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鈴木ひろ子

こんにちは鈴木ひろ子です。

2000年11月12日発行
第87号

suzuki@jcp-shinagawa.com

無料 法律・生活相談会
日時:2024年02月22日(木)17:30~
会場:鈴木ひろ子事務所 中延2-11-7 3783-8833
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給食調理が民間委託された
中延保育園で食中毒(?)
親の不安にこたえ、原因の徹底究明を

 区立中延保育園で園児26名が下痢や咽吐、発熱などの症状を訴え、食中毒の疑いが発生。保健所や東京都衛生局が入り、検便や食材などの検査を行い原因を調べています。
 区は八日に緊急保護者会を開き、結果がまだ一部しか出ていないにもかかわらず「食中毒ではなかったと断定します」と報告。父母からは「十分な説明ではなく納得できない」と怒りの声が広がっています。

園児26名が下痢、嘔吐
都衛生研究所で便や食材検査

 今回の食中毒(?)は、11月2日夜間より朝にかけて、区立中延保育園の園児6名が嘔吐や下痢を訴えて江原医師会休日夜間診療所を受診、医師より「食中毒の疑いあり」と保健所に」届けられ、明らかになったものです。その後、区側の説明では「6日までに26名の園児が発症している。そのうち一人は脱水症状で点滴を行った。検査結果が判明するまで江原保健所調理実習室で給食を作る」とのことでした。また 「今回の下痢、嘔吐はサルモネラ菌など細菌性の可能性とウイルスによる感染(小型球形ウイルス=SRSV)が考えられるが、最近台東区の保育園で30名に発生したSRSVの感染の事例によく似ているのでその可能性が大きい」と説明していました。

検査の途中なのに、区が
「食中毒でないと断定」と説明

 8日行われた緊急保護者会で区は「食中毒ではないと断定する」と父母に言い切りました。理由は「食材から検出されなかった。」調理員5人中結果の出た一人が陰性だった。4人はまだでていないが陽性ではないだろう」というあいまいなもの。しかも結果のわかった子供のうち6人にSRSV陽性と出ています。最終的な検査結果が出ていないにもかかわらず、区側が「食中毒でないと断定てきる」と説明したことから、父母からはたくさんの疑問や意見が出されました。しかし「時間が来たから」と1時間半で、保護者会は一方的に打ち切りました。さらに父母から「納得できないので再度保護者会を」の要望が出されたのに対して、保育課長は「保護者会は開かない。親が納得するかしないかはそちらの問題」と強弁したというのです。これが子どもを心配する父母に対して、自治体のとるべき態度でしょうか。

原因の徹底究明こそ
再発防止の前提

 保健所からの資料には「SRSVの感染経路は、ウイルスに汚染された食品・飲料水と感染者からの二次感染とがある。SHSVは感染者の小腸上部で増殖し、糞便や嘔吐物に数日間排出され続ける。調理従事者が糞便や嘔吐物と接触した手で作業すると、食品や調理器具が汚染されて感染の原因となる」、また「食中毒事例によると、…学校や保育園、高齢者施設等の集団給食施設での発生では原因食品が特定されないのがはとんど」と書かれています。食材からウイルスが検出されないだけで食中毒を否定することはできません。
 昨年5月に東大和市でもSRSVによる同様の嘔吐、下痢、発熱等の集団感染症が発生しました。ここでは医師から食中毒との診断が出され、保健所が保育園の給食による食中毒と断定しています。
 品川区は父母の大きな反対を押し切って、今年4月から5園で給食調理の民間委託を強行しました。中延保育園はその一つで富士産業鰍ェ調理を行っています。同社は、台東区でSRSV集団感染症が起こつた保育園の給食調理も担当していました.その点からも徹底した原因の究明が求められています。