2013.03.18 鈴木 ひろ子 区議
日本共産党区議団を代表して意見表明を行います。
2013年度の一般会計、及び国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各特別会計に反対します。以下理由を述べます。
第1は、区は防災対策を最重点課題と掲げましたがその内容は、防災の根拠も示せず、区民の合意も得られない補助29号線などの特定整備路線の推進と今年97億円もの税金を投入して際限なく進める超高層ビルの開発が中心です。
防災を口実にした大企業、大手ゼネコン応援の予算と言わざるをえません。
最重点にすべきは、火災による焼失率32%と全都最悪の被害想定となった首都直下型地震から区民の命と財産を守り、被害を未然に防ぐ予防第一の防災対策です。ところが、住宅耐震化の助成の増額はなく、新たな計画で木造住宅耐震化年間560棟目標に対して、改修、建て替え、除却合わせてもわずか90棟、昨年実績の126棟をも下回る予算です。初期消火対策も街頭消火器が火災危険度4と5の丁目が58丁目もあるのに、わずか2丁目・310万円の予算。スタンドパイプの増配備もありません。区民の命と財産を守る防災対策になっていません。
第2は、福祉の充実を求める区民の切実な願いに逆行する予算になっていることです。
国民健康保険は、2011年に保険料算定方式が旧但し書き所得方式に変更されたことによる負担増に対する経過措置が今年度終了。約2万人が大幅値上げになります。年収250万円3人家族モデルで、22年度13万4000円から25年度には22万8000円に、3年間で9万4000円もの過酷な保険料値上げです。
一方区は今年初めて今まで繰入続けてきた一般財源を3億2000万円も削減します。保険料を払えないために保険証を持てず、医療にかかれず手遅れで命を落とす事態が広がっています。一般財源は削減ではなく増額し、保険料の引き下げこそすべきです。
後期高齢者医療制度は、国が負担割合を減らしたために国保からの支援金を増やし国保料値上げの原因となっています。年齢で差別する制度は廃止するよう国に求めるべきです。
特養ホームが杜松小跡、平塚橋会館跡、旧みやこ荘跡と増設されることは評価します。しかし、今年2月の締め切りでは634人と昨年8月より100名も待機者は増えました。高齢者人口の増加が見込まれるなか、計画的な増設を求めます。
国が生活保護費の削減を打ち出す中、区も法外援護などを削減し1億2000万円を浮かしたと誇っていることは許せません。生保基準の引き下げは40事業にも影響。低所得者の暮らしをさらに困難にする基準引き下げの中止を国に求めるべきです。法外援護も元に戻し、最後のセイフティネットである生活保護制度を必要な人すべてが受けられるよう対策を求めます。
若者健診制度が創設されたことは評価します。しかし、35歳から5年間と対象が狭く、更なる年齢の拡大、歯科検診など拡充を求めます。学校における尿検査のバーコード化は工夫すれば個人情報保護は可能です。実施を求めます。
今年、認可保育園に申し込んで希望園に入れない子供は632人。区が民間の保育園を誘致しても足りません。児童福祉法第24条では「保育に欠ける児童は、保育所において保育しなければならない」と自治体の責務を定めています。希望する子供が全員入れる認可保育園を区が責任を持って増設すべきです。
保育料値上げが今年4月から実施。D16階層以上を対象とし、3600万円の負担増をさせるものです。子育て支援に逆行するものであり、やめるべきです。
すまいるスクールや児童センターの民間委託や指定管理者制度導入は行わないよう求めます。
第3は、長引く不況の中で倒産や閉店の危機に追い込まれている中小企業への支援が不十分なことです。消費税増税は中止するよう国に求めるべきです。生鮮三品店と買い物弱者への支援は評価します。更なる具体化を求めます。
商店街装飾灯の電気代補助は恒久対策とし、東電が昨年値上げした分を上乗せ助成すること。LED化に区としても助成し、積極的に導入を支援するよう求めます。中小企業支援では、ものづくりに欠かせない技術とネットワーク継続のための支援を求めます。
第4は、区は、「いっそう行革を進める」とし、福祉の削減や区民サービスの切り捨てを進め、その結果基金を600億円超ため込んでいることです
厳しいといいながら、毎年当初見込みより100億円以上の基金の積み増しが続けられていることが明らかになりました。区民の厳しい暮らし応援、福祉の充実にこそ使うべきです。
最後は教育の問題です。
いじめ解決のためには、まず子どもたちの命、心身を守りぬくことを最優先に取り組むこと、さらに教職員の多忙化を解消し子ども一人ひとりを丁寧にみられる少人数学級、養護教諭の増配置など条件整備が必要です。子どもたちに過度のストレスを与えている競争教育を変えること、学校選択制や小中一貫教育の住民参加による検証を求めます。小規模校を理由とした統廃合はしないよう求めます。
今回初めて「区長と教育委員会の懇談会」が制度化されました。歴史の教訓から、教育委員会が首長部局から独立して設置されていることを鑑み、行政からの不当な介入をしないよう求めます。