2015.02.18 なかつか 亮 区議
質問項目
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日本共産党を代表し一般質問を行います。はじめは 子どもの貧困克服へ 品川でも実態調査、就学援助の充実、給付型奨学金の創設など総合的支援を です
NHK放送「6人に1人!どうする子どもの貧困」「おなかいっぱい食べたい〜緊急調査子どもの貧困〜」「子どもの未来を救え〜貧困の連鎖を断ち切るために〜」。子どもの貧困対策法から1年。子どもの健やかな育成へ具体化が急がれます。
しかし、安倍内閣の対策大綱は「貧困の連鎖によって、子供たちの将来が閉ざされることは決してあってはならない」と示すが、支援策は従来のまま。給付型奨学金の導入、ひとり親家庭への児童扶養手当改善などは盛り込まれず関係者は失望。さらに、アベノミクスによる生活品高騰は低所得者世帯を直撃。消費税増税は、これに追い打ち。生活保護引き下げは、受給世帯の子どもの生活を脅かし、就学援助への連動は支援を受けることができない子どもを増やします。学校からは「給食が唯一、まともな食事となる家庭の子ども。夏休みが終わると痩せている」と心配の声があがっています。
格差と貧困を拡大する政治を、どうしても止める必要があります。「濱野区長は、格差拡大のアベノミクス、消費税増税、社会保障や雇用の改悪など子どもの貧困を拡大する悪政に反対し、国に対し、子どもの貧困克服への取り組み強化を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか」「また、貧困がもたらす、子どもへの影響をどう考えるのか?見解を伺います」
昨年4月、改訂された長期基本計画「子育て・教育」は、親としての心構えや子育て家庭の交流など自助、共助。子どもの貧困対策がありません。子育て家庭の経済的負担軽減も医療費助成、私立幼稚園入園料・保育料助成、認証保育所保育料助成と従来事業のままです。「子どもの貧困対策を区の計画に位置づけ、具体的支援が急務だと思いますが、いかがでしょうか」「また、濱野区長の選挙公約『子育て・教育一番の街に』とは、子どもの貧困を、どう克服するのか、見解を伺います」
今年、足立区では専門組織を立ち上げ、小学生の健康状態や生活状況の実態調査を始めます。品川でも、「子どもの貧困を克服へ、実態調査を求めます。いかがでしょうか」
様々な努力も始まっています。港区では学校のドリルや資料集など学校補助教材や学校給食の保護者負担軽減を実施。また、認可保育園に続き、認証保育園も第2子以降の保育料無料化も。品川区でも始めるべきです。「教育に係る費用の負担軽減策へ補助教材への助成、区奨学金の給付型創設、学校給食の保護者負担軽減や無料化へ助成やお米などの現物支給の実施を求めます。それぞれ伺います」
就学援助について区は「基本的に生活保護改定前で算定」と生活保護改悪に連動させないと説明しています。「今年も、今後も、就学援助の算定について、生活保護引き下げと連動しないよう求めますが、いかがでしょうか」「また、物価の上昇、消費税増税など生活費負担増に対応し、就学援助の対象と金額を充実すべき。いかがでしょうか」
次に阪神淡路大震災から20年 今こそ震災の教訓を生かし、被害を未然に防ぐ防災対策をです。
多くの命が奪われた震災から、何を学び、何を生かせば、震災の被害を防ぐことができるのでしょうか。阪神淡路大震災では死因8割が住宅倒壊。また仮設・復興住宅での孤独死は1100名を超えました。東日本大震災の福島県では震災関連死が、津波などの直接死を超えました。こうした被害から、未然に防ぐ予防第一の防災対策を学び、生かすことが地方自治体の責務です。濱野区長は「災害の教訓からは、今もなお学ぶべきことがある」と発言。「災害の教訓とは何か?品川区災害対策基本条例は、予防第一の防災対策へ、抜本的に改めるべきと思います。いかがでしょうか?」
家具転倒防止設置の補助拡大を歓迎しますが、住宅が倒壊すれば、住民の命は危険にさらされます。避難生活も、非構造部材耐震化やトイレ改善が進みましたが、人間らしい環境をつくり被災者の命を守る支援計画がありません。
区の防災とは木密10年プロジェクトや特定整備路線など住宅を更地にする除却支援や道路沿道耐震化が中心。最大の死因である住宅倒壊、避難生活における震災関連死など、発災直後と、その被害から救われた命を決して犠牲にしない、この予防対策が決定的に足りません。「住宅耐震化を防災対策の重点課題とし、木造住宅の耐震補助300万円へ増額、新築建て替え助成復活、区営住宅を増設し木造アパートで暮らす方の希望にそった入居促進、火災の発生抑制へ感震ブレーカー設置補助や消防能力・消防水利の強化を求めますが、それぞれ見解を伺います」
もう一つは障害者、高齢者の防災対策です。被災地の避難所が報道されるたびに障害がある方や家族から「これが自分たちだったら」と不安を感じます。
障害者福祉計画には災害で困ることを「薬や医療的ケアの確保」「一人では避難できない」「トイレの利用」「避難所で他の人と一緒に過ごすこと」などをあげ「障害のある人やその家族のみで避難や避難生活に対処することは難しい状況」と記されました。
しかし、その対策は「区の防災計画を正確に理解」「地域で助け合える体制」と自助、共助。これで、どう守るのでしょうか。
学校など53避難所は44ヶ所で避難所運営マニアルが作成。しかし、内容は地域住民に徹底されていません。19カ所の福祉避難所は全体マニュアルが整備されましたが、各避難所の計画はありません。「震災から障害者・高齢者の自宅確保へ、住宅耐震補助の上乗せ支援」「学校避難所運営マニュアルについて内容の住民周知」「各福祉避難所の運営マニュアル策定し、施設職員や利用者、家族、地域住民への周知」「障害者の在宅避難生活支援へ、当事者参加を位置づけた基本計画の作成」それぞれ、ご答弁願います。
また、視覚障害がある方から「区にどんな防災計画があるのか。私はどんな準備が必要なのか。率直に説明してほしい」と。車いす利用の方からは、区の起震車で地震体験を希望したら「危ないので、ご遠慮下さい」と言われました。
「区防災計画がどのような内容なのか?点字やデイジー化など工夫した配布物の作成や障害者説明会など周知を求めますが、いかがでしょうか」「また防災センターが改修されますが、障害がある方も体験、理解ができる工夫を求めます。いかがでしょうか」
震災から命を守るには日常の医療、福祉の強いネットワークが重要です。特養ホーム待機者600名。保育園の入れない子ども1000名。区民生活を大事にしない政治は、震災時にはもっと困難です。震災の教訓を生かす防災計画を強く求めます。
次に3路線で合計1000億円の税金投入 補助28・29号線、放射2号線道路建設は中止をです
2月6日、国土交通省は29号線の戸越公園駅周辺を事業認可。これで3路線すべて認可されました。強い反対運動、住み続けたいと願う住民、不服審査の結論も未決定、都市計画決定の原簿不存在など法的根拠も未確認のなか、全路線認可とは許せません。区長は「理解を得ながら進める」と話すが、理解など得られていません。「この道路整備事業の、どこが、理解が得られたのか」伺います。
認可書によると29号線総事業費は602億8千万円。補助28号線は53億1千万円、放射2号線は226億8千万円。3路線で882億7千万円。さらに沿道不燃化や周辺再開発、資材高騰、鉄道交差部、西大井の崖工事など1000億円税金投入ではないでしょうか。
「区は、3つの特定整備路線、沿道不燃化や周辺再開発、追加工事など、これらの合計は、いくらと見込んでいるのか?見通しを伺います」
これらを防災、交通の円滑化、まちづくりと説明します。しかし、防災の役に立たず、むしろ防災に重要な住民同士の絆、地域の核となる商店街を壊すなど、防災のためにも中止すべきです。
延焼遮断帯とは、一見、震災時の「燃え広がらない街」との誤解がうまれます。しかし冷静に考えれば、道路までの住宅が燃える前提です。事実、東京都のシミュレーションでは1カ所の火災が、道路手前の住宅500棟、1000棟が燃え広がることを想定しています。
さらに火災が焼け止まらない事も判明。墨田区では幅22メートル道路の沿道30メートルで、28年間不燃化促進事業を実施。効果を検証したところ、不燃化率は向上したが、沿道に残った木造住宅から道路反対側に15カ所も燃え広がることが判明。事実28号線で東京都は延焼拡大を認めています。
沿道の建物不燃化が完成しても、火災の火の粉がビルとビルとの間をすり抜け700m先で飛び火する。風速が想定8メートルを超えればリスクは上昇。風向きが北風になれば火災は南北に拡大。放置車両に引火すれば車両火災です。つまり火災を道路など遮断帯で防ぐ対策は、おのずと限界がうまれるのです。
だからこそ、被害の発生源を取り除く予防第一の防災対策への転換が必要。事実、中央防災会議は、住宅耐震化と感震ブレーカー、初期消火成功で被害の9割を減らせると提言。これこそ、命と街を守る防災対策。住民理解が得られる対策はスピードアップに繋がります。
放射2号線は近隣に火災拡大を防ぐ小中学校、大学、お寺や墓地が多数。ここの百数十棟の木造住宅を守る対策は226億円の道路建設ではなく、1つ1つの住宅の耐震化こそ、はるかに防災の役にたち、税金もかかりません。特定整備路線が防災のためはゴマカシです。防災との説明は、もうやめるべきです。いかがでしょうか
理由に掲げる「交通の円滑化」も事実と異なります。29号線と大井町線の交差部について東京都は「交差部の交通処理は、関係機関と十分に協議し、必要に応じ検討する」と都議会で答弁。踏切による交通渋滞や大井町線の高架化について、現状では、なんら具体策がありません。29号線について、現時点で大井町線との交差部が未確定で、なぜ交通の円滑化なのか。伺います。さらに交通量減少です。29号線とわずか500m横を通る第二京浜について、国は12時間あたりの交通量を発表。昭和50年後半の4万9千台が平成20年代では3万2千台と1万台以上も減少です。交通量が1万台以上も減少しているなか、なぜ交通の円滑化のために、この3路線が必要なのか?ご説明下さい。
昨年末、「協議会の集まりに出席したら、戸越公園駅前の巨大ビル計画をみた。これは本当か」との話を聞きました。その後、1月末、区は「戸越公園駅周辺街づくりビジョン」東地区を「地域生活拠点の核となる高度利用を図った都市型住宅の整備促進」と発表。道路が進むと高層化が進むとの住民不安は増すばかりです。事実、同じ拠点指定の西大井駅は28階建て105mのJタワーです。戸越公園駅周辺を、29号線整備を契機に100m級の超高層再開発とは、庶民の町、商店街が壊れます。29号線など3つの特定整備路線と戸越公園駅周辺まちづくりビジョンは撤回すべきです。いかがでしょうか。
こうした超高層ビルや道路に注ぐ労力、税金は何度も求める住宅耐震化など予防第一の防災対策に転換を。住宅耐震化300万円は、道路予算の半分以下で可能なのです。
次に騒音、落下物、墜落のリスク 品川上空を飛行する羽田増便ルート変更に、区長は断固反対をです
「品川上空を1分間に1機も飛行機が通過。これは大変な事になる」。羽田ルート変更に不安が広がっています。昨年、区は騒音・具体的改善策など国に要望。まず「これら要望について、国の回答はどうだったのか、ご説明下さい」「また、飛行ルートについて、南風時1時間あたり40回が44回へ増便だと、なぜ全便が品川区上空なのか」ご説明下さい。
区は飛行高度を、かつて八潮上空を飛行していた時と「ほぼ同等」、当時の騒音を65〜70デシベルと説明。しかし高度300mで約80デシベル。当時の八潮を超え、環境省の工業区域規制も超える騒音です。これでは品川の住宅街が壊れます。
品川区議会は全会一致で「五反田駅周辺や品川駅周辺上空で約450m、大井町駅上空で約300m、大井競馬場上空では約200mであり、大きな騒音影響が見込まれ、品川区議会としても懸念を抱いている」と決議。そこで五反田駅や品川駅、大井町駅、大井競馬場上空は、それぞれ何デシベルか伺います。
次に落下物や墜落のリスクです。成田空港は落下物の多くを氷の塊と紹介。航空機から漏れた水が上空で凍り、それが着陸のために胴体から車輪を出す、いわゆる脚(あし)下げ時に落ちてくることが多く、その頻度は年間3件くらい。平成元年には19件。代表的な落下物防止策を着陸する場合の洋上脚(あし)下げ方式と説明します。
隣の港区では「航空機からの落下物防止対策、都心部落下事故の想定被害」などの説明を国に要望。品川区も騒音と共に、落下物、墜落のリスクについても、区は十分に認識する必要があると思いますが、いかがでしょうか。また、落下物を防ぐ「洋上脚(あし)下げ方式の実施」が徹底されるのか、事故が発生した際、市街地へ墜落を回避する方策はあるのか?伺います。
最近、台湾の市街地で墜落事故が発生しました。飛行機が市街地を飛行してはいけないのは避けられないリスクがあまりにも多く、一度の事故で起きる被害の規模があまりにも大きいことからではないでしょうか。
2月、安倍首相は国会で羽田強化を「地元の理解を得て飛行経路を見直し、国際線を2020年までに年4万回増やす」と発言。今こそ、市街地上空を飛ぶルート変更に区長は断固反対を表明すべき。いかがでしょうか。
最後に伊藤学園プールの一般開放再開を改めて求めるです
私は、伊藤学園プールの一般開放再開を求めてきましたが、区は「開放する予定は全くございません」と頑なです。
最大の問題は、新しい学校室内温水プールにも関わらず、夏暑く、冬寒く、わずか6年で一般開放が中止。そんなプールを作った区の責任は重大だということです。区はかつて「建物全体を建て直さない限り抜本的な解決は難しい」と説明。そこまで直さなければ利用できない程、重大な設計ミスだったのです。
現在の伊藤学園プール利用を調べると、学校の授業と部活動で6月から11月にかけて、温水ではなく、水で利用。一般開放を中止するほど環境が悪いプールで、子どもは大丈夫なのか。それとも、学校が利用できる時期ならば、学校が利用していない時間帯の一般開放は可能ではないでしょうか。夏暑く、冬寒く、一般開放もできないような学校室内温水プールをつくった区の責任を、どう考えているのか?反省はあるのか?伺います。当面、学校の授業や部活動で利用している時期について、夜間や土日など空いている時間帯からプールの一般開放を再開してほしい。いかがでしょうか。
以上で終わります