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なかつか亮 なかつか亮ニュース 2005年5月29日発行
第108号

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介護保険改悪、重い利用料「これでは特養ホームに入れない」

介護保険改悪法が10日、自民・公明・民主の賛成で衆議院を通過しました。成立すると、高齢者の負担はさらに重くなり「年金だけでは特養ホームに入れない。どうやって生きていけばいいのか」と怒りの声が広がっています。

40歳になったら全員が加入そもそも介護保険ってなぁーに?

介護保険は特別の加入手続きは必要く、40歳になったらみんなが加入者になります。毎月の介護保険料は、65歳以下のお勤めの方は、健康保険料と一緒に給料から引かれ、月1万5千円以上の年金暮らしの方は、年金から天引きされます。

介護サービスは、65歳になると利用者の1割負担で利用できます。例えば、特養ホームでは、介護サービス利用料の本人負担1割と食費、日用品を足すと1ケ月約6万円となります。

特養ホームでは10月から2万3千の値上げ 

しかしこの法案が成立すると、今年の10月から特養ホームは現在支払っている利用料に加え新たに居住費が加わり食費も値上げとなります。左の表をご覧下さい。この方の場合、特養ホームにかかる費用は月2万3千円程の値上げになり、毎月の利用料は9万9千円もかかってしまいます。契約内容によって若干の違いはありますが、とても年金だけでは特養ホームに入れません。

なぜ新たに居住費、食費を

政府は、特養ホームなどの施設利用者から新たに居住費、食費を徴収する理由として「在宅で介護を受けている人にくらべて、施設に入所している人の経済的負担は少ないので、公平をはかるため」と説明します。

しかし、公平という理由で、負担の高いほうにあわせるのはおかしいと思います。在宅介護の方が負担が重いというのなら、その在宅介護の支援を充実させる事こそ必要ではないでしょうか。

大幅な補助金削減その穴埋めを利用者に

この改悪の一番の問題は、国の負担を軽くし、その軽くした金額を利用者に「値上げ」として押し付ける点です。

介護保険が始まった時は国の補助金は50%でした。しかし、現在は25%と大幅にカットしました。政府はしきりに「このままでは制度が維持できない」「値上げは仕方がない」「少々我慢して欲しい」と説明しますが介護施設の苦しい運営の原因は、国の補助金の削減によるもの。穴埋めをするための「値上げ」はおかしいと思います。

20歳から保険料!?

政府は、現在は40歳以上の国民から徴収している介護保険料を、20歳から徴収するように改めることも検討していました。しかし、国民の反対が広がり、今回は見送りとなりましたが、法律の附則で「09年度を目途に検討する」と書き込まれました。今後も注意が必要です。

問題だらけの介護保険改悪自民・公明・民主が賛成

国会では、自民・公明の与党と、民主党の賛成多数によって衆議院を通過。民主党は「データもモデル事業も不十分。こんな大改正をやるべきではない」と批判していましたが、それが一転、採決では与党と共に賛成に回りました。これを聞いたある方は「結局は民主党は、与党と同じじゃないか。全くなさけない」と話していました。

現在、審議は参議院で行なわれています。皆さんの一層のご支援をよろしくお願いします。介護保険改悪反対の声をさらに強めましょう。