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鈴木ひろ子区議 2012年第3回定例会一般質問「住宅耐震化」「グループホームの増設」「特養ホームと老健施設」「介護ヘルパー時間削減」「若者の健診制度の創設」

2012.09.21 鈴木ひろ子 区議

質問項目

  1. 防災対策は、超高層ビルや巨大道路ではなく、住宅耐震化や初期消火対策の充実こそ
  2. 障害のある人が地域で安心して暮らせるよう、通所施設・グループホームの増設を
  3. 国有地・旧みやこ荘跡地に、特養ホームと老健施設の建設を
  4. 介護ヘルパーは高齢者の生活と心の支え。時間削減を元に戻せ
  5. 雇用破壊がすすむ中、若者の命と健康を守る健診制度の創設を

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防災対策は、超高層ビルや巨大道路ではなく、住宅の耐震化や初期消火対策の充実こそ

東京都が今年4月に発表した首都直下型地震の品川区における被害想定は、死者数779人、建物全壊2万6850棟。焼失率は31.9%で23区最悪となりました。しかしこの想定は、強風下での火災延焼や車両火災などを除外しており、被害はさらに大きくなる可能性があります。区民の命と財産を守る防災対策は喫緊の課題。地震は自然災害であるが、地震による災害の多くは人災であり、人間の英知と技術と努力による予防対策を行うことで、被害を最小限にくい止めることができるとの立場で震災対策を行うよう求め質問します。

第1に、防災の名で超高層ビル中心の大型開発や巨大道路づくりを進めるのではなく、住宅耐震化や初期消火対策の充実で逃げなくてすむ街づくりを求めます。

区が防災の名で巨額の税金をつぎ込み強力に進めているのは、超高層ビルの再開発と巨大道路づくりです。駅前再開発では、大崎、大井町、目黒、品川、武蔵小山と留まる所を知りません。税金投入はすでに1400億円にも上ります。

さらに今回進めようとしているのは巨大道路づくり。東京都は6月末、2020年までに完成めざす都市計画道路として、補助29号線と放射2号線を指定。さらに、品川区は補助31号線を「同時期に整備する」といいます。3本の道路で約6q。品川区は超高層ビルづくりでも、巨大道路作りでも全都で突出しています。

区は、道路が延焼遮断帯になると説明しますが果たしてそうでしょうか。先日のNHKスペシャルでも、市街地大火になった場合、火の粉は700m以上も先に飛び火し火災を引き起こす。輻射熱は20m先に立った人の服をわずか5秒で焦がすと報道しました。いっとき延焼を遅らせたとしても同時多発で起こる火災に対してどれほどの効果があるのでしょうか。効果どころか、火災が渋滞した車両に延焼し、連続車両火災を引き起こし、反対側の沿道の建物にまで延焼するという大学教授らによる実験結果も示されています。延焼遮断帯としてつくった道路が、逆に延焼を広げることになりかねない。この検証こそすべきです。

計画道路上には880世帯の住民が生活し、学校や幼稚園、保育園、障害者施設、公園、商店街など数十ヶ所の公共施設や商店街などがあり、これらがすべて壊されることになります。

昭和21年に戦後の復興計画として立てられ66年間できなかった都市計画道路を、3.11を契機に防災の名でわずか8年間で強制力を持って住民を立ち退かせて進める、こんな防災対策でいいのかを問いたいと思います。この計画にわが党の試算では税金を1300億円も投入する計画です。

1300億円もの税金を使ってつくる幅15〜25mの道路が、防災にどれほどの効果があると考えているのか、その根拠もあわせてお聞きします。道路における車両火災を想定すべきと考えますが、いかがでしょうか。

阪神大震災での、神戸市内の死因は建物倒壊よる圧死が83%、焼死が13%です。緊急に取り組むべきは、住宅の耐震化と初期消火対策の充実です。区は平成27年までに住宅の9割、木造住宅9800棟の耐震化目標を掲げました。しかし5年経った現在、目標のわずか2%に過ぎません。旧耐震の木造住宅1万4000棟すべてを耐震診断、設計、補強工事をするのに必要なお金は、約460億円。道路への税金投入1300億円のわずか3分の1で、すべての旧耐震木造住宅の耐震化が区民の自己負担なしでできるのです。こうした制度の実現こそ国や都に求めるべきではないでしょうか。

区として、一般耐震診断の無料化と耐震補強工事の助成額を300万円まで引き上げるよう求めますが、いかがでしょうか。

次に、初期消火についてです。

品川区内の出火想定は40件。それが広がり、2万1600棟が焼失する想定です。

初期消火対策について5つ提案します。区の考えをお聞かせ下さい。

(1)消防力強化についてです。例えば荏原地区では、荏原消防署が管轄する65の町会に対して常時使える消防車はわずか6台。消防職員体制の強化、消防車の増配備を、特に火災危険度が高い地域には出張所をつくるなどの対策もふくめ、東京都に求めて下さい。

(2)スタンドパイプが各町会に配備されたことは評価します。しかし、断水すれば使えません。品川区内の上水道の継ぎ手の耐震化は26%。巨大地震でも使用可能なスタンドパイプの割合はどれくらいあるのかお答え下さい。東京都に対して、平成31年度48%の目標で進めている上水道継ぎ手耐震化を100%に引き上げ、緊急にすすめること、火災危険度の高い地域については優先して継ぎ手の耐震化を急ぐよう求めて下さい。

(3)街頭消火器は手軽にできる初期消火対策として有効です。区から、各町会に働きかけ、町会の希望を聞いて増やすこと、公共施設など配備可能な施設にまとめて配備するなど抜本的に増やすよう求めます。

(4)町会単位で、住民参加による初期消火、人命救助に当たる仕組みをつくるよう区が誘導、啓発をすること。ポンプ車の配備と、区民が使えるようにする訓練を区が責任をもって町会とともに行うことを求めます。

(5)街頭消火器マップとともに防火貯水槽、消火栓の場所がわかるマップを町会ごとに作成し、住民に周知することを求めます。
以上の提案に対する区の見解をお聞きします。

次に、学校避難所についてです。

避難所生活にとって、避難所の安全と人間の尊厳を守ることができる改善が求められています。

学校避難所の生活は大変劣悪です。1人当りのスペースは畳1畳分となっていますが、避難する対象住民の1/5〜1/10しか収容できません。さらに帰宅困難者が加わります。

地域ごとの避難者の想定を行い、避難所を確保するよう求めます。いかがでしょうか。

備蓄物資も食糧も足りません。ある避難所の場合、毛布は避難者1100人に対して600枚。今年補充される分も含めて1人にわずか1枚です。震災が真冬であれば寒さをしのぐことはできません。

トイレは、仮設トイレが5基のみ。学校の水洗トイレは、1つの学校で1階の水洗トイレ1箇所使えるようにする計画ですが、5年かかるとのこと。たとえ使えたとしてもあわせて十数か所。100人〜200人で1つのトイレを使うとどうなるか。トイレの必要数を計算し、確保すること。学校避難所の上下水道の耐震化を行い、巨大地震でも学校のすべてのトイレが使用可能になるよう東京都に求めてください。
食糧の備蓄、2日目以降は都の備蓄といいますが、備蓄場所は江東区の倉庫。どうやって品川区に届けられるのかお聞きします。区の食糧備蓄を増やすよう求めます。

東日本大震災では災害関連死が1632人。最も多い死因が「避難所などの避難生活で肉体的・精神的に疲労した」との調査結果です。プライバシーを守るため、間仕切りを備蓄に加えるべきです。

せっかく助かった命が劣悪な環境のために失われることがないよう、食事、睡眠、排泄など基本的な生活が保障され、人間の尊厳が守れるよう避難所の改善を求めます。

障害のある人が安心して暮らせるよう、通所施設・グループホームの増設を

区内には6か所の知的障害者の通所施設・生活介護と就労継続B型があり、すべての施設で定員を大きく上回る利用者の登録数となっています。多いところで1.4倍、平均でも1.3倍です。特別支援学校を卒業、また一般就労から通所に変わるなど新たに通所する方は2011年35人、今年20人と毎年増え続けています。一方やめる方はごくわずかです。もし定員に対して、最大の150%まで受け入れたとしても2〜3年で受け入れができなくなります。区は、増え続ける利用者に対して通所の場をどう保障するのでしょうか。

生活介護と就労継続B型の施設は定員を超えて受け入れ続けるのでなく、早急に増設計画をつくり建設するよう求めます。

定員オーバーとなっても職員体制は変わりません。職員にとってはますます過重労働となり、障害者にとってもきめ細かな支援が行き届くのか不安です。

定員を超えた受け入れの背景には、障害者自立支援法で事業報酬が月割から日割計算になったことがあります。報酬は、1日150%、月平均125%を超えなければ減算にならないため、人数が多いほど報酬が増え、逆に定員内では経営が困難になる仕組みです。
区として、報酬を日割りから月割りの制度に戻すよう国に強く働きかけることを求めます。

「障害があっても地域で自立した生活を送りたい」というのは障害者と家族の願いです。区内には10ヶ所、67人分のGHがありますが、空きは無く、待機者がいます。「若いうちから体験型GHで訓練し、GHで生活できたら親としても安心。しかし現実は体験できる施設も無く、自立させることができない」また「突然区から『空いたので数日中に入るように』といわれても準備ができていなければ子どもも嫌がり、結局断らざるを得ない」と聞きました。

障害があっても自立して生活できるよう、グループホームの増設と、グループホームに安心して入所できるよう、体験型の施設の建設を求めます。いかがでしょうか。

国有地・旧みやこ荘跡地に、特養ホームと老健施設の建設を

品川区が購入を決めた、上大崎3丁目の「国有地・旧みやこ荘跡地に、特養ホームと老健施設の建設を」の質問です。

昨年5月、特養ホームが11年ぶりに八潮に増設され、2014年・杜松小学校跡、2015年・平塚橋会館建て替え時にも開設予定です。3ヶ所の特養ホーム増設は地域でも大変喜ばれています。しかし、この3ヶ所だけでは区民の深刻な状況は解決できません。入所申込者約600名に対して入れる人はわずか1割。現在の入所判定基準では、年齢が若ければどんなに重度の要介護状態でも、またどんなに在宅での介護体制がなくても介護度が低ければ、特養ホームに入ることはできません。これは絶対数が足りないためです。今後2030年まで高齢者人口は増え続けます。

五反田や大崎地域には利用料が月25〜30万円のケアホームだけで、特養ホームは1ヶ所もなく、地域からも待ち望まれています。
8月締め切りの特養ホーム申込者の総数、要介護度別の人数。今年2月までに老健施設から特養ホームへの申し込み数と、入所できた人数をお聞きします。

家族共倒れになるような深刻な実態をなくすためにも、旧みやこ荘跡地に特養ホームの増設を求めます。

また、リハビリは生きる意欲を引き出し、生活の質を大きく変えるものです。品川区の老健施設は1ヶ所しかなく、常に3〜6ヶ月待ち。旧みやこ荘跡地は、3,357m2の広さ。特養ホームと老健施設の併設は可能ではないでしょうか。特養ホームとともに老人保健施設の建設を求めますがいかがでしょうか。

介護ヘルパーは高齢者の生活と心の支え。時間削減を元に戻せ

今年4月、訪問介護の生活援助の削減が行われました。60分を44分に、90分を45〜70分への削減です。一人暮らしの視覚障害の方は、週1回のヘルパーさんがつくる手料理を楽しみにしていましたが、時間削減のために、掃除と洗濯だけで、結局料理をやめて出来合いの惣菜になってしまいました。週1回の手料理のささやかな楽しみまで奪われたのです。

ヘルパーステイションの責任者は、「1人暮らしの高齢者にとって社会との唯一の接点がヘルパー。なのに、時間削減でゆっくり話すことも、綺麗に掃除することや手作り料理もできない。食べる楽しみがなくなると生きる意欲も低下し、身体も動かなくなる」と訴えます。
在宅で高齢者が人間らしく過ごすために生活援助は欠かせません。ところが政府・厚労省は介護保険を改悪し、生活援助を保険給付から外し、地域の助け合いやボランティアなどに委ねる方向を示しています。

品川区で生活援助が減らされた人数、総時間数、削減となった介護給付費の総額はいくらか。生活援助が削られた高齢者の深刻な実態を区は把握しているでしょうか。

生活援助は高齢者が人間らしく生きるために欠かせない援助だと考えますが見解をお聞きします。国に対して削減した時間を元に戻すこと、生活援助の保険給付を続けるよう求めて下さい。

区独自に削られた分を補充できる仕組みを作るよう求めますがいかがでしょうか。

雇用破壊がすすむ中、若者の命と健康守る健診制度の創設を

雇用破壊が進み、この20年間で非正規労働者は2倍、全労働者の3人に1人(38.7%)、若者の半数は非正規労働者です。年収200万円以下のワーキングプアーは1000万人を超え、労働者の4人に1人。300万人を越える完全失業者、160万人を越える潜在失業者など深刻です。雇用破壊は、普通に働き生活を自立させ、結婚し子供を生み育てるという人生を送ることができない若者を増大させています。これは、利益最優先の経済界の要求に基づき、労働者派遣法をはじめ、雇用保険法、職業安定法、労働基準法などの改悪によるものです。自民、公明、民主の責任は重大です。

雇用の悪化は、労働者の肉体的、精神的な健康破壊をすすめていますが、多くの非正規労働者は健康診断の機会すら保障されていません。

高血圧、糖尿病、高脂血症、心臓病など生活習慣病が低年齢化しているといわれています。品川区の医師会も健診の年齢格差の是正を求めており、「生活習慣病は若年の時からの発症要因があり、その管理をないがしろにすると、40歳以上になったときにはすでに治療に入らなければいけない状態で年齢を重ねていく」と述べています。さらに、うつや、自殺が増加し、20代、30代の死因のトップが自殺という社会のゆがみが若者に襲い掛かっています。

健康診断を行うことで、疾病を早期に発見して、早期治療や生活習慣の建て直しを進めることが、重症化、合併症を防ぎます。医療費を削減することにもつながります。命と健康を守る健康診断は若者にとってもたいへん重要です。

今回23区調査を行い、なんと20区がすでに若者健診を行っていたことがわかりました。男女の若者健診を行っていないのは、品川区と北区、文京区のわずか3区のみです。しかも、多くの区が健診項目も充実し、胸部レントゲンや心電図、血液検査も特定健診並みに行っています。現在品川区が行っている女性の検診のような簡易な健診でなく、健診項目も充実させた若者健診制度をつくるべきです。

健康診断の機会がない若者に対して、実態調査と区として健診制度を創設するよう求めますがいかがでしょうか。

答弁

区長

1、防災対策について

都市計画道路の防災性の効果ですが、幅員15メートル以上の道路は、避難道路としての機能かつ延焼遮断としての効果が期待できます。国土交通省の調査では、阪神・淡路大震災では幅員が12メートル以上の道路において延焼が防止されております。また、沿道に耐火建築物を建てることによって延焼遮断の効果がさらに向上します。

東京都の被害想定において車両火災を想定していないことについてですが、東京都は「今回の想定では可能な限り被害を定量的により精緻に算定することを目標とした。車両にかかわる被害については、科学的根拠に基づき精緻に算定する手法が確立されていないため、具体的な想定はしていない」とのこと。

耐震化の助成について。大都市における災害は複合的に災害規模を拡大させてしまうため、さまざまな施策を並行して進めることが重要である。無料簡易診断、改修助成の増額につきましては、平成23年度に実施済みであり、無料化や助成のさらなる増額は考えておりません。

初期消火に関するご質問について。消防力強化に関して、東京消防庁では、木造住宅密集地域での大規模火災に対しては、保有する消防車両、資器材を結集して総合的な部隊運用により、被害の軽減に努めるとのこと。区としても、区内の消防力の充実・強化に引き続き働きかけてまいります。

上水道に関して、都の被害想定では、品川区の断水率は元禄型関東地震における52%というのが最大であり、それでも約半数の上水道でスタンドパイプが使用可能と考えられます。また、耐震継ぎ手管への取りかえについて、東京都水道局では、これまでの災害拠点病院等のほか、避難所等の重要施設について優先的に耐震化を進めるとしており、区として取りかえが迅速に進むよう働きかけてまいります。

街頭消火器増設のご提案ですが、第2回定例会において補正予算をご承認いただいき、現在、先行地区である旗の台地区の皆様と意見交換をしながら有効な設置場所の選定を進めているところでございます。

町会単位での初期消火、人命救助に当たる仕組みの誘導、啓発についてですが、町会・自治会を母体とする地域の防災区民組織がまさにその仕組みであり、区といたしましても、従来より総合防災訓練や町会単位での救助訓練など、いわゆる共助の実践的な取り組みに対し、強力・支援を行ってきております。

防災のマップの作成につきましては、消火栓等のデータを消防署が保有していることから、今後、引き続き消防署と協議を進めてまいります。

避難者の想定について。都の被害想定で、区内で発生する避難者の総数を算出している。避難所の収容についても、補完避難所の活用を含めて受け入れを行う計画です。

避難所のトイレにつきましては、発災後もトイレ機能を維持できるよう計画的に改修を進めており、簡易トイレやマンホールトイレなどを組み合わせることにより対応を図ってまいります。食糧の備蓄については、都区の役割分担のもと、都から預託された物資を区内の防災備蓄倉庫で保管しているほか、近隣区に設置された都の倉庫からの調達などにより補充を図ります。備蓄品の追加や避難所環境の向上については、必要に応じ、来年度以降の予算等の中で充実する予定です。

その他の質問については、担当の事業部長よりお答えを申し上げます。

健康福祉事業部長

障害者、高齢者および健診に関するご質問にお答えします。

障害者通所施設の事業報酬についてです。平成18年4月に障害者自立支援法の施行に伴い新しい報酬基準が導入され、施設の利用効率を上げ、できるだけ多くの利用者に対してサービス提供が可能となるよう、月払い方式から利用実績払いに転換され、あわせて、定員を超えた一定の範囲の利用者の受け入れも認められることとなりました。区の通所施設において、利用者は定員を上回っていますが、すべて人員基準・設備基準・運営基準を満たしています。運営している社会福祉法人とは強い連携のもと必要な援護助成を行っていますので、サービスの質は十分に確保されています。したがって、区として国に働きかけることは考えておりません。

生活介護および就労継続支援B型施設の増設についてです。障害者通所施設については、特別支援学校の卒業者数、障害程度の動向などにより適正な受け入れ数を予測し、整備してまいりました。場所や運営事業者のほか、近隣住民の理解など、課題はありますが、今後も必要な施設の確保に努めてまいります。

グループホームの増設についてです。障害者が地域で安定した生活を営めるよう、品川区総合実施計画においてもグループホームの設置は計画事業としているところです。グループホームの利用には、体験型も含め、一定程度自立していることが必要であり、まずは移動支援を利用して外出することや、日常生活の中で1人でできることを増やしていくことが必要です。体験型については、利用状況により空き部屋が発生するため、居住型グループホームのほうが有効と考えています。

特別養護老人ホームの申し込み状況と旧みやこ荘跡地に関するご質問にお答えします。

8月の特養の申し込み者は624名で、要介護度は、要介護1の方が82名、要介護2の方が107名、要介護3の方が186名、要介護4の方が160名、要介護5の方が89名です。次に、2月の特養申し込み者のうち、老健入所中で申し込みの方は142名、うち特養ホームへの入所者は今月18日現在で14名です。

旧みやこ荘跡地への特養および老健施設の建設についてですが、現在、国と用地取得に向け調整をしている最中であり、具体的な建設の内容については検討中です。

今年4月の介護保険法の改正にかかわるご質問です。高齢者が地域で自立した生活が営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」の実現に向けた取り組みを進めるための法改正と理解しております。
ご質問の訪問介護における生活援助の時間区分の見直しですが、今回の改正は、サービス提供の実態を踏まえ、限られた人材の効果的な活用を図り、より多くの利用者に対してニーズに応じたサービスを効率的に提供する観点から行われたものであり、見直しに当たっては、一律に削減することなく、在宅介護支援システムによる適切なマネジメントにより行っているものと理解をしており、必要なサービスが提供されていると考えております。

ご質問の、減となった人数、時間等については、個々の利用者によりさまざまな状況となっており、例えば、曜日によって増・減を行っているなど、非常に複雑な動きであるため、統計処理は行っておりません。なお、利用者の実態については、在宅介護支援センターを中心とする相談と介護給付費通知とあわせたモニタリングアンケート調査により状況の把握をしているところです。

生活援助についての区の考え方ですが、生活援助をはじめ、身体介護、その他のさまざまな介護保険サービスも含めて、その人がその人らしく暮らすためには重要なサービスと考えています。今回も利用者にとってより適切なケアプランの見直しの契機ととらえており、制度をもとに戻すための国への働きかけや区の独自の補充は考えていません。

最後に、健診制度に関するご質問にお答えします。

若年層に対する健診として、現在区では16歳から39歳までの女性の方を対象に実施しております。区の若年層対象の健診が女性に限っているとはいえ、広い年齢層を対象としており、実施内容や予算額においては他区におくれているわけではないと認識しています。若者の健診に関する実態調査の考えはありませんが、若年層の健診のあり方については研究してまいります。

再質問

鈴木ひろ子区議

まず、防災問題についてお聞きします。

根拠といったら、阪神・淡路大震災で効果があった。あまりに私は安易じゃないかと思います。これでは根拠とは言えません。今度起こるところは、時間帯も、街も全く違うところです。私は、根拠として、もっとしっかりと安全なんだということを示すことができない限りはこういう道路は進めるべきではないと思います。

道路がないところに新たに巨大道路をつくるわけです。道路をつくることで車両火災の危険性が出てくる。「車両火災は科学的に算定方法が確立されていないから検証しない」と言いましたけれども、私はこんなことは許されないと思います。そこに住む人にとってはどうでしょうか。車両火災についてはさまざまな実験結果も公表されています。金沢大学の教授らの実験が「道路は車両火災の輻射熱で新たな延焼拡大のリスクがある」と指摘しています。延焼遮断帯といいながら、逆に延焼を加速させ、そのために家が燃えて命が危険にさらされたら、いったいだれが責任をとるのでしょうか。改めて整備計画道路の地震時の車両火災について検証すべきと考えますが、お答えください。

耐震診断の無料化についてです。

火災危険度は23区でワースト1です。最も耐震化を進めなければならないのに、耐震診断の助成は2分の1ということで23区で最低です。8区は無料でやっています。ほかにも8割助成など、品川区よりも助成しています。簡易診断では耐震補強工事に進めません。時間との勝負で耐震化を進めなければならないのに、なぜ他区で行っている耐震診断無料化を品川区でやらないのか、その理由をお聞きします。

次に、障害のある方の通所施設についてです。

今、部長は「必要な施設を整備する」と答弁されました。これは増設をしていくととらえていいんでしょうか。増設をするというのであれば、いつまでにどれくらい増設していく考えなのかをお聞きします。

最後に、若者健診です。

区はそもそも、若者が健診をすることが必要だと考えているのでしょうか。既に23区中20区が男女の別ない若者健診を行っています。16歳から39歳というところも多いです。しかも、健診項目も大変充実しています。医師会の先生方も求めています。なぜ品川区がやらないのか。その理由をお聞きします。

再答弁

区長

再質問にお答えを申し上げます。

まず、遮断効果の根拠です。根拠というのは、実例をもとにして考えるということが基本です。したがって、阪神・淡路大震災のときに国土交通省が調査をした結果というのが大いに参考になると考えています。もちろん、発災の時刻あるいは気象状況によってかなり異なりますけれども、この数字をもって根拠とするところでございます。

延焼の停止率ですが、幅員10メートルから12メートルで60%、12メートルから15メートルでほぼ100%、15メートル以上で100%という効果が出ています。

車両火災の関係です。これは先ほど申しましたように、私どももそういう数値は必要だというふうに思っておりますけれども、東京都のほうでそういう理由で出ていないというのが現実でございます。道路を開くと車両火災が起きるというふうにおっしやいますが、ご質問にもありましたように、消防力向上も急務でございます。しかし、消防力を向上しても、通れる道路がなければ消防車は走れません。したがって、そういう消防力を向上し、道路を開くことによって、その地域の安全が確保されると考えております。

耐震化の問題です。ご答弁の中で申しましたように、震災対策というのはさまざまな方法によってとるべきところでありまして、耐震化ですべてが解決するということではございません。いろいろなところにさまざまな予算を投入して総合的に対応していくというのが施策です。

以上です。

健康福祉事業部長

障害者の適所施設ですが、先ほど、今後も必要な施設の確保に努めてまいりますと申し上げました。適地があれば必要な施設の確保をしていくということです。

若者についての健診の件ですが、生活習慣病予防のためには40歳以上からというのが法律の定めです。それを基本にしているというのが区の考え方です。

再々質問

鈴木ひろ子区議

障害者の通所施設です。適地があれば整備をしていくということで、整備をしていくという方向になったことは1つ前進なのかなと思うんですけれども、適地があったらということよりも一歩進めて、適地を探して整備すると。今こんな状況で私は、本当に早晩受け入れが不可能という状況になることは目に見えていると思います。ぜひとも積極的に適地を探して、計画をつくって増設をするということにしていただきたいと思いますが、その点が1つです。

若者の健診の必要性についてですが、区は健診が必要だと考えていないということなのか、このことを改めてお聞きしたいと思います。こんなに若者の健康がむしばまれている中で、どの区も若者健診は必要だから、しかも、その受け皿がないから、だから区がやらなくちゃならないということでどんどんどんどん健診制度ができて、20区にもなっているわけです。私は、改めてこの若者健診の必要性について品川区がまず認めるというところから出発すると思いますので、それを聞きたい。そして、若者の命と健康を守るためにはどうしても健診制度が必要だと思いますので、もう一度求めたいと思います。

防災問題です。

阪神・淡路大震災のことを区長はもう一回述べましたけれども、NHKスペシャルでも、この火の粉がどこまで飛ぶかということを検証していました。そして、車両火災の検証、これはできないということでは私は済まされないのだと思います。道路づくりの前提なんだと思うんです。車両火災の検証をしない限り、私は道路はつくってはいけないと思います。

だって、延焼遮断帯ということで進めるのにもかかわらず、延焼を拡大するということになったら、これは全くどこが責任をとるんだということになります。私は改めてこの延焼遮断帯の検証は前提なんだということを思いますけれども、前提とは思わないのか。このことをお聞きします。東京都がやらないのであれば、品川区から東京都に対して車両火災の危険性について検証、これは算定方法が化学的にできていないと言いますけれども、さまざまな実験結果が出ているわけですから、こういうところも参考にしながらこの検証をつくるべきだと思います。880世帯も生活しています。

1,300億円もつぎ込んで道路をつくっていくというのではなくて、区民の命と財産を守る住宅の耐震化と初期消火、こういうところを最優先で進めるというところに防災対策を転換すべきだと思いますが、改めてお聞きします。

再々答弁

区長

9月1日のNHKスペシャルのお話が出ましたけれども、あの内容は東京理科大学の関沢先生という方の仮説をもとにシミュレーションしたものでありまして、1人の学者の仮説に基づくものだというふうに思っております。必ずあのようになるというものではございません。

それから、車両火災につきましては、こういう情報は必要だと認識しております。東京都の被害想定、まだまだ足りないところがいっぱいございます。そういう意味では、各区も東京都に申し入れをしておりますし、震災対策の関係の課長会、部長会でも東京都に申し入れをしているところです。しかし、ないからといってこの道路がつくれないということではないと思います。遮断効果があるということが確かなわけですから、しっかりとやってまいりたいと思っています。

ワースト1というお話が出ましたけれども、確かに都内には5,100丁目あります。そのうちワースト10の中に5丁目ございます。5丁目の中に6,599世帯、1万1,896人が暮らしております。この人たちの安全を図ることが品川区の急務であると考えております。

以上です。

健康福祉事業部長

通所施設の適地の問題ですが、区として何もしないということではございません。適地がないかというスタンスで臨んでいくということです。

それから、若者の健診に関する区の考えですが、必要がないとかいうことではなく、生活習慣病予防のための法律は40歳以上という形になっているのでそれに則っているという、そういうことです。

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