前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

新空港線早期整備着手に関する意見書に反対する討論

2014.07.09 いいぬま 雅子 区議

日本共産党区議団を代表して、議員提出第2号議案「新空港線早期整備着手に関する意見書」の提出に反対の立場で討論を行います。

本意見書は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、今後羽田空港を中心に国内外より東京往来の急増が見込まれると前書きをした上で、新空港線の開通が、国際都市東京の都市力向上に寄与すると期待し、品川区議会として、東京都知事あてに新空港線の早期着手に向け取り組みを求めるものです。

以下反対の理由を3点述べます。

1点目、新空港線をつくる目的、必要性、需要が示されていません。

議会運営委員会の中で、「国際都市東京の都市力向上に寄与するとともに、品川にとっても利便性向上、経済発展が大きく見込まれると書かれているが、必要性、需要、利便性をどのように判断されたのか」の質問に対し、提案者である自民党委員は、「資料に基づくものではない。品川区では、駅の乗り継ぎが多少よくなる。来訪者が少し増える」との答弁のみ。本意見書提出の目的、必要性、需要については、具体的根拠も示されず説明されませんでした。

2点目、地元大田区の住民から問題点が指摘されています。

大田区民が名づけた「蒲蒲線」は、当初東急蒲田駅と京急蒲田駅間を便利につなぐ800mの新線でした。ところが新空港線は、羽田から京急線を通過し東急線に乗り入れ3.1kmに延長され、渋谷、新宿、池袋などを経由し、遠方の利用客の利便性を優先した内容に変更され、区民の願う「蒲蒲線」とは程遠い鉄道になっています。

地元大田区で説明会では、たくさんの疑問が出されました。

「新空港線の乗り入れで、在来線の東急多摩川線沿線では、急行・特急などが走るようになると騒音振動などの環境悪化」「車両が長くなり開かずの踏み切りができる」「各駅停車の本数が減る」「地元は通過するだけで活性化にはならない」など心配が次々に出されました。「総事業費1080億円の3分の2は税金、多額の税金を投入し進める必要があるのか」などの意見も出ました。しかし大田区は区民の疑問や心配に説明責任を果たしていないばかりか、賛否が分かれている段階で強引に進めようとしています。地元住民の意見を無視し、品川区議会が新空港線推進を掲げることはまちがいです。

3点目、品川区議会において、新空港線について進めてほしいという議論は、これまでありませんでした。

国と東京都と大田区、東急電鉄、京急電鉄関係5者が、7年間検討を続けていますが、いまだ合意がされていない点も問題です。国家戦略特区に指定され、国主導になればますます地元住民不在の鉄道事業になる可能性があります。

以上、新空港線の必要性が示されていない。地元大田区民が納得せず、関係5者の合意が得られていない中で、品川区議会が都知事に対し整備着手を促す意見書を提出することは、あまりにも拙速で無責任です。

品川区議会が意見書を提出することに反対を表明し討論を終わります。 

ページトップへ

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ