2017.3.22 いいぬま 雅子区議
日本共産党を代表して総括質問を行います。後半は南委員が羽田新ルートについて質問をいたします。私は待機児童ゼロを求めて質問いたします。よろしくお願いいたします。
待機児問題は、一刻も早く解決しなければなりません。保護者からは、保育園に入れず会社をやめなければならなくなった。悲しいし、悔しい。悲痛な声が届いています。3歳になり、認証保育所を出なければならないのに認可保育園に入れず、滑りどめの私立幼稚園しか選択できない。母親は仕事を変えなければ対応できないと訴えます。区長は待機児ゼロを公約に掲げてきましたが、3年連続で保育園に落ちた。不承諾通知が1,000通を超えて郵送されています。昨年11月、認証保育所2園の父母から、「保育園に入れる安心を私たちに」という子育ての願い、調査報告書が、議会各会派にも品川区にも届きました。父母の願いの1位は、認可保育園、保育園を増やしてほしい。2位、保育園の質の向上。3位、保育士の処遇改善。この願いをかなえ、安心して子育ても仕事も両立の支援をしてくださいとの内容が届いていますが、どのように受けとめたのでしょうか、伺います。保護者の子育てに関する要望をどのように受けとめているのかお伺いします。
区の受けとめでございますけれども、この間、品川区は待機児童対策に注力しておりまして、受け皿の拡大、定数拡大に努めております。それで、たびたびお話しされておりますが、区長の公選の広報でも、濱野区長は、待機児ゼロを目指し、子育てが楽しくなるまちということを掲げております。この公約に従って、品川区は待機児童対策に注力しておりまして、これまで十分な対策を、財源を含めてとってきております。
加えまして、ご質問の中の、3歳児の受け皿でございます。現在、19人以下の小規模保育事業所からは、認可保育園に連携する小規模保育所に入っていれば必ず認可保育園に入れるという仕組みを、今年度からとっております。しかし、認可保育園と認証保育所は数が多うございまして、なかなかその合従連衡の組み合わせがいきません。しかし、区といたしましても、3歳児の受け皿は重要だということを考えておりまして、平成29年度の開設の新規園、2歳と3歳の差は31園設けておりまして、既存園と合わせて約150人の定員差がございます。平成30年以降も新規園では定員差を3人以上、設けましたので、平成30年からは200人の定員差が設けられる見込みでございます。したがいまして、認証保育所を卒園された場合、3歳児の入園はほぼ全員が可能ではないかと考えております。
認証保育所の保護者の皆さんと課長の懇談が、実際に実現してとてもよかったと思っています。直接話を聞く機会を得たのですから、ぜひ今後に活かしていただきたいと思いますが、認証保育所の子どもたちの3歳の壁が、今現在、乗り越えられないというのは非常に大問題であると思うので、早急に改善していただきたいと思います。
3月14日に、今年4月保育園入園の2次結果が出ました。数字を正確に教えていただきたいと思います。認可保育園と地域型保育事業を合わせた申し込み数、1次募集申し込み数、プラス、2次募集での新規申し込み者数が何人だったのか、そのうち入園が内定した総数と、年齢別の内訳人数、そして2次を終え、不承諾通知を発送した総数と、その年齢別人数をお伺いします。入れなかった子どもたちはどうなっているのでしょうか。4月に一人の子どもも路頭に迷わせない丁寧な対応を、具体的にお伺いいたします。
それでは、申込者、不承諾者の年齢別数でございます。1次・2次を合わせた申込者数は3,575人、2次の新規申込者は142人。内定者は0歳から順に、743人、808人、348人、385人、94人、33人、計2,411人です。不承諾者数は0歳から順に、319人、525人、178人、96人、37人、9人、計1,164人です。不承諾者に対する対応といたしましては、認証保育所のご利用が約400人見込まれますので、認証保育所保育料の助成制度をご案内するほか、平成29年度からはご議決を頂戴できれば、認可外保育施設を利用した場合でも保育料を助成する制度がございます。200人の枠を設けておりますので、内定者、不承諾者とも全員にお知らせしております。なお、認可外保育施設につきましては、東京都も指導に力を入れるということで、年1回は必ず巡回し、区も必ず立ち会いますので、利用のしやすさは増すと考えております。また、8月・10月の新規開設園のご案内をしております。乳児になりましてから幼児に変わりますと定員の拡大も増えますので、それまでの間としてさわやかサービスなどの子育て支援のご案内もしているところでございます。
部長のご説明だと、不承諾通知が届いた1,164人、路頭に迷わせることがないという受けとめでよろしいのでしょうか。改めてそこをお伺いします。
委員長に許可を得ましたので、パネルを示させていただきます。2017年4月、1次と2次の認可保育園と小規模事業所の入園申し込み結果です。申請者は3,575人、事前に数字を伺っておりました。入園の内定数は青色で2,411人。そして不承諾通知は1,164人、32.6%、赤色のところです。この内訳でいくと、3人に1人が入園できなかったといった状況になっています。
昨年の秋に、申し込み数がさらに上回ることをつかんでいたにもかかわらず、このような結果になった理由をどのように考えていらっしゃるのか。待機児ゼロを達成できない理由を、区はこの間、子どもが増えた。働く女性が増えてきた。区政が評価されている証拠と自慢もしてきましたけれども、これは理由にならないと思います。フルタイムでも入れない。3歳の壁がある認証保育所から移れない。深刻な事態を改善できない原因はどこにあるとお考えでしょうか、伺います。共産党はこの間、保育需要を正しくつかむこと、実態を地域ごと、年齢ごとにつかむことを求めてきました。実態の把握と将来予測をどのように立てているのかお伺いいたします。
来年度、いわゆる、ひとり親家庭のご申請の皆様は、全て認可保育園に入園できております。保育の需要、必要度、緊急度の高い方から順にお入りいただいております。お子様の路頭に迷うということの定義が少し承知しかねますが、そのようなことがないよう、区としても取組みを進めているところでございます。
なお、地域ごとのバランスにつきましては、文教委員会でもご報告しましたとおり、地区ごとの待機児数はお示ししております。あわせて、人口の動向、大規模マンション等の建設の動向を踏まえて、来年度以降、都の補助金、補助制度、スキームに加えて、区独自の仕組みを複数用意しておりますので、待機児解消に向けて認可保育園の開設を誘導していきたいと考えております。
部長は今、民間の認可保育園でしょうか、誘導していくということでしたけれども、今までの従来の考えで待機児ゼロになるのかどうか、そう思っていらっしゃるのかどうか伺います。また、実態を正しくつかんでいるのでしょうか。本気の対策がとれているのでしょうか。正しく実態をつかめれば本気の対策がとれます。それがないのが現状の品川区ではないでしょうか。待機児を少なくカウントする品川方式の問題。国も区も待機児童を少なく見せるために、不承諾通知発送総数から、申請を取り下げた人、認証保育所利用者、地域型保育事業利用者、1園のみの希望者、求職活動を休んでいる人など、次々に除外しています。さらに、品川区独自の手法で、4月10日まで申請を出し直さなかった、約150人ぐらいいると思いますが、これを除外し、待機児を過少にカウントしています。4月4日の待機児は何人になるでしょうか。わかったら教えてください。また、本来の保育需要とは、保育園に入れたら、預けて働きたい。潜在的需要にも拡大して考えていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
保育園のニーズが大変増えている。これは本会議でもご説明申し上げました。あわせて、品川区の人口も増えている。こういったことは、品川区だけではなく、国も都も予測しがたいところでございました。その要因は、女性の就労に対する意欲が増えている。そして品川区は、子育てしやすい環境、交通の利便性も含めてある。このような品川区の魅力が発信されておりまして、品川区では、子どもの人口が23区中2番目の数で伸びているということでございます。特に私どもで予測しがたかったのは、子どもの数が平成27年から平成28年には800人ぐらい増えました。一方で平成28年から平成29年には400人減りました。ということは、我々は待機児童対策はゼロに近づくのではないかといった想定を持っておりましたが、0歳で97人、1歳で96人と、0歳・1歳が私どもの想定以上に入園の申し込みが増えました。これは、品川区に住みたい、あるいは妊娠がわかってから品川区に来られている方もいらっしゃるのだと思います。これは、継続的に品川区が待機児対策に取り組んできた成果、期待に対するあらわれだと理解しております。
待機児数の数でございますが、品川区は決して数字を隠しているわけではございません。三十数年来、妊娠中の方、妊娠して出産して大変体力を消耗されている方が、二度、三度と足を運ばなくてもいいように、年度中に申し込みをされたら、4月1日、すなわち一番、保育園に入れる時期まで日にちを延ばすという取扱いをしてきましたので、カウントの仕方が違うだけで、この数の数え方は数十年来、変わっておりません。隠しているわけではございません。
待機児数ですけれども、これからは、認証保育所、認可外保育園、あるいは残念ながら休職、いわゆる共働きを断念する方もいらっしゃいますし、育児給付金を申請される方もいらっしゃいますので、おおむね100人前後になるのではないかと思っているところでございます。
私は、ぜひ待機児の考え方。予測がつかないという、将来予測は難しいと思います。ですから、可能な限り、待機児と考えられる方を拡大して準備する。それが大事ではないかと思っています。将来予測は難しい。当然だと思います。でも、今後、平成52年まで保育需要は伸びると予測していますから、保育需要に応えるべきであると思っています。保護者からは、小学校に待機児がいないように、保育園の待機児をなくしてほしい。こういった訴えが届いています。女性が仕事を持つこと、社会進出を当たり前に応援する施策を大胆に打ち出していただきたいと思います。誰一人として待機児にならないために、実態をつかみ、計画を立て、必要な数の認可保育園をつくる決断をぜひしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
もう一点です。2017年度、新園、1,044人拡大とアピールしてきましたけれども、4月の受け入れ枠は815人。増えたはずなのに、実際は、昨年と比較して入園内定数は130人しか増えていません。不承諾通知が昨年と同じ千百台を超える状況になったのはなぜなのか。入園内定者が増えなかったのはなぜなのか、この理由もお伺いします。
品川区は、平成22年の待機児という言葉が本格化して以来、約3倍近い財源を投入させていただいて、認可保育園の開設、定員拡大に努めてまいりました。それを上回る形で保育園に希望される方、品川区に魅力を感じて転入され、あるいは0歳・1歳を抱える保護者の方で保育園を利用したいという数が増えています。この期待に応えるべく、品川区は区長の公約のとおり、待機児ゼロを目指して区政を運営しております。この間、大きな財源をいただきました。公定価格に加えて50%の負担金を交付しているのも、品川区のほか、それほど多くはございません。引き続き、議会と一体となりながら、待機児対策に取り組んでまいりたい。このことはお約束したいと思います。
そして、待機児が変わらない理由でございますが、これは繰り返しになります。0歳・1歳の申請が大変増えています。特に品川区でマンションを買った後、まだお子様がいらっしゃらないのに、品川区の保育園を見たいということで、何人もの方が品川区の保育園入園の相談というか見学に来られています。品川区の魅力、住みやすさといったものに対する期待は、ますますこれからも増えてまいります。
3月7日の、「ニュースウオッチ9」というNHKの番組をご覧いただきましたでしょうか。NHKの看板番組です。待機児が増えてお母さんたちが衆議院の第2議院会館に集まって入れなかったという話をした後、画面が変わり、入園者の数が増えているという表になりました。その後、自治体も手をこまねいているわけではない。そして取り上げられたのが、私ども品川区でございます。品川区の取組み、競馬場の馬がカシャっと走り出したシーンから、ターンして、今まで考えられなかった競馬場の跡地に保育園ができた。大森ベルポートの中に保育園ができた。西大井広場公園の中に保育園ができた。こんな取組みを品川区でやっているのだということが、NHKの番組を通じて全国に発信されました。ナレーションで、品川区の区長が直接交渉してこの場所は確保したのだという言葉もありました。こうした形で、品川区の大きな待機児童対策の取組みは全国に発信されている。このことを、ぜひお伝えしたいと思います。
なぜ不承諾通知が減らないのかというのは、納得のいく説明をしていただきたいので、ぜひ分析し、報告していただきたいと思います。あと、先ほどの品川方式、4月10日までに申請しないと待機児にカウントされない。ずっと品川区はそうだということですけれども、これは23区で非常に珍しい区なのです。それで、結局、この結果、待機児の数が少なくなっているということを、ぜひ皆さんに知っていただきたいし、こういったやり方はやめるべきであると思っています。
続いて、この間、認可保育園増設が進んでいますけれども、それでも足りないのが問題です。私立認可保育園は2017年度50園になったと思います。私立保育園誘致では解決しない事態に現在なっています。民間が手を挙げるのを待っているだけでいいはずはありません。児童福祉法第24条1項の保育の実施責任がある自治体として、また区長は待機児ゼロを公約に掲げましたが、このまま来年の区長選を迎えていいのでしょうか。待機児ゼロ実現のため、品川区がみずから公設・公営保育園を増設することを求めますが、いかがでしょうか。そして、保育園を増やさなければならない、このときに、区立保育園の民営化はあり得ないと思います。待機児解消に逆行しています。民営化はやめるべきですが、いかがでしょうか。
喫緊の待機児対策には、私立保育園の力がどうしても必要です。1つ目は開設です。保育園の開設の4分の3は、私立保育園であれば財源が補填されます。あわせて、私立保育園の方は不動産会社の方などと上手に連携しながら、今までであれば駐車場だったところ、あるいはワンルームマンションであったところ、さまざまな働きかけをして認可保育園の整備を進めていらっしゃいます。あわせて、ビルの中でも園庭のようなものをつくったり、空間デザイン力があります。こういった、保育園をつくって経営していくノウハウは一日の長がございます。あわせて人材の確保です。私どもはやはり試験制度というものが公務員の中ではございますが、これは人材コストをかけて、さまざまな地方に出向き、保育園の養成学校に通い、人材確保に努める。このことのノウハウ、人材獲得能力は、私立保育園事業者に大変すぐれたものがございます。あわせて、私立保育園の質の向上の高さも改めて評価しなければなりません。現在、第1希望とする園で、公立園を希望される方が52%、私立園を希望される方が47%いらっしゃいまして、私立園事業者も質の確保に向けて大変力を入れていらっしゃいます。国の補助制度、保育園開設の仕組みといったスキームを考えれば、即時即応して待機児対策にかなう手法は、私立保育園の誘致が一番だと考えております。
私立の保育園のよさは大いに活かしていただきたいと思っています。でも、なぜ区立の保育園をこの段に及んでつくらないのか、納得がいきません。品川区は基金が903億円、そして土地も、探せば、国有地、都有地、区有地とあります。ぜひ総合対策に公立保育園建設を入れていただきたい。これを入れていかなければ、この前の流れでは待機児ゼロは実現しないと考えています。保育園をつくることが大きな経済的効果を生み出すと考えていますが、この点はいかがでしょうか。
来年度の12園の開設につきましても、私ども保育課の職員は、本当に血のにじむような努力をし、進めてまいりました。開設に向けての作業、そして現場を回っての理解といったことは大変な努力が必要です。あわせまして、公設の場合には、土地を買う用地の取得に向けての年数、土地境界の確定その他、今いる職員の倍以上の人間がいても、半分も開設できないのが事実でございます。あるとき開設できても、翌年同じように開設できるとは限りません。やはり継続的に財源を確保し、待機児対策に対して大変効率的な進め方をするには、現在の手法が正しいものと考えております。
今のご答弁だと、なぜ公設公営の保育園をつくらないのかという私の疑問に答えていただけていないと思うので、もう一回お願いいたします。あと、保育の質を支える保育士の不足が、今、大問題になっています。保育とは、生涯にわたる人間形成の基礎を培うもので、専門的知識と技術を持った保育士が中心となって、命と発達を保証することが大前提となっています。しかし、低賃金、厳しい労働条件が離職率を高めています。ここでパネルを示させていただきます。
2016年の東京都における保育士の平均月額賃金の比較です。上が私立保育園、平均は24万円です。下が品川区の保育士です。35万2,000円となっています。上は賃金構造基本統計調査から、下は区の保育士、区の資料からいただいた数字です。私立の保育園の保育士の賃金は、公立の保育園の月額と比較して約11万円、年間で120万円以上の格差になっています。根本の原因、ここで注目していただきたいと思いますが、国が、認可保育園の運営費、公定価格を算出する際の人件費を低く見積もっていることにあります。また、保育士の配置基準が低いため、基準以上の配置を行えば、さらにみんなで分けるので低賃金になります。国も都もようやく処遇改善に取りかかり始めました。区からは、1人3万8,696円の改善がされていると報告がありましたが、私は実際に保育士や園長先生に聞いてみましたが、一人一人の基本給に反映していません。保育士の実感は、まだなっていないということです。賃上げと保育士の配置基準、この両方の引き上げを国と都に働きかけていかなければ解決しない。全国福祉保育労働組合からは陳情が出ておりまして、ぜひ今の窮状を救うために、区独自の月1万円賃金加算の支援を求めていますが、どうでしょうか。よろしくお願いします。
公設公営とのお尋ねでございますが、これは繰り返しご説明申し上げております。1つは、民間活力を十二分に活かす。先ほど申し上げた、開設へ向けたノウハウ、人材確保のノウハウ、そして保育の質の高い保育園事業者、民間ならではの経営手法を使った保育園運営を活かすということであります。2つ目は、持続的に待機児童対策を続けるためには、国や都の補助制度をうまく使った、スキームを活かした待機児童対策が必要です。民間保育園は、民設であれば4分の3の建設費が出ます。品川区であれば全部、区の持ち出しです。このことは、再三再四、ご説明申し上げたところでございます。あわせて、スピードアップという点です。用地を買い、区が基本設計、実施設計、住民対応をする、そして保育園をつくるより、民間の保育園の能力・ノウハウを活かしたほうが、スピーディーに待機児対策ができるということでございます。
処遇改善でございます。処遇改善につきましては、緒についたというところが事実でございますが、品川区に限ってみれば、20代の保育士の初任給は、区も民間もほぼ均衡しており、20代については均衡が図られているところでございます。今後は、保育園が開設され、継続されていくことで、30歳代、40歳代と、その給与の格差は変わっていきます。特に来年度以降、主任あるいは副主任保育士といった格付によって、国・都の補助金が予定されておりますので、今後はより私立保育園の処遇が改善されるものと期待しておりますし、改善されない保育園、保育事業者は保育士を獲得できないということでございます。
私は大もとの公定価格や国の保育士の仕事に対する評価が少ない。なので、多少、処遇改善で賃金のことを改善しようとしても、基本的な配置基準も低くて改善できない。このことが大もとにあるので、ぜひこれを変えるような動きをしてほしい。このためには、国にも働きかけなければいけないけれども、その前、手前のところで区が支援をできると思うのです。ぜひ、区の支援もしていただきたい。ここのところもお答えいただきたいと思います。
あと、この間、私立と区立と遜色がないといった表現を、ずっと賃金のことでされていたのですけれども、今日私が示しましたこの差をどう受けとめていらっしゃるのか、もう一回お伺いしたいと思います。
あと、最後の質問になりますけれども、新年度予算は、安倍政権が進める、企業が活躍する社会をともに目指し、再開発、そして巨大道路建設、羽田新ルート、リニア新幹線と、大型開発がめじろ押しとなっています。一方、区長の施政方針の中には福祉の章立てがなかったように、福祉が区政の中止に据えられていません。アベノミクスで格差と貧困は一層広がっています。安倍政権は社会保障予算のさらなる削減を行い、自助・共助を押しつけようとしています。自治体の役割は、悪政から区政を守る防波堤、住民福祉の増進です。再開発は大崎開発から始まって、補助金の総額は1,360億円にもなっています。一方、区立認可保育園の建設には、補助金は1円も入っていません。このような税金の使い方はおかしいと思います。ぜひ区民参加、住民参加で、福祉を取り戻す区政の転換を求めますけれども、いかがでしょうか。
私立保育園の区の支援でございますが、先ほど、ほかの委員にご説明申し上げましたが、品川区は公定価格に50%上乗せして負担金として交付しております。公定価格が約30億円、区の上乗せが15億円。1園にならしますと、4,000万円から5,000万円になります。この運営費の補助は、処遇改善や保育の質の担保のために使われており、こういった区のこれまでの取組みが、私立保育園の開設を支援する大きな柱となっております。加えて、そのパネルにあります民間保育士と公立の保育士ですが、平均年齢も異なり、なかなかこれを等分に見るのは難しゅうございますけれども、繰り返しになりますが、他の区、自治体にはない公定価格の上乗せや、これから国や都が力強く支援してくれる処遇改善の仕組み、スキームを使って、私立保育園の働く皆さんの処遇を改善することが大切であり、また改善されなければ保育士の確保がままならないのだと、これを強く発信してまいりたいと思っております。
現場の保育士一人一人は、大変な状況でお仕事をされています。低賃金の状況はここに示したとおりです。ぜひ、一人一人の保育士の賃上げがどういう状態になっているか、具体的につかんで報告していただきたいと思います。
最後に、今予算特別委員会、民生費質疑の中で、齋藤子ども未来部長の発言について、この場で改めて取消しを求めたいと思います。南委員の質問は、国も都も認める保育士の低賃金を取り上げたものですが、部長は、私立保育園事業者の意見として、多くの方が私立保育園に、票にならないから、そんなことを言っていると紹介。認識を改めていただきたいと答弁しました。区民の福祉増進のために区政をチェックし提案を行う予算審議を、選挙の票集めと批判するものであり、事実無根、議会を冒涜するもので取消しを求めますが、お答えください。
私立保育園で働く保育士の皆様は、私どもにとって、待機児対策、そして子育てと養育を図るという意味では重要なパートナーでございます。この間、私立保育園の事業者の方に対して、こういったお話もございました。私立保育園に置きかえると、保育士は低賃金になり、離職率が高まり、保育の質が低くなる。保育士を目指す若者から夢や希望を奪う。こういったお話を聞いて、私立保育園で働く皆さんは大変心を痛めていらっしゃる。処遇も20代ではほぼ均衡になり、これからも処遇改善が図られます。誇りを持って働いていらっしゃいます。さきの賀詞交歓会でも、私立保育園の園長先生が何人か来られて、よその区では招待されなかったけれど、品川区に初めて招待されたと、大変誇らしい顔でいらっしゃいます。おそらく、私立保育園、公立保育園を問わず、品川区で働く保育園の保育士を励ますという意味で言うと、私も委員も違いはないと思います。私がその発言を取り消してしまうと、私立保育園の事業者、働く皆さんの思いを伝えることができません。したがいまして、私は取り消す考えはございません。
区民の皆さんが、きっとこの発言を聞いて判断されると思います。私は断固抗議をして質問を終わります。
以上で、いいぬま雅子委員の質疑を終わります。