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2005年6月5日発行 第109号 ryo@nakatsukaryo.net |
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「ニート」85万人の急増は若者の甘え? 「ニート」とは、仕事を持たず学校や職業訓練も受けていない若者のこと。先日「たけしのテレビタックル」で、この「ニート」が話題に。「最近の若者は無責任でだらしがない、もっと、がまんというものを教えないといけない」とある方が叫んでいました。85万人とも言われるニート。予備軍はその数倍とも言われます。 しかし、若者の雇用環境悪化は、本当に「甘え」が原因なのでしょうか。 仕事が終わらない 仕事終わらず、朝は7時には家を出て、帰りは11時過ぎ。休みの日は昼まで寝ている。もう、体がもたない。別の仕事を探そうかと悩んでいる」と、私の友人から相談がありました。詳しく話を聞くと「タイムカードでは1日8時間、でも実際は10時間以上働く毎日。店長から『うちは、バイトには残業代はつけていない』と一喝、『終わらないのは自己責任。それができなきゃ、やめてもらって結構。他にバイトはいくらでもいる』と店長に言われる。おかしい事だとは思うけど、店長に逆らうと、時給を下げらと無言の圧力」と語ります。 職場には組合もなく、誰にも相談することができず、ずっと1人で悩んでいました。 「ニート」の急増その原因は何? 20代男性の5人に1人は過労死ラインを超える週60時間以上働いています。しかも、その仕事の実態は、多くがサービス残業です。違法な労働環境が職場に蔓延。誰にも相談できず、体も心も疲れ職場を退職する若者が後を絶えません。 「ニート」の急増は、こうした労働環境の悪化が一番の原因です。「がまんが足りない」といって、若者にその原因を押し付けるのは、間違っていると思います。 僕は将棋の駒じゃない 働く若者(十五〜二十四才)のうち48%が派遣、請負、バイトなどの非正規社員。今や、2人に1人が非正規社員です。私の友人は「僕は将棋の駒じゃない。夢も希望もある。将来は家族を持ちたい。僕だって1人の人間だ」と、その悔しさを話してくれました。 どちらかといえば企業側の要因が大きい(03国民生活白書) フリーターの急増について政府は、『03年国民生活白書』で「大幅なフリーターの増加要因としては、どちらかといえば企業側の要因が大きい」と、大企業の人減らしによる新規雇用の抑制が原因にあることを始めて認めました。 また、日本経団連は05年の報告書の中で「若年層の雇用問題が深刻化した最も大きな原因の1つは、若年層に対する求人の不足にある」「多くの企業が……雇用調整を行なったことが、若年層の雇用問題を深刻化させた可能性は否定できない」と経済団体も自らの企業責任を認めました。 内閣府調査「求職活動をしていない理由」1位「病気、けが」 さらに、内閣府の『05年若者無業者に関する調査』では、若年層の求職活動をしていない理由として一番多いのは「病気・けがのため」。ついに10万人を超えました。 体を壊すほどのサービス残業をやめさせ、その分を新規雇用に振り替えれば、それだけでも84万人の雇用(第一生命経済研究所より試算)がうまれます。 違法なサービス残業をやめさせ、非正規社員への差別待遇をなくし、安定した雇用を拡大することが、深刻な若者の雇用問題を解決する道です。 ニートの増加は子ども自身の甘え しかし、いまだに若者の雇用悪化の理由について「甘えが原因」とする議論が広がっています。西本貴子区議はHP上で「ニートの増加は、親におんぶに抱っこしていれば、生きていける裕福な時代になったということも言えると思います。親の甘え、子ども自身の甘えでもあります」と記し、雇用悪化の原因を若者に向けています。 東京に働くルールを 5月末、ふじた美佳さんは、民青同盟品川地区委員会と一緒に、青年の雇用改善を東京都に要望しました。 今後も働くルールの確立にむけがんばります。 |