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石田ちひろ区議が一般質問を行いました
「選択的夫婦別姓の導入で個人の尊厳と両性の本質的平等の実現を」
「来年4月待機児ゼロの実現でより良い環境で育つ子どもの権利保障を」
「国保の都道府県化で加速する保険料値上げと差押え強化やめよ。国保料は引き下げこそ」
「海上ルートに変更させた『確認書』を破る羽田新ルート計画に区長は反対を」

2017.7.7 石田 ちひろ 区議

質問項目

  1. 選択的夫婦別姓の導入で個人の尊厳と両性の本質的平等の実現を
  2. 来年4月待機児ゼロの実現でより良い環境で育つ子どもの権利保障を
  3. 国保の都道府県化で加速する保険料値上げと差押え強化やめよ。国保料は引き下げこそ
  4. 海上ルートに変更させた「確認書」を破る羽田新ルート計画に区長は反対を

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質問

日本共産党品川区議団を代表し、一般質問を行います。

選択的夫婦別姓の導入で個人の尊厳と両性の本質的平等の実現を

はじめに「選択的夫婦別姓の導入で個人の尊厳と両性の本質的平等の実現を」です。

2015年12月、夫婦同姓の強制を憲法違反と訴えた裁判の最高裁判決は15人中5人が違憲と判断しましたが、多数決で合憲とされました。この時の各新聞世論調査では、結婚しても「夫婦別姓」を選択できることに賛成が約50%、反対は約40%。日経新聞の調査では、働く既婚女性の77%が選択的夫婦別姓制度に賛成。また40代女性の80%が賛成と答えています。「自分は結婚したら苗字を変える」という人も「変えたくない人は変えないという選択肢はあっていい」という意見も多くあります。「違憲ではない」という判決に対して、世論の多数は選択的夫婦別姓制度の導入を望んでいます。

Q1、社会的に選択的夫婦別姓は求められていると考えますが、区の見解を伺います。また、区として世論調査を実施し、区民意見の把握を求めますがいかがでしょうか。

1985年、日本は国連の女性差別撤廃条約を批准しました。1991年から法制審議会が開催。1996年には選択的夫婦別姓を含めた民法改正法律案を答申しましたが、自民党などの激しい反対を受け、国会に上程されませんでした。

反対する人の主張は、「家族の絆が壊れる」「家族が崩壊する」「子どもがかわいそう」などですが、苗字が同じということだけで「絆がある」とは、根拠が不明確です。人口動態統計では、片方かあるいは双方が再婚というステップファミリーは増え、現に親と子の苗字が違う家族は存在し多様化は確実に進んでいます。もし親と子の苗字が違うことで差別され、いじめられるとすれば、それは多様性を認めない社会の問題であり、そここそ改善が必要です。

Q2、区長は親と子の苗字の違いで、「家族の絆が壊れる」と思いますか?伺います。

反対意見の背景には、昔の家制度を復活させたい思いが強くあると聞きます。それは自民党改憲案にも表れています。

既に2004年、自民党の憲法改正プロジェクトチームは、個人ではなく家族が社会の基礎的単位という考えから、憲法24条は改めるべきであるという案を出しています。ひとりひとりの尊厳を基礎に、夫婦別姓や同性婚など、多様な家族の形を認めると改憲案の言う「家族」の形が崩れてしまうという考えからです。

憲法24条は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持される。法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定」と、家族関係における男女の平等・同権という内容を示すとともに、個人の尊厳と両性の平等を法制定に当たっての原則としています。

この24条を読めば読むほど、夫婦同姓を定めた民法750条は憲法違反です。

Q3、夫婦同姓を強制する民法は憲法24条違反ではないのか?伺います。

2015年の人口動態統計では、96%の女性が婚姻の際、夫の姓を選択しています。変えたくなくても女性の方が変えている現実があります。

夫婦同姓の強制も含め、日本の女性の地位と平等を巡っては、世界でも遅れた状況です。

戦前の女性は社会的に無能力者とされ、社会参加や政治参加は許されず、子どもを産み育てるだけの「物」同然の扱いでした。時代の流れと共に、女性たちは立ち上がり、権利を勝ち取ってきましたが、多くの職場や家庭などに差別は残っています。

選択的夫婦別姓制度実現は、ただ名前だけの問題ではなく、平等な社会、多様性が認められる社会のための試金石です。国際的にみても、法律によって夫婦同姓を強制するのは日本だけです。

Q4、多くの女性が名前の変更を強制されているという認識はありますか?伺います。

Q5、選択的夫婦別姓制度導入へ、民法の改正を国に求めてください。いかがでしょうか。

来年4月待機児ゼロの実現でより良い環境で育つ子どもの権利保障を

次に、「来年4月待機児ゼロの実現でより良い環境で育つ子どもの権利保障を」です。

「小学校は全員入学なのに、なぜ保育園は入れない子どもがいるのか」疑問の声が上がっています。子育て現場では待機児童があふれ「認可保育園を望んでいるが、とにかくどこかに入れなければ、仕事を辞めるしかない。保育の質を求めてはいけないのか」と悲痛な叫びが届いています。

海外での子育て経験のある方は「子育てにやさしい国が多く、子どもは国民の一人として大切にされ、その権利が認められている。日本は子育てに冷たい国だ」と訴えます。子どもの最善の利益とは程遠い待機児童問題なぜ解決しないのか。

日本も批准をしている子どもの権利条約第18条には、締結国に対し、父母が働いている児童の権利を守るために0歳からのすべて子どもにきちんと居場所を用意する事を求めています。「OECD加盟国の中で0歳から5歳の子どもが居場所を与えられる権利がないのは日本だけ」ジャーナリストの猪熊弘子さんは訴えます。

児童福祉法24条1項には、保育園に申し込んだ子どもに対し、「保育の実施責任」が市区町村にあることが明記されています。

また、憲法14条1項には「法の下の平等」が書かれているにもかかわらず、待機児童は、国基準を下回る認可外保育施設などで「差別的な扱い」を受けているのが現実です。現場で懸命に働いている職員の方々の責任ではありません。

安倍政権は、保育を児童福祉から企業が儲けの対象とする保育サービスに変え、国の責任を放棄しています。保育士の数を減らす、保育室の面積基準を引き下げるなど規制緩和と詰め込み保育で、子どもが健やかに成長する権利を奪っています。待機児が解消しない根本に、子どもの権利を保障しない国と自治体の姿勢があります。

Q1.「保育の実施責任」を果たすこと、また子どもの最善の利益を守るため、 国と区に保育予算の引き上げを求めます。それぞれいかがでしょうか。

品川の実態はどうでしょうか。

今年4月入園申し込み数3444人中、入園数は2428人、不承諾数は1016人。待機児童数は219人と発表していますが実態とかけ離れています。

区長は1044人定員拡大と宣伝しますが、認可保育園を希望し入れなかった子どもは3年連続1000人を超え深刻です。区は原因を想定以上に子どもが増え、働く親が増えたと弁明していますが、区の「保育実施責任」逃れで許せません。

育休明けの1歳児が入園できない事態も重大です。子どもの権利を守る立場で待機児ゼロを実現するためには「認可保育園が決定的に足りない」「保育士の労働条件が劣悪なため、保育士が不足している」2つの解決が必要です。

Q2.来年4月、待機児ゼロ実現をめざしているのか伺います。

Q3.潜在的要求も含め地域ごとに年齢別ニーズ調査を行い、待機児ゼロを実現する認可保育園増設計画を求めますがいかがか。

Q4.一刻も早く認可保育園増設を進めるため、林試の森公園隣の国有地・都有地、旧第一日野小跡などの活用、民有地購入を求めます。いかがでしょうか。

Q5.私立保育園保育士の処遇改善へ、職員配置基準の引き上げと大幅賃金引き上げ支援を求めますがいかがでしょうか。

子どもたちの成長に外遊びは欠かせません。乳児には安心して遊べる場が、幼 児には体を十分に動かし、友達と一緒に遊べる場が必要です。幼稚園には義務付けられている園庭ですが、急増する認可保育園には園庭がありません。既存の公園を利用していますが、一カ所に複数の保育園に子どもが集中し、のびのびと遊べる状態ではありません。園庭は保育園になくてはならない遊び場です。

Q6、私立保育園に園庭確保の指導と支援を求めます。また乳幼児人口増に合わせて緊急に公園増設を求めます。それぞれいかがでしょうか。

国保の都道府県化で加速する保険料値上げと差押え強化やめよ。国保料は引き下げこそ

次に「国保の都道府県化で加速する保険料値上げと差押え強化やめよ。国保料は引き下げこそ」です。

6月半ば、一斉に品川の国保加入世帯約61000世帯に対して、近年にない1人平均7751円、介護保険料と合わせると9250円も値上げされた今年度国保料の通知・納付書が送付されました。年間所得300万円の自営業Aさんの場合、夫婦と子供2人の4人世帯で年間52万円、所得の2ヶ月分を超える国保料はあまりに過酷です。

ところが安倍自公政権は社会保障の「自然増削減」を掲げ、公的医療・介護制度を土台から変質させる改悪を強行。2018年度から更なる改悪が実施に移されようとしています。その第一が国保の都道府県化です。

「都道府県化」は、東京都が品川区の国保行政を統括・監督する仕組みとなり、区に「納付金」を割り当て、区は100%完納が義務付けられます。

厚労省は、「国保運営方針ガイドライン」で、決算補填等目的の法定外繰入金は解消し、医療費が増えれば、その分直接保険料値上げという仕組みにすると述べています。際限ない国保料値上げと、貧困の増大が区民を追い詰める事になります。

自治体に問われるのは、どう区民の命を守る国保制度にしていくかです。住民の負担軽減へ、区の法定外繰入金の増額が必要です。

Q1、1.品川区の国保加入世帯の平均年間所得はいくらか。2.品川区の今年度の法定外繰入金の総額と決算補填目的の額はそれぞれいくらか。法定外繰入金をなくすと1人平均いくらの値上げとなるのか。3.法定外繰入金はこれまで通り続けることと削減した高額療養費分も元に戻し、国保料の引き下げを求めます。それぞれいかがでしょうか。

「高すぎて払いたくても払えない」滞納者に対して、品川区は厳しい制裁措置をとっています。年金や給料が振り込まれたその朝に最低生活費も残さず差し押さえる。これは最低生活費を差押え禁止額として定める徴収法の趣旨に反しています。しかし区は「預貯金に振り込まれたものは預金債権として扱う。違法との判例が出たら従う」として強行しています。年金が月2万2,000円、内職をしながら月4〜5万円でギリギリの生活をしている高齢者に差し押さえるという無慈悲な制裁を行っています。

東京都も問題です。都は差押え件数が多いほど調整交付金を増額し、品川区は811件で3000万円に上ります。

品川区も加盟する東京都国保連発行の「東京の国保」滞納整理Q&Aでは「残金がごくわずかな預貯金口座を、年金振込の当日を狙って差し押さえる場合は、実質上、差し押さえ禁止財産を差し押さえているのと変わりなく、権利濫用、信義則違反とされるのではないか」「児童手当相当額の預金の差し押さえを違法とした広島高裁判決を、実務の指針を示す判決として参考にすべき」と述べています。

Q2、1. 品川区のやり方はこの回答に反しているのではないか。
    2. 改めて、預金債権として差し押さえ禁止額まで差し押さえるやり方を止めるよう求めます。
    3. 差押えた811人のうち住民税非課税者は何人か。
それぞれいかがでしょうか。

Q3、新制度移行に当たり、保険料の負担軽減のために以下の3点を求めます。
   1. 子育て世帯への支援として、子どもの均等割軽減、ひとり親世帯や就学援助対象世帯への保険料を軽減すること。
   2. 7割・5割・2割軽減の所得制限を広げて対象を拡大すること。
   3. 「生計費非課税の原則」に近づけるため、住民税非課税世帯には所得割を付加しないこと。
それぞれいかがでしょうか。

憲法25条では、健康で文化的な生活はすべての国民に与えられた権利であり、国家は国民に対して、それを具体的に保障する義務があることを規定しています。安倍自公政権が進める社会保障解体路線は、医療や介護を自助・共助を基本に救貧施策とするものであり、憲法25条に反する歴史逆行です。社会保障充実こそすべきです。

海上ルートに変更させた「確認書」を破る羽田新ルート計画に区長は反対を

最後に「海上ルートに変更させた『確認書』を破る羽田新ルート計画に区長は反対を」です。

6月6日、成田空港の北10キロの民家に航空機から氷塊とみられる落下物が発生。空港から約10キロとは、品川区内でいうと上大崎付近です。

午後7時頃、雷が落ちたような音が鳴り、外に出ると屋根が破れ割れた瓦が軒下に散乱。住民は「移転できるなら早くしたい」「ショックで寝られなかった」との訴えが報じられました。

国に問い合わせると「調査したが現物が確認できず、航空機由来と認定するのは難しいと結論づけた」との回答でした。「成田では10年間で21件の落下物」との説明ですが、実際にはカウントされない何倍もの事例が発生しています。深刻な落下物対策について、国は決定打を示せません。区も「あらかじめ予見を持たない」と無責任な姿勢です。

Q1、なぜ予見を持たないのか、これで落下物から区民を守れるのか、それぞれ伺います。

騒音はどうか。5月下旬、私たちは騒音体験調査を行いました。現行ルートで南風時、着陸機がゲートブリッジ付近を通過します。騒音計は、高度300メートル付近では最大84.5デシベル。高度200メートル付近では最大86.6を示し、いずれも国想定の瞬間最大値を超えました。また、大型機通過後は気流が乱れ、後続機はルートをそれて飛ぶなど、騒音は広い範囲に及ぶ事も分かりました。

区は、技術革新で当時と現在の飛行機の騒音レベルは下がるから、騒音は「法の基準内」だと言い、公害とも認めません。当時は一時間あたり20便前後が飛行。今回は一時間あたり計44機が品川区の上を通過です。

Q2、大井町では80デシベルを超える騒音をもたらします。これが公害とならない基準自体がおかしいと、なぜ考えないのか伺います。また、この基準の改定を国に求めるべきですが、いかがでしょうか。

同時に住民からは「もうすでに飛んでいるのか」との声も聞かれます。これは、悪天候時などの着陸やり直し、いわゆるゴーアラウンドによるものですが、新ルートになれば回数も現在の比ではありません。

Q3、新ルートにおけるゴーアラウンドの経路を示して下さい。また、ゴーアラウンドの回数は今より何割増えるのか。増加によってどのような被害が起こるのか、それぞれ伺います。

区は今年度改訂中の地域防災計画に航空機事故を含む大規模事故の項目を追加する方針を示し、墜落事故の現実の危険を認めました。

区民の暮らしと命を守る対策は、海上ルートの堅持、すなわち計画の撤回しかありません。そして品川区民は、かつて区内を飛んでいた飛行機を「オール品川」のたたかいで海上ルートに変更させた経験を持っています。

ジェット機の飛行が始まり被害が深刻化した1959年以降、区もこれを公害と認識し、国に要請し深夜飛行やモノレールの内側運行を禁止させたり、騒音測定や独自の区民意識調査も行いました。1973年、国が空港拡張計画を持ち出してきた際、区は「品川区民の生命の安全と財産を守り、かつ航空機による災害、騒音、大気汚染被害を排除する立場」だと述べ、国に「滑走路の沖合移転」を要請。大田区は「空港撤去」を決議。結果、1981年に品川区長・大田区長立ち合いの下、国と都の間に滑走路の沖合配置と運用方式の合意を交わさせ、海上ルートを実現、これを「確認書」に明記させました。

Q4、区長はこの「確認書」を現在でも引き継いでいるのか。伺います。

Q5、区長の態度こそが、計画撤回の決定打です。改めて計画への反対表明を求めますいかがでしょうか。

答弁

区長(濱野健君)

私からは、待機児童等についてのご質問にお答えを申し上げます。

まず、区における保育の実施状況ですが、平成22年から29年までに認可保育園を45園開設し、定員を5,507人拡大をしております。29年度の保育課事業予算は、平成22年度比で2.7倍の207億円を計上しており、30年度におきましても定員拡大を予定していることから、予算はさらに増額となる見込みです。同様に、国や都においても積極的な予算を組んでおります。

次に、認可保育園の増設計画ですが、今年度の子ども・子育て支援計画の中間見直しの中で、年度別のニーズを踏まえた地域ごとの計画を提案いたします。

次に、公有地等の活用などにつきましては、さまざまな行政需要や地域の状況などを総合的に勘案しながら判断してまいります。
保育士の処遇につきましては、区では公定価格に約50%の上乗せをした運営費を補助し、必要な職員数を配置できるよう支援するとともに、キャリアアップや宿舎借り上げ等の補助制度に積極的に取り組んでおります。

園庭につきましては、水遊びや外気浴ができるスペースをとるようにしておりますが、それ以上の広さを確保することは事実上困難な状況であります。

公園増設につきましては、公園は小さな子どもから高齢者まで、さまざまな世代の方が利用する施設であり、適地があれば引き続き整備を進めてまいります。

その他のご質問等につきましては、各担当部長等よりお答えを申し上げます。

総務部長(榎本圭介君)

私からは、夫婦別姓等についてお答えします。

平成27年12月、最高裁判所において、夫婦同姓は合憲との判決が出されました。その中で、「姓の選択は夫婦の話し合いに委ねられており、男女間の不平等はないとされ、旧姓の通称使用が広まることで不利益は緩和でき、合理性を欠くとは認められない」と結論づけられています。したがいまして、区で独自に世論調査等を実施する考えはございません。

次に、親と子の名字の違いによる家族のきずなについてですが、さきの判決に示されているように、親子同姓のメリットは「家族の一員であることを実感し、対外的に示す意義があり、子どももその利益を受ける」としております。

次に、民法750条の規定は、「夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称するjとしており、両性の平等を定めた憲法に関して「家族の呼称を一つに定めるのは合理的で日本社会に定着している」として、さきの判決が合憲であると結論づけたところです。

次に、女性の氏変更についてですが、夫婦の姓の選択は、夫または妻の氏を称するかを夫婦となろうとする者の協議に委ねられています。夫婦同氏制それ自体に男女間の不平等が存在するわけではないと考えております。

最後に、民法改正についてですが、判決を踏まえ、国が対応していく問題であり、区が求めるものではございません。

健康推進部長(西田みちよ君)

私からは、国民健康保険料についてお答えいたします。

まず、国民健康保険加入世帯の平均所得ですが、所得の定義を保険料算定に用いられる「前年の総所得金額等から基礎控除額33万円を差し引いて算出する旧ただし書き所得」とした場合、1世帯当たりは約155万円となります。また、法定外繰入金につきましては、平成28年度の総額は、出産一時金分を含めて約15億8,000万円となります。このうち決算補填目的相当分については、都の実績調査前のため未算出でありますが、28年度と同程度の割合として想定した場合、おおむね9割程度となる見込みでございます。

また、法定外繰入金をなくした場合の1人当たりの保険料上昇額は、年間約1万7,000円と想定されます。なお、法定外繰入金をこれまでどおり継続することや、高額医療費分をもとに戻すことにつきましては、国の方針や特別区長会の決定と相違しているため、非常に困難と考えます。

次に、滞納者に対する対応についてですが、平成25年11月27日の広島高裁松江支部の判決は、最高裁判決を認めつつも、例外として預金債権が差押禁止債権としての属性を有するものと認めたものです。原則は、平成10年2月10日最高裁第三小法廷判決にあるように、差し押さえ禁止に係る給付金も預金口座に振り込まれた場合は、預金債権に転化するため、差押禁止財産の属性を承継しないとしております。今後も、判例、法令等を遵守し、適正な滞納処分に努めてまいります。

また、区では、納付に応じない一部の被保険者に対しては、納付相談を通じて滞納整理事務を行っております。事務の執行に当たっては、収入や資産の状況、世帯構成など、個々の生活状況を総合的に鑑みて行っているため、課税状況に着目した統計はとっておりません。

次に、保険料の負担軽減につきましては、国民健康保険法に基づき、国民健康保険の被保険者の方が対象となりますので、公平性の観点から、子育て世帯全体への拡大は困難と考えております。また、均等割7割・5割・2割の軽減につきましても、国の政令に基づき実施しているため、独自に所得制限を変更する対応はできません。

なお、「生計費非課税の原則」は、税の原則であり、社会保険料となる国民健康保険と仕組みが異なっております。したがいまして、算出方法も全く異なるため、住民税非課税世帯に所得割を賦課しないということはできません。

最後に、保険料の負担により生活が厳しい方につきましては、個々に応じた納付相談などを、窓口や電話にて引き続き丁寧に対応してまいります。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

初めに、落下物についてですが、国は航空事業において、落下物等がないよう、地域や一人ひとりの安全確保を図ることは最優先の課題であるとし、国の指導のもと、航空会社などによる国際的な安全基準の確認や、航空機の厳密な整備点検の徹底に加え、駐機中の抜き打ち検査など、さらなる予防対策を強化し、未然防止に万全を尽くすとしております。区といたしましても、万が一にも落下物がないよう、さらなる徹底した対策を求めてまいります。

次に、騒音についてですが、基準につきましては、「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」に基づき、評価されるものであります。現在、国が示している新ルート案においては、制度の運用について弾力化するとの考えを示しており、区では、対策を具体的に示すよう求めているところでございます。

次に、ゴーアラウンドは、安全に着陸するために、悪天候や滑走路の混雑など、さまざまな状況に応じて行われるもので、国からはその経路や回数を示すことは困難と聞いておりますが、可能な限り具体的な情報を示すよう求めているところでございます。

次に、確認書についてですが、国からは、現在までの航空技術の革新の中、騒音の低減など、航空機の性能が向上し、加えて、首都圏空港の機能強化の必要性が生じたことから、改めて案を示すに至ったとのことです。国から示された案について、区ではこれまで、地域に対する丁寧な説明や、対応策について具体的な内容を示すよう求めてきたところでございます。国は、この求めに対し、これまで、ニュースレターの発行、複数回の説明会の開催、環境影響に配慮した方策などの対応策を示しましたが、区といたしまして、現段階で具体的な内容として不十分であると考え、さらなる情報を示すよう求めているところでございます。引き続き、区民の皆さんの不安を払拭するよう、丁寧な説明を国に求めてまいります。

再質問

石田ちひろ

自席より再質問させていただきます。

まず、夫婦別姓ですけれども、選択的夫婦別姓制度が社会的に求められていると思うんですけれども、答弁は判決内容だけのように感じました。裁判結果を伺ったのではなく、制度実現が社会的に求められていると思いませんかと伺ったので、もう一度お答えいただきたいと思います。

次に、保育園です。引き続き待機児ゼロを目指すということですけれども、実現するのはいつでしょうか。来年4月、待機児ゼロにする目標を持って取り組んでいるということでしょうか。ぜひ、来年4月ゼロにするというところでお答えいただきたいと思うんですが、お願いします。

それと、国保です。法定外繰入金をこれまでどおり続けていただきたいというふうにお願いをしたんですけれども、国や特別区長会の決定と違うから難しいということだったと思うんですが、できないということはないですね。また、今後法定外繰入金をなくすと、1人1万7,000円値上げされるということも答弁されました。こんな値上げには区民は耐え切れません。区民の負担軽減こそ必要です。難しいことに正面から立ち向かって挑戦していただきたいと思うんです。

最後に、羽田新ルートです。1か所だけ、確認書のところですけれども、私が聞いたのは、確認書を濱野区長は今でも引き継いでいるのかということですので、そこをお答えください。

再答弁

区長(濱野健君)

待機児童対策のことについて、再質問にお答えを申し上げたいと存じます。

この待機児童ゼロというお話であります。もちろん私ども品川区といたしましても、待機児童をゼロにしていきたいという希望は強く持っておりますけれども、客観的な状況を踏まえると、今の時点で待機児童をゼロにしますというふうに断言することはできないと思っております。しかし、もちろん、ゼロをめざして努力をするということは、そういう覚悟でございます。

総務部長(榎本圭介君)

再質問にお答えをいたします。 社会的に求められているかどうかということでございますけれども、そういう意見もあるとは思いますけれども、基本的には国のほうで対応していく問題というふうに理解しているところでございます。

健康推進部長(西田みちよ君)

国保における法定外繰入金についての再質問にお答えいたします。

先ほど答弁でもありましたけれども、法定外繰入金をなくすと単純に1万7,000円ということでございますけれども、それをしないということにつきましては、今までも国保の仕組みにつきましては特別区全体での同一歩調でやっていた部分がございますので、一区がこうするということを決定するような仕組みにはなってございません。

それから、これから都道府県化という大きな課題も抱えておりまして、国、都の動き、それから特別区としての考え方をきちんと示しながら、国保の仕組みについて考えていきたいというふうに思っているところでございます。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、羽田空港の機能強化の再質問にお答えいたします。

昭和56年、これまでの羽田空港とのかかわりを勘案し、当時確認書が交わされたものでございます。今般、国は、こうした事実の経過も認識する中で、機能強化の必要性や技術の進展もあり、新たな提案をしてきたものでございます。区といたしましては、今回国から新たに示された提案という事実に対しまして、現在の置かれている状況の中で対応することが基本であると考えてございます。引き続き国として区民の皆様に対し、具体的に、そしてきめ細かく対応し理解を深め、不安を払拭するよう、区として強く求めていく考えでございます。

再々質問

石田ちひろ

再々質問をさせていただきます。 まず、夫婦別姓ですけれども、こんなにみんなが、そして多くの女性が望んでいるのに、品川区はこの制度実現は必要ではないと思うということでしょうか、伺います。

次に、待機児です。保育園の問題ですね。待機児ゼロが実現するのはいつかと伺いました。今の時点で断言できないということでした。もう余計に、パパ、ママたちは不安に駆られたのではないでしょうか、今の答弁で。待機児ゼロは区長の公約です。来年は区長選があります。ぜひ公約を実現してください。待機児ゼロはいつ実現するのか、伺います。改めて伺います。

最後に、羽田新ルートです。確認書、これはないものとしてしまうのでしょうか。ここに、確認書を持ってまいりました。当時の大臣、都知事、大田区長、品川区長の印鑑が押してあります。しかも、新守れ、かつ、航空機による災害、騒音、大気汚染被害を排除する立場を述べ、海上ルートを実現させたこの確認書を、濱野区長は引き継いでいないということなんでしょうか。もう一度伺います。

再々答弁

区長(濱野健君)

待機児童対策に関連する再質問にお答えを申し上げます。

もちろん区といたしましては待機児童が出ないようにということで一生懸命努力をしているわけでありますけれども、その努力を超える数の入園希望者が増えているということでございます。そういう意味で、この努力をさらに続けなければならないというふうに思っておりますが、待機児童をいつゼロにするということについては、これは今の段階ではっきりと申し上げることはできません。しかし、先ほども何回も申し上げていますように、区の責任として待機児童が出ないような努力は、これはしっかりと続けてまいる考えでございます。

総務部長(榎本圭介君)

再々質問にお答えいたします。

この夫婦別姓等の制度のあり方につきましては、国会等で論ぜられ、判断されるべき事柄だというふうに判断しているところでございます。

都市環境部長(藤田修一君)

羽田空港の機能強化についてでございますけれども、当時のことは、そのときに確認をされたことでございます。現在は、現在の置かれている状況の中で区民の立場に立つのは当然のことと考えてございますので、そうしたことの中でしっかりと対応してまいります。

議長(松澤利行君)

以上で、石田ちひろ君の質問を終わります。

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