2016.10.24 南 恵子 区議
日本共産党を代表して、陳情第9号「南大井地域に住む住民の交通不便を解消するために コミュニティバスの実現を求める陳情」と、陳情第10号「八潮から昭和大学病院や荏原文化センターに気軽に行けるよう コミュニティバスの運行を求める陳情」に賛成の立場から討論をします。
区は、陳情審査に当たっての説明で、1.鉄道が14路線40駅あり、半径700m歩いて15分程度で最寄駅に着き、バス路線も44系統264か所のバス停留所があり、公共交通環境は整っている、2. 世論調査で「品川に住み続けたい」と答えたのは9割、その内の8割が「交通の便がいい」を理由にしていることをもって、区内の交通網は充実していると説明しました。
また、質疑では費用対効果、ほかの方法があるのでは、26号線開通で解消されるなどの意見がだされ、結果は不採択になりました。
私が住んでいる八潮は32%を超える高齢化のまちです。どこに行くにしてもまずバスに乗って駅に出なくてはなりません。また、そこから先が大変です。例えば、八潮からスクエア荏原に行くには、八潮でバスに乗り大井町に出ます。東急大井町線に乗り、旗の台駅で池上線に乗り変えて戸越銀座駅で降ります。それから約15分歩かなくては到着しません。南大井の方がメイプルセンターのカルチャー教室に通うには、JR大森駅で電車に乗り大井町駅で下車し、西大井駅行きのバスに乗り替えて終点で下車するか、バス利用の場合は、大森駅〜大井町駅間のバス路線がありますが、1時間に1本の運行が基本。2本の運行は10時台、14時台、18時台のみ。11時台と16時台は運行なしです。区は、15分程度歩けば駅に着き、1回や2回の乗り換えは「やむをえない」と言いますが、実際、利用者が不便と感じているのです。「交通の便がいい」は、都心に買い物に行くとか通勤など品川区外に出る時のことではないでしょうか。
陳情に紹介されている方は、脊柱管狭窄の手術をして自転車には乗れなくなったといいます。歩くことが不自由になった高齢者や心臓疾患などのある方、障害を持っている方、小さな子ども連れの方にとっては15分の徒歩や乗り替えはかなり厳しいのです。
誰でも「外出したい」「社会参加したい」というのはごく当たり前の願いです。通院だけでなくある時はカルチャー、ある時は友人と会う、また、区内にある元気な商店街に行って気に入ったものを購入するなどの活動は、その人の生活を豊かにするだけでなく、商店街の活性化につながります。また、区内の観光スポットにも気軽にアクセスできれば、地域経済の循環に効果的です。
コミュニティバスの運行は区民生活の安定向上に役立つものと位置づけて、誰もが生き生きと暮らせる、どこにでも気軽に移動できる権利を保障するという視点でこの問題をとらえるべきです。
費用対効果については、採算が取れないから既存のバス会社では対応ができないのですから、自治体が税金を使って運行をさせるべきで、区民の暮らしのために税金を使うということは、とても喜ばれる使い方です。
また、コミュニティバスの運行には、区の直営、民間事業者に業務委託、初期経費の補助など様々ですが、実施している所ではどこでも大変喜ばれています。
切実な願いを受け入れてコミュニティバス運行の条件整備するよう強く求め討論を終わります。