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「4月に保育園待機児を一人も出さないための緊急対策を求める請願」の賛成討論

2015.3.27 日本共産党区議団 鈴木ひろ子

日本共産党を代表し、請願第6号「4月に保育園待機児を一人も出さないための緊急対策を求める請願」についての賛成討論を行います。

本請願は、濱野区長が「昨年10月の区長選で掲げた「待機児ゼロ」の公約を守って緊急対策をとること」、「区が待機児解消に向け、園庭のある認可保育園を増設すること」を求めています。これらの請願項目はママ・パパたちの切なる願いであり、当然の要求です。

以下、賛成の理由を述べます。

第1は、4月に一人も待機児を出さないための緊急対策についてです。

今年4月、品川区で一次、二次合わせて保育園に申し込んだ子どもは3060人、内入れなかった子どもは1154人。約4割が入れないという過去最悪の事態です。これは、区が待機児解消の姿勢がないために起こったことです。

昨年4月に認可保育園に入れなかった子どもは870人と、過去最悪を記録。そして10月には申請者が前年度を300人も上まわることを把握していながら、区は待機児解消のための対策を取りませんでした。濱野区長は、「待機児ゼロ」を公約。私は、予算委員会・総括質疑で、「公約を守るという思いはなかったのか」「1154人の子どもたちはどうしたらいいと思っているのか」と質問、区長は答弁に立たず、担当部長に「重く受け止めている」と答弁させたのです。公約をしたのは濱野区長です。答弁にも立たないという姿勢は、区民に対してあまりにも不誠実、区長の責任は重大です。

結果1154人ものたくさんの子どもたちとその親たちを路頭に迷わせるという事態となったのです。区は「27年度709人の枠を拡大」と発表。しかし実態はどうか。肝心な4月の入所拡大枠は370人。しかも申請者のほとんどが0〜2歳児であるのに、その拡大枠はわずか188人分だけ。そのため、1029名もの0〜2歳児が入れなかったのです。

また、待機児の数え方も問題です。品川区は5月入園の申請をしなおさなければ待機児として数えません。私は、近隣の大田区、港区、目黒区などに確認しましたが、こんな数え方はどこもしていません。実際よりどれだけ少なく見せるか、「待機児ゼロ」に本気で取り組もうとしない品川区の姿勢が浮き彫りです。

2つ目は、不採択の理由です。文教委員会では、自民、公明、民主、無所属の各委員が、区の対策を評価し、区民の請願に反対しました。自民党は区の「対応は十分されている」、公明党は「区は待機児童対策をとり、27年度は709名拡大している」、民主党は「解消に向け区も取り組んでいる最中」、無所属議員は「ニーズに対応しようと数々の施策を打ってきた」と述べ、ともに請願不採択の理由にしています。

これほど保育園が足りないのに、待機児解消にまともに取り組まない品川区を議会が正さないのであれば、議会の役割が大元から問われると思います。

さらに民主党は、「請願の中で、園庭のある認可保育園」とあるが、「認可保育園のみでなく、様々な都市圏、対策を講じて待機児ゼロに向け取り組んでもらいたいので請願は不採択」と述べました。区は、これからも多様な手法で総合的な対策をとるという方針。その中で様々な保育施設ができています。「園庭がない、狭いスペース、給食がない、延長保育がない、劣悪な保育士の処遇」など保育の市場化による保育の格差が大きな問題になっています。

3月12日と25日の2回にわたり、ママ・パパたちが品川区に対して「保育所等利用不可処分」に対する集団での異議申し立てを行いました。今年の異議申し立ては21人、区長への改善要望書2人で昨年を大きく上回り、テレビや新聞でも取り上げられました。ママ・パパたちの願いは、子どもが伸び伸びと走り回れる園庭のある保育園であり、保育士の労働条件が確保され、保育体制が整った認可保育園に継続して預けたいということです。

認可保育園に入れず、認証保育園を何カ所も探し回ったがどこにも入れない。やむなく認可外保育施設に預けざるを得ない。多くの施設が、狭いマンションのワンフロアーに異年齢のたくさんの子どもたち。無資格者による保育。給食なし。月8万円〜9万円もの高額な保育料。東京都や品川区も年に1回の立ち入り調査も一部のみ、まともに把握していない。これが多くの認可外保育施設の実態です。もしも事故が起こったらどこが責任をとるのか。厚労省の保育施設における全国事故報告集計によると、25年度死亡事故19件中15件が認可外保育施設で起こっています。誰もが、子どもの安全とゆたかな育ちを保障する保育施設に安心して預けたいと願っています。

港区では、認可保育園増設とともに、学校跡地、区有地、都有地、仮設の跡利用、民間施設の借り受けなどを活用し、区立の緊急暫定保育施設を11園、1547人分つくり、待機児を大きく減らしました。暫定という以外は区立認可保育園と同じもので、今入れずに困っている待機児対策に大きな効果を発揮しています。港区に学び、区が責任を持って緊急対策を行うべきです。そしてこれは今からでもできることです。

文教委員会で公明党は「供給をつくることによる需要の増という現実もある」と述べました。保育園をつくることが保育園入園希望者を増やす、これはいけないことでしょうか。子どもが生まれることはうれしい事であり、行政としてしっかりこれに応えていく姿勢こそ、少子化の改善につながります。ママたちは頑張って育ててきたかわいいわが子が保育園に入れずに「こんな苦労をするなら2人目、3人目はつくれない」と声をそろえて訴えています。認可保育園を必要数つくらないことがむしろ少子化を加速させます。

最後に、安倍自公政権が進める保育の新制度は、国と自治体の責任を大幅に後退させ、子どもたちを儲けの対象にする保育の市場化です。子どもはかけがえのない社会の宝物。儲けの対象にさせてはなりません。未来を担う子どもたちに税金をしっかり使い、どの子も健やかに育つ権利を保障することは自治体の責務です。そして、品川区には土地もお金もたっぷりあります。区長が自ら掲げた「待機児ゼロ」の公約を真摯に守り、緊急に待機児解消策をとるよう議会から求めていくことを呼びかけまして、賛成討論を終わります。

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