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2011年度一般会計決算および国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各特別会計決算意見表明

2012.10.16 いいぬま雅子 区議

日本共産党は、2011年度一般会計決算および国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各特別会計決算の認定に反対します。

国政においては、経済対策も大震災の復興にも手が打てない政治災害ともいえる現状の中、品川区に求められることは、被災者支援に取り組むこととともに、首都直下地震から区民の命と財産を守るまちづくりと、不況の中で困難を極める区民の暮らしと営業を守ることに全力を尽くすことです。ところが区は、防災に名を借りた大型開発の限りなき拡大と都市計画道路計画を推進、商店街、住宅街を壊す計画です。一方、住民税、国保料増税など負担増の中、命と暮らしを守るサービスの削減、受益者負担を強調し利用料の値上げなど負担増を求め、福祉を増進させる自治体の役割を投げ捨てています。

以下、反対の理由を述べます。

第一は、まちづくりの問題です。

火災危険度ワースト1の品川で、求められているのは、住宅の耐震化と初期消火体制の強化など予防体制の徹底による"避難しなくてもよいまちづくり"です。ところが都と区が示す防災対策は、防災に名を借りた大型開発と幹線道路推進です。道路計画は、延焼遮断帯効果を前面に出していますが、車両火災の危険性の検証も交通量の検証もされず、沿道開発も含めると幅約60m〜80m、1100件の3倍〜4倍の住民の生活を一変する街壊しとなります。住民合意のない、道路、開発ではなく、耐震診断無料化と耐震補強工事の助成額引き上げによる耐震化の促進と、消防車の増配備や消火器の大幅増など初期消火体制の強化などで、いまある街を守るために税金を投入すべきです。

第二は、教育改革の問題です。

決算特別委員会開会直前に、いじめによる自殺が区立中学校で起こりました。議会として行うべき事は、いじめの事実と背景、原因を明らかにし、命を守る対策をたてることです。特に品川においては、今年2月と7月、事故との報告でしたが、児童生徒が自ら命を絶つ事態が続き、今回で3件目の子どもの死は重大事態です。3件についての検証が必要と考えます。共産党は、この間、品川区が進める学校選択制と小中一貫教育に見られる競争教育が子どもたちに与える影響の深刻さを取り上げ中止を求めてきました。国連も指摘している「知育偏重の過度の競争教育制度が子どもを『いじめ、精神障害、不登校及び自殺』に追いやっている」との勧告を重く受け止め、いじめ克服に逆行する学校選択制と小中一貫教育の見直しを求めます。そして自分も友達も大切にする共同の学びと、子どもと向き合える教員集団をつくるためにも教員の多忙化の解消に全力を尽くすべきです。

第三は、子育て支援に逆行する保育園保育料値上げの問題です。

区は、保育園増設など待機児解消策が区の財政負担になっていることを理由に、保育料の値上げを提案しました。労働者の賃金が10年間減り続け、増税、公共料金値上げなどの負担増の中、子どもが欲しくても産めない第一の理由は、子育て、教育の経済的負担です。保育料値上げは、歯止めのかからない少子化に追い打ちをかけ取り返しのつかない結果を招きます。また、労働者は働くことで税金を納め社会に貢献しています。子どもは社会の宝です。子育て支援への税金投入は当然であり、生かされた税金の使い方です。自治体の負担増の原因は、国の補助金削減にあり、矛先を保育園を利用する保護者にむけるなど許されません。保育料値上げをやめ、必要とする子どもを全て受け入れる認可保育園増設を行うべきです。

第四は、基金694億円をため込みながら、福祉を後継に追いやっている問題です。

国有地を購入し、上大崎に特別養護老人ホームを建設することは評価します。しかし申請者519人のうち75人しか入所できない実態を重く受け止め、早急に増設計画を立てること、またリハビリ施設としての老人保健施設の増設も急務です。

区民の命を守る住宅耐震診断無料化、子どもの予防接種無料化、若者検診・歯科検診の創設、実施を求めましたが、自己責任、受益者負担を掲げ拒否。23区調査では多くの区が既に実施済み事業です。基金を8億4千万円積み増し694億円もため込み、冷たい区政が浮き彫りになりました。

生活保護バッシングから、保護費の抑制が示されていますが、全国でみても不正とされた保護費は0.33です。最低生活を下回る所得の世帯のうち、生活保護を利用した方々は15%程度です。必要とする人が受けられない実態を直視し、憲法25条と生活保護法に基づく「健康で文化的な最低限度の生活」を求める国民の権利の周知徹底が必要です。

電気料金値上げの中小企業への影響は甚大です。商店街共同装飾灯維持管理補助の増額、町工場への電気代補助など必要です。地元経済活性化のために、太陽光発電システム等設置助成の拡充、住宅リフォーム制度の拡充も求められています。

児童センター、図書館などの見直しが行われますが、財政効率最優先、受益者負担による委託、指定管理者制度の導入、利用料負担増はやめるべきです。

第五は、国の悪政から区民を守る姿勢がない点です。

原発ゼロを一刻も早く実現してほしい。消費税増税をやめてほしい。多くの区民の願いを受け止め、自治体の長として、国に意見を述べるべきです。

放射能被害から区民を守るために、引き続きホットスポット測定と、食材の安全性確保のための測定など切実な要求実現を求めます。

次に特別会計についてです。

○国民健康保険の保険料算定を「住民税方式」から「旧ただし書き方式」に変更したため、障害者、扶養者の多い世帯、医療費が多くかかる世帯を直撃。激変緩和策がなくなれば約2万2600世帯が大幅値上げとなります。激変緩和策の継続と、毎年値上げされる保険料の引き下げこそ必要です。

○後期高齢者医療は、短期証の発行をやめるべきです。

○介護保険の介護認定ですが、要介護1が国の1.7倍と、低く認定されているために、必要なサービスが受けられないという実態になっています。

高齢者、障害者、所得の低い方も、命守る医療介護制度を求めます。

以上意見表明といたします。

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