2017.11.27 のだて 稔史 区議
質問項目
日本共産党を代表し一般質問を行います。
はじめに「税金の無駄遣い、防災にもならない巨大道路29号線は撤回を」です。
都内各地で道路裁判が起こっています。特定整備路線に関しては品川で3番目、板橋区で2件提訴され、さらに準備中も。この道路に都は28路線で3500億円も税金をつぎ込もうとしています。これで、もたらされるのはまち壊しです。
住民は29号線認可取り消しを求め第一陣62名で集団提訴。10月6日に東京地裁の一番大きい法廷で第一回口頭弁論が行われ、約100名の参加で満席に。2人の住民から意見陳述がありましたので紹介します。「私たち一族は先代から70年以上この土地で暮らしています。近隣は親しく、生活に必要な商店、学校、医院などがあり、非常に便利です。道路計画は私たちをそこから追い出すことになるのです。見知らぬ土地に引越しすれば、今までの暮らしや健康は維持できなくなります。」また「この居宅は住まいのみでなく、祖母の面影を残す唯一の遺品です。父親は生涯ここに暮らしました。家族の足跡を印す、柱ひとつ、一本の釘、雑草の一輪に至るすべてが、如何なる補償をもっても一切あがなうことは適わない掛け替えのない財産です」これが29号線で生活を壊される実態です。
また戸越公園駅周辺商店街の片側を壊し、ゆたか防災公園など大勢が利用する3つの大きな公園の大半が削られ、町会会館や図書館までなくなるところもあります。
Q1,29号線は住民の生活を壊すまち壊しだと思いませんか、29号線の計画撤回を求めます。それぞれ伺います。
区や都は29号線を防災のためと推し進めていますが、新潟県糸魚川市の大火は140m飛び火し、10か所から延焼拡大しました。道路では防げません。
交通の円滑化も理由に上げますが、交通量は減っています。また大震災時の主要道路は車で埋め尽くされ通れないことは東日本大震災で皆さんが経験した通りです。
国は見直しが進まないため新たに都市計画道路見直し方針を示しました。事業化された道路も見直し対象です。これを受け区に質問すると「代替手段があると判断されたときに検討される」と答弁。29号線はすぐ近くに第二京浜という代替道路があるので見直すべきです。
燃え広がらないとされる不燃領域率70%など予防策の充実で道路はいらなくなります。防災ならば住民を追い出し約603億円もかける29号線はやめて、住宅の耐震化、不燃化などに直接税金投入することが一番効果的です。住民の生活も壊されず、協力しやすく、税金も少なく済みます。
例えば不燃化助成の平成28年度平均で1棟当たりの助成額は除却、不燃構造化、住み替えの合計で693万円、29号線で立ち退きを迫られる約590棟がこの建替え助成を受けたとしても約41億円。耐震化助成でも住宅1棟あたり3つの助成の平均額は合計で301万円、590棟耐震改修しても約18億円。どちらも29号線の1割にも満たない額でできます。
Q2,国の見直し方針に基づいて代替手段のある29号線は見直し対象とするよう東京都に求めて頂きたいが、いかがでしょうか。
Q3,住宅除却・不燃構造化・住替え支援助成の対象範囲を区内全域に広げることと制度の更なる周知を求めますがいかがでしょうか。
道路と一緒に沿道の再開発が進められています。29号線沿道の戸越5丁目19番地でも24階建て約90mの超高層再開発が進められ、沿道に超高層マンションが立ち並ぶ構想です。ほとんど5階までの戸越公園駅周辺にはふさわしくありません。大手のゼネコンや不動産会社が儲けるための超高層再開発にこれまで1300億円も税金投入。一方で国保は区の一般財源投入をなくし国保料の値上げなど税金の使い方が歪んでいます。
Q4,大手のゼネコンや不動産会社の超高層マンション事業の利益のために税金を使うのは間違っていると思いますが、いかがでしょうか。
戸越1・2丁目地区の取り組みでは住民の持ち出しなしに低層で建て替えを実現しました。
Q5,戸越5丁目19番地の超高層再開発は中止し、戸越1・2丁目地区の共同建て替えに学び、住民が望む商店街やコミュニティをいかした低層のまちづくりへの転換を求めます。いかがでしょうか。
次に「来年度からの制度改変による国保料値上げではなく引き下げこそ 厳しい取り立てやめよ」です。
ぎりぎりの生活費から国保料で所得の1〜2カ月分が消え、「高すぎて払えない」と多くの区民から悲鳴が上がっています。さらに厳しい取り立て・差押えが区民を追い詰めています。命と健康守る国保制度へ改善を求め質問します。
健康部長は、決算総括で「国保料が高いとは思わないか」の質問に「高いか低いかは感じ方の問題」と答弁しました。都道府県知事会も「国保料は負担の限度を超えている」と指摘し、厚労省も品川区の資料も「低所得者が多く、年齢層も医療費も高く、所得に占める保険料負担が重い」とはっきり述べています。感じ方の問題ではありません。
そもそも国保はどういう制度か。戦後10年余経った1957年の厚生白書で「医療保険のない国民は総人口の32%、保険証のない国民が病気になると多額の医療費が必要となり貧困に陥る」と述べ、その2年後、国民皆保険制度としてできたのが現在の国保法です。
第1条に「社会保障」を明記。旧法の「相互扶助の精神」の文言が消え、戦前の助け合い制度から社会保障制度へと変わりました。第4条には国の責任を明記。支払い能力を給付の条件にせず、他の医療保険に加入できないすべての人を対象にしました。始めから国庫負担が絶対必要な制度として出発したのです。
ところが国も都も区も税金投入を減らし、国保料を値上げし続けました。国保加入者の多くは低所得であり、品川でも平均年間総所得は1人138万円です。その結果、高すぎて払えない人を多数生み出したのです。
また65〜74歳の76%が国保に加入しており、一部の人の制度ではありません。
改めて
Q1,国保の構造から来る問題「所得に占める保険料負担が重い」との認識があるか伺います。この解決のために、保険料の引き下げこそすべきだと思いますがいかがでしょうか。
安倍政権が来年度からの都道府県化を進め、都の国保運営方針素案では更なる値上げが計画されています。これまで国保料軽減のために区が一般会計から繰り入れてきた法定外繰入は、計画的・段階的に解消すべきと述べています。実施されれば国保料はとてつもない値上げになります。
Q2,次は区民を追い詰め、命とくらし脅かす取り立ての問題です。
「突然、滞納分を来年3月までに払えと何倍もの支払を強制された」また「区が示す分納計画を了承しない限り子どもの保険証は渡さないと言われた」などの相談が相次いでいます。
品川区は収納率23区トップで都から褒賞を受けたと自慢しますが、その影で多くの区民が追い詰められています。
Q3,
1.区は、滞納整理は年度末の3月が原則と答弁。何年も前の滞納分を今年度中とする根拠は何か。支払い能力を超えた分納計画の強制はやめるよう求めます。
2.子どもの保険証を人質にした無理な分納計画の強制はやめるよう求めます。子どもの保険証は国が通知で示すとおり、速やかに届けるべき。無条件で郵送するよう求めます。いかがでしょうか。
合わせて子どもの均等割額の負担軽減を提案します。すでに昭島市は2人目半額、3人目9割軽減、東大和市は3人目から均等割免除を実施し、市民から喜ばれています。
Q4,子どもの均等割廃止を国に求めること。区独自に子どもの均等割減免制度を作るよう求めます。いかがでしょうか。
次に「来年4月保育園入園を希望するすべての子どもを受け入れる 認可保育園の増設を」です。
品川区の認可保育園を希望しても入れなかった子どもは3年連続で約1000人もいます。この理由を区は「努力を超える数の申請がある」と入園を希望する人たちの責任にしてきました。第三回定例区議会で区は来年4月に待機児が「私立17園の開設などでゼロになると想定している」と答弁しましたが、本当にゼロになるでしょうか。
希望しても入園できない子をなくすには、数を正確に掴むことが必要です。区は保育園に入れない子の9割を占める0〜2歳の入園申請の増加率を前年の4.4%と見込んだと説明します。
Q1,平成28年度の入園申請の増加率は12%、平成27年度は16%だったのに、なぜ4.4%なのか伺います。子どもの出生数や品川区への転入数の推移などを見込んだのですか。伺います。
入れないと思って入園申請をあきらめる人もいます。
このような
Q2,潜在的保育需要を調査したのか、伺います。調査をしていないなら、今からでもきちんと調査するよう求めますが、いかがでしょうか。
区は0〜2歳の来年4月申請数を2944人と見込んでいますが、認可・小規模保育園の入園可能数は2301人、今年度、認証保育園に入れたのは281人。これでは差し引き362人が認可、小規模、認証のどの保育園にも入れない、中でも1歳児は200人を超える計算です。
Q3,来年4月、認可保育園にも小規模にも認証にも入れない子どもが300人以上も出るのに、なぜ待機児がゼロになる見込みといえるのか、伺います。そもそも品川区の待機児の考え方が問題です。厚生労働省の待機児から除くものに加え、区は4月に再申請しなければ待機児に含めないのです。こんなやり方は品川区だけです。保護者はすぐに再申請してもどうせ入れないとあきらめてしまう方もいます。
Q4,待機児数を少なく見せるカウントの仕方は止めて、保育園に入れなかったすべての子どもを待機児とする考え方に改めるべきですが、いかがでしょうか。少なくとも区独自の「4月に再申請しなければ待機児とカウントしない」やり方はやめるべきですが、いかがでしょうか。
品川区総合戦略でのアンケートでは、「理想の子どもの数を実現するために今後品川区が取り組むべき点、良くなってほしい点」として「保育施設など子育て支援の施設が充実する」が55.7%で1位になっています。子どもが欲しいママたちの願いに応えて保育園の増設をもっと進めるべきです。
待機児ゼロの想定は、希望する保育園と受け入れできる保育園のミスマッチがないことを前提にしています。地域ごとの需要にあった増設をするべきです。
実態をみないのでは、待機児はなくならないどころか、少子化に拍車をかけることになります。
Q5,来年4月、保育園入園を希望するすべての子どもを受け入れられるよう、認可保育園の分園なども含めて緊急対策を行うべきですが、いかがでしょうか。
Q6,「品川区子ども・子育て計画」にすべての子どもが保育園に入れるよう認可保育園の増設計画をつくるべきですが、いかがでしょうか。
最後に「タウンミーティングで区長が発言 羽田新ルートは容認ではなく反対を」です。
11月11日のタウンミーティングで、発言者13人中4人が羽田新ルートについて発言。区長は新ルートについて「品川区民にはデメリットしかない。国交省に行き大臣に伝えた。事務次官と審議官にも会って区民へのメリットを提示してほしいと交渉し、国交省は約束した。それを実現させることが私のとるべき道。国策ということで甘受するなら品川区にとってメリットを示してほしいと交渉している」と答えました。これは国策だからと羽田新ルートに容認の立場を示したものです。
区長が区民の前で公式に発言したことですので、区長にお答え頂きたいと思います。品川上空を飛ぶことは「国策だから仕方がない。だからメリットを示して下さい」と交渉しているということは、
Q1,新ルート容認の立場を国交省に既に伝えていたということか。また、これまで区は新ルートを「品川区として了承していない」と答弁を繰り返してきましたが、その姿勢も変えたということか、それぞれ伺います。
この発言は区民にとって初耳で、大変驚き、怒りを禁じえないと声が上がっています。この交渉は計画の推進に力を貸してきたことになり、区民と議会への重大な背信行為で、認められません。
Q2,区長は新ルート容認の品川区の立場をいつ国交省に伝えたのか、それを区のどこでどのように議論して容認の立場を決めたのか、そしてなぜ交渉内容を隠し続けてきたのか、それぞれ伺います。
区長は新ルート計画を「品川区民にデメリットしかない」と言っています。
Q3,区長が言うデメリットとはどういうものか、具体的に示して下さい。
また「国策だから甘受する」とも言っています。
Q4,国が決めたことだから、区民の命と暮らしが犠牲になるのは仕方がない、甘受すべきと考えているのか伺います。
最近続発する落下物事故で区民の不安は「恐怖」へ変わっています。羽田空港へ着陸する航空機からの部品脱落は、国内線だけでも7年間で437件。また外国機の部品脱落は報告する仕組みがないために把握もしていません。実際はもっと多くの部品が脱落しています。この外国機を含む国際線が増便され、品川上空を飛ぶことはあまりに危険です。
区は「落下物はあってはならない。予防対策を具体的に示すよう国に求めている」と繰り返します。国の示す対策は事後対策であり、これでは住民を守れません。公園で遊ぶ子ども、住宅やマンションに直撃したらどうなるでしょうか。
Q5,私は必ず落下物事故が起きてしまうと思いますが、品川区の見解を伺います。
新ルートによる区民への被害は、区長が反対表明すれば止められます。かつての浦安市、品川区で証明済みです。
浦安市では2004年、羽田空港D滑走路建設に伴い、市上空を航空機が飛行する計画が出され、市長を先頭に「私たちの真上を航空機が通過する、騒音被害は絶対に許さない」という立場で国に対して要望・抗議・意見書の提出を行い、市独自で騒音影響の予測シミュレーションや専門家に依頼し人体への影響試算なども行い、市上空を飛行しないルートを実現させました。
品川でも上空を飛行していた際、区は航空機騒音を公害と捉え、住民意識調査も実施。1974年に空港拡張計画が出されると、区長先頭に拡張に反対し、沖合移転の要請書を国に提出。「品川区民の命と財産を守るため、航空機による災害、騒音、大気汚染を排除すること」と明確に述べ、沖合移転を実現させ、区民の安全を守りました。
自治体が問題をわがことと捉え、あらゆる取り組みを行って国に迫れば計画は止められるという証明です。
Q6,区長が反対表明をすれば計画は止めることができます。新ルート容認ではなく今こそ反対表明すべきです。いかがでしょうか。
以上でわたしの一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
私からは、保育施設についてお答えいたします。
まず、入園申請数の見込みですが、乳幼児人口の推移を考慮した上で、直近である29年度の増加率で予測しております。潜在的な需要につきましては、子ども・子育て計画策定時に調査しており、再調査は考えておりません。
次に、待機児童ですが、転園を希望して申請した方や特定の園を希望される方など、待機児童に含まない方が例年400人以上いますので、その数を除くとゼロとなる見込みです。
また、待機児童の考え方ですが、国の定義に基づくものであります。4月の申請で意向を確認し、利用希望のない場合は待機児童としないカウント方法は合理的だと考えております。
次に、緊急対策ですが、需要の増加を受けて、今年度は1,044人の定員拡大を行い、来年4月には、1,404人の拡大を予定しております。子ども・子育て計画につきましては、現在見直しを行っており、認可保育園を含めた総合的な対策により、新たな需要に対応してまいります。
その他のご質問等につきましては、各担当部長よりお答えを申し上げます。
私からは、都道補助29号線と防災まちづくり、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
木造住宅密集地域を燃えない、燃え広がらないまちにすることは、品川区におけるまちづくりの重要な課題の1つでございます。このために、区として建物の耐震化や不燃化を進めること、延焼遮断帯を形成すること、初期消火としての防災訓練の実施や、街頭消火器、スタンドパイプを配備することなどを重層的に展開していくことが大切であると考えています。区として特定整備路線は、安全・安心なまちづくりにおいて必要な道路であり、見直しを求める考えはございません。
次に、不燃化特区における助成等についてですが、現在、各種助成は地域危険度が高いなど、改善が急がれる区域から取り組みを行っております。不燃化特区における助成につきましては、平成32年度までの期間限定の取り組みであり、現在事業を実施している各地区へのさらなる取り組みが必要であることから、区域を拡大する考えはございません。
また、周知につきましては、引き続き、助成対象となる建物所有者への個別訪問や広報などにより積極的に行っていきたいと考えております。
次に、再開発事業についてですが、地域の課題を解決するために関係権利者が協力して事業を進めるもので、単に開発によるビルの建設や利益だけが目的ではなく、地域における望ましい市街地形成を実現するものでございます。補助金につきましては、事業の公共性を考慮し、適正に支出しているものでございます。
次に、戸越5丁目19番地区の再開発につきましては、老朽化した建物の耐震性の確保や、不燃構造とすること、狭い道路の拡幅や広場の整備などとともに、既存の商業機能のさらなる充実によるにぎわいの創出や、新たな居住者の確保によるまちの活性化をもたらす計画でございます。今後も、まちの発展とにぎわいの継続に向け、地域の皆さんとともにしっかりと取り組んでまいります。
2点目の羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
初めに、新ルート案に対する区の立場についてですが、国からは、今後の日本の経済成長には、首都圏空港の機能強化が必要であり、特に羽田空港の機能強化は不可欠であるとの考えが示されております。区といたしましては、これまでもご答弁申し上げているとおり、国の政策として機能を強化することについては、一定の理解をしているところでございます。
区としては、メリットよりもまず、航空機による環境の変化や安全性について、区民の皆さんが不安を感じており、国としてこれらを払拭することが何より重要であると考え、これまで同様、国に対し強く求めているところでございます。
次に、デメリットについてですが、区としては、地域の方々からいただいているご意見である落下物などの安全面や騒音などの環境面であると捉えております。
次に、落下物についてですが、国は、航空事業において落下物がないよう、地域や一人ひとりの安全確保を図ることは最優先の課題であるとし、未然防止に全力を尽くすとしております。
また、11月から新たにオープンハウス型の説明会を開催し、環境影響等に配慮した方策の進歩状況などの説明や、落下物対策の検討状況について情報を提供しております。あわせて、落下物防止等のための新たな会議体を設置し、基準の策定などを進めていくとしております。
引き続き、区民の皆さんの不安の払拭に向け、万が一にも落下物のないよう、さらなる予防策の検討や徹底的な実行を国に求めていくことが、現段階で区として行うべきことと考えてございます。
私からは国民健康保険料についてお答えいたします。
まず、一般的に国民健康保険の被保険者の所得水準は、社会保険などの被保険者と比較すると低く、そのため、保険料の負担は重いとされております。
保険料につきましては、現在特別区は統一保険料方式を採用しており、独自に引き下げることは困難でございますが、法定外繰入金を投入するなど、区といたしましては、できる限り保険料が上昇しないような努力はしております。
次に、昭和59年当時とは社会状況等が異なっているために、当時の水準に戻すということは非常に困難だと考えております。しかしながら、現状の保険料の負担を鑑み、特別区長会から国庫負担の引き上げなどを国に要望しております。しかし東京都に対して、法定外繰入金の解消や削減などの運営方針を改めるように求めることにつきましては、国のガイドラインに反するため困難でございます。
なお、法定外繰入金につきましては、区といたしましては、今後も国や都の動向を注視してまいります。
次に、滞納整理についてです。保険料は本来自主納付が原則と考えておりますが、納付に応じない一部の被保険者に対しては、納付相談を通じて滞納整理事務を行っております。国民皆保険制度という相互扶助の考え方に基づき実施しておりますが、この制度が維持継続できるよう、事務の執行に当たっては、収入や資産の状況、世帯構成など、個々の生活状況を総合的に鑑みて行っております。したがいまして、支払い能力を超えた分納計画の強制は行っておりません。
次に、子どもの保険証につきましては、滞納者との接触の機会を設けることを目的として、窓口にとりに来ていただくようにしております。しかしながら、ご連絡なくとりに来られない方に対しては、おおむね1か月程度お待ちした後、速やかに送付しております。
また、子どもの均等割軽減につきましては、特別区長会および全国知事会からも国に求めているところでございます。区独自に子どもの均等割り制度をつくるということは、その負担をさらに一般財源で賄うことになり、非常に困難と考えております。
最後に、保険料の負担により生活が厳しい方につきましては、個々に応じた納付相談などを、窓口や電話にて、引き続き丁寧に対応してまいります。
自席から再質問させていただきます。
まず、道路です。29号線によって、住民の生活が壊されるとは思わないかとお聞きしました。答弁がありませんでしたので、ご答弁ください。また、この道路が必要だというだけで根拠が語られませんでした。それ自体が破綻を示していると思います。こちらは防災にもならない、交通の円滑化にもならないと言っていますので、必要だという根拠を示してください。
次に、国保です。保険料は一般的に思いとの答弁でしたけれども、区の認識を伺いましたので、お答えいただきたいと思います。取り立ては、強制はしていないとのことでしたけれども、実際に失業中の母子家庭で月3,000円ずつ払っていた人に、月4万5,000円の分納を了承しないと子どもの保険証も渡さないという対応がされている、これは支払い能力を超えた強制ではないのか伺います。
次に、保育です。4月再申請のやり方は合理的との答弁でしたけれども、希望している人を振り落とすやり方、これのどこが合理的なのか伺います。隠れ待機児を除外しては、どこにも入れない子どもをなくすことはできません。どこにも入れない子が出ないよう緊急対策を求めます。いかがでしょうか。
最後に、羽田です。私が聞いたのは、タウンミーティングでの区長の発言です。区長にお答えいただきたいと思います。区長は、国策として甘受するならメリットを示してほしいと交渉していると言いました。これは羽田新ルートを容認し、その立場を国交省に伝えたということではないのか伺います。区民の命、暮らしを守るには、区長の反対表明こそ必要です。いかがでしょうか。
私からは、防災まちづくりと羽田空港の機能強化についての再質問にお答えいたします。
まず、まちづくりは百年の計とも言われるほど時間がかかるものでございますが、子どもや孫の世代に燃えない、燃え広がらない、安全・安心のまちづくりを進めること、これについては、今、私たちに求められていることであるというふうに考えてございます。しっかりと防災まちづくりを進めていくことが、まちをつくり上げていくものと考えてございます。
また、地震や火災に対する防災性の向上、緊急車両の円滑な通行など、老朽化した木造住宅が密集する地域にはさまざまな課題がございます。都によって防災都市づくり推進計画、こちらのほうが立てられて、この計画の中に細かな内容については記載がございますけれども、これを少しでも早く実現するために、木密地域の不燃化10年プロジェクトが策定されたものでございます。都と連携して早期に解決していくことが重要であると考えてございます。
また、羽田空港の機能強化でございますけれども、こちらのほうにつきましては、当日のご質問のほうがメリット、デメリットというような観点もございましたので、これを中心にご答弁申し上げていたところでございます。
区といたしましては、国のほうが地域に対してしっかりと環境対策等について説明していくというふうに言っているものでございまして、これに対して、区としてその機会をしっかりと設けていくこと、これは当然のことであるというふうに考えてございます。しっかりと今後も国に対して求めていきたいという立場は変わるものではございません。
のだて議員の再質問にお答えいたします。
今、ご紹介のあったご家庭の詳細がわかりませんので、具体的なお答えにはなりませんけれども、一般的なお答えとして、やはり、保険料の負担により生活が厳しい方につきましては、個々に応じた納付相談などを受けまして、また、保険証の交付につきましても、ご相談の上、お渡しすることはあると存じます。何とぞ一刻も早くご相談にいらして、よく相談していただきたいと思います。
私からは、再質問についてお答えいたします。
4月の再申請の件でございますが、一般的には12月ごろ申請され、3月には不承諾の場合、不承諾を通知しております。その間、区外に転出される方、あるいは求職自体をやめた方、さらには認可外に入った方など多くいます。改めて4月にその人の状況を知らなければならないというのは当然であるというふうに考えております。
また、どこにも入れない人が出ないように緊急対策をとのことでございますが、答弁でお答えしましたが、29年4月には、これまでで最大の1,000人を超える数、30年は1,400人を超える定員拡大を行うという緊急対策を行っております。
まず、29号線です。緊急道路ですとか、安全・安心ということばかり言われますけれども、緊急道路は、東日本大震災では道路が車で埋め尽くされて利用できないということは言いました。必要ということばかり言われておりまして、実際に、それしか語れないということは、本当に29号線が必要ではないということだと思います。
改めて住民の生活を壊す29号線の撤回を求めるとともに、住民が住み続けられ、税金も少なく住む住宅の耐震化、不燃化など、直接税金投入する対策こそ進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、国保です。区の認識について答弁がありませんでした。これは、なぜ実態を見ないのでしょうか。負担が重いとも認めないという認識が甘過ぎます。区の認識を改めて伺いたいと思います。
取り立てについては、窓口に相談に来てくださいと言いますけれども、行っても親身に相談に乗ってくれるのではなく、払えの一点張りで追い詰める相談が寄せられているんです。支払い能力を超えた取り立てはやめるよう求めますが、いかがでしょうか。最後に、羽田です。区長の発言についてお聞きしましたが、先ほどの答弁は、区長の発言のことについてでいいのでしょうか。区長が言ったのは、国策だから仕方がない、メリットを求めていると。反対せずにメリットを示してほしいでは容認になってしまいます。国交省に容認して伝えたのか、そうではなくて、反対表明こそ必要だと思います。いかがでしょうか。
まず、特定整備路線、防災まちづくりについてでございますけれども、私ども、これまで事業を進めてきている中で、1つの事業だけでは、やはりこの事業は解決しないというふうに考えてございます。繰り返しのご答弁になりますけれども、耐震化や不燃化、こういったものを進めること、それから延焼遮断帯を形成すること、初期消火としての防災訓練の実施や街頭消火器、スタンドパイプを配備することなど、こういった、あらゆることを重層的に展開していくことが大切であるというふうに考えてございます。
次に、羽田空港についてでございますけれども、区としては、メリットよりも、まず航空機による環境の変化であるとか、安全性について区民の皆様が不安を感じているというのが実態でございます。国として、これらを払拭することが何よりも重要であるというふうに考えてございますので、これまでと同様に、国に対し強く求めていくところでございます。
再々質問にお答えします。
保険料の負担は重い、それについては、区としても思っておりますが、ただ、その中でも、区は区なりに努力をしているということは、ご理解いただきたいというふうに思います。
それから、追い詰めるような支払いを強いているということにつきましては、決してそういうことはないと思いますけれども、よく親身に相談できるような職員の対応も努力しているところでございますので、相談には来所していただきたいというふうに思います。
以上で、のだて稔史君の質問を終わります。