2017.3.28 のだて 稔史 区議
日本共産党品川区議団を代表し陳情第13号「保育所職員に対しての処遇改善に関する陳情」に賛成の立場で討論を行います。
この陳情は民間保育所職員に対する処遇改善は待ったなしとして具体例を示し、
1.保育の賃金を品川区独自に1万円引き上げる処遇改善加算の設置、
2.借り上げ住宅補助を勤続6年以上の職員への対象拡大、
3.病産休時の代替職員手配のための賃金単価引き上げ、など保育士等の処遇改善策をさらに進めてほしいというものです。
以下賛成理由を述べます。
はじめに保育現場の低賃金の問題です。平成28年の賃金構造基本統計調査では東京の全職種平均の月額給与は35.7万円であり私立園保育士の平均は24万円となっており10万円以上も差があるのは周知の事実です。これは他の議員の皆さんも理解するものではないでしょうか。区と合わせて保育の仕事を担っている民間に支援していくことが必要です。認可園だけでなく同じ保育を担っている認証園なども大変です。職員からは「子どもの命を預かるのに低賃金で家族を養えない。持ち帰りの仕事もあり時間内には到底終わらない」「結婚しても子どもができても生活できる賃金にしてほしい」「この仕事が好きでやりがいもあるけど辞めようかといつも迷いながら続けている」という切実な声が寄せられています。区の説明でも都の保育士の実態調査報告を紹介し低賃金を理由に退職する人が65%と説明しました。区もまだ緒に就いたばかりという処遇改善を区独自の上乗せで後押しするべきです。
また、23区内は家賃が高く、少ない賃金で住み続けるのは大変です。家賃助成が拡大すれば勤続6年以上の職員も働き続けやすくなります。家賃助成の対象拡大をすでに区は実施していますが、対象が区内限定になっているために平成27年度は39人しか適用されておらず、もっと使いやすくなるよう改善が求められています。だからこそ議会としても支援していく姿勢を見せるべきではないでしょうか。
そして、現在ある品川区の病産休代替職員単価では安すぎて人材確保することができません。現在、保育士・看護師・調理員・栄養士は全て1日当たり1人7840円、時給にすれば980円です。それ以外の職員は1日当たり1人6280円、時給では785円で最低賃金以下です。私立園の方は「これでは人材確保できない」といいます。病産休が取りやすく、残った職員に負担をかけないよう人材確保できる額にすべきです。
最後に保育士の低賃金の大本には、国の公定価格が低すぎることを指摘します。職員配置基準が低すぎて、職員を基準よりも多く配置しなければ安全な保育ができないなど実態に合わせて手立てをとらなければなりません。その財源を捻出するために職員の給与を引き下げざるを得ないのが実態です。国と都と区の更なる支援が必要です。職員の処遇改善が子ども1人ひとりの成長発達を保障する保育の質の向上につながります。
以上のことから陳情でも求められている更なる処遇改善が進むよう賛成の立場を表明し討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。