2016.10.19 のだて 稔史区議
日本共産党品川区議団を代表し、なかつか委員とともに総括質疑を行います。
私からは、区立保育園の民間委託、民営化にかかわって、ひろまち保育園の事業者交代について伺います。300人の大規模保育園である区立ひろまち保育園が、区内初の公設民営で、社会福祉法人夢工房の運営により暫定期間5年をめどに4月に開設されました。ところが、わずか1カ月で、区と事業者夢工房との認識のずれが生じ、開設後4カ月、8月19日に合意解除となり、事業者交代という重大事態になりました。やっと子どもたちが保育園になれてきたころに、事業者の撤退が発表され、ママ、パパも不安に駆られています。ひろまち保育園に子どもを預けている方から寄せられた声は、「次の事業者が何もないとは限らない。私も転園を考えている」という不安の声です。事業者交代についての保護者会で謝罪はなかったと聞いています。区は、今回の事態を起こしたことについて反省しているのでしょうか。子どもや保護者に迷惑をかけたと思っているのでしょうか。また、なぜ区立園の民間委託を始めたのでしょうか。それぞれ伺います。
8月23日、保護者会を開催いたしました。冒頭、おわびさせていただきました。あわせて、「なぜマスコミ報道が先行したのか」といった質問をいただいたときにも、謝罪として反省の意を伝えさせていただいたところでございます。したがって、反省の意、迷惑をかけたということについては、きちんと保護者の方にお伝えしたところでございます。
民営化をした理由でございますが、3点ございます。1つ目は国の制度設計でございます。この間、本会議でもお伝えしておりますとおり、平成13年に国の方針が変わりまして、民間活用を図るということで、補助金といった仕組みが変わっております。もう一つは財政負担の問題です。この5年間で保育の事業費は70億円台から130億円台と1.8倍に増えております。こういった財政負担の平準化を図る必要もございます。あわせて、スピード感を持って待機児対策を図る。毎年500人から800人近く、子どもが前年より2%ずつ増えている中で、やはり民間活用を図るということが民営化の理由でございます。 ◯のだて稔史委員 謝罪や反省は保護者に伝えたということは、反省もしているし、迷惑についても保護者の方に伝えたとおっしゃっていました。それならば、やはりしっかりと見直していく必要があると思います。民営化で委託を始めた理由についてですが、安上がりの保育士にかえていくといったことは許せません。
今回の問題について具体的にお聞きします。第1に、区が求めていた看護師の配置がされていなかった問題です。常勤の看護師配置は、業務委託の内容を書いた仕様書でも、運営に関する基本事項の覚書でも、開設の条件として書かれています。契約書でも、仕様書に基づいて業務を履行することが書かれています。また、2015年7月のひろまち保育園開設の委員会報告で、区は、0歳児園ではありませんが、看護師は必置、必ず配置と明確に説明していました。にもかかわらず、今だに看護師の配置はされていません。配置されていなかったことについて、区は、「偽ったり誤ったりした報告はないため、不正ではない」とまで言って、知っていながら6カ月以上もそのまま看護師が配置されていない状態を容認しています。区民や保護者には「子どもの健康や安全を守るための看護師を配置する」と説明しておいて、配置されていないのは無責任ではないでしょうか。
仕様書の13「契約代金の支払い」という項には、毎月の履行および検査終了後、適法な請求に基づき支払うとあります。毎月の履行を確認し検査を行っていながら、4月から配置されていない看護師分の補助金を支給していたことになります。看護師配置を守らせることができない理由は何か伺います。看護師分の補助金の返還を求めるのか伺います。
仕様書に従って看護師が配置されていない点については不履行だと私どもも認識しております。ただ、看護師につきましては、特に公立保育園では0歳児の子どもの介助のスタッフという役割をしております。現時点では300人ではなくて170人ですので、感染症あるいは保育士自体の健康につきましては、連携園である品川保育園や、あるいは本課の看護士を派遣して対応しているところでございます。
次に、看護師の配置を守らせなかったことについては、まことに残念ではございますが、あわせて委託料につきましては年度末に清算したいと考えております。
品川区は、配置されていないことについて不履行だと認識しているということであれば、契約の解除にもなってくるのではないかと思いますが、合意解除と言っています。そのことについて伺いたいと思います。そして、基準外でも、区が求めていた看護士配置、いなければそれでいいというものなのでしょうか、伺います。看護師配置を守らせることができない理由を伺いましたけれども、ご答弁がありませんでしたので、改めて答弁をお願いいたします。そして、配置されていないことを残念だと言っている。そして、年間でトータルで調整していきたいということですけれども、返還を求めない理由を伺います。
解除についてお話しさせてください。私ども品川区には、コンプライアンスということでのきちんとした仕組みがございます。この件につきましては、お2人の弁護士の方に受任していただきました。あわせて総務課にも訟務員がいらっしゃいますので、こういった方に忌憚なくご相談申し上げました。こういった解除権と合意解除は性質が違います。解除権の場合は、解除事由が発生した場合に、私どもの意思表示でもって契約関係を清算するということになります。具体に申し上げますと、弁護士の方にもご相談申し上げましたが、他の自治体での不正流用や、具体に看護師の配置のことをもって排除はできないというふうなアドバイスを頂戴いたしました。その理由の第1は、円滑に保育園の運営はできております。延長保育、給食、保育士の配置の違反といった重大事項も発生しておりません。こういった事由には当たらないと考えております。したがいまして、仮に解除を申し出た場合、大変困ったことになります。向こう方は認めません。認めないということは現場が混乱するし、場合によっては損害賠償を求められる。逆に認容されてしまいますと、今度は次の日から保育士がいなくなってしまいます。保育の運営を継続することができません。したがって、契約という形で年度いっぱい事業を継続していただいて、年度末をもって終了とし、円滑な引き継ぎを図るといった取り組みをしたものでございます。看護師の配置を守らせることができなかったことにつきましては、相手方の自主的な対応でございまして、なかなか看護師を採用する、いろいろ手だてを尽くしても見つからないということでございました。
区が幾ら求めても、事業者の自主的な対応ということで、結局は看護師の配置は今だされておりません。民間委託では、こういった人員配置さえも守らせることができないということです。
第2に、解除にまで至った保育方針の違いは何だったのかという問題です。改めて、解除に至った保育方針の違いは具体的に何だったのか伺います。また、区は、「夢考房の理事長とその配偶者である統括園長と定期的な話し合いをしてきた中で、本年5月ごろより、ひろまち保育園を、全国展開する法人の他の保育園と同様に考え、その一つにすぎないと態度を変え、双方の認識にずれが生じた」と説明しています。区と夢考房の認識のずれとは何でしょうか、伺います。それから、区が保育状況について直接、園長に指示したいと法人に申し出を行ったとの説明もありました。園長に直接指示したかったことは何でしょうか。以上、3点伺います。
まず、保育方針の違いでございます。品川区は、「のびのび育つしながわっこ」という基本方針を持っております。これは1つには小学校、優れた教育システムにおいて一貫教育と接続して小1プロブレムをなくす。保育教育の実施の中で、徳力、体力、そして知力といったものも要素に含めながら円滑な接続をするということを定めたものでございまして、あわせて個々のお子様方の特性・個性に応じて保育士が対応する。そして、それを保護者と共有して、親の子育てを支援するという仕組みでございまして、どの保育園に行っても水準が高い保育が得られるということでございます。
その保育方針の違いでございますが、こういった点は理解していただいていたと理解しておりましたが、園長は区のOBでございまして、こういった、「のびのび育つしながわっこ」を具体的に体現する保育の実践をするものでございましたが、こういった実践はなかなか、ままならなかったという事情がございます。また、相手方の立場で言わせますと、確かに区のOBかもしれないけれど、実際、現在は法人の保育士なのだ、園長なのだ、社員なのだという理解がございましたので、こういった点での方針での一致が見られなかったということがございます。この認識のずれも同様でございまして、私どもは区の方針に従って、プレゼンでもありましたとおり、また、仕様書にございましたとおり、保育を実施していただけると考えておりましたが、相手方は、我々は祖父から4代続いている実績のある保育園であって、全国展開もしている。保育の質について、我々は自信を持っているといったことでございました。
園長に直接指示したかったことでございますが、「品川区の保育を体現しているのであるから、自信を持って保育をしてください」ということでございます。
今の答弁でもよくわかりません。園長に直接指示したかったこと。体現したことを伝えたかったということですけれども、どういうことでしょうか。改めて、この保育方針の違いは何だったのか、認識のずれとは何だったのか、園長に直接指示したかったことは何だったのか、具体的に伺います。そもそも業務委託契約では、発注者がそこで働いている労働者に直接指示してはいけません。これは偽装請負をなくすためで、区は直接、園長に指示したいと求めたが、夢考房は、区から指図される覚えはないと、先ほどの答弁にもありましたけれども、断ったとの説明です。区が園長に直接指示したいと申し出たことが、おかしいのではないでしょうか、伺います。
保育の状況について直接指示ということで、少し誤解があったと思います。これは何かと申しますと、「偽装請負」という言葉が出てきましたので、ちょっと簡潔にご説明申し上げますと、偽装請負は労働派遣法の脱法に当たるということなのだと思います。個々で申し上げますと、保育の計画や個々の職員の労働・超勤命令といった指揮監督命令権が我々にあった場合には偽装請負に当たると思いますけれども、そういった関係は、ひろまち保育園との中ではございません。直接指示したかったことというのは、文教委員会でご案内いたしましたけれども、例えばグループ保育を実施するだとか、個々の子どもの成長の記録といったものについては、区で使っていた帳票類も活用しながらやることが正しいのではないか。それが正しくないということで法人の中で議論があるのであれば、私たちも法人側とお話しさせてくださいということでございます。
今ご答弁がありましたけれども、保育方針の違い、指示したかったことということで、グループ保育というお話もありましたが、文教委員会でも、これは区立の園でも、やっているところとやっていないところがあるというところで、保育方針の違いとしては、部長みずからが否定したところです。改めて、明確に、保育方針の違い、あるいは認識のずれ、直接指示したかったことを伺いたいと思います。
そして業務委託についてですけれども、指示することができないというのが業務委託の手法ではないでしょうか。区の保育方針で運営することはできないということではないでしょうか、伺います。
この点につきましては、法律の専門家である弁護士の方にご相談申し上げました。委託の仕様の趣旨を逸脱した場合、こういったものにつきましては、口頭または文書でもって対応を求めることができる。それで、私どもでは指示書という言い方で文書を発する場合もございますし、偽装請負の場合の指揮監督命令と指示とは、具体的なものは違います。私どもの認識と委員のおっしゃることは違います。具体的な保育方針の違いにつきましては、繰り返しご答弁申し上げておりますけれども、基本的な保育観、物の考え方が違ったため、なかなか、ひろまち保育園での実践に困難な場面があったので、我々は、「のびのび育つしながわっこ」の趣旨に従って保育を実践してください。これが方針の違いでありました。
お答えいただいても、やはり具体的な答弁はありませんでした。重大な事態が起きた要因が具体的にわからないことが一番問題です。区は、解除の理由に保育方針の違いを挙げながら、現在行われている保育の質に問題はないと言うのは矛盾です。これは、子どもの成長や命を保証する保育所の問題です。子どもにとって重大な解除という事態を引き起こしながら、まともな解除の理由さえ区民に示さないのは許せません。仕様書、覚書にある看護師の配置も行われておらず、仕様書に、「運営方針を区と協議の上、決定し、確実に履行すること」とあるのに、区の方針にも従わない。これは明らかに仕様書を守っていません。しかし、区は、仕様書を守っているとの説明です。なぜ守られていると言えるのか伺います。仕様書を守らせることができないということでしょうか。それぞれ伺います。
繰り返しのご答弁になりますが、保育の実践において、ひろまち保育園において支障はございません。保護者の方からも、質の高い保育が提供されているというお声を頂戴しております。具体的に、先ほど申し上げましたが、保育の現場で、国基準に従って保育士は配置されております。給食の提供料につきましても問題はございません。延長保育も実施されております。仕様書に従って実践されているものでございます。ただ1点、看護師の配置がないことについては、委員のご指摘のとおりでございます。
契約書にも、「仕様書を守ること」とありますが、これについても守られていないということになります。実際に今、部長もお認めになりましたけれども、看護師の配置の部分は守られていないと。仕様書を守らせることができなかった理由は何か、伺います。仕様書の特記事項(1)には「互いの協働を前提」と、そして(2)には「区との連携を図り協力すること」とあります。これについても守られていないと思いますが、いかがでしょうか。保育士がかわらないよう、新たな事業者に働きかけていくという説明もされていますが、私は残ってもらいたいと思いますが、それは事業者が判断することになり、保育士に残ってもらえる保証はないと思いますが、いかがでしょうか。
保育士の配置が守られなかった理由につきましては、相手方の不履行だと認識しております。ここを強制することはなかなか難しゅうございまして、区としても引き続き申し入れをしてまいります。あわせて、契約の1条項の不履行をもって解除できない。これが結論でございますので、重ねて申し上げさせていただきます。
先ほど委員が、協働の関係ですとか、特記事項をお読みになりました。まさにこういった点の、これは一般条項でございますので、これが守れなかったことをもって、とがめ立てもなかなか難しゅうございますが、こういったことが双方で確認できましたので、今回、合意解除ということに至ったわけでございます。
最後に、保育士の継続雇用でございます。この点につきまして、相手方、受託者も大変、区に配慮してくださっております。といいますのも、保育士、現在は向こうの社員ではございますが、ひろまち保育園に残りたいという希望があれば、それを尊重するということで言っていただいております。また、新しく今、プロポーザルをしておりますので、詳細は控えさせていただきますけれども、こういった保育士の継続雇用につきましても理解を頂戴しております。あわせて、何人残っていただけるかは、詳細はわかりませんが、その際の不足分につきましては、前乗りをして保育士を派遣し、円滑な引き継ぎ保育に努めるといった経験もあるということでございますので、お子様方にご迷惑はかけないように来年の4月を迎えたいと考えております。
看護師が配置されていない。区の方針にも従わない。部長も、8月の文教委員会で、仕様書に従っていただけなかったと、先ほどもご答弁がありましたけれども、守らせることができない理由を改めて伺います。ひろまち保育園では、もともと区の職員だった方が13人入って、何とか、区の求めるものを実現しているという状況です。民営化したところには、毎回、区の保育士だった方に入ってもらうということでしょうか、伺います。
履行を強制できなかったことは、相手方の看護師を用意するという意思も、採用の難しさもあったのだと理解しております。これを区で代替して加算して配置する。これは契約の方針に従っておりませんので、区としてはこのような考えはございません。あわせて、毎回、区の保育士だった者を民間委託であっ旋するかということでございますが、現在の園長は定年退職を迎え、民間にあっ旋するという形で、現在の受託者の社員になったと私は引き継ぎを受けております。ただ、残りの保育士、非常勤職員は、現在のひろまち保育園の園長の優れた手腕・人間性に引かれて、退職していってしまいました。これは、区として想定外のことでございますので、今後、委託の縁があったときに、チームとして区の職員、保育士を送り込むかということはございません。
先ほどのご答弁では、互いの協働や区との連携を確認できたというお話でしたけれども、それであれば解除ということにはならないのではないでしょうか。その点も伺います。そして、改めて、看護師配置など、仕様書を守らせることができない理由を伺います。これで縛ることはできないと言っておりますが、それでは区の方針が実現できません。ぜひここを具体的にお答えいただきたいと思います。
互いの連携や協働関係がなかなか難しい。5年間にわたって継続的な信頼関係を構築する、これが難しいと考えたので、合意解除に至った。合意解除以外の手法はなかったと理解しております。
個々の仕様書の中の一片の履行・不履行をもって、全体の契約関係を覆すことはできませんので、看護師が配置できなかったことは大変残念ではありますが、引き続き相手方に配置を求めてまいります。
「仕様書で事業者を完全に縛ることはできない」と、先ほど部長もご答弁がありました。そして、業務委託では区の方針を守らせることはできないということです。1年で事業者が交代するという事態は、子どもや親に不安を与え、成長に重大な影響を及ぼします。再びこんなことが起きないようにしてほしいという思いは、全員の共通の思いではないでしょうか。既に区は、ひろまち保育園の新たな事業者と、公設民営の区内2園目となる北品川一丁目保育施設でも事業者選定をしています。二度と繰り返さないために、新たな事業者選定について改善した点はあるのか、伺います。今後の事業者選定についてもどういう改善をするのでしょうか、伺います。
今回は、私も含め、何人かの専門職とともに、いろんな視点で、相手方、プロポーザルに参加していただいた事業者の現場を見てまいりました。個別具体的に申し上げますと、例えば食育であれば、0歳児の子どもが手づかみで食べられるように食材が切ってあるかだとか、保育士の細かい平均年収や勤続年数、あわせて、例えば1年で退職した人間はどういった理由で退職したか、名簿をもって確認いたしましたし、離職率も同様に確認いたしました。あわせて、一番大事な保育の方針についても、経営者の方と十分事前にお話し合いする機会もございました。こういった点が改善した点でございますし、今後もこういった実のある、実踏といいますか、中身を知るということを通して、品川区の保育方針、高い質のサービスを継続できる受託者にお願いしていきたいと考えております。
区は今回の事業者選定について「問題ない」としているために、再び事業者交代を繰り返さない対策がありません。これまでの決算特別委員会の中でも、「同じことを繰り返さないための対策は」という質問に、「丁寧に時間を長くとって話し合う」との区の答弁です。今回の問題は、時間や気持ちの問題はありません。事業者交代を繰り返さない保証はあるのか伺います。最悪の場合、毎年、事業者がかわる可能性もあるということですか、伺います。区は、ひろまち保育園の新たな事業者選定について、専門職何人かの、先ほどもありました、目で現場を見たと説明がありました。夢考房選定のときには、こういったことはやらなかったのでしょうか、伺います。
事業者の交代を繰り返さないために、今、事業者選定を丁寧にしているところでございます。
次に、毎回繰り返されるかということで、今回の案件につきましては極めて例外的なことと受けとめております。
夢工房の選定の場合につきまして、私は4月に着任したので、実際の詳細は承知はしておりませんが、私立認可保育園の誘致に当たっても、相手方事業者の現場は見ておりますので、いろんな目で多角的に確認してきたものと考えております。
「丁寧に」という気持ちの問題では保証にはなりません。今回、事業者交代に当たっても、「例外的なことだ」と言っておりますけれども、繰り返されない対策が全く打たれていません。現場の調査でも、新たな事業者選定に当たり特別にやったことではないということだと思います。原因を明らかにし、対策を打たなければ、同じことの繰り返しではないでしょうか、伺います。保育方針の違いを「やってみないとわからない」では、結局、歯どめにはなりません。最悪、毎年、事業者がかわる。これをとめることはできないし、仕様書を守らせることができないため、事業者をかえることでしか区の保育方針は守れないということです。保育の質を脅かす重大なリスクのある民営化はやめ、区立園は区の運営でやるべきです。区の運営ならば、事業者交代はあり得ません。区の保育方針で運営を行うためには、業務委託の方針を根本的に見直し、品川区の直営でやるべきではないでしょうか、伺います。
まず、今回の件は、品川区のこれまでの保育に対する姿勢、取り組みといったものを、厳しく相手方とお話しさせていただき、合意解除という例外的な対応ではございましたけれども、強く発信できたものと考えております。こういった品川区の保育に対する考え方は大変共感をいただいております。また、事業者の皆様にも発信できたものと考えております。したがって、このようなことは繰り返さないと考えております。
最後に、民間委託のことではございますけれども、区は、先ほど申し上げたとおり、スピーディーに待機児対策に対応する、そして、今後、増えていく、さらに増えていく財政負担を平準化し、認可保育園事業というものの制度根幹を継続させていく、持続可能なものにするためには、この方法しかないと考えております。
今回の事態によって強く発信できたと言っておりますが、実際にこういった事業者交代という事態を繰り返さない保証には全くなっていません。区としてしっかり対策しなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。そして、民営化の推進について、スピーディーに待機児解消というところでやらなければならないということですけれども、やはり保育園は区立で運営していけば事業者交代ということはありませんので、改めて品川区の直営でやるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
繰り返さないために、今、私どもは努力しておりますし、その発信もできましたので、他の自治体、事業者に対しても、大きい1つの方向性を示すことができたものと考えております。待機児対策は、認可保育園を構築することでは対応できません。毎年、600人から800人の児童が増えている。子どもの数が増えている。これに対応する、最も合理的な手法をとって、保護者の期待に応える。そしてまた、平準化した仕組み、簡素な仕組みでもって財政を運営し、区民の期待に応えたい。これが区の立場でございます。
区の保育方針を守らせるためには事業者をかえるしかなく、民間委託では事業者交代を繰り返すだけです。子どもにとって大事な保育士がかわってしまいます。民間委託では、区の保育方針を実現することは不可能であり、毎年、事業者交代のリスクを負わなければならない区立保育園の民間委託、民営化はやめるべきです。以上で、私の質問を終わります。
以上で、のだて稔史委員の質疑を終わります。