公平を言うなら、毎年総額700万円もかける議員の海外調査、政務調査費を900万円も飲食に使う自民党の姿勢こそ改めるべきではないでしょうか。
国が85年以来、保育園運営費の国庫負担金削減を続けた事で、自治体と利用者の負担が増大しています。子育て支援を口にしながら予算を削減し、国の責任を放棄してきた自民党政治こそ反省すべきです。
区は学童保育クラブの廃止、保育料の値上げと働く親への支援を次々と削減。一方大崎駅東口第3地区開発には、大林組や住友不動産など大企業が建設するビルやマンションに102億円もの税金を投入しています。
4千人の子どもたちが通う保育園の運営費は年間87億円です。税金は開発より子どもたちに使うべきではないでしょうか。
条例提案後わずか12日間で委員会採決と、父母にも知らせないやり方に大きな批判が広がっています。
区は当初「9%ずつ3年間で27%値上げする」と説明。その後、父母の署名運動や議会での共産党の論戦で「27%は目標。今後は経済、社会情勢を見て決める」と変化しました。
運動次第で値上げストップも可能です。値上げ中止の世論と運動を大きくひろげましょう。
「ストップ!保育料値上げ」のつどい |
基本保育料値上げ一覧表
夜間延長保育料値上げ一覧表
3才児が月16日利用した場合の一覧表です。延長夜間保育料は、月10日までは日額ですが、11日を越えると半額になります。月の平均利用は15〜16日。
合計特殊出生率の推移
1人の女性が一生の間に生む子どもの人数。人口維持には2.08が必要。2002年、品川区は0.84。
条例に対する各党の態度
※『学童保育廃止反対』の請願には賛成
D10階層で、3歳児一人の場合の年間の負担増は・・・
■保育料9%値上(21600円),午後7時半までの延長夜間保育(27120円)を利用した場合の負担増は4万8720円
■保育料9%値上(21600円)、午後10時までの延長夜間保育(94920円)を利用した場合の負担増は11万6520円
■保育料27%値上(63600円)、午後7時半までの延長夜間保育(27120円)を利用した場合の負担増は9万720円
■保育料27%値上(63600円)、午後10時までの延長夜間保育(94920円)を利用した場合の負担増は15万8520円