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品川区では学校選択制が導入されて7年、教育現場では「学校統廃合」「いじめの拡大」など深刻な問題が噴出しています。
保護者や町会からも見直しを求める声が広がっています。あらためて「学校選択制」を考えてみました。
今年の4月、八潮南中新1年生の予定人口は34名でしたが入学者はいませんでした。
品川区は、これを口実に八潮地区の小学校3校、中学校2校を1つの小中一貫校に統廃合との方針を決めました。
日本共産党の追及に教育委員会は「34人は近隣の八潮中や東海中にいった」と答えながら「団地固有の子どもの減少が原因。学校選択制に起因するものではない」と強弁しました。
朝日新聞は「入学者ゼロは、区が導入した学校選択制に伴うものだ」と明確に指摘しています。
品川区が11月に全小中学生を対象に実施した「いじめ調査」で、「学級にいじめがあると感じている」中学生は18・9%にのぼりました。また、11月には、いじめによる「自殺予告手紙」が教育長などに2通届けられました。
これほどまでに広がったいじめの背景には、学校選択や学力テストの公開など、品川で進められている競争教育があります。
競争でストレスにさらされた子どもが「いじめにそのはけ口を向けている」という指摘です。
「いじめがあることが知れれば学校は選択されない。見てみぬふりをせざるを得ない」。東京新聞は教師の声を紹介しています。
学校にとって「どれだけ他学区の子どもを集めるのか」が最大の評価基準。「いじめを早期に発見し協力して克服する」この機能を弱めます。
学校選択制は、学校、地域、家庭の共同を弱めることも大問題です。小中学校全体で3分の1は他学区の子どもで占められます。
ある町会役員は「交通安全の仕事をしていても子どもの多くががバスで帰って行く。学校選択制になってから、地域はまとまりづらくなった」と述べています。
また「他の学校にいってる子は町会の祭り参加せず、子ども神輿の担ぎ手がいないことはさみしい限りです」と語ります。
このままでは、選択制によって学校を中心とした「まちの絆」が壊されてしまうのではないでしょうか。
品川区は1999年に「教育改革プラン21」を制定。学校選択制、学力テストの実施と学校別公開、習熟度別学習(能力別学習)、小中一貫校を次々に実施してきました。
その特徴は子どもたちを「競争」させ、「ふるいわける」ことです。
区は改革の柱を、学校選択制と説明。小学校で29・2%、中学校で32・2%の子どもが自分の学区域以外の学校を選択しています。
「学校選択制の時期、親たちの間は『問題児があそこに行くんだって』『荒れているらしい』といった噂が飛び交う。ある小学校教師によると、6年生になると子どもたちはどこの中学に行くつもりか隠すようになるという」
「地元から子どもが流出し学校が地域結束のシンボルとして機能しなくなった」との声を紹介。「対立候補が得た票にはどんな思いが込められているのか。一連の改革の功罪を検証しながら進めていく姿勢を求めたい」
子どもたちを競争させることが、学力向上や人格形成に役立つのでしょうか。世界の教育研究では「競争教育は学力向上に役立たず、協力・学びあいの教育が優位である」が主流となっています。
OECD(経済協力開発機構)の2回の国際学力テストでダントツ1位となったフィンランドでは習熟度別学習を廃止。1クラス平均は16人の少人数学級で、「できる子」「できない子」をともに学ぶ、4人グループの学習を推進。「教えあい、学びあいの教育」を徹底しています。
日本教育学会会長の佐藤学氏は「協同的学び(学びあいの教育)はヨーロッパ、北アメリカ、アジアでも主流となっている」と述べています。
品川区の競争教育は世界の流れに逆行、百害あって一利なし。
子どもの数が減った今こそ、少人数学級の実現と「学びあい」の教育への転換をすべきです。
11月定例議会では、日本共産党の追及で品川区が「健全財政」と自慢する540億円のため込みは、福祉を削ったこと、パートや派遣を生活保護に満たない賃金で働かせた結果であること、が明らかになりました。
日本共産党は品川区に働くパート・派遣などに対する差別的扱いをやめること、あわせて民間企業に働く不安定雇用の実態調査の実施を強く求めました。
品川区のため込み(基金残高)は今年4月現在、540億円で23区中、第3位。濱野区長は「品川区は健全財政だ」と自慢していますがどのようにしてため込んだかが問題です。
とりわけ学校、保育園、図書館の受付などを正規職員から安上がりなパートや派遣労働に置き換えたことが最大の要因です。
品川区に働く労働者 |
|
正規職員 |
2709 |
非常勤 |
812 |
派遣 |
157 |
上の表をご覧下さい。
現在の正規職員は2709人、非常勤、派遣は合わせて969人、4人に1人が不安定雇用となっています。表には品川区が事業を丸ごと民間企業に委託した先でのパート・派遣は含まれていません。そこに働く人たちは賃金、労働条件はさらに深刻となっています。
品川区に働くパートの平均賃金は1時間1000円前後で生活保護基準以下。しかも保育園ではあえて3時間パートとすることにより年金・医療など社会保険の加入をさせず、区の事業者負担分を免れています。
地方自治体が、パート・派遣労働者を差別しながら「健全財政」を自慢するなど許せません。
日本共産党は不安定雇用のみなさんの均等待遇の原則が貫かれるようがんばります。
月収7万2千円(図書館)2つのバイト掛け持ち
区の図書館窓□で働くAさんは夫を亡くし3人の子どもと4人暮らし。
時給900円・週4日勤務の「派遣」です。1日の勤務時間は5時間15分で、月収は7万2千円。社会保険の適用もありません。他に2つのバイトをかけもちしています。
正規職員を削減しパート、派遣への置き換えを自民、公明、民主などが求めてきたことも重大です。「人件費が高すぎる」「民間委託推進を」などと要求。「行政改革」の名による不安定雇用拡大を競い合ってきました。オール与党の責任が問われています。
労働者の3人に1人、1600万人の非正規雇用者の8割は年収150万円以下となっています。誰も好きこのんで「ワーキングプア(働く貧困層)」になるわけではありません。背景には「極限まで安く労働者を使いたい」という大企業・財界の身勝手な要求があります。大企業は社員をリストラしパートや派遣に置き換えることにより空前の利益を上げています。一方、財界の意向に応えた政府は派遣の対象業種の拡大など「労働法制」を連続改悪しました。
「ワーキングプア」は、財界・大企業とともに歴代自民党政治が積極的に後押した結果作られた「人災」です。
12月7日、品川区議会は、政務調査費を飲食費に充てることを全面禁止する条例改正を全会一致で議決しました。飲食費禁止を条例上で明記したのは全国的にも珍しく画期的なことです。また、議会が自浄作用を発揮したとして注目されています。
自民党は条例提案と合わせ係争中の01、02年度分の飲食費と延滞金合わせ計1127万円を区長に返還しました。
今回の政務調査費の見直しで日本共産党は一貫して議会をリードしてきました。飲食禁止を答申した「政務調査費あり方検討会」の設置も共産党が繰り返し求めてきたものです。同検討会は各会派の代表者で構成。共産党は公正で区民に開かれた制度となるようがんばりました。
「政調費と議員報酬のあり方を検討すべき」との意見に共産党は「政調費を引き下げ、報酬を引き上げることは論外、ここで議論すべきではない」と主張。また、JRのスイカカードの扱いについても「詳細な履歴を保管し公開すべきだ」と主張し取り入れられました。
品川区民オンブズマンの飲食費返還訴訟のもととなった領収書添付・公開は、共産党が1994年に提案、2001年に全会一致で実現したものです。
日本共産党は今後、海外調査の中止、費用弁償の廃止など、税金の無駄づかいをなくし、いっそう区民に聞かれた区政にするために力を尽くします。