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鈴木ひろ子

こんにちは鈴木ひろ子です。

2003年2月16日発行
第177号

suzuki@jcp-shinagawa.com

無料 法律・生活相談会
日時:2024年02月22日(木)17:30~
会場:鈴木ひろ子事務所 中延2-11-7 3783-8833
弁護士さんが対応します。どんな問題でもお気軽に。


6・3制を4・3・2制に
小中一貫校の教育課程を発表
さらに各地区に建設するというが・・・

品川区は、公立で全国初となる「小中一貫校」を、18年度開校予定で大崎地区に建設を準備しています。日野中(西五反田6)を第二日野小(東五反田2)に移転し小学校・中学校一体化した9年間の一貫教育をするというものです。今回さらに大井地区に19年度開設、その後は全地区に開設するとの方針を明らかにしました。 
 小中一貫校の教育課程も発表しました。内容は@9年間を大きく4年と5年でまとめ、さらに後半の5年を3年と2年に分け、柔軟な学習の形成を目指す。A前半の4年は基礎基本の学習、後半の5年は選択学習とし、「ステップアップ学習」を取り入れる。B学習指導要領を弾力的に運用し、現行の時数を超えた編成を行うとしています。

小中一貫校については次の問題点が指摘されています。

1.一部のエリート養成
 「できる子供」だけを集めて6年生の内容を5年生で教えるなど一部のエリートを養成するものです。他の学校との格差、子供の間での競争を生み出すものです。

2.小学校の統廃合など周辺校への影響
 日野中の周辺には現在6つの小学校がありますが、一貫校以外の小学校の統廃合が予想されます。 

教育学的なメリットは指摘困難、慎重に、丁寧に検討が必要…佐貫浩(法政大教授)

 法政大学の佐貫浩教授は「小中一貫という制度の、純粋に教育学的なメリットを現時点ではっきりと指摘することはほとんど困難でしょう。・・・
 世界的に見ても、初等教育と中等教育の9年間を1つの学校につなげることが教育的効果を上げる方法だという論理は決して常識とはなっていません。そういうこともあわせて考えると、この小中一貫校は、特別な特権校を作り出すために案出された非常に性急な、そして教育学的な根拠が曖昧な、危うい試みだと言わざるを得ないように思います。・・・特権的な学校を作り出すこと、学校を格差化し、生徒を早い時期から能力に応じて区分(格差化)することが子どもの個性を実現する方法であるというのは、大きな間違いです。・・・今、子どもの学ぶ意欲、仲間同士でともに生きていく力を回復するために、学校制度をどうしていけばいいのか、小中一貫校という構想がそういう願いにどういう効果をもたらすのか、もたらさないのかを、慎重に、丁寧に、検討していく必要を強く感じます。」と述べています。

区民の意見は分かれている。時間をかけて検討すべき

 一貫校に対して、地元のPTA関係者から、昨年10月に、高橋区長に対して3500名余の署名を添えて陳情書が提出されました。その内容は「日野中を移転しないでいただきたい」「日野中を二日野と併設することは、時期尚早。地域住民、PTAと十分に協議を重ね、そのような時期に達しても子供たちの教育環境を優先して考えていただきたい」というものです。区民の合意は得られていません。
 わが党のアンケートでも小中一貫校に対する区民の回答は「賛成」「反対」「どちらともいえない」に3分化されています。だからこそ時間をかけて、区民みんなで慎重に検討することが求められているのではないでしょうか。