2012.10.16 南 恵子 区議
日本共産党区議団を代表して南恵子議員が決算委員会で総括質疑を行いました。 テ―マはいじめ自殺問題です。
去る9月26日、品川区立中学校1年生の生徒がいじめを受けて自殺をするという痛ましい事態が起こりました。亡くなられた生徒に心から哀悼の意を表します。
また、慈しみ育てた大事なお子様を亡く されたご遺族には心からお悔やみを申し上げます。かけがえのない命を守れなかったことを議員として本当に申しわけなく思います。二度と再び繰り返させないために、原因究明を徹底的に行い、万全の対策を講じるよう、強く求めたいと思います。
そこで質問します。私は款別審査でいじめ等調査対策委員会に第三者を加えるべきだと主張しました が、さきの質疑でいじめ等調査対策委員会の構成メンバーを新たに構成し直したことがわかりました。評価したいと思います。変えた理由は何だったのか、教えてください。
また、調査結果を報告することは、いじめ問題を許さない学校づくりをするという区の姿勢を示す上で大事です。第1次報告に終わらせず、全事実を報告すべきと思いますが、いかがでしょうか。
まず初めに、亡くなられた生徒のご冥福をお祈りするとともに、残されたご遺族に対し深く哀悼の意を表します。
1間目の調査対策委員会ですが、当初、9月27日の未明に緊急対応としまして教育委員会事務局と学校とで構成員とする委員会を立ち上げしました。夜中ですから、そういうメンバー構成しか調整できませんでした。その後、客観性を持つために、東京都教育委員会と学識経験者1名を追加し、その時点ではまだ、教育委員会事務局、学校も入っていましたが、委員会構成を、学識経験者4名と東京都教育委員会から1名、それとご遺族1名。特に学識経験者4名のうちの1名はご遺族推薦の学識経験者で、6名構成で編成しました。
学校は当事者ですので、このメンバーから外しました。それと、教育委員会事務局は、委員会メンバーから除いて、調査研究、原因究明と再発防止に向けて、事務局として位置づけようということで、より客観性、透明性を担保したことで、こういう運営になったということです。
それと、調査対策委員会の報告の内容すべてということですが、現在、調査対策委員会を開催して、今検討している最中ですので、その後の報告内容をどうするか、またどこまで報告できるかは、調査対策委員会の中での検討の議論を待ってという形になるかなと思います。
ぜひ客観的に透明性を持って区民の信頼を損なわないように徹底的に追及をし、今後の教訓に生かしていただきたい、こういうふうに思います。
さて、8月20日の文教委員会にいじめの問題について資料が提出されました。この品川区立小中学校のいじめ等の状況について、この資料についての説明をお願いいたします。
8月20日の文教委員会の資料の説明をしますが、品川区立小中学校のいじめ等の状況について、大きく分けて2点あります。1点目が、これまでの文部科学省実施の児童生徒問題行動等生活指導上の諸問題に関する調査。今までずっと文部科学省の指示で調査していた数値を説明しました。この数値は、例えば平成23年度の数値で言いますと、小学校のいじめ認知件数、17件、平成23年度が17件、それと1校当たり、全体の校数で割っていますから、1校当たりの件数が0.45件、品川区ですね、中学校が認知件数が品川区が25件、平成23年度、1校当たりの件数が1.67件ということで報告してあります。当然平成20年度、平成21年度、平成22年度も報告しています。
ただし、これは、その箱の中の※で欄外に書いてありますが、文部科学省による結果公表は9月ごろになります。要は、年度が終わって、平成23年度が終わって文部科学省が9月ごろ公表するという形の数字です。ですから、平成22年度、平成21年度も、年度が終わったらまとめて報告する数字というふうにご理解ください。
2点目は、品川区が単独で実施している「いじめ月例報告およびいじめにつながる可能性のある事例件数」です。2つあります。品川区の実施のいじめの月例報告の件数は、毎月単位、先ほど年度でまとめてというお話をしましたが、毎月報告してもらっている数字があります。
それで、毎月に報告してもらっていますが、年度末で文科省の報告に年度末にまとめてするときには、毎月の報告の時点ではいじめだと学校が判断して、件数を入れていたけど、実際に調べてみたら、一過性のけんかだったとか、単なるからかいだったということで、月例報告ではカウントしているけれども、文科省の報告ではそのカウントを削除した数を報告しています。それ以外に、今回大津の事件があって、件数が多いとか少ないを教育委員会は問題にしていないので、逆に数があれば、いじめにつながる可能性があるものは全部学校のほうで調査して、洗いざらい上げてくれというような指示を、通知文書でもしましたし、電話でも督促しましたので、それがいじめにつながる可能性のある事例件数というのが、平成24年の4月1日から7月20日までで、小学校の月例報告が38件。平成24年4月1日から7月20日までが、月例報告というのはさっきの毎月報告して、いじめでも調べていったら一過性のけんかだったという数字ですね、それが38件。それと中学校が12件。合わせて50件。
それ以外に、いじめにつながる可能性のある事例件数というのは、これも難しいですが、いじめの手引きの4ページに、第1段階というのは、遊び、けんか、冗談というのでも、いじめの可能性がある。あるいは、第2段階で、悪ふざけ、物を隠す、壊す、からかい、仲間外れというのも、もういじめに一部入っている場合もあるということと、それプラス、いじめの手引きの6ページに22項目、学級担任のいじめ早期発見のチェックポイントの活用をしているかというので、22項目上がっています。これも毎回答弁しているように、筆圧が弱くなるとか、飼育動物という、要は本人がアンケートで答えなくても、学級担任が様子を見ていて、変化があって、もしかすると何か変化があったのかなというのも入れてくれという数字がいじめにつながる可能性のある事例件数で、小学校が80件。先ほどの4月1日から7月20日までは一緒ですから、80件、中学校が42件、合計126件。先ほど話したいじめ月例報告と加えると合計で176件という説明を文教委員会で説明させていただきました。
今確認をしましたが、今次長がご説明していただいたものが、平成23年度がこれですね、合わせて42件。そして、平成24年度は、4ヵ月弱の間で小中合わせて50件。そして、いじめにつながる可能性のある事例件数としては126件。合わせると176件という、こういう数字ですね。
ありがとうございました。
それで、私はここの数字と平成23年度、ここの4ヵ月弱の数字、ここを見たときに、1年間で42件だけれども、4カ月弱で50件になっているという、この事実をやっぱり注目しなくちゃいけないと思います。それで、可能性のあるもの126件含めると、178件、前年度の幅、大幅に上回っている、こういう状況が言えるのではないかと思うんですが、区はこの数字をどういうふうに見たのか、説明をしていただきたいと思います。
そして、176件に対して区はどういう取り組みをしているのか、ここも伺いたいと思います。
また、2月には1件、1人の方が亡くなられました。7月にも1人亡くなられました。合わせて3人の子どもが亡くなるという、大変な事態だと私は思います。しかもこの3人の方々の死はこの176件には含まれていなかったわけであります。深刻な実態を区がつかめていなかったということ、区はどういうふうに考えているのでしょうか。アンケートにあらわれていないいじめについて、今後どう把握しているのかを伺いたいと思います。
先ほども説明しましたが、件数が少ないから学校が荒れていないとか、件数が多いから学校の指導力が不徹底だということを基本として、この数字で判断するということを教育委員会はしませんと、学校に話しています。先ほども話したように、今までは見てのとおり、東京都全体よりも品川区は少なくなっています。でも、数字が少ないことがいいのではなくて、もっと予防も含めて拾い出して、いじめにつながる可能性のある事例をいっぱい拾い上げて、それに対しての予防策をとるということを重視してやったということなので、この数字はあえて次から次、もう1回追加で出せ、もう1回追加で出せとやった数字なので、その数字が高くなっているから、いじめが増えているから、それについてどう考えるのかと質問されても、あえて予防をしたいので、学校のほうに督促、督促、追加、追加で出させた数値なので、その辺を解釈していただきたいと思います。
次長はそういうふうにおっしやいますけれども、しかし、現実に子どもが3人亡くなっておられる。
そして、どこの学校にも、残念ですけれども、いじめの実態がある。こういう現状をどう見るかということが大事だと思うんです。その状況の中で、教育委員会はどういう対策をとるのか。二度と再び、みずから命を絶つという痛ましいことを絶対にさせない、そういう対策がどういうふうにとられているのかということを聞いています。答弁してください。
これはもう繰り返し答弁しているように、原因究明と再発防止を、根絶を含めて、これはもう教育 委員会の使命というふうに理解しております。考えてもおりますし、行動もしております。
それで、今回のこの対策の状況ですが、ここの入ってきた数値については、深刻ないじめで、即出席停止その他の事案というのはこの中には特に入っていなかったと考えておりますので、ご指摘のように、今回の事件がこの中に入っていなかったということは事実でございますが、この中にそれ以外に深刻な事態があったというふうには受けとめていません。
深刻な事態があるとしたら、それをしっかりと手当てをする、それが大事なのに、なかなかそこは見えないじゃありませんか。説明もないじゃありませんか。どうなっているんですか。もう1回、答弁していただきたいと思います。
そして、款別審査で我が党議員が、なぜ予兆をつかめなかったのかという質問に対して、先生のコミュニケーション能力を高める必要があると答弁しました。それだけでは私は解決しないと思います。
教育委員会が学校教育に携わる先生を全面的に支援することなしには、こういういじめの実態、子どもが置かれているつらさ、そこをつかめないのではないでしょうか。
そこで、私は改めて先生の勤務実態について質問したいと思います。先生の勤務時間は朝何時から夕方何時までなのか。そして、休憩時間は何時か。その休憩はきちんととられているのか。まずそこを伺いたいと思います。
教師の勤務時間につきましては、学校長の裁量で、判断で勤務時間が決められるという規定になっています。一般的に言いますと、33校中31校が8時15分始まりで、16時45分ということです。
大体、小学校の場合は、給食も給食指導という勤務時間に入りますので、通常だと夕刻、一応落ちついた段階で休息時間をとるという形になっています。
中学校についても、大筋10校中6校が8時15分始まりで、16時45分と、ほぼ小学校と同様です。当然休憩時間は取得しているという状況です。
先ほど質問した教育委員会の具体的な対応、これについては答弁漏れですので、後で必ず答弁してく ださい。
引き続き、先生たちの休憩はとれているという話でした。しかし、大体6時間授業、どこの学校でも行われていますが、この6時間授業が終わるのが大体4時45分、6時間授業が終わるのが、低学年が15時45分、高学年は15時55分という状況です。その後に休憩時間だというふうに具体的には聞いています。しかし、学活をしたり、あるいはさまざまな教員同士の打ち合わせをしたり、なかなか休憩はとれていないと聞いていますが、そういう認識を区が持っておられるのか、そこをまず聞きたいと思います。
それから、いろいろな地域から毎日のように、夜9時過ぎまで職員室の電気がついている、こういう声を聞きます。私もそういう実態をつかんでおります。残業は1人当たり何時間行っているのか。最も多い人の残業時間はどのくらいなのか。同時に、先生の年休取得は何日なのか。土日出勤している先生は何人いるのか。ぜひこの点についても報告をお願いします。
それから、一緒に言いますが、土曜授業が始まっていますけれども、土曜授業の代休というのはとれているのか。この点についても教えてください。
まずいじめの防止対策ですが、9月5日にいじめ防止に関する手引書の説明会を全教職員、日野学園に集めてやりました。いじめの手引き、文科省の通知を基本としていますが、品川のアレンジというんでしょうか、それも入れていますので、教職員、用務、すまいるスクールもすべて含めて、要は学校全体でいじめを防止しようという形の研修を実施して、全部お配りしています。
それと、当然、保護者もいじめの手引きももちろんお渡ししていますけれども、保護者が自宅でお子さんの様子を見るというチェックリストというのも保護者にお渡ししております。
それと、今回こういう事態なので、実際に教育委員会が回ることはできませんでしたが、関係の地域の方々、例えば町会長、自治会長、保護司会、あるいは青少年の対策の地区委員会、主任児童委員、民生委員、そのような該当のところに本来ですとこのいじめの手引きを持って、地域、例えば公園だとか、コンビニの前だとか、いじめだとか発見したり、あるいは学校は特定できないけど、何か不思議な感じだったよというんだったら、学校が特定できれば学校でもいいですし、教育委員会に第一報くれれば、大至急調査して対応しますという地域への協力依頼というのを出したということです。当然、教育委員会も、学校だけじゃなく、教育委員会は教育委員会としてのネットワークを持って、行政、地域、学校、すべてが一体となっていじめの防止の取り扱いを、防止に努めていくということを本当に必要な事態というふうに考えていますので、引き続き努力していきたいと考えております。
それと、教員の勤務実態でごすが、これも款別審査でお話ししたんですが、教員は超勤がありません。教育調整というので、4%給料がその分行政職と違って上乗せになっています。だから、超勤の時間を、超勤の時間をといっても、超勤の時間は給料に賄われています。それで、4項目例外があります。申し上げます。1、生徒の実習に関する業務。2、学校行事に関する業務。3、教職員会議に関する業務。4、非常災害等やむを得ない場合に必要な業務ということに限定されていますので、超勤の実態、超勤の実態と言われましても、この項目で超勤している実態はありませんので。
それと、年休の取得ですが、1人当たりの年休休暇取得は、管理職を除く教員で平均取得日数は11日間でございます。それと、指導課長が教育費の款別で答えたのは、管理職プラス教員プラス栄養士プラス事務を入れますと、年休取得率は9日という形になります。
それと、週休、土曜日授業のある場合の振替は、1人平均で年間8.6回という形になっています。
教育職という先生たちのこの勤務というのが、疲れが回復できないような、仕事がいっぱい重なって、土曜日や日曜日も出勤しなくちゃいけないような、そういう状況をやっぱり解消することが私は1つこのいじめ問題を解消する大きな条件だと思うんです。
したがって、先生方の勤務実態について伺っているわけですけれども、超勤、そういうふうにはならないからという、そういう説明でしかありません。甚だ先生たちの実態をしっかり掌握して、子どもたちに目が行き届く、そういう状況をつくるように私はするべきだと思うんです。そういう姿勢が見られませんね、教育委員会、残念ながら。私はもう少し先生たちの仕事をしている実態というのをしっかりつかんでいただきたいと思います。
そして、土曜日の代休について、とれているのか、とれていないのかということでは、8.6回振替だというふうに言っていますが、これはとれているという、そういう認識だということでいいんでしょうか。うなずいているからそういうふうに理解をいたしますけれども、しかし、とれていても、よく聞くと、夏休みだとか、冬休みだとか、そういう長期休暇のときにあわせてとっているという、こういうふうに聞いていますが、その事実はつかんでいるかどうか、それだけちょっと伺います。
とっております。それと、大体夏休みが、教員の特殊性というのは、ふだん授業が組み込まれていますので、どうしてもとれる時期というのは夏休みに、土曜日授業、ですから、土曜日授業の振替をとるというのが、原則的にそういう形が多いというのは承知しています。ただ、できるだけ教育委員会のほうも、研修だとか、そういう形で休みづらいようなものは夏の時期には持っていかないような工夫も配慮もしているという状況です。
私は先生の多忙化、土日もなく出勤しなくちゃいけない、翌日の授業の準備をする時間がそういう時間しか確保できない、こういう現状を改めるべきだと思うんです。なぜならば、先生が忙しくて、子どもと十分に向き合って、子どもの状況をつかむ、そういう努力ができない。そこをこそ解決しないと、いじめの根絶につながっていかないと思うんですね。それで、例えば忙しいということで、子どもと向き合う時間さえあれば、やっぱりしっかりと子どもの状況がつかめると思うわけです。先生が負担が増えるということは、いじめに気がつかなかったり、学校評価が下がることを恐れて隠蔽する方向に向かってしまうのではないかという、そういう不安、心配があります。そういう点で、ぜひ私は学校の先生一人一人が、すべての子どもに目が行き届く、そういう方向にしっかりと改善できるように教育委員会が支援していただくことが今一番大事だと思いますし、このことがいじめの克服につながる唯一の道ではないかと思います。
もっとほかに質問したかったんですが、時間がきましたので、終わります。ありがとうございました。