2013.10.25 鈴木 ひろ子 区議
日本共産党区議団を代表して意見表明を行います。
平成24年度の一般会計決算および国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各会計決算に反対します。理由を述べます。
安倍自公政権が、消費税増税と社会保障切り捨て、ブラック企業を拡大する労働法制改悪、原発汚染水漏れ・再稼動、TPP締結、憲法改悪など国民の願いに背を向けた政治の暴走を加速。区長は、消費税増税についても原発汚染水問題についても「一自治体の長として意見を述べるのは差し控える」と述べるなど区民の暮らしや健康を守る姿勢がありません。昨年自公民が通した社会保障制度改革推進法は社会保障の理念を自己責任に変質させ、医療や介護、年金の負担増と給付の削減をかつてない規模で行うもの。区がこれを「具体化していくことが大切」と述べたことは許せません。品川区に求められるのは、地方自治体の本旨にのっとり、国の悪政から区民の暮らしと福祉を守ることです。
以下指摘します。
第1は、財源も用地も十分あるのに認可保育園、特養ホームなど区民の切実な願いに冷たい品川区の姿勢です。
区は、区立認可保育園の増設には、「将来の財政負担」を理由につくらないと答弁し、特養ホームも「みやこ荘跡」後の増設計画がありません。財源については、区の基金が当初予算より156億円も多い699億円余になることが明らかになりました。区長は「日本一の健全財政」と誇っています。用地も売却予定の国有地が区内に27,000u、学校跡地、建て替え予定の区営住宅など十分あることが明らかになりました。財源も用地もある。区は、区民の切実な願いに応える姿勢に転換し、区立認可保育園、特養ホーム、障害者施設、区営住宅や公園などをつくるよう求めます。
第2は、防災を理由に進める超高層ビルと都市計画道路の建設の問題です。
超高層ビルの再開発では、開発マンションに入る人も、出て行く人も、自分の家や土地がいくらになるのか、出ていく場合の土地や家がいくら保障されるのか全く分からないまま、開発を進める同意書に印鑑を押すことを求められていることを告発しました。区は「仕組みの中でたんたんと進める」と答弁。あまりにも乱暴です。
さらに、超高層ビルの防災上の危険性が指摘されています。超高層ではなく、計画を白紙に戻し、一から地域住民とともにその街にふさわしい街づくりを検討する姿勢に変えるべきです。
都市計画道路は、防災に効果ありとする根拠としてきた補助29号線のシミュレーションが、わが党の求めに公表されました。このシミュレーションでは1491棟が延焼する豊町1丁目の場合、道路整備後も1218棟が延焼するという結果です。しかもこの設定は、風向きは道路に直角、風速は最大8m、火の粉も飛ばない、道路上には車も一台もないという現実離れしたものです。これでは防災に効果ありの根拠にはなりえません。820億円もの税金を投入しながら、防災の効果はなく逆に車両火災など危険を呼び込み、商店街や長年築き上げてきたコミュニティを壊す補助29号線、さらに放射2号線、補助28号線は測量を中止し、白紙に戻すべきです。防災対策は、耐震化90%の目標に対してわずか2%と遅れている木造住宅耐震化助成の増額、外壁耐火パネルの設置拡充、火災を防ぐ感震ブレーカーの設置助成やスタンドパイプやトイレが使えるよう上下水道の耐震化こそ急ぐよう求めます。
3点目は、社会保障です。
24年度は、国保料、介護保険料、後期高齢者医療保険料のトリプル値上げが区民を襲った年です。区は国保の短期証や資格証の発行を減らしましたが、差し押さえが増加、連絡がつかないままの強行はやめるべきです。介護保険では、要支援のヘルパーの時間削減が行われました。さらに要支援者の介護サービスはずしや特養ホーム対象者の重度者限定などが狙われており、許せません。後期高齢者医療制度は、医療が必要となる高齢者を75歳で差別する制度であり、医療費の増加が直接保険料に跳ね返る仕組みです。廃止こそすべきです。生存権を脅かす生活保護の扶助費削減は元にもどすべきです。就学援助金などに連動しないよう対策を求めます。
4点目は教育の問題です。
小中一貫校に通う子供が3人自ら命を落とすという痛ましい事件が起こり、一人はいじめが原因でした。2度と繰り返さないために、教訓として学び、日々の教育に生かす対策を求めます。教職員の多忙化解消、少人数学級、養護教諭の複数配置、スクールカウンセラーの常駐化など条件整備が必要です。学校選択制や小中一貫教育は中止するよう求めます。
その他、歯科検診の啓発と年齢拡大、コミュニティバスを病院や公共施設、商店街や駅などを結んで運行させること、生鮮3品店などへの支援と商店街装飾灯の電気料金値上げ分の補助金増額など商店街支援の強化、南品川と東大井など公衆浴場のない地域に風呂に入れるための支援など区民の切実な要望に応えるよう求めて意見表明とします。