区議団報告 2025年5月号
住民運動と共産党の論戦で品川区政が変わった!
新年度予算で区民要求が次々実現 共産党は予算に賛成
第一回定例会(2/19~3/26)、森澤区長の施政方針で「自己責任の社会からの転換」が打ち出され、これまで住民運動と共産党が求めてきた区民要求が次々実現。共産党は、予算に46年ぶりに賛成しました。森澤区長はこれまでの区長のように選挙で自民・公明の応援を受けていません。
自民・公明の反対はねのけ、ついに実現
大学生の給付型奨学金1人54万円/年 所得制限なしで100人分
相次ぐ学費の値上げに悲鳴。共産党が15年前から求めた区独自の給付型奨学金制度がついに実現。2度請願を取り組んだ大学生(当時)から「自民党や公明党などが反対して不採択でしたが、こうして実現して頑張ってよかった」と喜びの声が届きました。
補聴器購入費助成が2倍に 1人7万2450円
共産党都議団の取り組みで都から半額補助が実現。区議団は、年金者組合など計10回の請願のたびに論戦。自民・公明らが請願すべてに反対しましたが一昨年に実現。昨年は所得制限が撤廃され、今年度助成額が2倍に増額。
さらに実現
子育て
◆中学校の制服無償化
所得制限なし、2026年度小学校卒業者から
◆修学旅行費を所得制限なく無償化
◆大学生の給付型奨学金
医療系、理工農系の大学生対象
◆フリースクール等利用料の助成
月額2万円を上限に、都の助成金に上乗せ
◆朝の児童の居場所確保•朝食支援
体育館や図書室等で無償でパン・おにぎり等の朝食を提供
◆「すまいるスクール」利用料を無償化
午後5時までの利用料(月250円)を所得制限なく無償化
◆夏休み中のお米支援を高校生まで拡大
所得制限なく子ども1人当たり米2kgを提供
高齢者
◆地域包括支援センター検討経費
19年間、23区で品川区だけが地域に設置していない総合相談窓口を2027年度設置に向けて検討
◆入院時紙おむつ代の所得制限撤廃&助成額増額
所得制限が撤廃され、助成6千円に増額
◆高齢者の引越し費・残置物処分費の負担軽減
民間賃貸住宅をあっ旋時、引越し費用も助成
引越し後の残置物処分の負担額を1/4に軽減
◆特養ホーム2ヶ所増設
小山台住宅跡と八潮(2027年度開設)
障害者
◆障害児通所支援利用料を所得制限なく無償化
放課後等デイサービスや児童発達支援等の通所サービス利用料を無償化
◆生活介護延長受入れ運営費助成
「18歳の壁」対策により親の離職回避へ
◆障害児者の外出にかかる負担軽減
介護タクシー予約・迎車・基本介助料の無償化
障害児者医療ショートステイの交通費を月額2万円補助
◆中等度難聴者補聴器購入費助成の対象拡大
新たに18~64歳対象に5万円助成
◆障害者就労支援施設開設(旧リボン旗の台跡)
◆障害者グループホームの整備
小山台7丁目(2025年度開設)
戸越4丁目(2026度開設)
◆児童発達支援センターの開設(区内2か所目)
障害児通所支援、相談支援、医療的ケア児地域生活支援:2025年9月開設
防災・気候危機
◆スフィア基準等に対応する避難所環境の改善
間仕切り付き段ボールベッド20台×避難所52か所
水循環型シャワー導入
◆高齢者・障害者世帯の家具転倒防止器具設置助成の所得制限撤廃
◆木造住宅耐震加速化パッケージ
耐震補強設計+改修工事で上限400万円
◆省エネルギー対策助成の新設・拡大
ZEB設計、ZEH・東京ゼロエミ住宅助成の新設
太陽光・蓄電池・事業所用LED照明設置助成拡大
ジェンダー平等
◆ジェンダー平等推進フォーラム
11月7日に開催。企画運営委員を公募し検討
◆ユースヘルスケアしながわほけんしつ(若者の心と体の健康相談)
中学生から19歳まで心や体、性の悩みなどチャット相談、対面相談会
「自己責任からの転換」の施政方針を歓迎
森澤区長の施政方針でこれまでの区政を大きく転換する姿勢が示されました。
1. 自己責任の社会からの転換
「貯蓄がないと生きていけない社会であるにもかかわらず、所得が増えず、貯蓄もできず、将来の見通しが立たない」「今こそ旧来型の『自己責任』の社会モデルからの転換が必要」と述べています。
これは、自民・公明の政治とこれまでの濱野区政を転換するものです。
2. 社会保障を権利保障とし、所得制限なく無償化
社会保障は救貧施策ではなく、権利として保障されるべきと打ち出されました。
3 「子育ての社会化」「憲法26条」の教育を受ける権利と無償化
子育ての社会化や憲法26条を掲げ、本来国が行うべき施策を品川から実施・発信するとの姿勢が示されました。
4 障害者・高齢者施策 ―差別ではなく包摂の社会
優生思想や若者・現役世代と高齢者を分断する主張や政策が広がる中、差別と分断ではなく、すべての人が安心して自分らしく暮らせる包摂の社会をめざす考え方が示されました。
共産党 さらに区民要求実現へ
49項目の予算修正提案
共産党は、盛り込むべき事業を追加し、執行すべきでない事業は削減した49項目の予算修正を提案しました。新規に提案した事業の合計は37.6億円、一般会計のわずか1.6%で、さらに暮らし福祉、教育の充実につながります。一部紹介します。
区民に「いいもの」はいい。「ダメなもの」はダメ、とキッパリ
日本共産党は今回、森澤区政が自己責任の政治の転換に踏み出し権利としての福祉施策を拡充したことを評価し、予算に賛成。しかし、住民追い出しの再開発など間違った施策については、今後も厳しく批判し転換のための提案を行い、ただしていきます。4点紹介します。
再開発・道路 これ以上の超高層ビルはいらない
歴代区政は、超高層再開発を強力に進めてきました。住民の居住権と財産権の侵害、風害や日影、膨大なCO2排出、莫大な税金投入など、開発による問題点はより浮きぼりになっています。
地域壊しの巨大道路・29号線や放射2号線を進めたのも前区長。戸越公園駅の地域でも30階ものビル建設計画に道を開き、道路は防災ではなく超高層開発が目的だったことがはっきりしました。
区の姿勢に変化 反対する住民と区長が初めて懇談
住民運動の力で、小山三丁目第二地区の開発補助金を新年度予算から削除。昨年末には開発に反対する住民と森澤区長との直接懇談を実現させました。
共産党の一般質問に区長は「まちづくりの主体は、そこに住む地域住民である」「(まちづくりマスタープランの)今後の改定に際しては、まちづくりの主体である住民の声にしっかり耳を傾ける、こうした区の姿勢を計画にも反映していく」と答弁。住民の声が変化を作り出しています。
住民追い出しの再開発の中止と区政の転換へ、更に世論と運動を強めていきましょう。
羽田新ルート 国に撤回求めよ
森澤区長が行った区民アンケートで騒音以外にも大気汚染や電波障害等の被害も明らかになりました。しかし、区は調査・測定しようとせず、国にも調査の実施を求めません。共産党はその実施をくり返し求めました。
また、昨年末に行われた国の第六回固定化回避検討会の結論は品川上空を飛ぶルートであり、区は「看過できない」と表明しました。共産党は区が国に新ルート撤回を求めよと強く要望しました。
区立保育園 削減方針は撤回を
区は昨年4月、区立保育園の「統合を含めた再整備を図る」とする「あり方基本方針」を策定。1月議会には15人の保育士定数を削減する条例が出されました(共産党は反対)。子どもの健やかな成長と親の就労・子育てを支える保育士の役割はかけがえのないもの。社会保障を権利として位置付けるのであれば、区立園の統合方針は撤回すべきです。
平和 戦争する国づくりへの加担やめよ
区は1月、弾道ミサイル想定の国民保護訓練を実施。緊張を煽り戦争準備の機運を高めるためのものです。
また区は自衛隊防災フェアヘ水族館を貸し出し。3月には今年も自衛隊入隊・入校予定者激励会を開催。その目的を「入隊意欲の向上につなげる」としました。日本共産党はこれらに厳しく抗議します。
今年は終戦と被爆から80年、非核平和都市宣言から40年。核廃絶と恒久平和を呼びかける宣言を持つ区の長として、政府に対し大軍拡中止と核兵器禁止条約の批准を求めるべきです。