2014.03.16 南 恵子 区議
日本共産党品川区議団を代表して意見表明を行います。
2014年度一般会計および国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各特別会計に反対します。
安倍内閣は憲法改悪、解釈改憲による集団的自衛権容認、消費税大増税、社会保障大改悪、暮らしと経済を壊す雇用の大破壊、原発再稼働と輸出の推進、沖縄基地建設推進、TPP推進など、国民の願いに真っ向から反する政治をすすめています。国の暴走している悪政に対して、区民に最も身近な地方自治体が防波堤としての役割を発揮するべきです。以下、具体的に述べます。
第一は、防災と開発の問題です。
区は、自助・共助・公助の役割分担を強調し「品川区災害対策基本条例」を提案しましたが、公助として区がやることは開発と道路計画ばかりです。阪神淡路大震災や東日本大震災などの大震災から学ぶべき教訓は、住宅耐震化や出火防止、初期消火対策など予防対策の優先です。ところが、予防対策として一番重要な住宅耐震化や建替えに対する補助を除却に替えました。これでは後退です。
また、補助29号線では住民には「防災対策」と説明し、申請では「交通の円滑化」と言う。二枚舌は許されません。
開発については、国と同様に大崎・目黒・大井町・武蔵小山駅周辺開発をはじめ、品川駅南周辺ではリニア新幹線駅と共に多国籍企業誘致を進めるなど超高層ビル再開発を一層推進。住民を泣かせてディベロッパーに利益を誘導する開発はやめるべきです。
第二は、認可保育園の待機児問題です。
2月28日の認可保育園の二次募集は1118人が申請、しかし、不承諾通知をもらった方は868人、8割にもなりました。これは12月末の時点で入れない方が昨年よりも372人も多く出ていたにもかかわらず、追加対策など何も手を打ってこなかったのです。区の姿勢は大問題です。更に、区は、「将来的な財政負担になる」ことを理由にして認可保育園をつくろうとしません。未来の社会を担う子どもたちをゆたかに育てる自治体の重要な仕事を放棄するものです。これだけの待機児を解消するために区は責任を持って認可保育園をつくるべきです。
また、特別養護老人ホームの2月末の申請は611人です。今、計画中の3施設231床だけでは足りません。認可保育園や特養ホームをつくる土地も財源も十分にあります。さらなる増設を求めます。
第三は、国の社会保障制度改悪から区民生活を守る問題です。
国は、70〜74歳の医療費窓口負担2倍化、要支援1・2を介護保険給付から外し、一定所得者の利用料を2割負担に、要介護1・2の特養ホーム入所対象者はずしなど福祉削減と消費税増税を強引にすすめています。ところが区は、新年度から国保会計に4年間で高額医療費全額分の一般財源繰り入れをなくし、保険料値上げでまかなう仕組みにしようとしていますが、止めるべきです。後期高齢者医療費は、今でも重たい負担なのに、さらに年間4100円もの値上げです。国の社会保障解体から区民を守る立場に立ち、独自策をつくるべきです。
第四は、教育の問題です。
「戦争する国づくり」へと進める安倍内閣は、教育委員会制度を解体し首長が介入できる制度へと改悪しようとしていますが、区長は反対すべきです。
学校選択制はきっぱりと止めること。いじめをなくし、ゆたかな教育をすすめるためには、いじめを克服した事例に学ぶ取り組みをすることや30人学級の実現を求めます。図書館に指定管理者制度を導入するのは止めるべきです。
第五は、中小企業の問題です。
大企業の株主総会やパーティーなどに使うことを想定して高額な利用料の「品川産業支援交流施設」は止めて、中小企業の電気代補助や家賃助成などを求めます。生鮮三品の支援や商店街装飾灯維持管理費補助、イベント事業等貸付資金対象拡大などは評価。さらなる中小企業支援の充実こそするべきです。
最後は、財政運営の問題です。
区は、健全財政といいながら福祉を削り貯め込み、負担増を押し付ける政治をすすめています。さらに住民要望には背中を向け、認可保育園や特養の新規増設などを拒否しています。そのような政治姿勢を改めて、自治体の重要な役割である区民の暮らしをしっかり守るよう区政運営に当たることを強く求めて意見表明を終わります。