2013.10.16.南恵子 区議
品川区の財政と建設に必要な土地は十分にあることがわかりました。そこで、特別養護老人ホーム、認可保育園、知的障害者通所施設、区営住宅、公園など、区民が切実に願っている施設の増設計画をつくるよう求めます。
日本共産党品川区議団を代表して総括質疑を行います。
まずはじめは、私南恵子が行い、引き続き、石田ちひろ委員が行います。よろしくお願いいたします。今回の決算審査で、品川区には、土地もお金もあることがわかりました。売却予定の国有地、学校跡地、区営住宅の建て替え、そして、区の貯金、基金残高は699億6,700万円。認可保育園に入れない子ども、特別養護老人ホームに入所できない高齢者が大勢います。私は、特別養護老人ホームや保育園、障害者福祉施設などの増設計画を一刻も早くつくってほしい、区民の皆さんのこの願いを受けとめて、質問をいたします。
まずはじめは、国が売却を予定している土地、区が用途を終了して現在暫定活用中の学校跡地、また、建て替え予定の区営住宅について、どこにあるのか、何uあるのか伺います。
まず、国有地ですが、今、品川区内に国家公務員宿舎の廃止予定が5カ所となっています。それについて順次、提示されていきますが、今現在、南品川にある品川寮が提示されていまして、これについては、保育園で活用ということで、国に返答しています。
その後については、まだ順次されていくことで、全体で約2万7,800uあります。場所は、南品川が2カ所、小山台が2カ所、それから豊町が1カ所です。別途、厚生労働省から、東五反田にあります旧品川社会保険事務所の跡地、約360uについて照会がありました。これにいては、高齢者施設での活用を前提で検討している旨、行財政改革特別委員会に報告しているところでます。
それから、活用については、議会等に報告しながら進めていく考えです。
それでは、住宅のほうはわかり次第、お知らせください。私もパネルを用意いたしましたので、紹介したいと思います。
区のほうでつくった、公営住宅等の長期事業計画の中では、老朽化を迎えた中で、今後検討すべきということで、西中延、西大井六丁目、南大井一丁目、西大井、第二西大井ということです。全部で5棟ということで考えています。
学校跡地ですが、旧第一日野小学校が7,600u、旧荏原第四中学校跡地が8,500です。
ようやく材料が出揃いました。特別養護老人ホームや認可保育園などをつくるには、土地がある、このことがわかりました。これだけの土地をどのような区民要望に使うのか、ここが大事なところだと思います。区長の姿勢が問われるのではないかと思います。
そこで次に、区の財政状況について伺います。区民税と特別交付金の決算額は、当初予算額より増えています。どのくらい増えたのか、増えた理由を伺います。
まず、特別区民税のほうですが、当初予算よりも23億3,300万円余の増です。増加した要因は、一人当たりの給与所得等の上昇、あるいは納税者の数自体が増えたこと等によるものです。
それから、特別区財政調整交付金の予算との比較ですが、当初予算に比べて38億2,500万円余の増です。増加の理由については、主に普通交付金について、交付金の原資でる調整3税が増えたことに伴って、基準財政需要額を再算定した結果が主な理由です。
平成24年度の基金残高は699億6,700万円になったことが決算審議でわかりました。平成24年度当初予算の見込み額は543億円でしたが、これが156億円も増えています。なぜこんなに増えたのか伺います。
まず、増えた要因の第一番目は、推計の試算をしたのが、予算の編成時ですが、実際の平成23年度末には、出納閉鎖時点で取り崩さなくていい基金もありましたので、そこで54億円ほど多くなっています。それから、平成24年度に生じた理由としては、年度の最終段階で33億円ほど追加で基金を積み立てたこと、そして一番最後の段階で、歳出面の不用額と、あるいは、財政の収入面の増があった関係で、70億円ほど基金を取り崩さなくて済んだ分、それらを合わせて150億円余の差ということです。
区民税も特別交付金も増えているということ、そして、基金残高が、今説明があったような状況で、取り崩さなくて済んだということで積み増しができたと、そして699億円にも上ったという、こういう状況です。したがって、区の財政も随分余裕があるんだということが、改めて実感できます。
最初の質問で、土地もある、そして今の質問では財政力もある、あと切実な区民要望をかなえようとする区長の姿勢があれば実現できます。そこで、私は切実な区民要望の実現を求めて、保育園の増設と、待機児解消を求めて保育園の増設と、特別養護老人ホームと老人保健施設の増設、この質問をさせていただきたいと思います。
まず、認可保育園の増設の問題です。子どもを預けて働きたいのに入れない、泣く泣く仕事を辞めた方、また、育児休職制度を取ると収入は大幅に減ります。でも、仕方なく育児休職制度を延長して、入れるまで待つなど、毎年保育園に入れないために泣かされている区民がたくさんいらっしやいます。
私も、かつて保育園に子どもを入れて働き続けたい、そういうことでほんとうに苦労をした、同じ立場の女性、母親として、ほんとうに今の状況は心が痛みます。認可保育園の増設で、待機児解消を求めていきたいと思います。
女性にとって、女性の就労や社会参加を保証するために、認可保育園というのは必要な施設です。私は、さきの本会議で、一般質問で、長期基本計画の中間見直しに区立認可保育園を書き込むよう求めました。区は、記載する考えはございません、こういう答弁でした。
そこで、区立認可保育園を計画に入れない理由は何かと質問すると、区は、将来的には財政負担になると言いました。なぜ将来の財政負担を理由に区立の認可保育園をつくらないのか、改めて伺います。
保育園の今後の開設について、財政負担との関係の問題ですが、将来の人口推計については、平成27年度にピークを迎えると。その後、乳幼児人口につきましては減少に転じるものの、保育園の申込み率が上がると見込まれるので、しばらくは保育ニーズは高どまりになると、このような流れの中で、保育ニーズというのが、かなりの期間続くだろうと、そうなりますと、当然、財政負担が課題になるのは明らかであります。そのような意味で、本会議でご答弁申し上げたところでございます。
将来の財政負担を理由に保育園をつくらない、そういうことを、私は聞いたんですけれども、今のご答弁では、なぜ保育園をつくらないのかということ、お金がかかるからつくらない、こういうことでいいわけですか。もう一度、そこのところをはっきり伺いたいと思います。
私は、保育園をつくらないという答弁をした覚えはございません。あくまでも総合的な待機児童対策として、認可保育園、認証保育所、そして保育ママ、こういったものを総合的に積極的に取り組んでいくというふうに申し上げているところです。
区民の皆さんは、認可保育園をつくってくれと、こういう要求です。保育ママではないんです。保育ママを希望される方もいらっしやいます、しかし、大半の方たちは認可保育園なんです。認可保育園をつくらないのを、財政負担がかかるからとおっしやいますけれども、区民は、そういうことはとんでもないというふうに思うんじやないでしょうか。では、財政負担とは何ですか。人権費なんですか、土地購入費でしょうか、それとも日常的な運営費なんですか、どこなんでしょうか、伺います。
認可保育園に係わるお尋ねですが、先ほどから申し上げているとおり、民間事業者の開設支援をしているわけですが、認可保育園を品川区でつくらせないというようなことは、一切申し上げておりませんので、その点だけはしっかりと確認していただきたいと思います。
区立の認可保育園、ここをつくらない、財政負担だと、ここがわからないと言っているんです、理解できないと。もう一度ちょっと質問したいと思いますけれども、お願いします。
先ほど、認可保育園というふうにおっしやつていまして、今度は区立認可保育園というふうに訂正されましたけれども、私どもは、幼保一体施設を含めて、認可保育園もつくってきました。平成27年の7月前後に開設予定の御殿山幼稚園が移転に伴う2カ所の施設についても、幼保一体施設、あるいは、今のところ、保育所型認定子ども園として開設するというふうに、委員会でご報告してきたところです。
財政負担の中味についてもお尋ねですけれども、保育園の経費というのは、人件費、事業費等々あります。ランニングコストもあれば、イニシャルコストもあります。そういったものを総合的に申し上げたところです。
しかし、私はやはり、多くの区民の皆さんの切実な願いである認可保育園、とりわけ長期基本計画に一言も触れてない区立認可保育園、ここをしっかり計画に組み入れてやるべきだと、しかも土地はあります、財政力もあるんです、このことを強く求めておきたいと思います。
そして、次の質問につきます。特別養護老人ホームと老人保健施簸です。区は、特別養護老人ホーム増設を3カ所計画しましたが、いつ、どこにできるのか、入所可能数は何人なのか、教えてください。
特別養護老人ホームは、現在、3カ所予定しております。いつ、どこにということですが、平成26年12月に杜松小学校跡地、規模は29人です。それから、平成28年5月開設は、平塚橋会館跡です。こちらは特別養護老人ホームは100人の予定です。
それから、今計画中ですが、旧みやこ荘跡地、こちらは平成29年度の開設予定でして、特別養護老人ホームは100人程度という予定です。
3カ所合わせて229床ということでいいのかどうか、後でいいですから、答弁をお願いします。
そして、平成24年度第2回の特別養護老人ホームの申込み状況について、伺います。介護度別と、年齢ごとの申請数、そして入れなかった数、何人でしょうか。
三つの施設での合計は、229床です。ただし、みやこ荘につきましては、まだ規模が確定しておりませんので、プラスアルファが若干あるかもしれません。
特別養護老人ホームの入所状況ということですが、平成24年度全体でまとめさせていただきますが、入所者の合計は243人でございます。要介護5が35人、要介護4が83人、要介護3が102人、要介護2が20人、要介護1が3人ということです。年齢別は、100歳以上が7人、90歳代が82人、80歳代が127人、70歳代が24人、60歳代が3人という状況です。
入れなかった数はわかりますか。
第2回の申込み者数が584人で、それの入所者につきましては132人ですので、差し引きいたしますと、452人が入所できなかったということになります。
第2回のこのときの募集数というのは、かえで荘の改修が終わったので、その分いつもより多かったのではないでしょうか。それでも452人が入れませんでした。区はこれから3カ所つくり、229床プラスアルファかもしれないと、先ほど、答弁されましたけれども、今回入れなかった数の半分に相当する方しか、受け入れ枠がないということですよね。これで足りていると言えるのかどうか、見解を伺います。
現在は653のベッド数ですが、これに229床が加わります。1.35倍ということで、かなりのベッド数が増えることになっておりますので、それに応じてかなりの方が入所できるようになると考えているところです。
聞いたことにまともに答えていただけてない、そういうふうに思います。今回の入れなかった数、そこから見て、これからつくろうとしている数を比較してみると、もう半分の方しか入れないという、こういう現状をどういうふうに見るかという質問をしました。もう一度、大事なところなので答弁ください。
入れなかった方は、順番がきてお声をかけても、今は結構ですと改めて断る方もいらっしやいます。そういう意味では、450人の方全てが全て、一たんは申込みをしておりますので、希望はされているわけですが、実際にその場面になってみると、もう一度考えてみたり、あるいは、ご本人の気持を確認してみると、まだ在宅で頑張るとか、施設はちょっとやめるというような方もいらっしやいます。そういう意味では、たくさんの方がいろいろな希望を抱えておられますので、450人の方が一律の考え方をとっているというふうには、私は思っておりません。
そういうふうにおっしやいますけれども、しかし、特別養護老人ホームに入りたいけれども、入れなかったということで、やむなくお金を負担して施設に入れるとか、あるいはやむなく病院に入院するとか、そういう方たちがほとんどじゃないですか。
今、部長がご答弁された、断るという方は、この452人のうちの何人なんでしょうか。そういうふうにご答弁されるなから、改めて伺いたいと思います。
私は、一人の方の大変な事例ちょっと紹介したいと思いますが、がんの治療をしながら、91歳になる認知症で要介護2のお母さんを介護している60歳の娘さんから相談を受けました。毎朝4時に起こされる。警察や病院、薬屋さん、銀行などを訪ね回るために、娘さんに問い合わせが相次いでいる。排泄がうまくできず、おむつを脱ぎ捨て、手近なタオルでふく、毎朝出勤前にお風呂にお母さんを入れても、すぐにもらしてしまうなど、もう毎日くたくただと。この方は、特別養護老人ホームに入れたのかというと、この間の申請では入れませんでした。
こういう方は、今ほんとうに大勢いらっしやるんです。こういう現実をしっかり直視すべきだと思います。必要な方は入っている、足りているとおっしやるけれども、こういう現状を見たときに、ほんとうそういうふうに言えるのか、改めて伺いたいと思います。
例に挙げられた方は、具体的にどういう方か承知できませんので、なかなかお答えが難しいわけですが、特別養護老人ホームという福祉施設の場合、医療介護には一定の限界があります。したがいまして、医療依存度がどのくらい高いのかというようなことも含めて、その方が必要な介護施設、あるいは医療施設というものが、どういうものかということが変わってきますし、また、在宅療養の可能性というのがどのくらいあるのかというのも、具体的に細やかに聞かないと、にわかには判定できません。
今の現状をちょっと紹介して、必要な人が入れていると認識しているかというふうに伺ったんですが、その答弁がありません。私は、区民が置かれている実態を直視するべきだと、そういうことで計画をつくっていただきたいと強調したいと思います。
区の増設計画は4年後で終わります。最後のみやこ荘跡以後の計画はありません。しかし、今、増設はどうしても必要です。もう家族もろともみんなくたくた、こういう状況でありますから、そこをしっかりみて、増設計画をつくるよう、改めて強く求めたいと思いますが、いかがですか。
それから、老人保健施設についても、増設は必要だと思います。これについて、区は増設をしていく計画は持っておられますけれども、私は、旧荏原第四中学校跡の暫定活用が来年の9月で終わるので、ここに一刻も早く特別養護老人ホームと老人保健施設をつくっていただきたい、こう思いますが、この点についても、いかがでしょうか。
これから4年ないし5年の間に、三つの施設が、229床プラスアルファでできてまいります。このようなスピードで、このような勢いでといいますか、整備するのは、23区でほかにはありません。申し上げましたように、現在よりも1.35倍になるというようなこともありますので、それ以降の整備につきましては、その間の介護サービス全体に対する需要ですとか、あるいは、保険料の動向というようなことも総合的に考えながら、考えていくべきことであろうと考えております。
また、老人保健施設につきましては、適地があれば1所はつくっていきたいという考えに変わりはご
ざいません。
先ほどから繰り返し申し上げていますが、区民の深刻な事態、ここをもっと知るべきです。調査をするなり、意見を聞くなり、やっぱりきちんとつかむべきです。それで、他の区とはスピードが違うと、速くなっているとおっしやいますけれども、需要とそのスピードは関係ないじやありませんか。区民の願いにこたえるべきです、そのことを強く甲し上げたいと思います。特別養護老人ホームの増設、それから老人保健施設の増設、これをしっかりと計画に盛り込んでいただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。
最後に、障害者の就労施設の増設も求めたいと思います。現在の施設は、定員をオーバーして登録しているために、一人ひとりの状態に合わせた対応ができにくい状態で、増設計画は、これも必要です。この点を伺います。
今、障害者で例を挙げられたのは、生活介護の部分かと思います。ご指摘のように、一部の生活介護施設において定員を超えているところはありますが、いずれもその施設の有する面積、それから、簡易配置をすることによって基準内のサービスが行われておるところでます。
また、平成26年度、来年4月の卒業生等の状況を見ますと、受け入れは大丈夫という状況です。
ここも、やっばり、実態はかなり深刻です。障害者の皆さんが楽しく通っていける、そして一人ひとりの処遇をほんとうに適切にしていただく、このことが大事なので、きちんと実態を見ていただき、現場の声も聞いていただき、保護者の声も聞いて対応していただきたいとお願いをしておきたいと思います。
最後に、特別養護老人ホーム、認可保育園、障害者福祉施設、区営住宅、そして公園整備など、どれも区民が強く望んでいる施設を、ぜひ計画的につくっていただきたい。区には、土地も、財政力もあります。増設計画をつくり、区民の期待にこたえるよう強く求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
以上で、南恵子委員の質疑を終わります。