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安藤たい作区議が一般質問を行いました
「29号線は防災に役立たない 道路推進のために大崎図書館をなくすな」
「北品川・東品川の都営住宅なくすな 超高層ビル開発計画は中止を」
「騒音・大気汚染・落下物・墜落―羽田新ルートの危険性は明らか 今こそオール品川で反対を」
「区立保育園民営化ではなく、親も保育士も働き続けられるよう、三ツ木、八潮北、八潮西保育園の存続を」

2017.2.23 安藤 たい作 区議

質問項目

  1. 29号線は防災に役立たない 道路推進のために大崎図書館をなくすな
  2. 北品川・東品川の都営住宅なくすな 超高層ビル開発計画は中止を
  3. 騒音・大気汚染・落下物・墜落―羽田新ルートの危険性は明らか 今こそオール品川で反対を
  4. 区立保育園民営化ではなく、親も保育士も働き続けられるよう、三ツ木、八潮北、八潮西保育園の存続を

答弁 >> 再質問 >> 再答弁 >> 再々質問 >> 再々答弁 >>

質問

日本共産党を代表して、一般質問を行います。

29号線は防災に役立たない 道路推進のために大崎図書館をなくすな

はじめに、「29号線は防災に役立たない 道路推進のために大崎図書館をなくすな」です。 区内3本の特定整備路線のうち、補助29号線は、山手通りから環七まで3.5qの幅20メートル道路です。1946年の決定を根拠に、幼稚園や保育園、550棟の住宅を立ち退かせ、商店街や公園を削る道路に住民は反発。議会も3度の廃止決議をあげ計画を止めてきましたが、3.11後「防災」に衣を変え濱野区長が東京都に建設を促し、事業認可が強行されました。

しかし用地買収率は昨年9月末現在、大崎区間で3%。測量も2割が拒否。目標の「2020年までに整備」は事実上不可能な状況です。認可取消しを求め600人が申し立てた不服審査請求は、「棄却」「却下」の裁決がこの1月から出され始めました。都の説明追認の不当裁決に、住民は裁判でもたたかおうと、結束を強めています。

「防災」との口実も崩壊。区長は施政方針で、糸魚川の火災を引き道路推進の決意を示しましたが、29号線の延焼シミュレーションでは、500棟以上燃える地点は22か所。1218棟燃える地点もありました。糸魚川での焼失は147棟です。比較にならないほどの数が燃える事が前提の対策が防災と言えるのか。都も、わが党白石たみお都議の追及に「(シミュレーションは)木密地域全体の火災に対する安全性を検証するものではない」と答弁、防災の根拠が崩れました。南北に延びる道路が延焼遮断帯として機能する時の東と西風は、気象台データによれば品川では年間通してほぼゼロ。加えて、3.11のように道路を埋め尽くす車両による火災の危険や、糸魚川で140メートル飛び新たな3か所の発火点を生んだ火の粉も考慮されていません。道路と沿道不燃化による延焼遮断とは、机上の空論です。

防災というなら燃え尽きる事が前提の対策でなく、住宅の建て替えや耐震補強支援、水道管耐震化、感震ブレーカーなど出火対策、災害から逃げなくて済む防災まちづくりを本気で進めなければ災害弱者も含め人命は守れません。ここに税金や労力は注ぐべきです。

質問1
現実にない想定で行うシミュレーションを根拠にし、かつ、多数の住宅が燃える延焼遮断帯のどこが防災対策なのか。住民を追い出す根拠にしているのですから、はっきりとお答え下さい。

まして、このような道路のため、図書館をつぶす事は許せません。区は道路立ち退きのための代替地として区立大崎図書館を移転させる考えです。移転と言いますが、移転先は山手線や目黒川の向こう800メートル先で実質「廃館」です。

大崎図書館は、30年前に地域の運動で作られました。区内に2つしかない単独館。貸出図書点数は品川、五反田に次ぐ3番目。2階には授乳室、ビジネスコーナー。子どもから高齢者、サラリーマンまで、利用者数の大変多い図書館です。

私は利用者や地域の皆さんと一緒に現地を見学させて頂きました。近隣保育園の利用も多く、当日も園児でにぎわっていました。「おはなしの部屋」という階段状の専用室は、週一の読書会の他、ボランティアによる視覚障害児向け絵本の制作場所にも。2階の多目的室では、リサイクル市、科学遊び会などの行事が行われているとの事でした。

地元名士の松原傅吉さんと地域の「この地にぜひ図書館を」との願いで、1975年に区が旧松原邸を購入、83年開館。日本庭園はそのまま残され、住居の扉はおはなしの部屋のドアに使われていると聞いている、との説明も。地域の歴史と思いが詰まった図書館だと実感しました。

雨漏りや空調の老朽化の状況も説明されましたが、ますます「移転ではなく必要な大規模修繕こそ今すぐ行ってほしい」との思いが強まるばかりでした。

区は、代替施設として建て替え中の芳水小内に図書閲覧コーナーを、西口再開発ビル内に取次サービスコーナーを設置すると言います。しかし、閲覧コーナーは広さも蔵書数も座席数も半分以下、専用のおはなしの部屋もありません。現在大崎図書館の果たしている役割に照らせば、代わりにならない事は明らか。充実こそ求められている図書館サービスの大後退です。

質問2
区は、芳水小内などの代替施設を「現在の大崎図書館と同等の機能」と説明してきましたが、これでも同等と言えますか?伺います。

もともと所管は補修の予算要求を出しており、現地存続が方針でした。それを覆し道路を造るため図書館をつぶすのは許せません。

質問3
大崎図書館は現地で存続すること。御殿山小西側には、新たに図書館を増やすよう求めますが、いかがでしょうか。

全国では、都市計画道路の見直しを推奨する指針を国が2000年に出して以来、未着手道路廃止の流れが広がっています。私は昨年11月、名古屋市の廃止とされた3本の道路計画の現場を調査。廃止の理由は、交通量の減少、29回説明会を開いたが地元理解を得られなかった、自然環境を壊す、厳しい財政状況、などでした。途中まで道路が作られていた所もあり、既に買収された用地は市民のため活用せよとの声が出ていました。事業決定や認可されても、買収や工事が途中まで進んでも、不要な道路は廃止できるとの実例です。

質問4
地域を壊し、防災にも役に立たない道路に莫大な税金を投じることはやめ、29号線を廃止するよう強く求めます。いかがでしょうか。

北品川・東品川の都営住宅なくすな 超高層ビル開発計画は中止を

次に、「北品川・東品川の都営住宅なくすな 超高層ビル開発計画は中止を」です。

貧困と格差が拡大、公営住宅の役割は益々高まっていますが、石原都政以来17年間、都営住宅は新規建設ゼロ。区内も直近11月の募集10戸に734人が応募、北品川の世帯向け一般募集の倍率は395倍にのぼっています。

私は1月、都営住宅の増設を求める住民集会に参加。「品川に住んで20年、都営住宅には10年以上申し込んでいるが、落選の通知ばかり。家賃は7万。食費や着るものは節約できるが家賃だけはそうはいかない。あと2年したら生活はパンクする」。増設を求める切実な声が出されていました。

ところがこの貴重な都営住宅が、品川駅南地域では、開発種地として取り壊しが狙われています。区ビジョンでは、リニア計画も受け「品川駅の南の玄関口としてふさわしい拠点性とにぎわいを兼ね備えた街」「国内外からの来街者を迎え入れる新たな拠点づくり」などと謳われ、北品川駅や品川浦周辺にホテル、オフィス、集客施設などを建設する計画。その重点検討区域には、北品川や東品川の計665戸、区内2割にあたる都営住宅があります。昨年6月の本会議で区長は「あの大きな施設を有する東京都が我関せずでは計画が全く前へ進まない…集客力のある施設計画について都に強く働きかけていく」と開発推進姿勢を示しました。 一方で、北品川駅周辺には高架化に伴い、駅前広場、あわせて旧東海道を横断するアクセス道路建設が位置づけられています。踏切解消は住民の願いですが、駅前広場や道路は便乗した開発地域の入り口づくりであり、開発ポテンシャルを引き上げる一方で、新たな住民追い出しになります。地元町会の説明会では「広場は必要ない」「無理やり必要性を後からこじつけて作ろうというように聞こえる」との声。広場建設を求める意見はありませんでした。 結局この開発は、地域住民を追い出し、北品川を商店街や都営住宅のある庶民的で情緒ある街並みから、超高層ビルのまちに変貌させるもの。一部のゼネコン・大企業のためのまちづくりはやめるべきです。

質問1
区長はこの開発計画で北品川・東品川の都営住宅を区内からなくしてもよいと考えているのですか?伺います。申込みが殺到している都営住宅の存続を求めますが、いかがでしょうか。

質問2
住み慣れた住民を買収で追い出す駅前広場や道路整備の計画は白紙にすべきです。いかがでしょうか。北品川駅周辺のまちづくりは、参加大企業主導の超高層計画ではなく、従来の街並みを生かした計画を、住民参加で進めるべきです。いかがでしょうか。

他にも区内には、学校跡地の貸付を受け進められようとしているTOCビル開発、都バス跡を保有し最大地権者の東京都が自ら超高層ビルを建て不動産業をしようという目黒駅前開発など、大企業のためのまちづくりの弊害はあちこちで生まれています。

再開発には税金も投入されます。目黒駅前では110億円。区は、再開発について「単に開発ビルを建設するだけでなく、地域課題の解決のために地元の関係権利者が協力して事業を進め、道路や公開空地などもあわせて整備され、さらなるにぎわいや利便性の向上、居住者の増加など、地域活性化が図られる」と正当化。開発補助金についても「あくまで再開発事業により生み出される道路や公開空地などの公益性を評価し交付しているもの」と、適正と説明します。

質問3
目黒駅前再開発には補助金110億円が交付されますが、生み出される(わずかな)広場と区への譲渡床1100m2がそれに見合うのか?ご説明下さい。

質問4区の補助金交付要綱では、再開発マンションの廊下や階段などの共用部分も補助金の対象になっていますが、これのどこが公共事業なのでしょうか?伺います。

騒音・大気汚染・落下物・墜落―羽田新ルートの危険性は明らか
今こそオール品川で反対を

次は、「騒音・大気汚染・落下物・墜落―羽田新ルートの危険性は明らか 今こそオール品川で反対を」です。

安倍政権は、羽田空港国際便増便のため、これまでの海上ルートを覆し、都心低空飛行の新ルートを提案。2020年までに実施すべく、昨年夏に予算措置を強硬しました。

共産党は、この問題の区民アンケートを実施。返信は現在1800通を超す大きな反響で、80%が「反対」、「賛成」は5.5%と、区民の意向は圧倒的に計画に反対である事が鮮明になりました。「特に心配すること」は、「騒音」90%、「墜落事故」66%、「落下物」61%、この3つが突出。「窓が開けられない。空気も汚染され健康被害の恐れもある。今までは静かでのどかな環境であったのに脅かされる。こんな状況では資産価値も低下するのではないか」深刻な不安の声が沢山寄せられました。

あらためて3つの角度から、この計画は撤回しかないことを述べます。

まず、大気汚染です。航空機からは大量のPM2.5が排出されます。区は、現在でも八潮と豊町、区内にある2か所の測定局で基準を上回っているPM2.5が上昇することを認めましたが、一方で国の説明を横引きし、その影響は極めて小さいとの認識です。

質問1
区内の測定局のPM2.5の値は現在でも基準を超えています。減らさないといけないのに、現在より測定値を上昇させることは問題ではないのか?伺います。

質問2
「PM2.5の各種発生源のうち、航空機から排出されるものの割合は150分の1とごくわずかで、影響は限定的」との国の説明は、品川上空を通過することによるものではありません。今回の新ルートによる品川区内のPM2.5の影響はあるのか、伺います。

次に、落下物です。1月末NHKは成田空港の現場を報道。着陸前に車輪を降ろす際の振動で氷などが落ちる危険性に対し、海上足下げを全ての飛行機に義務付け、年間6000機をチェックしているとの紹介でした。番組には金属製のバネがビニールハウスを貫通した農家の方が登場し、「当たり所によっては命にも関わる危険がある」「落下物を100%ゼロにはできないが、落下物被害は下に住んでいる人がいなくなればゼロにできる」と、移転を希望していると語りました。成田では10年間で21件の落下物。海上などない、人口密集の都心ルートではどうなるのか。

私は、昨年品川で超党派区議有志主催の学習会で講演した航空評論家の秀島一生氏に話を伺いました。国は「市街地を飛ぶ例は他にもある」と説明するが、ロンドンのヒースロー空港は、高度1500メートルでハイドパークをかすめる程度で、そのルートと高度、過密度において全く比較にならない。ビルの間を縫う事で有名だった香港のカイタック空港は、沖合に移転した。落下物は「100%あるという前提が航空界の常識」なので、シカゴの空港ではミシガン湖の上に出て足下げをしてからUターンして着陸している。今回の新ルートのような長時間にわたり過密都市の上を飛んでいく例は他にはありませんよ、とのお話でした。

質問3
区は落下物について、「予見しない」「万が一でもないよう求めていく」と繰り返しますが、落下物をゼロにすることは不可能です。落下物はある事を前提にした対応を取るべきで、それは都心ルートの中止しかありません。いかがでしょうか。

質問4
区は1月の行革委員会で、品川区の人口密度は「非常に他に比べても高い」と答弁。今回の新ルートでの品川区、ロンドンのヒースロー空港、ニューヨーク周辺の空港、着陸前高度300メートル付近での人口密度をそれぞれお答え下さい。

3点目は、今回の新ルートを許すと、更なる増便に道を開くという問題です。

元々新ルートは、2020年までに年間2000万人の外国人来訪者との予測の元、提案されました。ところが2016年ですでに2400万人を突破。目標は倍の4000万人へ、2030年に6000万人と、大幅修正。現在の計画ですら1時間44回、3時間計132回もの飛行機が品川を飛びます。昨年11月の国交省交渉では、わが党白石都議の「3〜7時との時間帯を延ばさないとの書面を取り交わす考えはあるのか」との質問に、国は「その考えはない」と回答、担保がない事が明らかになりました。将来の際限ない低空飛行増の突破口となる計画は、今止めなくてはいけません。

質問5
国の新たな訪日外国人旅行者数予測に照らし、将来の更なる品川低空飛行の増加につながる可能性を排除できますか?伺います。

昨年12月、区議会は意見書を全会一致で採択し、「このまま国がこの事業を進めていくことに危惧」を表明。委員会では他会派からも「上空を通るという時点で認められない。品川のまちの魅力、区民の安全・安心をしっかり守っていくという点で、ここは早急に反対すべき」などの発言。反対は党派を超え広がっています。

アンケートには「子どもの教育や保育園の充実に魅力を感じてわざわざ品川区に引っ越してきました。…なぜ環境悪化に対し、区が明確に反対しないのか理解できません…ぜひ区として、国に対して断固たる態度を示して、中止して欲しい」との声が届いています。これが区民の願いです。

質問6
区は新年度予算に600メートルメッシュで区内全域50か所の騒音測定経費を盛り込みましたが、騒音の影響は全域に及ぶとの認識でしょうか。伺います。また、地域防災計画の改定に追加する「大規模事故」は飛行機事故の事か。であるならば、どのような内容を考えているのか、伺います。

質問7
区議会意見書の「国がこのままこの計画を進めることに危惧を抱いている」という表明と、区は同じ立場でしょうか?伺います。

質問8
新ルートに反対せず防音工事などの交渉を進めることは、結果として計画を容認し推進する立場になります。区はオール品川で計画に反対表明すべきです。いかがでしょうか。

命・暮らしと経済は天秤にかけてはいけません。国は「日本経済を維持・発展させていくには必要」などと正当化しますが、住民犠牲の政策はおよそ経済政策とは言えません。外需頼みから、家計・労働者・地域経済を直接応援する内需喚起の経済政策へ転換。すでに世界第三位の乗客数で過密な羽田への一極集中ではなく、首都圏の複数の空港や、全国の地方空港の活用も考えること。未来を見据えた根本的な航空政策こそ国のやるべきことです。

区立保育園民営化ではなく、親も保育士も働き続けられるよう、三ツ木、八潮北、八潮西保育園の存続を

最後は「区立保育園民営化ではなく、親も保育士も働き続けられるよう、三ツ木、八潮北、八潮西保育園の存続を」です。

区は、区立保育園3園の民営化を打ち出しました。理由として「民間活力の活用」「財政負担の軽減」をあげ、運営を置き換えるだけで受け入れ枠は増えないのに「待機児解消にもつながる」とも説明します。今ある区立園の民営化は、全産業平均賃金に比べ月10万円安い民間保育士へ置き換えていくことになります。離職も増え、保育の経験の蓄積が損なわれます。結果、子どもの成長にとっても不利益となります。また、低賃金を加速させることで保育士は集まらず、待機児解消にも逆行。保育園が足りない中、区立園は増設こそすれ、減らす事は許せません。

私の二女は現在、2021年に民営化対象の三ツ木保育園に通っています。送り迎えの際に、担任の保育士さんが毎日子どもの様子を嬉しそうに伝えてくれます。保護者からは「学年問わず全ての保育者が積極的に関わって下さるので園の一体感がありとても安心して預けている」「ひよこ組の時からお世話になっているが、とてもよい保育園に出会えたと思っている」との声。大きな信頼を寄せています。昨年7月、民営化の保護者説明会では「下の子は来年、三ツ木を希望していたが、環境が変わるのはかわいそう」などの不安が出されました。

また、昨年には運営を民間委託した区立ひろまち保育園で、開園から4か月で、1年で契約解除すると発表する問題が起きました。短期間で事業者が交代すれば、先生の顔ぶれもコロコロ変わる事になり重大問題です。委託を受けた夢工房は社会福祉法人でしたが、委託費の不正流用などが指摘され、絵本はブックオフ、おもちゃは百円ショップから調達するという徹底した利益追求の姿勢。品川でも、契約で配置を求めた看護師は未だに配置されていない状態です。夢工房の人件費率は45%と驚くべき数字。株式会社でも50%程度が当たり前となっており、利益を生み出すことが第一の目的となる株式会社では、賃金を抑えるしか方法がありません。結果、しわ寄せを受けるのは子どもたちです。区が進めた区立園民営化の失敗に反省もなく区立園の民営化を進めていくことは許されません。

区は、仮に100人規模の区立園の運営を民間に置き換えれば1園あたり5375万円減らせる。新設の際も区立でなく民間にやらせる事で区の負担率は100%から3%に減らせる。区立園には国や都からの補助金が出ないからなどと説明します。区からの支出を「持ち出し」と表現し、「保育園に区のお金を使うことはムダ」と言わんばかりの説明に私はあきれました。そもそも、保育園に税金を使うことは自治体として当然の仕事であり、共働きも当たり前になりつつある昨今、子どもたちの健やかな成長を願う全ての区民の願いです。

質問1
区の公設公営保育園の正規保育士の平均年齢、平均勤続年数、離職率、手当を含む平均給与、それぞれ伺います。

質問2
保育士が長く勤めることのできる公設公営保育園は、保育の経験を蓄積し共有し継承できる労働環境をつくり、保育の質を向上させるためには不可欠だと思いますが、いかがでしょうか。

質問3
区立保育園民営化方針の撤回を求めます。いかがでしょうか。

以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

答弁

区長(濱野健君)

私からは、まちづくりについてお答えを申し上げます。

初めに、品川駅南地域のうち都営住宅につきましては現在、26年6月に策定した品川駅南地域まちづくりビジョンで指定した重点整備地区において、地域の方々により都営住宅の機能に十分考慮し、再開発の検討が進められております。

次に、北品川駅周辺のまちづくりにつきましては、現在、都が行う京急本線連続立体交差化計画にあわせ、地域交流の核となる駅前広場の検討を地域の皆さんの声を聞きながら進めているところでございます。旧東海道の街並みにふさわしいにぎわいのある拠点として駅前の整備を進めてまいります。

次に、目黒駅前再開発事業に係る補助金についてですが、区で行われている市街地再開発事業は法に基づくいわゆる法定再開発事業であり、公共性が高い事業となっております。そのため国の制度や要綱に基づき、区として適正に再開発組合へ補助金を支出しているものであります。また、市街地再開発事業では従前の敷地を統合し、共同して建物を建設することでその周辺に空地等を創出することができるため、その前提となる共用施設につきましても補助の対象と定めているものでございます。

その他の質問等につきましては、担当の部長等よりお答えを申し上げます。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、補助29号線と羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

まず、補助29号線のうち都が行った延焼シミュレーションは、現況の市街地における延焼遮断について検証したものであり、地域の不燃化の促進については加味せずに測定したものでございます。道路を整備することで一定の効果はございますが、区が不燃化特区の指定を受け実施している道路沿道建築物の不燃化とあわせて、総合的、重層的に事業を進めることで、燃えない、燃え広がらないまちが実現すると考えております。補助29号線をはじめとした特定整備路線は、発災時の火災延焼を防止するとともに、緊急車両の通行など防災性の向上と交通の円滑化の観点から重要な道路でございます。これらのことから、都が進める補助29号線などの整備に対し、廃止を求める考えはございません。

次に、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。まず、PM2.5につきましては、国は、環境省のデータによると、自動車や船舶など各種発生源のうち航空機によるものはごくわずかであり、影響は限定的であるとの考えを示しております。区では、八潮測定局において常時監視するとともに、低公害車への支援など削減に向け取り組んでおります。また、広域的にPM2.5を減らすことにつきましては、東京都や近隣区とも連携を図りながら、航空機だけでなく多様な発生源への対策に取り組んでまいります。

次に、落下物についてですが、国は、航空事業において落下物等がないよう、地域や一人ひとりの安全確保を図ることは、最優先の課題であると表明しております。また、航空会社などによる国際的な安全基準の確認や具体的な取り組み、航空機の適切な整備点検の徹底についても、国としてさらに監視・指導を強化しております。区といたしましては、国が安全対策を確実に実施するよう引き続き申し入れてまいります。

次に、人口密度についてですが、高度300メートルの範囲での算出は困難ですが、1平方キロ当たり、品川区は約1万6,000人、東京都市白書2013のデータによると、ニューヨーク・マンハッタンは約2万7,000人、インナーロンドンは約1万人となっております。

次に、将来の便数増加についてですが、オリンピック・パラリンピック以降の方策の中で滑走路の増設案が示されておりますが、万一便数の増加を含めた計画の変更がある場合には、国が区と改めて具体的に話し合うべき事項であると考えております。

次に、騒音の影響についてですが、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の対策をとるべき範囲は品川区にはございませんが、区全体の現状を把握すべきと考え、環境騒音調査を予算案に示したものでございます。

次に、地域防災計画については、来年度の地域防災計画の修正において、大規模事故の項目を追加する方向で検討をしており、航空機事故のみならず、鉄道事故、大規模火災など、区に対する影響の大きい事象を考えており、具体的な内容は今後検討してまいります。区といたしましては、国からの具体的な説明はまだ十分とは言えない状況の中で進めていくことはいかがなものかと考えており、引き続き国に対して、現在行われている説明会などを通じ、区民の皆様の不安の払拭に向け、具体的な説明を実施するよう国に申し入れてまいります。

教育次長(本城善之君)

私からは、大崎図書館に関してのご質問にお答えいたします。大崎図書館につきましては、今までも繰り返しご答弁申し上げておりますが、施設の老朽化等の理由から移転をするものでございまして、現地で存続させる考えはございません。芳水小学校内の図書施設につきましては、図書の閲覧・貸し出し等はもとより、併設する多目的室で子ども向けのおはなし会も行っていく考えで、現在の大崎図書館と同等の機能を有するものと考えております。区といたしましては、大崎地区における図書機能をより広域的に発展・充実させていく考えでございます。

子ども未来部長(齋藤信彦君)

私からは、保育園の民営化についてお答えします。

まず、区の保育士の平均年齢は36.5歳、平均勤続年数は13.4年、離職率は6.4%で、手当を含む平均給与は35万2,000円程度です。

次に、保育の質についてですが、公立園、私立園の別なく、経験のある保育士によるOJTや専門研修に加え、ゼロ歳から年長児まで発達段階に応じた保育経験が資質の向上と技術の継承につながるものです。いずれの保育現場でも子どもの命を預かる責任の重さを自覚し、保育の質の向上に取り組んでおり、ご指摘は当たらないと考えております。

最後に、区立保育園の民営化ですが、私立保育園では民間ならではの手法で保育ニーズを捉えた特色ある保育が実施されており、民間活力の活用は時代の要請と受け止めております。また、保育課の事業予算は、平成22年度76億円が平成29年度には207億円と7年間で2.7倍に拡大し、私立保育園開設ごとに約1億4,000万円の運営費を支出いたします。持続的な待機児童対策には効率的な財政支出が求められます。したがいまして、区立保育園の民営化を見直す考えはございません。

再質問

安藤たい作

自席より再質問いたします。

まず、大崎図書館です。老朽化しているなら必要なのは補修、建てかえです。なぜ老朽化が移転の理由となるのかお答えください。

また、道路は不燃化とあわせて延焼を防げるとの認識ですが、糸魚川では火の粉30センチ台の木片が140メートル飛び、発火点となりました。沿道にコンクリートの高い建物を並べてもすり抜け、防ぐことはできません。火の粉が飛ぶことも想定しないで、どうして延焼遮断帯になるのかお答えください。

次に、開発です。都営住宅についてですが、十分考慮との答弁がありましたけれども、どういう意味でしょうか。私が聞いたのは、都営住宅をこの場所からなくすなということでした。答弁をお願いします。

次に、羽田です。答弁では、防災計画の改定には飛行機事故も入れるということが明らかになったと思います。航空機事故とは墜落事故のことでしょうか、伺います。騒音測定は区全体の現状を把握すべきとのことでしたが、騒音被害は区全体に及ぶという認識でしょうか、伺います。

PM2.5については、既に新ルート実施による上昇を区は認めています。これらは、区としても新ルートにより区民がさまざまな面から被害を受けるということでしょうか、伺います。

最後に、保育園です。各数字をお答えいただきました。国調査では、民間保育士の平均勤続年数は7.6年。区立の半分です。平均給与は月21万円ですので、区立より14万円も低いということになります。長く勤め続けられない実態は明らかで、民営化はこの実態を区自ら広げることになると思いますが、いかがでしょうか。

以上です。

再答弁

都市環境部長(藤田修一君)

私から、再質問についてお答えをいたします。

まず、火の粉が飛ぶことで延焼遮断ができるのかというようなご質問でございますけれども、今回、道路整備ももちろんのことながら、沿道の不燃化をやるということで、その周辺についての通常の木造住宅等についても不燃化を促進するということで考えてございます。それらを進めることで、火の粉が発生するようなことも極力抑えていくと。総合的にこれらを進めることで、燃えないまち、燃え広がらないまちを進めていくということでございます。

それから、都営住宅についてでございますけれども、現在、地域の人たちといろいろお話をさせていただいているのは、やはり地域の方々も都営住宅の方々ももちろん自分たちの仲間であるという認識のもとでおりますので、基本的には都営住宅は東京都さんのところでございますので、いろんなこれからどう考えていくのかというようなことはあろうかと思いますけれども、現段階ではそういった機能についても十分考慮しながら、計画について検討していくというようなことで確認してございます。

それから、羽田空港の関連でございますけれども、地域防災計画については、先ほどもご答弁申し上げたとおり、今後、どういうような事象を拾い上げて計画の中に位置付けていくかということになるというふうに考えてございますので、今後、しっかりとその辺については検討をしていきたいというふうに考えてございます。

それから、騒音測定についてですけれども、先ほど申し上げましたとおり、法律に基づく措置をとるべき区域というのは品川区の中にはございませんので、そういった意味ではそのような影響はないというふうに考えてございます。そうした中で、現状についてはしっかりとまず把握をする必要があるということで、今回予算案に提示をさせていただいたものでございます。それから、PM2.5のほうでございますけれども、区民への影響ということで、基本的に新たな発生源が加わるということにはなるのかなというふうには考えてございますけれども、そうした中でも、国が申している環境省の考え方も踏まえますと、影響は限定的なものであるというふうには考えてございます。区のほうとしては、しっかりと航空機だけでなくさまざまな発生源に対してPM2.5の対策をとっていくことが、PM2.5を全体的に減らしていくことにつながるというふうに考えているものでございます。

教育次長(本城善之君)

私からは、大崎図書館に関する再質問にお答えします。

先ほどもご答弁申し上げましたが、大崎図書館に関しましては、老朽化への対応とともに代替施設を整備することによりまして、大崎地区におけます図書機能をより広域的に発展・充実させていくものでございます。

子ども未来部長(齋藤信彦君)

再質問にお答えいたします。

保育士の処遇につきましては、国会の場、都議会の場でもしっかりと議論されておりまして、大幅な処遇が改善されております。また、叙勲の対象となるなど社会的地域の向上も図られております。定員割れが続く地方の保育士の処遇と首都圏の保育士の処遇では大きく違いがございます。

再々質問

安藤たい作

再々質問いたします。

まず大崎図書館ですが、私が伺ったのは、老朽化がなぜ移転の理由になるのかと。老朽化であればきちんと補修が普通です。なぜ移転の理由になるのかということでした。お答えください。

道路のほうで私が聞いたのは、不燃化もやればということなんですが、不燃化でも道路と不燃化で火の粉も防げないじゃないですか。それが糸魚川だったんじゃないですかということなので、沿道不燃化で火の粉を防げるのかどうか伺います。

次に、開発ですが、やはりはっきりなくさせないとは言わないし、区もわからないというような感じなんですよね、聞いているとね。やはりこれは重大だと思います。なくさせないと明言すべきだと思います。ご答弁をお願いします。

それと、羽田は、事故ですか。ちょっとやっぱり答えていないなという。航空機事故とは墜落事故のことでしょうか、伺います。

それと、PM2.5の新たな発生源になるということでありましたが、やはり被害を認める答弁だと私は思うんですね。ならば被害を防ぐための唯一の方策は、海上ルートを守り、都心ルートを撤回させることではないか。都心の上を飛ばさないことではないかと思います。いかがでしょうか。

保育園は、いろいろ待遇改善の動きがあることは承知しておりますが、それでも他業種に比べまだ低いということには変わりありません。区自らが低賃金に置きかえていということになりますので民営化の撤回を求めますが、いかがでしょうか。

以上です。

再々答弁

都市環境部長(藤田修一君)

再質問にお答えをいたします。

まず、糸魚川の例でございますけれども、糸魚川のほうは、あの地域でやはりまちづくりを進めたいというような声がいろいろこれまでも上がりながらなかなかそのまちづくりが進まないで、あのような形になってまったというふうに私のほうは認識してございます。

今回、私どもが東京都と一緒に進めております不燃化10年プロジェクトについては、道路整備もそうですけれども、あわせて不燃化特区ということで不燃化を進めているわけでございますので、先ほどお話のありました発生源となるようなものが出ないようにしていくということで考えてございますので、しっかりと防いでいけるというふうに考えてございます。

それから、品川駅南のエリア全体で私どもはまちづくりを進めていかなければいけないと考えてございます。そういう意味では、東京都であり、品川区であり、まちづくりとしてのにぎわいの機能、それから居住環境の確保といったものをしっかりと確保していきながら、事業を進めていきたいというふうに考えてございます。

それから、羽田空港のルートの関係でございますけれども、基本的にPM2.5を減らしていくためには航空機に対する対策だけではなく、一番発生量が多いと言われています運送の関係、車の関係、そういったPM2.5を防いでいくところをしっかりとあわせて進めることが、PM2.5全体の量を減らしていくことになるというふうに考えてございます。こうした事業をしっかりと区として東京都と連携しながら進めていきたいというふうに考えてございます。

災害対策担当部長(曽田健史君)

地域防の修正に関する再質問にお答えいたします。

区に対する影響の大きな事故を大規模事故として追加する予定でありますが、具体的な内容は今後検討してまいりますと先ほど申し述べました。具体的な内容は検討中でありますけれども、事故の種類を細かく列挙するよりも、例えば防災上は、事故が発生した場合の関係機関を事前に洗い出すということが大切になるのではないかと今のところ考えているところであります。

教育次長(本城善之君)

私からは、大崎図書館に関する再々質問にお答えいたします。

大崎図書館の老朽化が今著しい状況に対応する対策を検討する中で、先ほどもご答弁申し上げましたが、代替的な施設を整備することとあわせて、大崎駅の地区における全体的な図書機能を発展・充実させる方途を選択して、大崎図書館の移転に伴う今回の方針を考えたところでございます。

子ども未来部長(齋藤信彦君)

安藤議員の再々質問にお答えいたします。

保育士の処遇改善は著しく進んでおりまして、来年度は幼児教員と遜色のないレベルになるという報道を聞いております。この間、私立保育園の保育士になると低賃金で、厳しい労働で離職率が高いという論を続けられておりますが、区内の私立保育園の事業者の方は大変心を痛めていらっしゃいます。この機会にぜひご認識を改めていただきたいと思っております。

議長(大沢真一君)

以上で、安藤たい作君の質問を終わります。

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