2017.3.22 南 恵子区議
飯沼雅子委員に続き、羽田新ルート計画の撤回を求め、質問します。
共産党区議団は、羽田新ルート計画について、区民アンケートをとりました。委員長にお断りしてパネルを用意いたしましたので、ご覧ください。
3月21日現在、回収は2,178通。羽田新ルート計画に賛成はわずか5%、反対は81.7%です。意見欄には、たくさんの不安の声が書き込まれていました。一番多いのが騒音、90.8%。この騒音についてのご意見を1つ紹介します。飛行機が近づくにつれてストレスが出て、落ち着いた状態ではなかったと書かれてありました。2番目に多かったのは墜落、65.2%。あちこちで事故が起きているので不安だというご意見がたくさんありました。この気持ちは本当に共感できます。3位は落下物で62.5%。10センチのばねが落下したとの報道をNHKがやっていた。万が一あった場合、その下に住む多くの人が犠牲になるなど、どれも深刻な問題として受けとめています。8割を超えて反対というのは本当にすごいことです。これが区民の声です。改めて、この問題の深刻さを痛感しました。区民の大半が、低空飛行は嫌だと言っているのです。改めて、この事実を、議会も区もしっかりと受けとめなければなりません。
そこで質問します。品川区の上空を低空飛行する計画に8割もの区民が反対というアンケート結果です。これが区民の声です。この結果をどう見ますか。また、区も独自にアンケートをとって、賛成と反対がどれぐらいいるのか。低空飛行の羽田新ルート計画を区民はどう考えているのかなど、つかむべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
現在、区からは、国から必要な情報提供と地域への丁寧な説明を求めているところでございます。国に対して地域への丁寧な説明会と情報提供を行いまして、これまで地域の声をしっかり聞くよう求めておりまして、フェーズ1あるいはフェーズ2における説明会、今年に入りまして2月11日に開催した説明会にもつながっているところでございます。国として、こうした中で280余りの意見というものを認識しておりまして、この中には期待も、不安の声もあるところでございます。国として不安の払拭に現在努めているところでございます。
意向調査についてでございますけれども、こういったものは、事業者である国あるいは航空会社が行うことでありまして、区として行う考えはございません。
この結果をどう見るかと聞いたのですが、そのことには全く触れていません。改めて伺いますから答弁してください。
国は昨年8月9日に環境方策を示しましたが、墜落や落下物などの事故はゼロを目指してもゼロにできないことがわかりました。環境方策には安全対策の徹底といいますが、空港での航空機の抜き打ち検査や是正指導、外国航空会社に安全対策の徹底を要請するというもの。これではゼロにはできません。改めて伺いますが、墜落や落下物をゼロにできると思っていますか、伺います。
まず結果をどう見るかというところでございますけれども、先ほども申しましたとおり、国としても280余りの意見といったものを認識してございまして、この中には、期待も、不安の声もございます。そういった声と同様な意見なのかと考えてございます。こうした中の不安の払拭には、国として今、一生懸命努めているところでございます。
それから、落下物についてでございますけれども、国と意見交換する中では、先ほど委員からお話がありましたとおり、さまざまな対策を講じているところでございます。そうした中でも、可能性を全て拭い取ることはできないというようなことも申しておりますけれども、こうした中でも国のほうとして、さまざまな最新技術、新たな技術を導入することで、少しでもその不安の払拭に向けて、今、努めているところでございますので、私ども区といたしましては、こうした声に対してもしっかりと、それに努めていただくということを、国に求めているところでございます。
まだ私が質問したことに答えていないです。私は、8割の人が反対している、ここについてどう思いますかと聞いたのです。国が280出した意見にさまざまあるでは、答弁になっていないではないですか。そこをしっかり答えてください。
それから、落下物をゼロにできますかという点については、払拭に努めるだけで、ゼロにできるとは回答していないですよね。そこをきちんと答えてください。そこが大事なのです。区民の不安に応えることなのですから、答弁してください。
どんな方策を示しても、区民に多大な犠牲を強いるだけです。アンケートでは、品川区上空の低空飛行計画は反対、やめてほしいと願う区民は8割。墜落や落下物の危険を心配して中止を求める区民は、それぞれ6割を超えています。危険をゼロにできなければだめ。区の上空を飛ばすな。区民はこう言っているのです。区はゼロにできるのか、改めて伺います。アンケートの結果を踏まえるならば、飛ばさないことが唯一の選択肢ではないかと思いますが、いかがですか。また、区民はゼロにできなければだめだと言っているのですから、国に「飛ばすな」と言うべきです。いかがでしょうか。
示されたアンケートの81.7%の方々は、何らかの形で不安を感じているということだと私どもは捉えてございます。そういうことの中では、その不安を払拭することが大切なのだと考えてございます。そういった意味で、先ほどからご答弁申しているとおり、不安の払拭に向けて、今、国が努めているところでございますので、これをしっかりやるよう、区として求めているところでございます。また、落下物等についても、今ご答弁申し上げたとおりと同じようなことで、国としてしっかり対応してもらうことが大切であると考えてございます。
不安の払拭に努めるというのではだめなのです。落下物や墜落の危険、部長もご存じだと思います。これをゼロにしてほしいと、区民はみんな、8割の方々がおっしゃるわけです。ゼロにできるということは言えない。こういうことを言っているということでいいわけですね。確認したいと思います。
次に、3月1日の行財政改革特別委員会の議事録について質問します。今までの区の姿勢と違う答弁なので確認したいと思っての質問です。読みます。「今回の飛行経路案でございますが、こちらは日本が国際競争力に勝っていくということで、品川区も日本の経済の一翼を担っている立場から、基本的には理解するというところ」という答弁でした。今までの区は、品川区の上空の飛行は了解していないという姿勢でしたが、この答弁は、飛行経路案は基本的には理解するというものです。今までの区の立場は、羽田空港の機能強化は必要だと思うが、品川区上空を低空で飛ぶのは了解していないということでした。区は姿勢を変えたのでしょうか。品川区の上空を低空で飛行することを、区は認めたのかどうか伺います。
まず、今進めております羽田空港の機能強化に対する私どもの考え方でございますけれども、羽田空港の機能強化を国が今、進めているところにつきましては、一定の理解はする。しかしながら、その飛行機が飛ぶ新たなルート案については、区民の皆様の不安がまだまだあるということでございますので、その不安払拭に向けて、国としてしっかりやっていただきたいというようなことをこれまで述べてきたところでございます。先ほどご紹介のあった委員会中の発言でございますけれども、その日の委員会の中、全体として、申していることでありまして、あくまでもその意図というのは、機能強化の部分について一定の理解をする。そういった意味で発言したものでございます。
機能強化の部分だということですね。ということは、品川区の上空を低空で飛行することは、今までと同じという立場で捉えているということなのですか。確認したいと思います。
区として、これまでの姿勢は変わるものではございません。
変わるものではないということ、答弁を繰り返しましたけれども、品川区上空を低空飛行で飛ぶことは了解していないという態度でいいということですか。もう一度答弁していただきたいと思います。
それで、品川区の上空を低空で飛行することについての区の態度を改めて答えていただきたいと思います。今までと同じ立場なら、はっきりと訂正していただきたいと思います。
繰り返しになりますけれども、私どもがお話しさせていただいているのは、機能強化についての一定の理解の部分と、飛行ルートについては、まだまだ区民の皆様が不安を感じているのだと。そのことについて国としてしっかりと具体的な策を示してほしいということを申し上げているものでございます。これについては、これまでと同じ姿勢で現在も臨んでいるところでございます。
多くの区民の皆さんの命、暮らしがかかっている大事な問題ですので、やはりきちんと言うべきことは言うという立場で、改めてお願いしたいと思います。
次に意見書の問題です。品川区議会は、昨年12月7日に、国に羽田空港飛行経路についての意見書を提出しました。内容は改めて申し上げますが、第4回首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会で、環境影響等に配慮した方策が、関係自治体からの要望や住民意見等も踏まえ、配慮した方策であると評価して、羽田空港の機能強化に必要な施設整備に係る工事費・環境対策費を国が予算措置することを理解したとしているために、品川区議会の意見書の内容はこのまま国土交通省がこの事業を進めることに危惧を抱いていると指摘しています。この「危惧」という表現を含め、全会派一致で賛成して提出したものです。その危惧について、区は、「危惧を抱くというよりも、区は国と情報の連携を図りながら、区民と議会に情報提供していく義務がある」と答弁しました。危惧を否定したのです。したがって、改めて伺いますが、国の進め方、羽田空港の機能強化に必要な施設整備に係る工事費・環境対策費を国が予算措置することについて、区議会の「危惧」と同じなのか、改めて伺います。
私ども共産党のとったアンケートを紹介いたしましたけれども、多くの区民はこの計画には反対しています。区議会も心配して意見書を提出しています。議会と同じ立場に立つよう、改めて求めますけれども、いかがですか。
このまま国土交通省がこの事業を進めることに危惧を抱いているという部分についてでございますけれども、まず私どもは、「このまま」という部分が、区民の不安がまだ解消されていないという段階で、この事業を進めることにというふうな意味で捉えてございます。まだまだ、この不安の解消については道半ばだと考えてございます。それから、意見書の中では、騒音、落下物や、その他事故の可能性、区民への影響の他、その対策、環境影響に配慮した方策について具体的に区民に説明すること、多様な手法について工夫をすることというような形で書かれてございます。こういったことも含めて、8月9日には、品川区に対しての配慮事項が示されておりますけれども、区に対しての配慮事項をもってしても、まだまだ具体的ではないと考えてございますので、繰り返しになりますけれども、区民の不安の払拭について、引き続き国に具体的に示すように求めているところでございます。
8月9日の配慮が出された。これについては具体的でないので、不安払拭を引き続き求めるというご答弁でした。とすると、改めて確認したいのですけれども、区議会と同じように、この国の状況あるいは環境方策、8月9日に出されたものについては、区としても議会と同じように危惧している。心配だ。危なっかしくて仕方がないからやめるように、そういう心も含めて危惧している。こういう状況だということでいいですね。
私どもが捉えておりますのは、意見書の中にあります記書き以降の部分、これらについてしっかり議会のほうと連携しながら進めていくべきと考えてございます。
改めて、区民の思いをしっかり受けとめて、品川区議会と同じように、同じ目線、ここに立つように強く求めておきたいと思います。
それでは、次の問題にいきます。羽田空港の機能強化に関する都および関係区市連絡会について伺います。都議会では、都は部長級の幹事会を活用して意見交換を重ね、そこでの意見も踏まえ、国に丁寧な情報提供と、騒音・安全対策の取組みを要請してきたと言っています。要綱をつくって設置した正式な会議、議事録をとり公開されている会議である連絡会を開かず、議事録がなく非公開の幹事会を優先してきたということがわかります。なぜ連絡会は一度も開かれなかったのでしょうか、伺います。そして、この連絡会の参加メンバーは副区長、品川区では桑村副区長でありますけれども、連絡会開催を要請しなかったのでしょうか。2年半前から、低空飛行ルートには反対の声が上がり続けていることは、既にご承知のことと思います。要請しなかったのであれば、しなかった理由は何かも伺います。
連絡会のほうの幹事会、部長級の会議でございますけれども、これまで13回、開かれてございます。課長級のワーキンググループにつきましては6回開催されておりまして、その連絡会そのものは、情報共有や意見交換を行うための会であり、意思決定をするようなものではございません。連絡会がこうした性格のものでございますので、幹事会も同様でございますけれども、その会の性格上、幹事会での事務的な打ち合わせが有効的な手段であるのかと考えてございます。当初、公開はしていなかったはずでございますけれども、今はたしか公開しているかと思いますので、ご確認いただければと思います。
連絡会開催の要請につきましては、担当部長には私のほうから、やらないのかというような話はしたことはございますけれども、先ほど申したとおり、幹事会での事務的な打ち合わせが有効であるというようなお話をいただいたところでございます。
この連絡会は公開しています。ご存じだと思いますけれど。しかも、要綱をつくって設置した会議です。したがって、公開もされているし、議事録も当然とっています。だから、誰がどんな発言をされたのかがよくわかる会議で、この連絡会そのものは協議会を開く上でさまざまな情報が、この連絡会を通じて協議会に上っていくという大変重要な位置づけのある連絡会です。だから要綱も設置しているのだと私は理解しています。そういうところの、地域のさまざまな声を反映させて協議会に持っていく、その大事な連絡会を開かなかったのは本当に残念なことであり、やはり心配している区民、関係者の皆さんからすれば、本当に歯がゆいというか、何でなのだろうという疑問が湧くのは当然だと思います。改めてこの点について、なぜ開かれなかったのか。開きなさいと要請したのかどうかの答弁はありませんでした。部長が言ったということだけですけれども、その点について、もう一度伺います。
私が言ったというのが、どういう意味の捉え方になるかというのはありますけれども、ホームページ上に公開されていまして、公開されている中で、会議が開かれていないというのも私も確認していて、それではどうなのだろうかというようなことで、東京都のほうに申し入れを行ったことはございます。
この会でございますけれども、品川区としても、この会の機会を捉えまして、東京都には、区として国に伝えるべき意見、要望等については伝えてきてございます。しかしながら、飛行経路については、関係自治体の中でもそれぞれさまざまな感じ方を持っているところでございますので、品川区独自の要望等については、やはり直接、国に伝えるのがいいのかと考えているところでございます。
直接伝えるということではなくて、正式のルートできちんと必要な発言をすることが大事なのではないですか。水面下でやっていて、東京都議会でも今、さまざまな問題が出ているではないですか。それと同じことになるわけではないのですか。後で禍根を残すようなやり方はやるべきではありません。なぜかというと、区民、都民の命がかかっているわけです。万が一にでも墜落したらどうなるのですか。NHKで報道していたけれど、ビニールハウスの中に落下物がぼつんと落ちて、ここでもう農作業をやりたくないと、あちらに住んでおられる方がそういう発言をしているぐらい、命の危険の問題なのです。だから、正式なルートを通じて区民の声をきちんと届けることが大事だ。そういうふうに認識しているから、しっかりやるか、やらないかは別ですけれども、開くような要綱をつくって、会議体をつくったのではないのですか。その辺についての連絡会の認識を改めて伺いたいと思います。
繰り返しになりますけれども、連絡会のほうでございますけれども、やはり実務的な情報共有や意見交換を行う場ということでございます。これを行う上では、やはり実務の担当レベルである部長級が打ち合わせをしっかりやっていくことが大切なのかと考えてございます。先ほども申しましたけれども、区のほうとして、この会議の中でもしっかり発言はさせていただいてございます。それらをもとに国にも伝わっておりますし、区独自の話としては、またその場の中では、やはり状況がさまざま異なることから共通認識になかなかなりにくい部分もございますので、国に直接伝えていく。こうした手法と組み合わせながら進めてやっていくということが、一番いい方法だと考えてございます。
直接伝えているとおっしゃいますけれども、議会も区民も、例えば教室型の説明会をやってくれと何年言い続けていますか。正式なルートで言わないから、幾ら言っても回数を重ねても実現できない、その具体的な例なのではないでしょうか。私は、言う場があるからということで、やり過ごすのではなくて、正式な会議を通じてしっかり言う。言うべきことは言う。それが大事だと思うのです。連絡会を開くように求めたいと思います。いかがでしょうか。そして、そこで区として、8割の区民が反対している状況をつかんだ上ですから、反対するよう求めたいと思いますが、いかがですか。
連絡会についてのご要望は、私どもとしてもご意見を承っておきます。国のほうへのお話でございますけれども、これもいつもの話の繰り返しですけれども、新飛行ルート案のうち、全体の4割ほどの南風の着陸ルート案についてでございますけれども、運用につきましても15時から19時までの間に限定するものでございます。区としては、機能強化については一定の理解はするものの、騒音などの環境対策、あるいは安全対策については、いまだ十分とは言えないと考えてございますので、環境に配慮した具体的な方策をまずは明らかにするよう国に求めていくのが、今、重要なことであると考えてございます。
私は、改めて、区が勇気を持って、国に区民意思を伝えるべきだと思います。強調したいと思います。それが住民の命と暮らしを守る自治体の責任だからです。このことを強く主張して、以上で終わります。ありがとうございました。
以上で、南恵子委員の質疑を終わります。