2014.10.28 鈴木 ひろ子 区議
日本共産党を代表し、「議員派遣の件」についての反対討論を行います。本件は11月22日(土)から27日(木)の6日間の日程で行われるオークランド市平和事業交流団に、区議会議員6名を派遣するものです。
オークランド市平和交流事業は、非核平和都市品川宣言制定から30周年を迎える記念事業として、この宣言を契機に友好都市協定を結んだニュージーランド国オークランド市に、品川区および区議会から交流団を派遣し、平和交流の推進を目的とするものです。
9月15日、オークランド市長より「オークランド市をご訪問いただき、非核平和都市品川宣言30年を記念しての平和事業の交流をしたい」との申し出を受け、濱野区長は交流団派遣を決定。翌9月16日、区議会議長あてに「議長ならびに議会代表5名、随行として区議会事務局長を派遣して頂きたい」と参加を要請しました。9月19日の議会運営委員会(以下議運)で、議長の他、自民党2名、公明党1名、民主改革ネット1名、共産党1名、合計区議5名の参加が呼びかけられました。その後参加希望を確認したところ、共産、公明は辞退。その後みんな・無所属の会に参加が呼びかけられましたが同党も辞退。10月14日の議運で発表された参加議員は、議長の他、自民党3名、民主改革ネット2名でした。
10月22日の議運でわが党は、議員派遣について、委員会で時間をとって十分に議論すべきと主張しましたが、十分な議論が行われないまま本日即日採決となりました。
よってこの場で、わが党の「議員派遣の件」に対する反対の立場とその理由を述べます。
わが党は、両都市が積み上げてきた友好を発展させ、非核平和都市品川宣言30周年を記念し、品川区と区議会代表がオークランド市長の訪問の要請に応え、核兵器のない世界を目指す平和交流事業を実施することは意義あることだと考えます。それだけに、オークランド市への交流団派遣が、核兵器廃絶に向けた事業にふさわしい内容であることはもちろん、同時に区民の厳しい経済状況も踏まえるならば、税金の支出については当然必要な節約に努めることが求められます。この観点から、以下3点に絞りその問題点を指摘します。
1点目は、行動日程がたいへん不明朗な点です。
示された日程表では、全6日間のうち移動日となる初日と最終日を除く実質4日間の行動日程の中で、平和事業交流と思われる日程は、3日目のオークランド市議とピース委員会との意見交換と、5日目のオークランド市役所職員によるプレゼンテーションと意見交換ぐらいで、全日程の約半分が「市内視察」など視察として組まれていることです。例えば2日目の入国後は「市内視察」。4日目の「リンフィールドカレッジ校視察」後は、「市内視察」。5日目の市役所職員との意見交換後は、「市役所内見学」と「市内の平和関連施設視察」です。「市内視察」や「平和関連施設視察」というだけで、視察先も、その目的や内容も具体的に示されていません。わが党は、視察先や目的、内容、スケジュールなどを事前に明らかにするよう求めましたが、議運では明らかにされませんでした。これでは、核兵器廃絶に向けた平和事業交流団の派遣と言えるのかどうか、到底わかりません。
2点目は、総額729万4千円という高額な派遣費用が伴うものであり、これはすべて区民の税金による支出です。
オークランド市長の申し出が「品川区および区議会代表の皆様」であることや、区長側の参加が幹部職員の3名であることを踏まえると、議長及び副議長の2名で十分であると考えます。区議会の参加者は議長を含め6名は必要ありません。まして、わが党と、公明党とみんな・無所属の会が辞退した分を、自民党と民主改革ネットに振り分けるなどはとんでもありません。その他、航空券については、品川区3役と区議会議長はビジネスクラスで往復60万円、一緒に参加する職員や区議はエコノミークラスで往復23万5千円となっています。料金が2.5倍もの高額なビジネスクラスはやめ、全員エコノミークラスにすべきです。また、現地バスレンタル代52万3千円やホテル代1人1泊2万3千円の支出など見直しが必要であり、明らかにすべき問題が多々あります。
3点目は、報告書が作成され公表されるかどうかが不明な点です。区と議会の代表を派遣する事業なのですから、その報告書を作成することは当然です。
最後に、これだけの問題がありながら、内容の説明も議論もないまま、本会議上程、即日採決というやり方は「派遣、先にありき」の白紙委任であり許されません。
よって日本共産党は「議員派遣の件」に反対します。
以上で反対討論を終わります。