前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

南恵子区議 議員提出第1号議案「第32回オリンピック競技大会および第16回パラリンピック競技大会東京招致に関する決議」に対する反対討論

2012.03.23. 南 恵子 区議

日本共産党品川区議団を代表して、議員提出第1号議案 「第32回オリンピック競技大会および第16回パラリンピック競技大会東京招致に関する決議」に反対する立場から討論を行います。

オリンピックやパラリンピック競技に参加する選手が見せる人間の限界に挑む姿には強い感動を覚えます。日本共産党はこれらの競技を否定するものではありません。昨年制定されたスポーツ基本法には「スポーツは国民の権利」と明記してあり、スポーツを国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所で行うことができるようにすること、また、スポーツにかかる国際的な交流および貢献が環境に配慮して奨励されるなどの趣旨を尊重しています。いっそうの振興に力を注ぎたいと考えています。

しかし、国難ともいえる東日本大震災の未曾有の被害と原発事故がいまだに被災者の生活再建と復興を阻んでいる時に、政治がやるべきことはオリンピックではなく、被災者の生活再建、被災地の復興、放射能対策、そして地震に強い防災都市づくりと、また、長引く不況から雇用や暮らしを守る政治ではないでしょうか。都民が発している「オリンピック誘致は原発問題が収束しないと無理」「税金はオリンピックではなく福祉の向上のために使ってほしい」などの厳しい意見を見過ごしてはいけせないと思います。

以下2点、反対理由を述べます。

第一の理由は、東京都は新たな長期計画「2020年の東京」と「実行プログラム」をつくりましたが、策定方針の第一に掲げているのは、東京の国際競争力の向上を図るためにアジアの司令塔としての地位を確立するということです。海外の大企業を呼び寄せるために特区をつくったり、1メートル1億円もする外環道や巨大港湾整備など、巨大な都市インフラ整備をすすめるというのです。オリンピック招致はそのためのテコにするものといわなければなりません。

第二は、世論調査の支持率を意図的にまやかして国際オリンピック委員会に提出する申請ファイルに盛り込んだことです。

支持率は招致の当落を左右する重要な要素と見られていますが、東京都は1月に調査を実施し、16年招致を目指した前回国際オリンピック委員会調査より支持率が10ポイント以上上回ったと結論を出しました。ところが、2月6日に開かれた都議会オリンピック招致特別委員会でこの結果は「まやかし」だったことが明らかになりました。調査は電話で1000人、インターネットで3000人、計4000人を対象に実施。東京開催を支持した人は全国65.7%、東京65.2%でした。ネットの支持率だけを見ると全国58.7%、東京59.9%で前回同時期に都が実施したネット調査より低い支持率でした。ところが都はこれに電話調査の結果、全国72.7%、東京70.5%をそれぞれ足して2で割った数字を支持率として公表したのです。仮に回答値の合計を対象者数の合計で割った場合に比べ、3〜4ポイントちかく高くなるだけです。調査方法もサンプル数も違う二つの結果を平均値で示すのは手法として間違いです。
オリンピック招致ではなく、都民の切実な要望に応えるよう求めて反対討論を終わります。

ページトップへ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ