2014.02.21 鈴木 ひろ子 区議
質問項目
日本共産党を代表し代表質問を行います。
区の最大の責務は、災害から区民の命と財産をまもること。予防第一の防災対策を
区長は施政方針で今年度予算の重点課題に防災対策強化を掲げました。しかしその中心は「不燃化10年プロジェクト」と「特定整備路線」であり、結局巨大道路と沿道開発の推進です。
区は今議会に「品川区災害対策基本条例」を提案し、自助・共助・公助の役割を強調。「区民の命と財産を守る責務を果たす」という品川区の決意が見えません。阪神淡路大震災でも、東日本大震災でも多くの命が失われた原因は、自助・共助が足りなかったからではありません。大震災から学ぶべき教訓は、発災時の応急対策中心から、住宅耐震化や出火防止、初期消火対策など発災前の予防対策第1に切り替え、そこに自治体が責任を持つことです。
区は、「地震は自然現象であり避けられないが、地震による災害の多くは人災であり、人間の英知と技術と努力による事前の予防対策によって被害を最小限に食い止めることができる」との決意で、予防対策第一に取り組むべきと考えるがいかがでしょうか。
地震による災害を防ぐためには、地域ごとに災害に対して弱点は何か、どうしたら克服できるのか、住民が知恵や要望を出し合いながら具体化していく作業が必要です。それは個人任せではできません。行政が責任を持ち、徹底して取り組むことが求められていると思います。いかがでしょうか。
中央防災会議が昨年末、被害想定と同時に発表したのは「減災対策で9割の命が救える」との予防対策です。
その第1は、住宅耐震化。耐震化100%で、死者1万1000人の86%・9500人の命を救えると、重要性を強調しました。区は「平成32年度までに木造住宅耐震化95%」の目標です。しかし旧耐震の木造住宅約1万3000棟に対して耐震改修、建て替え助成は合計380棟。目標のわずか3%です。耐震改修や建て替えの誘導こそ力を注ぐべき時に、区は来年度予算で木造住宅耐震建替えの助成制度を廃止する方針を打ち出しました。
わが党は、一貫して3本の特定整備路線が防災に役に立たず逆に危険性を増すこと、長年住み続けてきた人を追い出し地域コミュニティを壊すこと、巨額の税金投入の問題などを指摘し、大儀のない計画の中止を求めてきました。住民の皆さんと東京都の説明会、国会議員との国土交通省交渉・現地調査なども取り組んできました。
毎週火曜日には計画道路の住民の皆さんが区役所庁舎に向けて切実な思いを訴え、道路建設中止を求めています。
明らかになった問題点を指摘します。
第1に、都議会の論戦で、補助29号線などの道路建設が防災のための道路ではないことが東京都の答弁で明らかになったことです。
わが党は、区が防災の根拠としてきたシミュレーションが、29号線で想定された出火点70か所中22箇所も500棟以上燃えてしまうものであったこと。車両火災も火の粉も想定せず、風向きは東風と西風のみと現実離れしている「なぜこれで防災対策と言えるのか」と指摘してきました。
12月都議会で、共産党白石都議の質問に対し、建設局長は「このシミュレーションは道路によって焼け止まるかを検証したものであり、木密地域の火災に対する安全性を検証するものではない」と答弁、わが党の指摘が裏付けられました。区が道路建設の根拠と説明してきたものは単に焼け止まるかどうかのシミュレーションでしかなかったのです。地域の安全性は全く検証しないまま、数千人もの住民を追い出し、地域経済の核である商店街を壊し、住民の反対を押し切って道路建設を強行していいと考えているのか、区の見解をうかがいます。
星薬科大の構内を幅25m道路で分断し、銀杏並木と薬草園を壊す放射2号線、ほとんどの店舗が軒先を削られる補助28号線も道路建設の大儀がありません。
第2に、あまりに乱暴なすすめ方です。
この間の説明会では、どの会場でも出されたたくさんの疑問や反対、不安の声に東京都はまともに答えられないまま、翌日から測量を強行。さらに、2月5日、国土交通省交渉時、都が29号線の2つのブロックの認可申請を提出していたことがわかりました。地域住民はこんなやり方に怒り沸騰です。
安倍首相は「世界一企業が活動しやすい国をつくる」と公言し、大企業優遇の政治を進めています。
区長も施政方針で、大崎・目黒・大井町・武蔵小山駅、品川駅南周辺ではリニア新幹線駅と共に多国籍企業誘致を進めるなど超高層ビル再開発を推進、国と同様の姿勢です。
市街地再開発事業が始まってから現在の事業中も含めた再開発事業総数、総事業費、補助金総額を伺います。
西品川1丁目再開発は、国際自動車教習所跡地を購入した住友不動産に対し区が支援、防災を理由に区域を約2倍に拡大、100mと120mビル2棟の巨大開発に周辺住民を巻き込み、追い出しを行っています。
Aさんは「4年前、住友不動産がやってきて『おたくの地域も再開発します』と言ったのが始まり、自分の家を奪われるなんて思ってもみなかった。『今年いっぱいで出てください』と言われ、どうしたらよいのか分からない」と訴えます。昨年7月組合設立後、Aさんは、「泣く泣く地域外に出る決断をし、判を押したが半年たった今でも移転先は一つも示されていない」とのこと。事業者が示す家と土地の評価額に合意の判を押さなければ移転先の提示もされない。これが実態です。
安倍自公政権は、昨年秘密保護法を強行、日本版NSC、政府の解釈による集団的自衛権行使容認、そして憲法9条改悪、日本を「戦争する国づくり」へと暴走しています。
首相の靖国参拝は中国、韓国政府の厳しい抗議はもとより、アメリカの「失望した」と異例の批判、国連事務総長、EU、ロシア政府など全世界が批判しています。そもそも靖国神社とは、戦争中は、国民を戦場に動員する役割を担い、現在も日本軍国主義による侵略戦争を「自存自衛の正義の戦い」「アジア解放の戦争」と美化し、宣伝することを存在意義とする特殊な施設であり、侵略戦争のA級戦犯を「連合軍による一方的な裁判で濡れ衣を着せられた犠牲者」として合祀しています。
第2次世界大戦後の国際秩序は、日独伊による侵略戦争を不正不義のものと断罪することを共通の土台としています。安倍首相の靖国参拝は、今日の国際秩序に正面から挑戦するものであり、断じて許されません。
区は長期基本計画のトップに「国際都市品川区」を掲げています。国際的に到達した歴史認識を基本としてこそ、近隣諸国との国際友好を築けると考えますがいかがでしょうか。
区長は、村山談話の「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」この立場に立つのか伺います。
世界は平和の地域共同体がめざましい発展です。東南アジア友好協力条約(TAC)は57カ国、51.5憶人、世界人口の72%。武力行使の放棄と紛争の平和解決を掲げ、外部に仮想敵をつくらない「平和的安全保障」という考え方で、年間1000回もの徹底した対話によって「紛争を戦争にしない、平和的解決」を実践しています。ここに学ぶべきです。安倍内閣が進める戦争への国づくりは世界から孤立の道。共産党はTACを北東アジアにひろげる北東アジア友好条約を提案しています。
憲法9条を生かし、アジア全体を平和の共同体とする平和外交こそ求められていると考えますが、区長の見解を伺います。地方自治体の長として、戦争する国づくりは許さない、憲法を守り、平和を発信するよう求めますがいかがでしょうか。
原発事故の収束の見通しが全く立たず深刻な実態です。避難生活者はいまだ14万人。放射能汚染水が制御できない非常事態が続いています。原発再稼働は論外です。
区長に即時原発ゼロの立場に立つよう求めます。いかがでしょうか。区が今年度7割も削減した太陽光発電の設置助成を元に戻し、自然エネルギーの普及の立場に立つよう求めますがいかがでしょうか。
4月からの8%への消費税増税で8兆円の増税、さらに社会保障の負担増・給付減の総額は3兆円で合計11兆円。史上空前の負担増が区民の暮らしを直撃、商店、中小企業の倒産、廃業を大量に生みだし、区内経済、財政に大打撃となることは明らか。8%になれば家賃が払えないと閉店を決断した電気屋さん、借金を抱える前に廃業するという町工場や商店。「考えると夜も眠れない」「売上1000万円というが多くは材料費などで所得は百数十万円。消費税8%では食べていけない」と悲鳴のような訴えが軒並みです。
消費税大増税の一方で大企業には減税。復興特別法人税の廃止に続き、法人税減税が狙われています。社会保障は充実どころか医療も介護も年金も負担増と給付削減の目白押し。結局、消費税増税は、財政再建や社会保障のためではなく、消費税増税で吸い上げた税金を大企業減税と巨大開発、軍拡予算に流し込む。これが事の真相です。
新年度の区の一般会計予算は対前年度、住民税29億円の増収、地方消費税13億円増収をはじめ、国や都からの交付金など前年度より130億円も多い1462億円超となりました。
ところが区民に対しては、かつてない負担増とサービス削減です。消費税増税に加え、国保料、後期高齢者医療保険料の大幅値上げ、70〜74歳の医療費窓口負担2倍化、社会保障プログラム法の具体化で介護保険給付の要支援者はずし、一定所得者の利用料2割負担、要介護1と2の特養ホーム入所対象はずしなどサービス切捨てが狙われ、区民にとっては踏んだり蹴ったりです。
国保料は今年も大幅値上げ。一人平均年額10万7619円、4861円の値上げです。30代会社員年収250万円3人家族の場合、年額23万4000円、国保料だけで給料1か月分を大きく超えるものであり、あまりに高すぎます。さらに許せないのは、新年度から4年間で高額医療費全額分の一般財源投入をなくし、保険料値上げでまかなう仕組みにしたことです。区は一般財源13.5億円の投入をやめて、一人当たり9000円の保険料値上げに置き換える計画です。今年はその4分の1の3億3000万円一般財源を削減、その分を保険料値上げします。
後期高齢者医療保険料も今年は大幅値上げです。一人当たりの保険料値上げは平均で4100円。今までで最も高い値上げです。年金収入しかない高齢者に対して年金を削り、介護保険料や利用料の負担増、サービス切り捨て、消費税増税が襲いかかります。
財政安定化基金への拠出金を今までどおり拠出し、財政安定化基金を保険料引き下げに活用するなど、あらゆる手立てを講じて値上げを中止すべきと考えますがいかがでしょうか
安倍政権が強行した「社会保障プログラム法」では、社会保障制度改革の基本を「自助・自立のための環境整備」と規定、国民に自己責任を押し付けるものであり断じて許すことはできません。社会保障とは、歴史的な世界の運動の中で、救貧施策から権利として、さらに人権を保障するものと高められてきました。世界人権宣言、国際人権規約、WHO憲章など「すべての人間に健康で文化的な生活を営む権利があること、失業、疾病、障害、老齢などによる生活能力の喪失から国民を守る責務を各国政府が負っていること」を宣言しています。これが世界の到達です。これを百数十年前に引き戻す社会保障の解体です。
「社会保障プログラム法」で社会保障を「自助・自立のための環境整備」と規定したことに対する区の見解をお聞きします。
安倍内閣は、今通常国会に「地域医療・介護の総合確保推進法案」を提出、介護と医療の改悪を一気に進めることが狙われています。
介護分野では要支援者の訪問介護と通所介護を介護保険給付から外し、自治体任せの安上がりの事業に移す計画です。
要支援者の介護給付はずしがされた場合、サービス低下させない対策がとれるのか、受け皿があるのか伺います。要支援者の介護給付はずしをやめるよう国に求めるべきと考えるがいかがでしょうか。
指摘してきた、品川区の軽い判定の認定問題です。要支援1・2の人は35.6%。これは全国平均より9%、全都平均より7.2%も多く、他の自治体に比べて断トツに要支援者が多いのです。
なぜ品川区が他の自治体より要支援の認定者が多いのか理由を伺います。マニュアルにそって機械的な調査になっているのではないでしょうか。品川区民はより多くの人がサービス取り上げとなります。実態に合った認定の改善を求めますがいかがでしょうか。
特別養護老人ホームの入所対象を要介護3以上に限定する問題です。要介護1・2の人は、申請者584人のうち168人。本来つくるべき施設をつくらず、対象を狭めて待機者を少なくする、こんなやり方は許せません。
区民の実態を直接把握している自治体として、要介護1と2を対象からはずすことの影響どう考えているかお聞きします。要介護1と2を対象からはずさないよう国に求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
品川区は学校選択制を2000年度に始めました。
共産党は、学校間格差と序列化を生む、地域とのつながりが弱まる、学校現場やPTA、地域の意見を聞かないで進めた問題点を当初から指摘し、「いじめや荒れをなくそうという努力の中で教師や子どもは学び育っていく。そこに教育の本来の姿がある。学校は選ばれる商品ではなく、子どもや親達とその時々の作り出すものであり、地域のみんなが自分たちの学校をつくるという共同の営みに参加することこそ大切」と述べ、見直しを求めました。
当時の教育委員長も、「手順に問題があり教育委員会が形骸化する。受験校化、格差、統廃合などの不安や疑問…、決まったから突っ走るのではなく納得を得るための方法を十分尽くし努力を重ねることが大切」と厳しい意見を表明。
導入から14年。指摘が浮き彫りになっています。一つは統廃合です。小規模校ではすべての学年が単学級で学年によっては十数人、それが固定化し、地域と保護者は統廃合になるのではと不安になっています。
二つ目には、学校と地域のつながりの希薄化です。町会役員からも「祭りに町会の子どもが来ない」「毎朝立って声をかけているが地元の学校とは逆の方向にいく子が増えてさびしい」などの声が上がっています。昨年、長期基本計画のパブコメにも「同じマンションでも学校が違うと交流もないので地域の絆はなかなか生まれない」「地域では我が学校と思っても、学校自身が競争の中におかれ、地域との関係より子どもをどう確保するか、他の地域からも選択してもらいたいと願い、地域との関係が弱まらざるを得ない」などの意見がありました。地域の人々は、子ども達を地域で守り育てたい、学校は地域の核として絶対になくさないとの思いで学校への協力を惜しみません。
学校選択制はやめ、学ぶ楽しさを実感できる30人学級こそ実現すべきです。
昨年IOC総会が東京での開催を決定。共産党は、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現の場となるよう力を尽くします。同時に内外から様々な不安と疑問の声が出されています。国民の生活や環境と調和のとれた無理のない取り組みを進めることがオリンピック憲章にかなうことです。
東日本大震災と原発事故の被災者は、多くの方がいまだ仮設住宅など明日の生活の見通しすら立っていない中、復興を後回しにし、オリンピック口実の公共事業に多額の税金を投じることは許されません。被災者も喜べるものにすべきです。
オリンピックは、被災地復興・生活再建最優先とし、今ある環境・生活を壊さずコンパクトなものにすべきです。見解をうかがいます。
オリンピック憲章では「スポーツを行うことは人権」と謳っています。
しかし実態は、低賃金で長時間労働、安価で身近なスポーツ施設の不足で、多くの区民がスポーツを楽しむことができません。区民がスポーツできる条件整備は国・自治体の役割です。
区民が気軽にスポーツに親しめるには何が必要と考えるかうかがいます。
オリンピックをテコにカジノ誘致の動き。安倍政権はカジノ推進法の今国会成立を狙っています。カジノは賭博であり刑法で禁じる犯罪です。政府もカジノを禁じる理由を「賭博行為は…国民の射幸心を助長し勤労の美風を害するばかりでなく、副次的な犯罪を誘発し、さらに国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあることから、社会の風俗を害する行為として処罰する」と説明。
区はカジノを「観光の一環として進めるかどうかはその時考える」と否定していません。犯罪行為といわれ、人を破滅に追い込む可能性のあるカジノ推進法に反対するよう求めますがいかがでしょうか。
まず、戦争の国際的な歴史認識や、いわゆる村山談話に関するお尋ねですが、区長としての見解は控えさせていただきます。区といたしましては、「非核平和都市品川宣言」のもと、さまざまな平和事業や国際交流事業に取り組み、世界の恒久平和の実現に向け努力してまいります。
次に、原子力発電の今後のあり方につきましては、我が国のエネルギー・産業政策の根幹にかかわる問題であり、国の責任において判断すべき事項であり、一自治体の立場で意見を申し上げる考えはございません。
次に、自然エネルギーの普及支援につきましては、環境に優しい社会を実現するために、引き続きバランスのとれた助成制度の運用を行っていく考えでございます。
その他のご質問等につきましては、事業部長等よりお答えを申し上げます。
防災対策についてお答えいたします。
地震に対する防災につきましては、予防・応急・復興それぞれの対策に体系的・総合的に取り組み、自助・共助・公助を相互に連携・協力させて、災害に対応することが極めて重要かつ不可欠であると考えております。このため、不燃化10年プロジェクトをはじめとする予防対策に加え、行政機関による救出・救助や自助・共助による初期消火等の応急対策、都市復興基本計画の策定といった復興対策により、総合的な防災対策に取り組んでおります。
次に、地震防災の具体化における行政責任については、行政が責任を持ち徹底して取り組むことは当然のことであります。同時に、区民一人ひとり、事業所、行政がおのおのの勤めや責務を意識し、それぞれの立場でできることに取り組み、また相互に連携していくことが防災を実効性あるものにしていくと考えております。
次に耐震化についてですが、区では、平成23年度にアンケート調査を実施し、その結果を踏まえて助成の限度額を引き上げ、さらに無料簡易診断も開始するなど制度の充実を図ってまいりました。また、その後の利用件数も増加していることから、助成額の増額は考えておりません。
耐震建替え助成の廃止については、建替え計画がなくても、更地になることで住宅密集地域における空地が増え、火災の延焼防止にもつながることから、除却支援に切りかえたものでございます。また、助成内容も原則全額助成とするなど充実を図ってきております。
次に、感震ブレーカーについては、地震発生と同時に電気が遮断され、照明も落ち、一般家庭では避難の妨げとなる場合もあるので、現時点で感震ブレーカーの経費的支援を行う予定はありません。
次に、電力会社への働きかけについては、東京都や国を通じて適切な対応を求めてまいります。
次に、スタンドバイブの消火栓ごとの配備については、各防災区民組織のご意見をお聞きし、それぞれの必要性や体制などを確認して、実情に応じて配備してまいります。
次に、水道管100%耐震化の都への要望についてですが、東京都では、10か年事業により計画的に耐震化を進めることろであり、引き続き都に対して水道管の耐震化を働きかけてまいります。
私からは、特定整備路線と再開発に関するご質問にお答えいたします。震災時等の巨大火災を防止し、燃えない、燃え広がらない街を実現する上で、都市計画道路の整備による延焼遮断帯の形成や老朽木造建築物の建替えによる市街地の不燃化は喫緊の課題です。
都は、延焼シミュレーションにより特定整備路線を整備することで焼けどまり効果があることを確認し、その整備により安全性が向上するとして路線指定をした経過がございます。整備に当たっては、土地をお譲りいただく方々の生活再建について十分配慮するため、区民が直接相談できる場を地域に設置するなどきめ細かな対応に努めてまいります。従いまして、区として事業認可申請の中止を求める考えはございません。
次に、整備費用についてですが、補助28号線の説明会では、他の参考事例で1メートル当たり約1,350万円の整備費がかかったことをお示ししたものでございます。現在、詳細の測量を行っている段階ですので、整備費用は算出できていないと聞いております。また、事業概要および現況測量説明会における説明会の案内についてですが、補助29号線でのチラシ配布枚数は4,640枚、郵送数が685枚(合計5325枚・沿道は計画線から20m(26号線から大原は30m)、放射2号線はチラシ配布枚数2,435枚、郵送数171枚(合計2606枚・沿道は計画線から25m)、補助28号線はチラシ配布枚数1,900枚、郵送数99枚(合計1999枚・沿道は計画線から25m)です。
最後に、地域のコミュニティについてですが、特定整備路線は地域の協力があってこそ早期に整備ができる事業でございます。このため、区としては都に対し、整備に際して、地域の方々の協力が記憶に残るモニュメントの設置や、にぎわいある、愛される道路の整備を要望してきております。地域と一体となってこのような道路を整備することでコミュニティの醸成も図れるものと考えております。いずれにいたしましても、木密地域を安全・安心なまちとするため、都と連携してしっかりと取り組んでいく所存でございます。
次に、再開発に関するご質問にお答えいたします。まず、区内の組合施行によるこれまでの再開発事業は、事業中のものも含めますと14地区で行われており、現段階で総事業費の累計は約7,654億円で、補助金の総額は約1,069億円でございます。
次に、組合施行の再開発事業は権利変換を原則としており、従前の権利を守り、公平を確保しつつ進められます。また、地区内権利者の意向を確認しながら手続が進められ、一方的に転出を求めることはありません。都市再開発法では、権利者の3分の2以上の合意をもって組合が設立されますと、地区内の権利者は全て組合員として扱われることになります。そして、既存の土地や建物など全ての権利を適正に評価した上で土地や物件調書を作成し、従前の権利を確定した後に権利変換計画の策定を進めていくことになります。
組合では、権利者の意向をきめ細かくお聞きし、権利変換の希望の有無を含め、生活再建のための提案を行いながら進めているところでございます。また、結果的に権利変換について一部の方が同意しない場合でも、組合の総会における議決や法に基づく縦覧、意見書の提出など一定の手続を経て知事の認可を受ければ事業を進めることができるものです。
再開発事業は、地元の関係権利者などが協力して、密集市街地の解消など地域が抱える課題を解決するために進めており、あわせて、道路や公開空地などの公共空間が整備されることになります。その結果、利便性の向上や居住者等の増加による地域の活性化が図られるもので、区としては、再開発など地域のまちづくりを支援してまいります。
また、再開発事業における参加組合員の利益に関してですが、参加組合員が購入した床を新たな居住者や営業者などに売却して得る利益は、事業外の民間の商取引行為であることから、区として把握し、公表する考えはございません。
私からは、消費税率の改定に関するご質問にお答えいたします。
区内中小企業を対象に行う景況調査では、業種・業態ごとに差異があるものの業況感の着実な改善傾向が見受けられます。これは、国や都ならびに区の緊急経済対策も含めた産業振興策などが一定の効果を上げているものと考えております。
また、消費税率の改定によって一時的な消費の冷え込みなどが想定されることから、プレミアム付き区内共通商品券の4月の販売額を4億円とするなどの景気対策を行うほか、国の補助事業による臨時福祉給付金や子育て世代臨時特例給付金の支給を行ってまいります。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催も決定し、今後、都内のインフラ整備の加速や外国人も含めた来訪者数の増加も見込まれることから、これらの好機とあわせ区内中小企業の状況把握と地域経済活性化のための施策を総合的に推進し、より実感できる区内景気の高揚をめざしてまいります。
次に、消費税の価格転嫁についてですが、区では、区内中小企業が増税分を円滑に製品価格に上乗せできるよう、消費税転嫁対策特別措置法に基づき平成25年10月から消費税関連相談を開始しており、消費税に関する事業者等からの相談に対応しております。現在まで、国への報告が義務づけられている悪質な転嫁拒否行為等をこうむっている事例は発生しておりません。
また、緊急アンケートのご提案ですが、既に消費税関連相談を開始した10月以降、経営相談や融資あっせんで来庁された方々を対象に窓口アンケートを実施しております。また、直近の平成25年度第3・四半期景況調査にあわせ、消費税率引き上げの影響についての特別調査も実施しておりますので、改めてアンケート調査を実施する考えはございません。
最後に、消費税率の改定による税収につきましては、国が進める社会保障と税の一体改革において、子ども・子育て支援、医療、介護、年金の各分野の充実と社会保障の安定化のための財源とするとされております。昨年10月に本年4月より税率を8%に改定することを国において決定しており、税率の改定について中止を求める考えはございません。
私からは、国民健康保険等に関するご質問にお答え申し上げます。国民健康保険制度は国民皆保険の基盤であり、社会保険制度として運営をしおります。医療費の上昇が続く中、法令に定める保険料の確保につきましては制度を持続させるために不可欠であり、被保険者の皆様のご理解をお願いしているものでございます。
次に、高額療養費を一般会計繰入金ではなく保険料で賄うことへの改正につきましては、第1に法令により保険料で負担することが定められている経費であり改正することが本来の姿であること。第2に、平成29年度までに国保運営主体が都道府県単位化されることから、速やかに法令原則に合わせる必要があり、平成26年度から4年間で段階的に算入することにより急激な保険料の上昇を抑えるためのものでございます。
次に、後期高齢者医療制度についてですが、後期高齢者医療保険におきましても国保と同様に医療給付費は年々増加しており、高齢者のみならず、公費、現役世代の負担も増加しております。このような厳しい現状の中、今回の改正では、区市町村による特別対策の継続と財政安定化基金の活用により保険料の上昇率を低く抑える措置を講じたところでございます。
次に、社会保障プログラム法が定める自助・自立のための環境整備規定ですが、社会保障制度の持続可能性を確保するため、財源の確保とともに給付の適正化は重要であり、自助努力をした上で社会保障を必要としている人に適切に給付がされるような環境整備が必要と考えております。
次に、要支援者の介護保険サービスの一部が介護保険給付から地域支援事業に移行されることに関してのご質問ですが、この対象となるサービスの利用者は、予防訪問介護、予防通所介護それぞれ1,300人、1,500人で、実利用者数では2,400人程度に影響が出るものと想定されます。しかしながら、制度改正後も専門性の高いサービスを必要とする人が多数見込まれることから、本区では、基本的にはこれまでと同等程度のサービスを継続できる仕組みを整備してまいります。具体的には、訪問介護につきましては、既に実施している要支援者等が利用可能な地域支援事業のヘルプ派遣事業により対応可能と考えております。また、適所介護につきましても、区立デイサービスセンターを中心に通所介護事業所の活用により対応してまいりますので、国に中止を求める考えはございません。
次に、要支援認定者が他の自治体よりも多いとのご指摘ですが、本区においては介護認定審査会の審査に当たり、事務局の複数の専門スタッフが1件ごとの調査票を分析し、原案を作成して審査会に諮るという手続をとっております。他の自治体に見られない丁寧なシステムであり、本区の認定は適切なものと認識しております。
次に、特別養護老人ホームへの入所を原則要介護3以上とすることについてですが、国は、要介護1および2であっても、認知症で常時適切な介護が必要な場合や虐待ケースなど一定の事由があれば特例として入所が可能であるとしており、現時点において特段支障があるとは考えておりません。したがいまして国に変更を求める考えはありません。
私からは、学校選択制等についてお答えします。
昨年度より教育委員会では、町会等を中心に教育に関する意見交換会を実施してまいりました。昨年度も今年度もともに議題に学校選択制を取り上げ、意見交換をしてまいりました。その際、最新の情報として、学校ごとの児童・生徒数の増減と入学率、小規模校の努力の具体例、約65%の保護者が学校選択制の継続を希望している状況、小規模校へのICT化支援策、居住地での地域活動、例えば防災訓練、地域行事、運動会などへの参加促進策等について説明し、時間の許す限り忌憚のない意見交換を実施してまいりました。初年度は議員ご指摘のような意見も町会から多くありましたが、先ほどの最新情報を詳細に提供し説明してからは、多数の方に学校選択制をご理解いただいていると考えております。このようなやりとりの中から、学校と地域の連携の充実が必要と考えたものでございます。
次に、原因は学校選択制ではとのお尋ねですが、約3割の学校選択を利用した児童・生徒や保護者については、居住地での地域活動参加への課題があると認識しておりますが、残りの7割につきましても同様の課題があるのではないかと考えております。また、学校選択制を導入していない自治体でも指定校変更制度を活用し、3割近くが学区外の学校に通っている実態もあり、地域のきずなや地域コミュニティの希薄化は都市部での共通の課題であると考えております。このようなことから、学校選択制を中止する考えはございません。
次に、30人学級について従来からお答えしておりますが、子どもたち一人ひとりに応じた教育を実践するには、例えば少人数指導を行ったり、教科担任制を通じ複数の教員の目で子どもたちを見たりといった取り組みが必要であり、30人学級にすればよいというものではございません。今後とも学級編制の基準であるいわゆる標準法に基づき学校運営を進めてまいります。
オリンピック・パラリンピックに係るご質問についてお答えいたします。
まず、オリンピック・パラリンピック開催に向けての区の姿勢ですが、かねてより申し上げているとおり、この世界の人々が集うイベントにより、子どもたちへの夢のバトンタッチや品川区をさらに安心して暮らせるまちにするためのスピード感を上げることの実現に向けて努力してまいります。
次に区民がスポーツを気軽に楽しむための施策ですが、区はこれまでも、区民の誰もがいつでもどこでもいつまでもスポーツに親しむことができる社会の実現をめざしてさまざまな取り組みを展開してきました。具体的な取り組みとしては、ソフト面では区民が主体的に運営し、子どもからお年寄りまで身近な地域でスポーツに気軽に親しむことができる地域スポーツクラブの育成支援です。他方、ハード面では用地の確保という困難な状況を踏まえつつも、学校跡地の多目的広場化、公園運動施設の改修に合わせた多目的化などスポーツの場の整備に努めてきております。今後も、文化芸術・スポーツのまちづくり条例および文化芸術・スポーツ振興ビジョンの基本理念に則り、区民が気軽にスポーツに親しめる環境整備に取り組んでまいります。
次に、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」いわゆるカジノ法案についてのお尋ねですが、この法案はカジノ施設やレクリエーション施設・宿泊施設などが一体となる特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光および地域経済の振興に寄与し財政の改善に資するという趣旨で国会に提案されているものと理解しています。法律の是非については国政の場で議論されるものであり一自治体としての論評は控えるべきものと考えております。
自席から再質問を行います。
まず、区長にお伺いします。戦争する国づくりの見解は差し控えるということですが、歴史問題でこれだけ大問題になっているときです。歴代政府が認めてきた「村山談話の立場に立つ」とも言うことができないのでしょうか。改めて伺います。ここの立場に立つことができないと言うのであれば、正しい戦争だったという「靖国の立場」に立つのか、改めて伺いたいと思います。
防災対策です。この中で、木造住宅耐震建てかえの助成制度を廃止する問題は、私は大問題だと思います。品川区はこの木造住宅耐震化への姿勢を後退させるのか、改めて伺います。この除却費を100%に置きかえるということでは、多くの方が建てかえの助成額が減るという実態になります。私は、除却費用が幾らかかるのかを調査しました。30坪以下の住宅建てかえの場合は、除却費用を100%に置きかえても助成額は減るという実態だということです。こういう減るということになってもこの木造住宅建てかえ助成をなくすのか、改めて伺いたいと思います。
特定整備路線の問題です。この特定整備路線は、2月5日、東京都が認可申請書が出しました。ここに認可申請書のコピーがあります。この中で、2ブロックのことですけれども事業費も書かれています。私はこの事巣費ぐらいは答えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。それとも、2月5日の申請書を出しているのに、区には報告もないんでしょうか。そうなると大問題だと思いますがいかがでしょうか。
そして、ここに書かれた申請理由です。この申請理由では、第1に交通の円滑化という理由が書かれています。結局、防災はつけ足しだと。私は説明会では防災のためだと言ってきたのと違うと思うんですけれども、やっぱり防災は口実ではないかと思いますがいかがでしょうか。
そして改めて、東京都の建設局長の答弁の中で特定整備路線の大義がないということが明らかになったと思います。区は、シミュレーションが根拠で特定整備路線を進めるんだと説明をしてきました。しかしこのシミュレーションは焼けどまるかどうかだけ。だから、道路の内側はどんなに燃えても関係ないというシミュレーションです。地域の安全性など検証すらしていない。どうしてこんなシミュレーションで道路建設の根拠にできるのか、改めて伺いたい。
そしてもう1つ、私、区長にお聞きしたいと思うんです。道路計画の現地を歩いたことがありますか。ぜひ通して歩いていただきたい。そして、星薬科大を真っ二つに分断して構内を巨大道路が走る、商店街をそっくり削り取る。90歳近いご夫婦が立ち退きを迫られて、不安で夜も眠れない。こういう声を直接聞いたことがありますでしょうか。私は、この大義のない道路を無理やり進めるということに胸が痛まないのかとお聞きしたいと思います。
最後に、国保料、社会保障問題についてです。国保料は毎年値上げ続きです。先ほど例に挙げた3人家族の場合、4年前は13万円、4年間で23万円に10万円も値上げしています。高過ぎて払えない、これが実態です。何で区は、健全財政を誇っているのに、今まで入れ続けてきた一般財源の投入をやめるのか。 広域化にするからというのであれば、私は何のための広域化なのかと言いたいと思います。
そして、自助・自立の環境整備、社会保障の考え方。これは社会保障を自己責任とする社会保障の解体です。お金のない人は医者にもかからず我慢しろと。手おくれで命を落とすも自己責任と、こういうことではないのか。社会保障をこんなに解体してもいいと考えているのか。改めて伺います。
戦争に関する歴史認識、あるいは村山談話、これらは外交という場面の中でなされた発言であり考え方でございます。先ほどのご質問の後段にもありましたように、アジア全体を平和の共同体とする平和外交というお言葉もございます。外交というのはどこの国においても国家の専権事項であって、あちこちの自治体があれこれの見解を申し述べるものではないと認識をしております。以上です。(「道路は」との声あり)
特定整備路線であります。私は、この特定整備路線について全てのところを歩いております。とりわけて29号線におきましては、大崎警察署の脇の峰原坂から上って、あそこは大崎幼稚園だと思いますが、まずはそこで突き当たります。そこから先は現道のないところでありますけれども、そういうところについてはあちこちを迂回しながら、ここはどうなっているのかということについて見て歩いております。29号線については、そこの峰原坂からあそこの環状7号線の出口まで何度も歩いたことがございます。
以上です。
私のほうから、まず耐震建てかえについての再質問にお答えいたえします。建物の耐震化助成については、建てかえることによって狭い道路がセットバックできるといったことで、過去から一応事業としてやってきた経過がございます。ただ、やはり当時としては国のそういう制度がなかった。私どものほうとしては、空地を整備する必要があるだろうと。古い建物がそこに建っている。それを建てかえなくても、空地として置いておくことでも効果があると。建て主の事情によっては建てかえることもございますので、そういう状況をまず整備する。その上で建て主さんが建てかえるということであれば、道路もセットバックしていただく。確かに助成率については、建てかえはお金がかかります。除却費用のほうが安いということがあります。そういう中で助成が減るというご意見もあるかもしれませんけれども、まずは空地化することに対しての支援をしていくといったことを考えてきたところです。
それと、特定整備路線につきましては、確かに2ブロック、環6から百反通り、あるいは大原通りから立会道路までといった2地区について、東京都のほうが事業認可を出されているという状況は聞いております。ただ、事業費については先ほどもご答弁申し上げましたとおり、詳細なところが出されておりませんから、区としてもそれについては現時点で聞き及んでいないという状況でございます。あと、特定整備路線を整備することでやはり地域の安全につながるということで、私どものほうとしても東京都と連携をして進めるということの考えに変わりはありません。
それと、先ほど大義がないということもお話しいただきましたけれども、都の局長答弁でも、道路を整備することによって焼けどまりの効果があると。それだけでは十分でありません。区のほうとしては、初期消火もそうでございますし、不燃化事業もそうでございますけれども、そういうことを総合的に重層的にやって評価ができると。ですので、その一部的なところをとって効果がないとか、そういうことではございませんのでご理解のほどよろしくお願いしたいと思います。
2点のご質問にお答えを申し上げます。
まず、国保に一般財源、一財の投入をやめるということでございますが、先ほどご答弁申し上げましたように、保険料で賄うことが本来の法令の求める姿であるということ、それから急激な上昇を抑えるために4年間で順に行っていくという2点の理由でございます。
それから、社会保障プログラム法についての件ですが、この法律は自助努力の大切さを言っているわけでございまして、社会保障を否定しているわけではないというふうに理解してございます。
以上で、鈴木ひろ子君の質問を終わります。