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日本共産党品川区議団 陸上自衛隊による「災害対処訓練」について申し入れ

2012.07.12 日本共産党品川区議団

陸上自衛隊第一普通科連隊が7月16日から17日にかけて、「平成24年度連隊災害対処訓練(23区展開訓練)」を実施することが明らかになりました。7月9日、区議団として、担当課長に説明を求めました。内容は、災害時の徒歩による移動訓練と無線交信であり、16日午後7時練馬駐屯地を出発し、品川には車両1台と隊員4名が向かい、17日午前3時区役所に到着。駐車場を利用し車中にて宿泊、朝9時に屋上を利用し練馬との無線交信を行うとのことで、区は了承したとの説明でした。自衛隊から詳しい説明がなく、規模やルートなどの質問には答えられないとのことでした。我が党の調査では、参加人員5000名規模の平成24年度統合防災演習(指揮所演習)の一部であり、16日17日は23区内で324名が参加をする大規模なものです。実施項目には、自衛隊の対処と、関係機関及び米軍との連携も含まれ、防災と「有事」が重なる内容ではないかの懸念もあります。

大規模災害が発生した場合、政府・行政機関と民間のあらゆる力を総結集して、人命救助や被害拡大の防止などの災害対策にあたらなければならず、自衛隊が有する組織と機材を災害時に活用することは当然のことです。しかし、今回の訓練には問題があり中止を求めます。

第1に、自衛隊法83条が自衛隊の災害出動は関係自治体からの要請が前提であるとしているにもかかわらず、今回の訓練は自衛隊単独で行われることになっています。また「品川区地域防災計画」の定めにも反します。

災害発生という緊急時に、効果的な災害対応を実施するには、区民の安全に直接の責任を負う自治体が各機関の要となり、統合的に業務遂行体制をとる必要があります。そのため品川区は東京都と連携し、区をはじめとする各機関の役割を規定した「品川区地域防災計画」を定めています。
地域防災計画は、自衛隊の災害派遣の範囲について「区長は災害が発生し、または発生するおそれがあり、人命、または財産の保護のため、必要と認める場合には、都知事に対し、自衛隊の派遣要請に係る要求を行うものとする」と厳格に定めています。これらの規定は、災害時の自衛隊の行動が都知事または区長の要請に基づく範囲内に限定することが大原則であることを示しています。しかし今回の自衛隊による「災害対処訓練」は地域防災計画に基づくものではなく、自治体の要請の範囲内と言う原則から外れています。

こうした異例の訓練が市街地で行われ、区の重要な施設を利用しておこなわれることは、地域防災計画が掲げてきた態勢や原則をないがしろにするものであり、区と区民と関係機関との共同でおこなうべき災害対応を阻害しかねない重大な問題です。

第2に、16日夕方から翌日の午前9時と言う時間帯に迷彩塗料を施した自衛隊車両や迷彩服の隊員が市街地を通行するとなれば、訓練とは知らない一般区民を無用におびやかすことになりかねません。

第3に、第一師団広報は、区役所での宿泊は訓練の一部ではなく、便宜上お願いするもので、区側が拒否すれば、隊員は駐屯地に帰るだけだとしています。事実、23区内では区役所での宿泊、施設利用を拒否している自治体が多数にのぼっています。
以上の点を踏まえ、申し入れを行います。

  1. 地方自治体の要請に基づかない自衛隊単独の災害訓練の中止を求めること。
  2. 区の施設を提供しないこと。
  3. 議会への情報提供は、事前に行うこと。

以上

 

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