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南恵子区議 議員提出第3号議案「品川区木造住宅耐震診断助成条例」に対する賛成討論

2012.07.05 南 恵子 区議

「品川区木造住宅耐震診断助成条例」に日本共産党を代表して、賛成の立場から討論をします。

本条例は、6月22日の本会議で提案され、6月25日の建設委員会で審査されました。地震は自然現象ですが、それによる災害の多くは人災です。したがって人間の英知と技 術と努力で地震による被害を未然に防止し、被害を最小限にくいとめるという理念のもと、 木造住宅の耐震化を促進するためにその前提になる一般耐震診断費用を無料化するもので す。 4月18日に東京都防災会議が発表した品川区の新たな被害想定は、地震と火災による死者779人としています。住宅の焼失率は32%、実に住宅の3分の一が焼失するというものです。ところが、木造住宅耐震化の進捗率は区が計画を立てて5年も経過しているのに掲げる目標のわずか3%でしかありません。これでは、区民の命と財産を守る区の責務が問われます。地震が頻発しているだけに地震が発生するたびに命が縮む思いで、地震に強い木造住宅にすることは待ったなしの課題です。

建設委員会の質疑では、木造住宅の耐震診断をやっても住宅の改修や建替えにつながるのかという質問と、無料簡易診断から住宅耐震化につなげたらいいのではないかなどの質問が出されました。一般耐震診断費用が無料になれば診断を受ける人が増え、改修につながります。診断を受けることで自分の家の状態を認識でき、耐震化にむけての自発的な行動を促すことになります。ここが住宅耐震化につながる重要なポイントです。 区は、一般耐震診断を無料にしないという理由に住宅耐震化につなげることが今は重要だと説明しています。しかし現状は、一般耐震診断を受けた人は区が自ら掲げた耐震化目標のわずか7%でしかありません。住宅耐震化にすすめる為には先ずは無料化にして耐震診断を受ける人を大幅に増やすことこそ大事です。さらに、高齢者や障害者、低所得者世帯への耐震改修の上乗せ助成などをすることも必要です。品川区の現状をみると一刻を争って耐震化を促進させなければいけない状況です。

また、無料簡易診断から住宅耐震化につなげたらいいのではないかという意見がありましたが、住宅耐震化へすすむにあたって一般耐震診断を受けなければ耐震化はできません。なぜなら、国のマニュアルに基づいてチェックをし、IW値1以上に評価できるように耐震化するには目視ではできません。土台が腐っているか、カベをはがしてみて基礎がどうなっているのか、天井裏に入ってみるなどしてチェックをして補強設計をつくります。そして補強設計に基づいて実際に工事を行います。一般耐震診断をしないで無料簡易診断だけでは耐震化はできない制度になっています。

次に、今定例会で提出された補正予算の財源は、23年度の決算見込みで新たに生まれた繰越が約6億円もあり、そこから3億3000万円を当てています。この財政状況をみても区には十分な財源があり、耐震診断の無料化は直ちに実施できるものです。

なお、23区の状況をみると、無料化は8区。8割助成が3区、3分の2助成は5区です。品川区の2分の一助成は残念ながら最低になっています。東京都が品川区の火災危険度ワースト1と想定し発表したときだからこそ緊急に取り組む必要があります。

いつ起きてもおかしくない大地震から区民の命と財産を守るために、賛成していただけますようお願いいたしまして討論を終わります。

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