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品川区議会議長あて要望書

 

要望書

品川区議会議長
鈴木 真澄 様

2012年6月19日
日本共産党品川区議団
幹事長 飯沼雅子

 代表質問、一般質問における再質問の時間数を、ケーブルテレビの現状の放映時間枠を超過することを理由に、質問持ち時間の10分の1に制限することは不当であり、第2回定例会での試行を中止するよう要望いたします。

 議会のあり方検討会は、議長の諮問機関として2011年7月に設置され、8回の検討会をへて、2012年5月、中間報告書を議長に提出しました。主な内容は、優先的に取り組むべきこととして「議会の見える化に関する事項」を取り上げ、議会中継のあり方などについて重点的に議論検討を行ってきました。我が党が問題と捉えているのは、「再質問の時間数を質問持ち時間の10分の1とする」この点です。議長はこの内容を受け、6月8日議会運営委員会において、第2回定例会で再質問時間に関して試行する旨を発言されました。日本共産党は、再質問の時間制限に関して、反対を表明するとともに、意見が一致しない点、少数意見もまとめに反映すべきと意見を述べましたが、多数の意見でまとめられたものが中間報告書です。

 改めて今回の中間報告書の中の再質問の時間制限について問題点を明らかにし、試行の中止を求めます。

  不当な時間制限は、議員の発言の自由を奪い、権利を脅かすものです。

 議会は、"言論の府"であり、議員活動の基本は言論です。「議員必携」では「議員活動の基本は言論であって、問題は、すべての言論によって決定されるのが建前である。このため、議会においては特に言論を尊重し、その自由を保障している。会議原則の第一に『発言自由の原則』が掲げられているのもそのためである」と述べています。「発言の自由」は、議会における議員の最も重要な権利であり最大限保障されなければなりません。区民の要求を取り上げての議員の発言、活発な議論こそ議会の生命です。

  品川区議会「議会、委員会運営に関する申し合わせ確認事項」では、「再質問は自席において原則1回とする。ただし議長の許可がある場合はこれを超えることができる。なお、再質問の時間制限については、その性格上、簡潔に行うよう質問者の良識に任せ、慣例として再質問は2回まで認める」(一般質問)と記述されています。議員の「発言の自由」を最大限保障し、言論の府である議会の活性化をめざすことこそ議長の役割と考えます。そのために力を尽くしていただきますよう要望いたします。

 また「標準市議会会議規則」の第55条では、「議長は、必要がある時、質問、討論の時間を制限し、また質疑の回数を制限することができる」と記述されていますが、今回の放映時間枠に合わせた再質問時間の制限は、「必要がある時」の乱用に当たり不当です。

 今まで放映していなかった再質問、再答弁を入れる提案は積極的であり評価します。しかし、放映時間が足りないから再質問時間に制限を加えるなど、議会の役割を狭めるものであり、区民の理解は得られません。今後、放映時間枠を拡大し、質問の内容が十分に伝わるテレビ放映への改善こそ必要です。

 品川区議会はこの間、政務調査費領収書添付と公開の義務付け、飲食禁止など、全国にさきがけて住民に開かれた議会改革を進めてきました。

 議長におかれましては、よき伝統を受け継いで、議会運営を進めていただきますよう重ねて要望をいたします。

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