大阪 ダイオキシン汚染物 その後 現状報告

 能勢町の住民が処理施設用地の契約を『白紙撤回』、住民組織「ダイオキシン汚染について考える会」が(株)シンシアに申入れ書送付、八潮自治会連合が(株)シンシア・品川区・環境施設組合に要望書送付など、大阪のダイオキシン汚染物の処理をめぐっる動きがいくつかありましたのでご報告します。また、7月3日には 「ダイオキシン汚染について考える会」がダイオキシンについての学習会も開かれました。

 大阪のゴミを、何故品川まで運んで処理するのか、現地で処理するのが当然ではないか――との思いからこの問題を調査して半年経ちました。

建設予定地の地権者が『白紙撤回』を求める

 今年の3月31日に、無害化処理施設の建設予定地の地権者が『白紙撤回』を求めたので無害化処理施設の建設計画は頓挫しました。その後の状況はどうなっているのでしょうか。

 大阪地裁は6月23日に、ダイオキシンという猛毒物質を現状のまま保管しつづけることはできないとして『所感』を示しました。その内容は、
1.現実的な解決は山内地区(施設組合のある地域)での処理がよい。
2.金銭的な補償を考える。
3.地域のイメージばんかいのための地域振興策を策定する。

 この案を元にして、住民と施設組合双方の具体的な和解協議をはじめている段階だといいます。

 また、施設組合は(株)クボタとの契約は廃棄していないこと、今年10月頃を目途として実施設計を進めていきたいと、今後の計画を明らかにしています。

住民の会が(株)シンシ アに申入れ書送付 ダイオキシンの学習 をする

 住民組織の『ダイオキシン汚染について考える会』が正式に発足し、(株)シンシアに5月28日付けで要望書を送付しました。南も会員として参加しました。

 その内容は、
1.ダイオキシン汚染物の処理について、
2.ダイオキシン汚染物の処理について「検討段階にもない」が正式見解としているが、施設組合の要請があれば受け入れるのか、
3.今後、地域住民の健康に何らかの影響を与える恐れのある廃棄物について、住民と事前協議をしてほしいなどです。

 回答は、今までと同じで「正式依頼もなく、内容について情報がないので白紙」としているだけです。

 「地域住民の健康に何らかの影響を与える恐れのある廃棄物について」は、「当社の社員の健康にも影響を与える廃棄物と受け止めており、そうした健康被害を与える廃棄物は受け入れない方針」としていますが、大阪のダイオキシン汚染物処理を「受け入れない」とはどこをみても書いてありません。むしろ、今年3月には特別管理一般廃棄物処理の認可を取得していますので、「準備を着々と進めている」との見方をしたほうが正しいという意見が多数でした。

 また冒頭に述べたように、施設組合は「(株)クボタとの契約は廃棄したものではない。」との認識を示し、無害化処理を実施するための(機械設備や個々の部品の)製作などは進めていると言います。

学習会「ダイオキシンって なーに」 講師は津川敬氏

 フリーライターの津川敬さんをお呼びして学習会も同日開かれ、南も参加しました。

 「ダイオキシンは、究極の有害化学物質で人類史上最大の毒物」であること、サリンや青酸カリと違い、触れたら直ちに死につながる毒物ではないが、ジワジワと体の中に入り込み機能を破壊することなど詳しく話してくれました。ダイオキシンの発生の80%がごみの焼却によるものだから無視できないものだと強調していました。

 津川敬さんは、「八潮での焼却は嫌だ」とか「反対」を言い続けることが大事だと話していました。

 思想信条を乗り越えて共同の運動が今こそ大事です。「ダイオキシン汚染について考える会」に多くの方の参加を呼びかけたいと代表者から訴えがありました。

八潮自治会連合会やその他の自治会にも一定の動きが広がっている

 八潮自治会連合会は6月2日付けで、品川区、(株)シンシア、施設組合に要望書を送付。その回答はきているようです。

 また、69号棟は総会で議論し必要な対策に奮闘しているようですし、その他の自治会でも、深刻に受け止め情報収集をしているとうです。